久し振りに目立つ回収事例がでてしまいました。
100円ショップ大手、ダイソーの商品75品目において表示されていない成分が表示されていたり、配合禁止成分が検出されたとのこと。
今回回収を実施したサンパルコ社は京都に本社を置く化粧品OEMメーカー。
得意な品目は入浴剤のようだ。
それでは、創業60年以上の老舗メーカーが防げなかった回収の詳細を見ていきたいと思います。
回収の概要
まず回収の発端は2018/03/13より回収を実施している、「エルファーシルクタッチファンデーション」にパラオキシ安息香酸メチル、化粧品で言うメチルパラベンが全成分表示から抜けていたとのことで、他の商品も自主点検したところ、大量に成分の一部抜けが確認された。
その中で「エバビレーナ白髪タッチ」においては、化粧品への
配合が禁止されているホルムアルデヒドが検出されたとのことで驚きだ。
これらの問題により75品目もの回収が必要となってしまったのである。
なぜその様なことが起こったのか?
現時点では、なぜ全成分の抜けや配合禁止成分が検出されたのかは正式には発表されていないようだ。
そのため、ここから先は個人的な見解となるが、まず商品がダイソー製品であるという点で考える必要がある。
ダイソーと言えば100円均一でお世話になったことは居ないであろう。
だがしかし、化粧品を100円で売るというのは非常に難しい。
特にファンデーション。
大量生産する事でかかる費用は抑えられるが、どう頑張っても100円でファンデーションを日本で作ることはできない。
普通のファンデーションは基本的に顔料と呼ばれる色、塗布しやすくする油、保湿成分でできており、水の割合は非常に少ない。
化粧の原料で一番安いのは水道水。
次点で自社製造の精製水だ。
結局表示名は水となる。
今回回収の発端となった「エルファー シルクタッチファンデーション」は成分に水が含まれていない。
そうなるともちろん単価が高くなり100円均一では難しいので、海外の安い人件費でコストを抑えざるを得なくなる。
今回の商品の製造国は情報が見つけられなかったが恐らく海外と思われる。
(ファンデーション以外は中国、台湾との情報有り)
恐らく開発も海外に任せていたため、その国の基準での開発品の成分表がサンパルコ社に提出され、そのまま表示してしまったのであろう。
成分表示は国によっては記載義務の無いものなどがあるため、販売前にちゃんと国内で使用禁止成分が含まれていないか?配合制限がある場合は基準値以内か?っと科学的に検査、確認しなければならない。
だがこの検査が非常に費用がかかる。
ヒ素や鉛、防腐剤や色素など全てを調べると10万円はかかる。
更パッケージ等にも初期費用がかかるため、75品目もあれば1,000万円を超える費用が係る事が想定される。
こちらの検査費用を回収できるほどこの製品に利益がなく、削れる検査費用を削った結果であると考えられる。
検査が無かったため、本来であれば防げる成分の表示漏れと言う事故のせいで、余計に費用がかかるという最悪の自体に陥ったのだ。
消費者への影響は?
まず表示されていなかった成分に合わない肌質であれば、肌荒れなどのトラブルとなるでしょう。
気が付かずに使用を続けていたら、ダメージによるシワや色素沈着などもあるかもしれません。
化粧品の全成分表示とは、消費者が自分を守るために、自分に合わない成分を排除したり、万が一の肌荒れやアレルギーが発症した時も、病院で受診すれば、成分から原因を掴みやすくするなど、消費者保護の目的で実施されていると考えられます。
化粧品会社としては、折角時間をかけて開発した素晴らしい製品も、成分表からある程度のコピー品が他社で作られてしまうためマイナスでしかないのです。
(厳密に言えば、消費者から成分の問い合わせや肌トラブルクレームの減少等のメリットはある)
そんな重要な成分表示が抜けているのだから問題なんですね。
もう一つのエバビレーナ白髪タッチから検出されたホルムアルデヒド。
ホルムアルデヒドはシックハウス症候群の原因物質としても有名。
ホルムアルデヒドは防腐力が強いのですが、刺激が強すぎて日本では化粧品への配合は禁止されております。
今回は微量検出されたとのとで、数値は公開されていないかと思う。
実際に海外で意図的に添加していたとすれば大問題だ。
微量でも効果が高いので人体への影響もある。
エバビレーナ白髪タッチはマスカラタイプの容器に入った1DAYの一時的な白髪隠しで、被膜剤が入っている。
被膜剤の一部には作るときにホルムアルデヒドが勝手に生成されてしまうものがあり、こちらの可能性もある。
その場合はそこまで高濃度に生成されることはないため、人体への影響はまずないと思われる。
日本でも工業用(化粧品用グレードでは無いもの)の被膜剤にはホルムアルデヒドが含まれるものがある。
まとめ
やはり化粧品を100円で売るには無理がある(・?ω・?)
プチプラは大いに結構だが最低でもキャンメイクやセザンヌ位の価格は出したほうがいい。
また、今回の回収に伴う問い合わせ先はダイソーでは無くサンパルコ社であるため注意してほしい。
サンパルコ社ホームページは コチラ
お知らせ欄に本件に関する案内がpdfファイルで出ております。
一応返金対応を取っているそうですが、電話は繋がりにくいようです。