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2020年01月25日
2019年06月23日
非翻訳領域(ノンコーディングDNA)
2019年02月05日
SNPとSNVとSNAの違い
ヒトなど含めた生物種においてある特徴(class)が二つ以上の異なる形質(object)を示すものを 多型(polymorphism)と表現する.多型は生物の遺伝性,多様性,適応性などを反映したもので,同じ生物種の個体同士を比較した場合でも実に様々な多型が存在することが見て取れる.例えば,女性と男性の見た目の違いといった区別もそうであるし,血液型,耳たぶの大小,目蓋が二重か一重かといったことも多型と捉えられる.一般的に,多型と認識される個別の形質は生物種集団の中で1%以上の頻度があるものを指す場合が多い.
生物の設計図と考えられるDNAにもやはり多型が認められており,特に 遺伝的多型と呼ぶ.例えば,飲酒におけるアルコールに対する忍容性を表す言葉に笊や下戸などがある.これらはエタノールを分解する 酵素の多型に由来していることが知られている.
多型ほどよく知られてないものは 変異と捉えられていることがある.遺伝子DNAにおける一つの塩基(≒一つの塩基対)が基準となるゲノムと別の塩基に置き換えられていることを 点突然変異と呼び,遺伝子 変異の原因になったりすることがある.ヒトにおいてはゲノム上のタンパク質の設計図となる遺伝子は数%程度と少ない.しかし,残りの領域は遺伝子の発現を制御したり未知の機能を有する可能性があったりと無価値なものとは考えられない.そのため,多型や変異の原因となる一塩基置換をゲノム全体に渡って観察することは意味がある.
一つの塩基が基準となるゲノムと異なり置換されている現象は,遺伝子に限らずゲノム全体に渡って観察される.一塩基置換という現象自体は同じであるが,状況に応じて分類され言葉の定義付けがされている.それらは以下のように分類されている.
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生物の設計図と考えられるDNAにもやはり多型が認められており,特に 遺伝的多型と呼ぶ.例えば,飲酒におけるアルコールに対する忍容性を表す言葉に笊や下戸などがある.これらはエタノールを分解する 酵素の多型に由来していることが知られている.
多型ほどよく知られてないものは 変異と捉えられていることがある.遺伝子DNAにおける一つの塩基(≒一つの塩基対)が基準となるゲノムと別の塩基に置き換えられていることを 点突然変異と呼び,遺伝子 変異の原因になったりすることがある.ヒトにおいてはゲノム上のタンパク質の設計図となる遺伝子は数%程度と少ない.しかし,残りの領域は遺伝子の発現を制御したり未知の機能を有する可能性があったりと無価値なものとは考えられない.そのため,多型や変異の原因となる一塩基置換をゲノム全体に渡って観察することは意味がある.
一つの塩基が基準となるゲノムと異なり置換されている現象は,遺伝子に限らずゲノム全体に渡って観察される.一塩基置換という現象自体は同じであるが,状況に応じて分類され言葉の定義付けがされている.それらは以下のように分類されている.
- SNP(スニップ; single nucleotide polymorphism)
観察される一塩基置換が同じ生物種集団の中で少なくとも!%以上に観察されるものである場合に, 一塩基多型と呼び区別される.ゲノム全体に渡って調べられ,公開データベース化されている
- SNV(single nucleotide variant)
基準となるゲノムと比較して,ある個体に観察される一塩基置換がある場合にSNVと呼び区別される.集団内における頻度は問わない.SNVの和訳としては一塩基亜型が考えられる
- SNA(single nucleotide alteration)
ある個体の局所における一塩基がその個体のゲノムと比較して塩基置換されている場合にSNAと呼び区別される.主に多細胞生物における一部の細胞群(クローンなど)で問題となる概念である.癌組織などにこのような一塩基の変化が複数観察される.SNAの和訳としては一塩基変化が考えられる
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2019年02月04日
遺伝子変異
DNAはATGCからなる 核酸塩基の配列情報を有している.核DNAは染色体ごとに反平行な二本鎖からなっている.この配列情報は個体差があるものの,個体間や生物種間である程度似通った部分が存在する.核酸塩基配列の中でも タンパク質合成の設計図とも言える部位を特に 遺伝子と呼ぶ.この遺伝子の塩基配列に他の個体群と異なる塩基配列があった場合に合成されてくるタンパク質にも異常が見られることがある.このため塩基配列を正確に分析することで異常を見つけることができるようになってきた.遺伝子DNAに他の個体群(基準配列)と異なる塩基配列を特に 変異と呼び以下のように分類されている.また,遺伝子DNAの別称として コーディングDNAがあるが,タンパク質を規定していないDNA領域を ノンコーディングDNAと呼ぶ.ノンコーディングDNAにおいても基準配列と異なる場合も下記の用語を同様に用いることが通例である.
