ある生物の固有の遺伝情報全体をゲノム呼ぶが,2019年現在ではゲノムといえば核酸配列を指している.
2003年に ヒトゲノム計画が完了した.計画を推進したのが国際ヒトゲノムシーケンス決定コンソーシアムであり,アメリカ合衆国,中華人民共和国,日本,ドイツ,イギリス,フランスにある研究機関が中心となって組織されていた.同時期に米国 セレラ社によるヒトゲノム配列決定も行われていた.
現在も ヒトゲノム基準配列コンソーシアム( Genome Reference Consortium) によってヒトゲノムの改定が行われている.これまで数年毎の大改訂(major release)とその間の小改訂(minor release)を繰り返している.ヒトゲノム配列はその都度公開されている.例えば,2013年の大改訂でGRCh38が公開された.2017年12月に小改訂でGRCh38.p12が公開された.2018年12月現在ではGRCh39の策定が検討されている.
ヒトゲノムは FASTAという書式で文字列として一般に公開されており,原則的に誰でも利用可能である.いくつかの研究機関は研究開発目的でのこの配列情報利用を推奨している.ヒトゲノム塩基配列は染色体ごとに分けて記載されている.GRCh38公開時点ではヒトゲノムDNAは 核酸塩基が一対一で 相補的塩基対を形成していると考えられているため,ヒトゲノムFASTAファイルには片側だけの塩基配列が記載されている.記載されている方のDNA鎖を プラス鎖(plus strand; + strand)と呼ぶ.記載されていない マイナス鎖は,プラス鎖に対する 逆相補的配列(reverse complement)であり,コンピュータープログラムやソフトウェアによって求めることができる.
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2019年01月27日
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