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2019年01月29日

「地球の時限爆弾」永久凍土溶解が引き起こす危機 温暖化ガスや病原菌放出

「地球の時限爆弾」永久凍土溶解が引き起こす危機 温暖化ガスや病原菌放出

http://www.afpbb.com/articles/-/3207024



■北半球の陸地の4分の1
 永久凍土とは、凍結した状態の土壌を指すが、その名とは異なり必ずしも「永久」に凍結しているわけではない。大部分は北半球に存在し、その陸地の約4分の1を覆っている。通常は何千年も前から凍ったままで、深さは数メートルから100メートルまでさまざまだ。

 永久凍土は、米アラスカ、カナダ、欧州北部、ロシアをまたぐ北極圏と北方林地帯に広がっている。北半球ほどの規模ではないが、南半球でも南米アンデス(Andes)山脈と南極大陸に存在する。

■大気中のほぼ2倍の炭素
 永久凍土には、凍った大昔の植物や動物の死骸という有機物の形で、推定1兆7000億トンもの炭素が閉じ込められている。

 永久凍土が解けると、有機物が温められ、分解され、最終的に温室効果ガスの二酸化炭素(CO2)とメタンとして放出される。永久凍土は大気のほぼ2倍の炭素を保持しており、その大部分をメタンとCO2が占めている。

■温暖化の悪循環
 永久凍土の溶解による温室効果ガスの放出は、2015年に結ばれた地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定(Paris Agreement)」で決定された、世界の気温上昇幅を産業革命以前と比べて1.5度に抑えるという努力目標を危うくするものだ。

 CO2は地球温暖化の最大要因とされているが、メタンの温室効果はCO2の25倍もある。永久凍土の温室効果ガスが大気中に放出されると、地球温暖化が悪化し、氷が解け、さらに永久凍土の溶解が進み、地球温暖化の悪循環に陥ってしまう恐れがある。

 米マサチューセッツ州ウッズホール研究センター(Woods Hole Research Center)のスーザン・ナタリ(Susan Natali)研究員は2015年、たとえ地球温暖化が2度前後の上昇に落ち着いたとしても、2100年までには永久凍土の30%が失われると指摘している。

 ナタリ氏は研究で、温室効果ガスの排出が現在のペースで続けば、永久凍土の最大70%が失われる恐れがあると指摘し、「永久凍土からの(温室効果ガスの)排出により、地球温暖化がコントロールできない状況に陥ってしまう可能性がある」と警告した。

AFP

via AFPBB News アクセスランキング http://www.afpbb.com/

January 29, 2019 at 01:20AM
posted by blackcoffee11 at 01:21| Comment(0) | AFPBBNEWS
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