化学修飾の例としては,一般にヒストンのメチル化によって遺伝子発現が抑制され,アセチルによって遺伝子発現が亢進すると考えられている.
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- 点突然変異 基準配列と1塩基のみが異なる
- 挿入 基準配列に特定の塩基配列が挿入されている
- 欠失 基準配列に特定の塩基配列が欠損している
- 3塩基の繰り返し 基準配列に特定の3塩基配列が繰り返し挿入されている
- 染色体重複 基準となる核型と比較して特定の染色体が多く存在する
- 染色体欠損 基準となる核型と比較して特定の染色体が存在しない
- 化学修飾(エピジェネティクス; epigenetic) 基準配列と塩基配列自体は同一であるが,塩基やヒストンに化学的な修飾が施されたもの
化学修飾の例としては,一般にヒストンのメチル化によって遺伝子発現が抑制され,アセチルによって遺伝子発現が亢進すると考えられている.
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2019年01月31日
X連鎖優性遺伝(X連鎖顕性遺伝)
ヒトは母と父それぞれ片方ずつから 核に存在する相同染色体を引き継いでいるため 二倍体である.相同染色体の同じ遺伝子座に位置する対立遺伝子が同じであればホモ接合体と呼ばれ,異なればヘテロ接合体と呼ばれる.これらは身体の設計図である 遺伝子型(genotype; ジェノタイプ)を表している.実際に遺伝子が働いて身体の機能を果たしている状態を 表現型(phenotype; フェノタイプ)と表している.一般的に遺伝子型が表現型を規定していると考えると分かりやすいが,遺伝子型になんらかの 変異があったとしても表現型に明らかな異常がない場合もある.また,その逆も真である場合がある.
性染色体について考えた場合に,女性は性染色体がXXのホモ接合体であるのに対して,男性は性染色体がXYのホモ接合体である.
また,非常に稀ではあるがY連鎖遺伝(Holandric inheritance)という遺伝形式が存在する.
性染色体について考えた場合に,女性は性染色体がXXのホモ接合体であるのに対して,男性は性染色体がXYのホモ接合体である.
また,非常に稀ではあるがY連鎖遺伝(Holandric inheritance)という遺伝形式が存在する.
2019年01月26日
メンデルの法則
1865年に グレゴール・メンデルが 発表したメンデルの3法則は以下の通り
メンデルは実験ではエンドウマメの交配により次世代にある法則を持って各種の特徴である 形質が伝わっていく様が明らかとなった.エンドウマメの実の色が緑や黄色といった個性的な形質を持つがこれらを 対立形質(Allelomorphic character)と呼ぶ.対立形質の例としては様々なものが考えられる.例えば,マメの皮が平滑かシワかといったものや,身長が高いか低いかというのもそれに当たる.最も,二つないし三つなどに明確に対立形質が区別されている保証はない.
メンデルの法則の中で最も原則的なものである.メンデルが交配させたエンドウマメの第2世代の子孫で比較的現れにくい形質を合わせ持つ個体が認められた.これは親世代が持つ2つの対立形質はごちゃ混ぜにならずキレイに別々の配偶子に 分配されて子孫に伝わるということを表している.これは後世で現れる 対立遺伝子を用いても説明される内容である.
優劣の法則とも呼ばれてきた.2対もしくはそれ以上の 対立形質(対立遺伝子)がある場合に,表面に現れやすい形質があることが気づかれた.例えば,エンドウマメであれば,色における対立形質である緑と黄のうち緑になりやすいことが観察された.このため緑を優性(顕性),黄を劣性(潜性)とした場合に,優性の形質の方が劣性よりも表面に現れやすいという法則が気がつかれた.
