新型コロナウイルスの感染が広がる中、感染症の専門医などで作る日本感染症学会が19日から東京で始まり、舘田一博理事長が「今、 日本は第2波のまっただ中にいる 。この先、どう推移するのか注意が必要だ」とする見解を示しました。
はじめに舘田一博理事長が講演し、「今、日本は第2波のまっただ中にいる。全国的にも、東京でも新たな感染者数の推移はピークを迎えているようにも見えるが、再び上昇することがないのか注意する必要がある」と述べ、現在、国内が流行の第2波を迎えているという見解を示しました。
そして、「 この先も第3波、第4波が来ると予想され、新しい生活様式の中で新型コロナウイルスとつきあっていくことになる。学会として、少しでも重症者を減らし、医療現場を混乱から守るため最新の知見を集めていきたい 」と述べました。
学会は21日まで開かれ、合わせて3000人が参加して新型コロナウイルスなどの最新の治療や研究の状況が報告されることになっています。
厚労省「第1波や第2波の定義していない」
厚生労働省は「厚生労働省として第1波や第2波の定義をしていないのでコメントできない。現在の感染状況を評価することについては重要だと考えている」としています。
西村経済再生担当相「大きな波は事実だが状況が違う」
西村経済再生担当大臣は、記者会見で「『第2波』の定義があるわけではない。どう呼ぶかは別として、新規陽性者の数だけを見れば、緊急事態宣言のころより多い時もある。大きな波であることは間違いないが、緊急事態宣言を発出した時とは状況が違う」と述べました。
その上で、「日々、警戒感を持って、数字の確認や分析を行い、月内にも開く分科会で、専門家に分析や評価をしてもらいたい」と述べました。
◇新型コロナ「第二波がこない」スウェーデン、現地日本人医師の証言
毎日の死亡者数は、4月中旬をピークに減少してゆき、現在は、1日数名となった。
データで見るスウェーデンの現状
新型コロナウイルスパンデミックにおいて、ロックダウン政策を取らず、人口あたり世界上位の死者数を出してしまったスウェーデンにおいても、感染第1波は収束した。ロックダウン政策を選択し、その後ロックダウンを解除した国では、すでに第2波が始まりかけているところも多くあるが、スウェーデンでは今のところ感染の再拡大はみられていない。
詳しいデータ、グラフから見るスウェーデンの状況
ICU治療が必要な重症者も減少し、入院者数は激減している。
3月に感染が急拡大し、感染者の追跡調査を諦めて以降、PCR検査は入院が必要な重傷者に限り行われていたが、徐々にPCR検査のキャパシティーは拡大し、6月に入りストックホルム市ではPCR検査や抗体検査を無料で行うようになるなど、PCR検査数が大幅に増加した。検査数の増加に伴い、新規感染者は一時的に増加したが、増加したのは軽症者だけであった。
そしてその後、新規感染者数(新規陽性者数)もPCR検査陽性率もともに減少してきている。
スウェーデンでは6月後半から夏季休暇期間となった。国民は国内での移動制限を勧告されていたが、それが解除され、国内であれば自由に移動できようになった。EU内の渡航制限勧告も、特定の国を除き解除された。もともと国民は、それぞれの判断である程度通常の生活を行ない、休暇期間に入り、その自粛生活にも少し緩みが出ているようにも感じられるが、現在まで感染拡大の再燃は見られていない。
ロックダウンという治療には、感染拡大抑制という効果と同時に、看過できない副作用がある。スウェーデンの専門家グループは、効果と副作用のバランスを考慮して「ロックダウンには、副作用こそあれ大きな効果はない」とした。
また、今回のパンデミックは長期戦になることが予想されたため、長期間持続可能な政策が望ましいが、ロックダウンすることは、経済的にも国民の精神衛生上的にも長期間の継続は難しいとした。しかしながら、実際には国民の日常生活にはある程度の制限が加わっており、部分的ロックダウンであったといえる。
ロックダウンができなかった大きな理由の一つは、憲法の縛りがあったことだ。スウェーデン憲法では、国民の移動の自由が保証されている。つまり、国が国民の移動を規制できないことになっている。
また同憲法では、公衆衛生庁などの公共機関は政府とは独立しており、政治主導の意思決定はできないことになっている。そして、感染症対策に関する法律には、感染症対策を担当するのは公衆衛生庁であると明記されている。つまり、感染症対策は政府の影響を受けることなく、公衆衛生庁が指揮を取ることが法律上担保されているのだ。
EU諸国各国と比べた超過死亡率の推移
一方で、新型コロナ感染症による死亡者の平均年齢は、現時点での社会庁の統計によると83歳であり、2019年のスウェーデンの平均寿命は83.1歳である。83歳時点における平均余命は、スウェーデンの生命表によると7年程度であるが、前述の通り、介護施設に入居している基礎疾患を持つ要介護高齢者の予後は悪く、したがって、平均余命は短いと考えられる。
そのため、新型コロナウイルス感染により、死亡が若干前倒しになっただけだとする見方もある。もしそうであるとすれば、長期的には超過死亡率は相殺されてくるはずである。例年よりも多かった死亡者数は、現在では、例年以下にまで減少している。
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