世界は今、新型コロナウイルスのワクチンを待望しているところだが、次の大きな前進はがんなどの治療に広く用いられている生命工学的な抗体療法から得られるかもしれない。
新型コロナウイルスを特定して攻撃する「モノクローナル抗体」 (特殊な細胞の複製から作り出す抗体医薬品)の開発は有力科学者らからお墨付きを得ており、米国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長も、新型コロナに対する「確実性がかなり高い手法」と評価している。
リジェネロン・ファーマシューティカルズ(REGN.O)のクリストス・キラトソウス最高経営責任者(CEO)はロイターの取材に「抗体は感染を防ぐことができる」と語った。同社は2種類の抗体から成る「 抗体カクテル 」を実験中。2種類を使うのは、1種類だけよりもウイルスがすり抜けるのを止めやすいだろうという考え方だ。 実験の有効性データは今夏の終わりか秋の初めまでに得られる と見込んでいる。
体内の独自の免疫システムを活性化させるワクチンと異なり、モノクローナル抗体は効果がいずれ消える。それでも製薬メーカーは、医療従事者や高齢者など高リスクな人々への感染を一時的に防ぐには有効ではないかとしている。
モノクローナル抗体の 安全性リスクは低い と考えられているが、 費用は高額 になる可能性がある。がんのモノクローナル抗体の場合は年間10万ドル以上かかる可能性がある。また、 新型コロナウイルスが特定の抗体に耐性ができる可能性も懸念 されている。
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