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2017年01月21日
流線【第3話】
早足で学校に到着して、そのまま屋内プールに隣接してる水泳部の部室へと向かう。
まだ5月とはいえもう大型連休を過ぎたあたりから
だんだんと暖かみを肌で感じるようになり、
5月の末日の今では、軽く運動すると汗ばむ程度の気温になってきた。
「緒方サンが走るせいで軽く汗かいちまったじゃねーか!?」
「毎日が競歩大会なんだろ?それにうちは男子校で別に女子がいるわけじゃないし、これから泳ぐんだからいいだろ。」
「あと後輩がまた勘違いするから同級生にサン付けすんのやめろ」
俊平はその性格からもわかる通り、お茶らけた言動が多く、
その一つとして
「ときどき同級生にもさん付けして名前を呼ぶ」
ことがあげられる
そのせいで4月に新しく入ってきた新入生の中に、
俊平のことを自分と同じ同級生だと勘違いする後輩が大量発生した。
その「先輩を軽々しく扱う1年生」を見たうちのお堅い顧問は、
新入生への説教をしはじめ、果てには俺ら二年生までとばっちりを受けたのだった。
俊平は先輩からも同級生からもこっぴどく怒られた。
「まあまあ。これのおかげで俺は1年生との距離も縮まったから、結果オーライよ。」
俊平の全く反省してない様子に軽くあきれていると
だんだんと集合時間が迫り、部室に人が増えてきた。
「しゅんぺーさん、おはざっす!緒方さんもおはようございます!」
「おはよー」
「おう。おはよう」
後輩のあいさつからも1年生の中の「俊平の扱い」がうかがえる。
(まあ慕われてるという意味ではいいんだが。。。)
心の中で、軽くあきらめながら
健吾は他の部員が水着に着替える中、
一人だけジャージに着替えて、
作ってきたメニューやストップウォッチを用意し
プールサイドに向かった。
第4話はこちら↓
https://fanblogs.jp/dapochi/archive/18/0
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