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CajonDrumerTetsuya
2017年に倒産したドラムメーカーでドラム職人、カホン職人をしていました。その後、新しく立ち上げたカホンメーカーに合流後、現在は木工職人、ドラム講師、カホン講師、演奏者、ドラムサークルファシリテーター等で活動しています。
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posted by fanblog

2020年08月22日

ヴィンテージライクな音を目指したSAKAEトリロジー

こんにちは。元ドラム/カホン職人のTetsuyaです。
全然、関係ないですが二十歳くらいにバンド活動してたときのバンド仲間(一緒のバンドではない)とツイッターで繋がりました。彼は僕のことを覚えているだろうか?
ふと、城天(大阪城の近くでストリートライブ)を一緒にやっていたバンド、いまどうしてるかな?と思って、ツイッターで検索してみたらでてきた。。。という話でした(笑)
音楽は何十年の時を超えて繋がりますね。

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さて、今回は 前回の続きのブログ になります。旧SAKAEのシリーズでメイプル+ポプラ+メイプルの3プライにレインフォースメント(以下RF)というスペック
trilogy(トリロジー)シリーズ、trilogyというのは三部作といった意味だそうです。

つまり3プライというのをアピールしています。
ラディックの往年の名器3プライ+RFのヴィンテージサウンドを目指したドラムセット、
カバリングの色、バッジの見た目だけではなく、スペックも60年代頃のラディックをリスペクトしています。


現状のラディックも
LEGACY MAHOGANY SERIES、マホガニー+ポプラ+マホガニーの3プライシェルに、メイプル材のRF仕様を展開しています。



実はサカエが3プライのドラムを作るのはこのときが初めてではないのです。
それはYAMAHA時代、2011年クラブカスタムが発売されるちょっと前。。(ひょっとしたら大昔もあったかもしれませんが、僕が入社した1989年以降で、そのときまでは一度もない)
スティーブジョーダン氏が『3プライのセットで、ラディックのモッドオレンジのカラーリングで作ってくれへん?材料はカプールでよろしく!』ってオーダーをしたとか、しなかったとか。。。
実際のところはどんな経緯でそうなったか知りませんが、
新しい塗装『スワールフィニッシュ』と新しい材料『カプール』
を使っての新シリーズ『クラブカスタム』への序章だったのかな?って思います。

それまでのヤマハドラムを知っている方はわかりますが、ヤマハ〜サカエ時代まで胴成形は型の中に2プライから3プライの合板を接着剤をつけてカチこんでいき、胴体の内側からエアバックで圧着させるという作り方。
つまり合板が2枚以上じゃないと作れないのだー。
3プライでは2プライ合板と1プライの単板?、、いやそれは工程上むりなのだ。。

、、といっても、1セット限りの特注品。僕はすぐにひらめきました(笑)
4プライの胴体を作って、成形後に1プライ分削ってしまおう!という強引な作り方(笑)
もちろん時間かかるが、新しい作り方ではないので失敗の心配はない!と思ってこのやり方で製作。。というのがスティーブジョーダン氏特注の思い出。

時は流れ、、数年後にトリロジーシリーズ、3プライドラムを作るにあたり、、この時と同じ作り方ですることになった。。。(笑)

いや、、さすがに生産でこんな時間がかかることできへんやん!!
っていう状態になりました。。
何台かの試作は1プライ剥がし成型でしたものの、採算あわん。。

【回顧録】

その日の夕方、緊急会議はピリピリした雰囲気だった。。
社長、部長をはじめ、核となるメンバー全員が集まり押し黙ったままだ。
それもそのはず、どのような結論に落ち着いたらわからない議論をしているからなのだ。

議題はトリロジーの製造方法、生産するのはほぼ決まりだが4プライの胴体を作って1プライを削るという工程では1台あたりの時間がかかりすぎるからだ。

3プライを諦めて4プライじゃダメなのか?という現実的な提案は完全に却下され、1プライをいかに早く削れるか?という議論になってしまってる。。とはいえ、こんなことに答えは出てこない。。
会議も1時間を超えると完全に感情論になり、、とっくに定時の時間も超えている。誰もが『家に帰りたい』、、と思っていたはずだ(笑)

なんとなく、、1プライを早く削る機械を作る??というような結論になったような、ならないような。。。で2時間超えの会議は終了。

実はこの時、僕の中の脳内会議では3プライはひとつのカタチで考えがまとまりつつありました。
『この会議で発言すべきか?いや、、皆は正しく判断できる思考を失っている。。後日、サンプル品を作って見せよう』という結論になり黙ってました(笑)

やったことがないことだったんで、できるかどうかも確信できなかったんですよね。

〜いまとなってはいい思い出(!?)しんどい会議の回顧録でした〜

カチコミ+スカーフジョイントのハイブリット工法

カチコミ.png

カチコミというのは平行四辺形に切断した合板を円筒状の型に入れ、ハンマーでかち込むという工法。
いままでは合板2枚以上ないと成形ができない。(3プライはむり)
ならば、1枚目は従来のカチコミで、2枚目は単板をスカーフジョイントし(わからない人はググってください)内側からエアバックで圧着。という工程で作ってみました。

もちろん楽な工法です(笑)んで、時間も早い。easyな工法にしていけば、新しい製品であっても、すぐにプロフェッショナルな作り手になれるし、ただ作るだけじゃなく、材料や接着剤、環境にまで気にかけることができるから、生産はeasyな工法じゃないといけない、、という僕の持論です。

結果、この工法が採用されて順調に製造を開始。我々、職人はけっこうこのドラムが好きになったと思います。
こんなに作らせていただいて、、SAKAEファンの方々のおかげです。ありがとうございます。

ヴィンテージドラム自体、全然興味を持っていなかった僕ですがトリロジーを使ってアコースティックなジャズをさせてもらったことがあったんですが、その時に一発で好きになりました。

主張をせず、アコースティックに溶け込むサウンド。特にウッドベースとトリロジーのバスドラムとの相性は抜群でした。
少し、物足りないと感じる場合はヘッドを替えるとかなり変わる印象があったので、やはりデリケートなドラムとは思います。
『ヴィンテージライク』という宣伝文句じゃなくても良かったんじゃないか?と個人的には思っています。

いま現在、レインフォースメント仕様のドラムセット、僕が興味あるところは
TAMA S.L.P. Drum Kit Studio Maple


こちらではレインフォースメントという言い方ではなくSFR(サウンドフォーカスリング)とよんでいます。
HPでは、『メイプルシェル特有の明るくクリアなサウンドに加え、SFRによりタイトな音の輪郭も獲得しています。』と書いてあるように、レインフォースメントをサウンドの味付けとして装着しているようです。

Pearl Masters Maple Reserve


こちらもHPから
『4フ?ライ(5mm)の薄いメイフ?ル・シェルに、レインフォースを上下に施したこのモテ?ルは、薄いシェルの特徴て?もあるふくよかなローエント?と、レインフォースメントの効果によるソリット?なアタックか?特徴。薄いフ?レスフーフ?を内曲け?に加工したFatToneフーフ?は、オーフ?ンな鳴りなか?らサウント?を引き締める効果に貢献。』

やはり音の引き締めに貢献というのがキーワードですね。

昔は補強としての認識しかなかったレインフォースメントですが、サウンドに深く貢献していたっていうのがわかり、現在は積極的にレインフォースメントを使用してサウンドをカスタマイズしているドラムセットができている。
ドラムセットは進化続けているので、またこれからどんなドラムセットができるか楽しみですね。

このブログがドラムセット選びに貢献できればうれしいです。
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