2対もしくはそれ以上の 対立形質(対立遺伝子)がある場合に,それらは互いに依存せずに別々に伝わるという法則である.例えば,エンドウマメであれば,色における対立形質である緑と黄色,皮の性状における対立形質である平滑とシワは,互いに独立して子孫に伝わるということを表している.色が緑で皮の性状が平滑という形質がセットになって(依存して)伝わるということはないということである.
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- 分離の法則
- 優性の法則
- 独立の法則
メンデルは実験ではエンドウマメの交配により次世代にある法則を持って各種の特徴である 形質が伝わっていく様が明らかとなった.エンドウマメの実の色が緑や黄色といった個性的な形質を持つがこれらを 対立形質(Allelomorphic character)と呼ぶ.対立形質の例としては様々なものが考えられる.例えば,マメの皮が平滑かシワかといったものや,身長が高いか低いかというのもそれに当たる.最も,二つないし三つなどに明確に対立形質が区別されている保証はない.
分離の法則
メンデルの法則の中で最も原則的なものである.メンデルが交配させたエンドウマメの第2世代の子孫で比較的現れにくい形質を合わせ持つ個体が認められた.これは親世代が持つ2つの対立形質はごちゃ混ぜにならずキレイに別々の配偶子に 分配されて子孫に伝わるということを表している.これは後世で現れる 対立遺伝子を用いても説明される内容である.
優性の法則
優劣の法則とも呼ばれてきた.2対もしくはそれ以上の 対立形質(対立遺伝子)がある場合に,表面に現れやすい形質があることが気づかれた.例えば,エンドウマメであれば,色における対立形質である緑と黄のうち緑になりやすいことが観察された.このため緑を優性(顕性),黄を劣性(潜性)とした場合に,優性の形質の方が劣性よりも表面に現れやすいという法則が気がつかれた.
独立の法則
2対もしくはそれ以上の 対立形質(対立遺伝子)がある場合に,それらは互いに依存せずに別々に伝わるという法則である.例えば,エンドウマメであれば,色における対立形質である緑と黄色,皮の性状における対立形質である平滑とシワは,互いに独立して子孫に伝わるということを表している.色が緑で皮の性状が平滑という形質がセットになって(依存して)伝わるということはないということである.
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2019年01月19日
DNAの立体構造
ヒトなどの細胞に核を持つ生物を 真核生物と呼ぶ. 大腸菌などのバクテリアは細胞に核を持たず 原核生物と呼ばれる.細胞自体の大きさは真核生物の方が数十倍程度と大きい.真核生物のDNAは細胞内の更に核の中に存在するとされているが,原核生物のDNAは核がないため細胞内( 細胞質)に存在する.
ヒトのDNAは二本鎖DNAは 直線状であるが,大腸菌の二本鎖DNAは 環状である.細胞分裂をしていない通常時( 間期)は,各々の細胞が1セットのDNAを内包している.しかし,ヒトなどの動物の真核生物の細胞内にはミトコンドリアという細胞小器官が複数存在する.各々のミトコンドリアがDNAを内包しているため,ヒトの細胞はヒト由来のDNAと複数のミトコンドリアDNAを持っていると考えられる.現在のところ場合にもよるが, ヒトゲノムといえばヒト由来DNAとミトコンドリア由来のDNAを合わせたものと考えることが一般的ではなかろうか.
ヒトなどの真核生物のDNAは ヒストンというタンパク質に巻きついて存在する.ヒストンは8つのタンパク質(H2A, H2B, H3, H4がそれぞれ2つずつ)からなる 八量体を形成しており形は円筒状となっている.DNAはその円筒に約1周半程度巻きついている.DNAの長さにしておよそ140bpである.このような構造を ヌクレオソームと呼ぶ.
ヒストンには塩基性アミノ酸である リジン(K)や アルギニン(R)が多く含まれており,プラスに電気的な偏りを生じている.一方で,DNAのリン酸ジエステル結合はマイナスに電気的な偏りを生じており互いに引き合っている.
また八量体を形成しているコアヒストンは各ユニットのヒストンタンパク質の N末端側が外側にヌクレオソームの外側に向かって飛び出すような構造となっている.これを ヒストンテールと呼び,様々な 化学修飾を受けることでDNAの働きを調節していることがわかってきている.
