「予定通り」の開催を主張し続ける国際オリンピック委員会(IOC)、東京五輪・パラリンピック組織委員会、日本政府に反発する声があがり始めた。各世論調査でも7割近くが予定通りの開催はできず、延期か中止という見方が広がっている中、“開催強行”の姿勢への疑問が噴出している。
〇東京オリンピック開催にイタリアから批判 「大きな誤り」「命はもっと価値」
新型コロナウイルスの感染拡大が深刻なイタリアから、東京オリンピックへの厳しい指摘が相次いだ。同国オリンピック委員会の会長を長く務めたペトルッチ氏は通常開催が議論されることに「大きな誤りだ」と述べた。
〇東東京五輪、封印解けた延期論 示されるべき判断材料とは
東京オリンピック(五輪)の「中止」は考えていないが、シナリオは複数考えている——。国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長が米紙で「延期」を示唆した。東京都や大会組織委員会はこれまで、「予定通り」と唱え続けて、「仮定の話には答えない」との立場を取っていた。しかし、IOC会長が「複数のシナリオ」を認めた以上、これまで封印してきた「延期論」を本格的に検討し、追加負担の規模や選手の健康面など、想定される事態や課題を示すべき局面に来ている。
IOCの開催判断のデッドラインは4月いっぱいとみられ、コロナ禍が収まらない場合、延期の流れが加速しそうだ。
〇米国水泳連盟、東京五輪の1年延期を主張するよう求める書簡を公表
米国水泳連盟は20日、米国五輪・パラリンピック委員会に対し、東京五輪の1年間の延期を主張するよう求めた書簡を公表した。
米国水泳連盟は「(新型コロナウイルスの)世界的な感染が広がる中、選手は人生最大の舞台に向けた準備を続けていく方法を見つけることにも苦労している」とした上で、「40万人のメンバー、多くの五輪チャンピオンのリーダーとして、選手のために声を上げるよう強く求める」と訴えた。
〇東京オリンピック 選手からも延期求める声 「開催、確信得られず」
延期を求めたのは、陸上男子800メートルで東京五輪出場を目指すガイ・リアモンス選手(27)で、「平常通りできるとの確約が当局から得られない限り、大会を延期すべきだ」と主張した。安倍晋三首相が14日の記者会見で「ぜひ予定通り開催したい」と強調したことに関しては、「首相の会見を見たが、大会が間違いなく開催されるという確信を得られなかった」と述べた。
英国政府は感染のピークを5月か6月と見込んでおり、リアモンス選手は開催時期について10月以降を希望。可能であれば2021年か22年まで延期することを求めている。
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