あっ、大地震? まず火の始末、・・・が危険!
大きな地震発生時に身を守るためにとる行動(退避行動)の有効性を検討していた文部科学省の専門家部会は25日、揺れの最中には、これまで推奨されてきた「火を消す」「非常口を確保する」よりも無理して動かず、頭を保護するなどけが防止を最優先すべきだとする報告書をまとめた。
地震に見舞われた時、広く知られる「グラッと来たら火の始末」の標語のように動いた結果、家具の下敷きになったり、割れたガラスでけがをしたりする例がたびたび報告されている。こうした昔からの伝承や経験則に基づく行動が、地震時の退避行動として適切か、専門家部会は過去の学術研究をもとに検証した。
報告書によると、震度6級の大きな揺れになると7〜8割の人は動けなくなり、動けたとしても、行動は制限されているとして、「机の下への避難」は、近くに机がない場合は「推奨できない」と判断した。「火を消す」については、都市ガスで自動消火が普及しているため優先度は低いとした。
「外に出ない」の是非については「耐震性がある住宅では、外の方が危険」とし、出ないことを推奨。その根拠として、阪神大震災で、新しい耐震基準を満たした建物での犠牲者が報告されていないことを挙げる。
今回の報告書は、耐震補強されていない住宅での退避行動の検証は十分でない。高層ビルで、ゆっくりと大きく揺れる「長周期地震動」の場合、家具が室内を何往復も移動する危険性も指摘している。
専門委員を務めた東京大・田中淳教授(防災情報学)は、「あらゆる状況に当てはまる避難行動はない。身を守るためには、耐震補強や家具の固定などの事前の対策が一番確実」と語った。
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