真核生物のDNAにはヌクレオソームが複数点在しており,ヌクレオソーム間は線状のDNAが繋いでいると考えられる.この部分のDNAを リンカーDNAと呼ぶ.リンカーDNAはヌクレオソーム間を架橋しいて,更に ヒストンH1がくっついている.
このようにヌクレオソームがDNA上に点在して数珠のような構造になっているのを,例えで beads on a stringと呼んだりする.更に,この構造がらせん状に巻き super-coiled structureや ソレノイドと呼ばれたりする.このように,直線状のDNAは核内で密に畳まれている.近年の研究ではこのような構造をとっているDNAは化学反応が起こりにくかったり損傷を受けにくかったりするのではないかと考えられている.
ヒトのDNAは二本鎖DNAは 直線状であるが,大腸菌の二本鎖DNAは 環状である.細胞分裂をしていない通常時( 間期)は,各々の細胞が1セットのDNAを内包している.しかし,ヒトなどの動物の真核生物の細胞内にはミトコンドリアという細胞小器官が複数存在する.各々のミトコンドリアがDNAを内包しているため,ヒトの細胞はヒト由来のDNAと複数のミトコンドリアDNAを持っていると考えられる.現在のところ場合にもよるが, ヒトゲノムといえばヒト由来DNAとミトコンドリア由来のDNAを合わせたものと考えることが一般的ではなかろうか.
ヒトなどの真核生物のDNAは ヒストンというタンパク質に巻きついて存在する.ヒストンは8つのタンパク質(H2A, H2B, H3, H4がそれぞれ2つずつ)からなる 八量体を形成しており形は円筒状となっている.DNAはその円筒に約1周半程度巻きついている.DNAの長さにしておよそ140bpである.このような構造を ヌクレオソームと呼ぶ.
ヒストンには塩基性アミノ酸である リジン(K)や アルギニン(R)が多く含まれており,プラスに電気的な偏りを生じている.一方で,DNAのリン酸ジエステル結合はマイナスに電気的な偏りを生じており互いに引き合っている.
また八量体を形成しているコアヒストンは各ユニットのヒストンタンパク質の N末端側が外側にヌクレオソームの外側に向かって飛び出すような構造となっている.これを ヒストンテールと呼び,様々な 化学修飾を受けることでDNAの働きを調節していることがわかってきている.
真核生物のDNAにはヌクレオソームが複数点在しており,ヌクレオソーム間は線状のDNAが繋いでいると考えられる.この部分のDNAを リンカーDNAと呼ぶ.リンカーDNAはヌクレオソーム間を架橋しいて,更に ヒストンH1がくっついている.
このようにヌクレオソームがDNA上に点在して数珠のような構造になっているのを,例えで beads on a stringと呼んだりする.更に,この構造がらせん状に巻き super-coiled structureや ソレノイドと呼ばれたりする.このように,直線状のDNAは核内で密に畳まれている.近年の研究ではこのような構造をとっているDNAは化学反応が起こりにくかったり損傷を受けにくかったりするのではないかと考えられている.
2019年01月17日
二本鎖DNA
DNAはその構成単位である デオキシリボヌクレオチドが鎖状に連なった構造で出来ている.ヒトのDNAはしばしば螺旋状にねじれたハシゴのような模式図で描かれることがある.これはヒトのDNAが安定した状態では一本鎖でなく, 二本鎖であることを表している.1950年代初頭に ロザリンド・フランクリンや モーリス・ウィルキンスらによるX線結晶学の研究手法によりDNAの二重らせん構造が予想されていた.
DNAがハシゴとして描かれる場合に,模式図でいうハシゴの支柱になっている部分はデオキシリボヌクレオチドの糖とリン酸が交互に 共有結合して出来ている.この結合のことを特に リン酸ジエステル結合(3',5'-phosphodiester bond)という.
模式図でいうハシゴの踏桟(段)になっている部分は2つの 核酸塩基が向き合って引かれ合っている状態で存在する.この力のことを特に 水素結合という.ちなみに,DNAの骨格を作っている共有結合の方が,水素結合よりもはるかに結びつきが強い.そのため,一般的にDNA二本鎖をほどいて一本鎖にするよりも,DNAを切断する方が大きなエネルギーが必要である. 熱や アルカリを加えると二本鎖DNAは解けて一本鎖となる.この過程を 変性と呼ぶ.逆に一本鎖DNAであったものが,二本鎖DNAへ戻ることを 再生と呼ぶ.
