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2023年10月09日

熱中症

熱中症は身体の体温調節システムが体温を下げることができなくなったときに発生する重篤な病態です.通常人体は体温を36℃から37.5℃の間で厳密に保てるように働いています.(高齢者などは基準となる体温が低い場合がある.)そのため低温環境下において体温を一定に保とうと労作や振えなどにより熱産生する方向に向かいます.逆に高温環境下や労作などによる過剰な熱産生に対して熱放散することで体温を調節しています.一般的に熱産生の方が熱放散よりも難しい場合が多いのですが,何らかの原因で高体温が是正できない場合に熱中症を発症します.

体温に対して通常,高温に長時間さらされたり,暑い環境での身体活動によって引き起こされます.熱中症は生命を脅かす可能性があり直ちに医師の診察が必要です。

熱中症の症状には高体温(通常は39.4°C 以上),皮膚の熱と乾燥,心拍数の上昇,頭痛,めまい,吐き気,錯乱,さらには意識喪失などが含まれます.誰かが熱中症に陥っていると疑う場合は.医師の助けを待つ間,涼しい場所に移動し,熱の放散を妨げるような厚手の衣服を脱??ぎ,自然風やファンなどによって体表面から熱を逃すようにすることが重要です.低い環境温と送風が同時に得られるエアコンは効果的と言えると思われます.冷たい水や氷嚢を体に当てるといった方法も有効に思われますが,熱伝導による熱放散は比較的効率が悪く,また極度の低温ではかえってシバリングなどによって熱産生を促してしまう場合もあるため高齢者や乳幼児など負担が大きいと考えれる患者の場合は考慮が必要です.また熱中症では重篤化すると発汗停止して皮膚から(また程度は少ないが呼気から)の不感蒸泄による放熱が見込めなくなるため,摂取過剰にならない程度に水分摂取が必要です.

熱中症を防ぐためには予防が大切です.特に暑い季節には水分を補給し高温に長時間さらされないようにすることが重要です.軽量で通気性の高い衣服を着用し,日陰や空調の効いた場所で頻繁に休憩し一日の中で最も暑い時間帯に激しい活動を避けることも熱中症の予防に役立ちます.

あなたまたは他の人が熱中症の症状を経験している場合は,すぐに医師の援助を求めることが重要であることを忘れないでください.

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posted by Alice at 21:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 臨床医学
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