二本鎖DNAは模式図で見ると左右対称なハシゴのように見えるが,実際には向きが存在する.これはデオキシリボヌクレオチドを構成する糖( デオキシリボース)が非対称な形をしていることが一因である.デオキシリボースを構成する5つの 炭素のうち5番目と3番目がDNAの鎖状構造を作る共有結合に関与している.DNAを記述する際に5番目の炭素が先端側または上流側(左側)に来るように書くのが習慣的に行われており, 5'末端(5ダッシュ末端,英語では5 プライム エンド)と呼ばれる.末尾側または下流側(右側)は 3'末端(3ダッシュ末端,英語では3 プライム エンド)と呼ばれる.このようにDNAには方向性が存在している.
方向性のあるDNAではあるが,二本鎖DNAとなった時には互いに反対方向の一本鎖DNAが核酸塩基を介して水素結合した構造となっている.すなわち,二本鎖DNAのうち片方を プラス鎖,もう一方を マイナス鎖と呼ぶ場合に,プラス鎖が5'末端から3’末端の方向に記述され,マイナス鎖は3'末端から5’末端の方向に記述される.このようなDNAの二本鎖構造は 反平行(逆平行)と呼ばれ,両鎖とも順行性である場合と区別される.
クラウティ
DNAがハシゴとして描かれる場合に,模式図でいうハシゴの支柱になっている部分はデオキシリボヌクレオチドの糖とリン酸が交互に 共有結合して出来ている.この結合のことを特に リン酸ジエステル結合(3',5'-phosphodiester bond)という.
模式図でいうハシゴの踏桟(段)になっている部分は2つの 核酸塩基が向き合って引かれ合っている状態で存在する.この力のことを特に 水素結合という.ちなみに,DNAの骨格を作っている共有結合の方が,水素結合よりもはるかに結びつきが強い.そのため,一般的にDNA二本鎖をほどいて一本鎖にするよりも,DNAを切断する方が大きなエネルギーが必要である. 熱や アルカリを加えると二本鎖DNAは解けて一本鎖となる.この過程を 変性と呼ぶ.逆に一本鎖DNAであったものが,二本鎖DNAへ戻ることを 再生と呼ぶ.
二本鎖DNAは模式図で見ると左右対称なハシゴのように見えるが,実際には向きが存在する.これはデオキシリボヌクレオチドを構成する糖( デオキシリボース)が非対称な形をしていることが一因である.デオキシリボースを構成する5つの 炭素のうち5番目と3番目がDNAの鎖状構造を作る共有結合に関与している.DNAを記述する際に5番目の炭素が先端側または上流側(左側)に来るように書くのが習慣的に行われており, 5'末端(5ダッシュ末端,英語では5 プライム エンド)と呼ばれる.末尾側または下流側(右側)は 3'末端(3ダッシュ末端,英語では3 プライム エンド)と呼ばれる.このようにDNAには方向性が存在している.
方向性のあるDNAではあるが,二本鎖DNAとなった時には互いに反対方向の一本鎖DNAが核酸塩基を介して水素結合した構造となっている.すなわち,二本鎖DNAのうち片方を プラス鎖,もう一方を マイナス鎖と呼ぶ場合に,プラス鎖が5'末端から3’末端の方向に記述され,マイナス鎖は3'末端から5’末端の方向に記述される.このようなDNAの二本鎖構造は 反平行(逆平行)と呼ばれ,両鎖とも順行性である場合と区別される.
クラウティ
2019年01月15日
DNAの構成単位
生物個体の中にある何らかの物質が遺伝情報を担うことは遅くとも19世紀までには知られていたようであるが,その構造については近年になるまで解明されていなかった.その遺伝情報を担う物質の解明に大きな貢献をしたのが ジェームズ・ワトソンと フランシス・クリックであった.DNAの立体構造を広く世の中に知らしめたことでも有名である.二人はその功績を称えられ1962年にノーベル生理学・医学賞を受賞した.
水や塩といった自然界にある物質と同様に生命情報を担うDNAも 元素という基本的な物質が合わさって出来た化合物である.DNA(デオキシリボ核酸)は同様の構造の繰り返しによる鎖のような形をしている.この繰り返しの基本単位を デオキシリボヌクレオチドという.デオキシリボヌクレオチドは更に3つの構成単位に分けられる.すなわち, 核酸塩基(単に塩基とも呼ぶ), 糖, リン酸の3つである.糖の仲間にはショ糖などの甘い砂糖があるが,DNAに見られる糖は デオキシリボースと呼ばれ,5つの 炭素から成る 五炭糖(ペントース)である.また,核酸塩基とデオキシリボースの2つから成る化合物を デオキシリボヌクレオシドと呼ぶが,前出の化合物と名称が類似している.
物理や化学などの理科系科目で馴染み深い 周期表は自然界に存在する様々な元素を規則に従いまとめたものである.大まかに言って左上から右下にかけて元素の重さが重たく成るように書いてある.原子力発電所と関係のある ウランや プルトニウムは比較的重い元素である.身近な金属類で言えば, アルミニウムや ニッケルと比べて 金や 鉛の方が重たいと体感したことはあるのではないだろうか.もちろん金属の純度や密度の違いによって実際は異なる場合もあるが,元素の重さを考える上では参考になる.
DNAなどの生体分子も元素からなる化合物であるが,基本的な構造に使われている元素は比較的軽く種類が少ない.デオキシリボヌクレオチドは 水素(H), 窒素(N), 炭素(C), 酸素(O), リン(P)から成る.ちなみに元素名の後ろに書いた英字は 元素記号と呼ばれ化合物の組成を表したりする時に用いられる.
DNAはこれら基本単位であるデオキシリボヌクレオチドが 重合して出来た化合物である.DNAは細長い鎖に例えられるが,このDNAの鎖状構造を形作っているのが五炭糖とリン酸である.遺伝情報を担当しているのが核酸塩基である.DNAでは アデニン(A), グアニン(G), チミン(T), シトシン(C)という4種類の核酸塩基により構成されていると考えられている.ちなみに塩基名の後ろに書いた英字は 塩基記号と呼ばれDNAの組成を表したりする時に用いられる.構造が似ているアデニンとグアニンの総称として プリン(R)がある.同じく構造が似ているチミンとシトシンの総称として ピリミジン(Y)がある.痛風予防として一般的に摂取を控えるように言われるプリン体は,こういった化合物を含むものである.また,英語ではプリンをピュリン,チミンをサイミン,シトシンをサイトシンと呼ばれることもあり日本語訳と印象が異なるが,これには混同を避けようとした訳者の配慮が伺える.
水や塩といった自然界にある物質と同様に生命情報を担うDNAも 元素という基本的な物質が合わさって出来た化合物である.DNA(デオキシリボ核酸)は同様の構造の繰り返しによる鎖のような形をしている.この繰り返しの基本単位を デオキシリボヌクレオチドという.デオキシリボヌクレオチドは更に3つの構成単位に分けられる.すなわち, 核酸塩基(単に塩基とも呼ぶ), 糖, リン酸の3つである.糖の仲間にはショ糖などの甘い砂糖があるが,DNAに見られる糖は デオキシリボースと呼ばれ,5つの 炭素から成る 五炭糖(ペントース)である.また,核酸塩基とデオキシリボースの2つから成る化合物を デオキシリボヌクレオシドと呼ぶが,前出の化合物と名称が類似している.
物理や化学などの理科系科目で馴染み深い 周期表は自然界に存在する様々な元素を規則に従いまとめたものである.大まかに言って左上から右下にかけて元素の重さが重たく成るように書いてある.原子力発電所と関係のある ウランや プルトニウムは比較的重い元素である.身近な金属類で言えば, アルミニウムや ニッケルと比べて 金や 鉛の方が重たいと体感したことはあるのではないだろうか.もちろん金属の純度や密度の違いによって実際は異なる場合もあるが,元素の重さを考える上では参考になる.
DNAなどの生体分子も元素からなる化合物であるが,基本的な構造に使われている元素は比較的軽く種類が少ない.デオキシリボヌクレオチドは 水素(H), 窒素(N), 炭素(C), 酸素(O), リン(P)から成る.ちなみに元素名の後ろに書いた英字は 元素記号と呼ばれ化合物の組成を表したりする時に用いられる.
DNAはこれら基本単位であるデオキシリボヌクレオチドが 重合して出来た化合物である.DNAは細長い鎖に例えられるが,このDNAの鎖状構造を形作っているのが五炭糖とリン酸である.遺伝情報を担当しているのが核酸塩基である.DNAでは アデニン(A), グアニン(G), チミン(T), シトシン(C)という4種類の核酸塩基により構成されていると考えられている.ちなみに塩基名の後ろに書いた英字は 塩基記号と呼ばれDNAの組成を表したりする時に用いられる.構造が似ているアデニンとグアニンの総称として プリン(R)がある.同じく構造が似ているチミンとシトシンの総称として ピリミジン(Y)がある.痛風予防として一般的に摂取を控えるように言われるプリン体は,こういった化合物を含むものである.また,英語ではプリンをピュリン,チミンをサイミン,シトシンをサイトシンと呼ばれることもあり日本語訳と印象が異なるが,これには混同を避けようとした訳者の配慮が伺える.
2019年01月12日
遺伝情報を担うDNA
"蛙の子は蛙の子"ということわざがあるように,子が親に似るということは生き物によく見られることである.別のことわざに"鳶が鷹を生む"というものがあるが,一般的に子が親と全く異なって生まれてくるというのは,生き物においては考えにくいことである.これは生き物が世代交代するたびに遺伝情報などを受け継いでいるに他ならない.ヒトなどの生き物はこれを DNA(デオキシリボ核酸)と呼ばれる遺伝情報として先代から受け継いで持っている.ヒトは 多細胞生物といって,たくさんの細胞から 個体が出来上がっているが,これら一つ一つの細胞が同じDNAを持って生まれてくると考えられている.
遺伝情報であるDNAは世代間をつなぐものであるばかりか,個体の生命活動を維持する働きをも担っている.例えば,食べ物を消化してエネルギーへ変えるといった体の働きも,あらかじめDNAに仕組みが書き込まれていると考えられている.遺伝情報を世代間で受け渡す細胞を 生殖細胞といい,個体の生命活動を維持する細胞を 体細胞という.それぞれ別の働きを担う生殖細胞と体細胞だが,どちらも共通のDNAを持っているのは大変興味深いと思われる.
ヒトを含め全ての生き物はやがて死を迎えるが,個体死は生命の特徴であると考えられる.遺伝情報を担うDNAや生殖細胞だけは次世代に受け継がれるかと思われるが,実際とのところ遺伝情報自体は受け継がれるが,DNAなどの物質は新しく作り変えられるのである.もし何か同じ物質をリレーしていく仕組みであった場合に,物質が失われたり壊れてしまったりしたら,その生き物の 種としての寿命も終わってしまう.しかし,世代交代の際にDNAを新しく合成する仕組みを採用しており,消失や劣化のリスクを回避している.こういった物質の消失や老朽化は避けられないことを前提としたシステムである点がとても面白いと考えられる.
Xserver Business
遺伝情報であるDNAは世代間をつなぐものであるばかりか,個体の生命活動を維持する働きをも担っている.例えば,食べ物を消化してエネルギーへ変えるといった体の働きも,あらかじめDNAに仕組みが書き込まれていると考えられている.遺伝情報を世代間で受け渡す細胞を 生殖細胞といい,個体の生命活動を維持する細胞を 体細胞という.それぞれ別の働きを担う生殖細胞と体細胞だが,どちらも共通のDNAを持っているのは大変興味深いと思われる.
ヒトを含め全ての生き物はやがて死を迎えるが,個体死は生命の特徴であると考えられる.遺伝情報を担うDNAや生殖細胞だけは次世代に受け継がれるかと思われるが,実際とのところ遺伝情報自体は受け継がれるが,DNAなどの物質は新しく作り変えられるのである.もし何か同じ物質をリレーしていく仕組みであった場合に,物質が失われたり壊れてしまったりしたら,その生き物の 種としての寿命も終わってしまう.しかし,世代交代の際にDNAを新しく合成する仕組みを採用しており,消失や劣化のリスクを回避している.こういった物質の消失や老朽化は避けられないことを前提としたシステムである点がとても面白いと考えられる.
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