電気街に飽きて、竜山の駅に戻った。
「電気街はコッチ?」と地図を広げた女性に聞かれる。
言葉はわからないが、地図があったので、指し示すと、
その女性は礼をいいながら、電気屋方面に消えていった。
なんで、おれに? と思いつつ、電気街とは反対側の出口を目指す。
竜山は「ソウルの秋葉原」として有名だが、
KTX(韓国高速鉄道)が乗り入れる大型ターミナル駅でもある。
最近、「I’PARK」という巨大な駅ビルが完成。
映画館やスーパーも併設する東洋では最大級のショッピングモールらしい。
http://www.iparkmall.co.kr/ (I’PARKのサイトです=韓国語)
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さらにはコレイル(KORAIL・韓国鉄道公社)が
ここ竜山に世界3位となる超高層ビルを建設することも発表。
ソウルではちょっとしたホットスポットなのですね。
http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=90326&servcode=400§code=400
(中央日報サイト)
現状は駅の西側は電気街、東側は大使館や在韓外国人などが多い梨泰院に連なっている。
梨泰院はアンティーク家具やブティックなどオシャレな店が多いのですね。
I’PARKを目玉に再開発中の東側に抜ける。
豪奢な駅の造りとはかけ離れ、通りに出ると屋台が並ぶ。
近未来的に凝ったデザインの駅ビルとビニールを張って並ぶ屋台の対比が
なんとも韓国的。
成長と生活がなんとなく同居している。
ランチをとろうとビニール張りのひとつに入る。
店先のトッポギが気になり、この好物を今回はまだ食べてなかったことを思い出した。
オバハンが退屈そうにしている店を避け、盛況の店に潜り込む。
「トッポギ、一つね」
忙しそうに店を切り盛りしているオヤジサンに告げる。
テーブルを指差すと、そこに持ってきてくれた。
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韓国で屋台の料理を頼むと、お皿の上にビニールがひかれている。
お皿を洗う手間を省くものだろう。
逆に考えれば、お皿をすっぽり包んでいるので、清潔ではあるが、
ビニールに盛られた料理は日本の人には抵抗があるかもしれない。
かつて住んでいたシンガポールでは、
テイクアウトのジュースやコーヒーを頼むと、ビニール袋に入れてくれる。
いわゆる「金魚袋」、夜店で金魚すくいをしたときに金魚を入れるあの袋だ。
氷を入れ、ココナツやサトウキビのジュース、あるいはコーラを注いでくれる。
上からストローを挿せば、歩きながら飲むこともできる。
女のコが当たり前のようにそれをブラさげ、飲みながら歩いている姿を見て、
日本から来た友達は目を丸くしてたっけ。
東南アジアの国々はこのあたり、見た目よりも実用優先。
きわめて合理的でございますなあ。
ビニール袋に盛られたトッポギを、竹串でつまむ。
これが猛烈に辛い。
辛いのに強いと自負していたのに、辛くて食えない。
ひょっとして舌が衰えたのか、あるいは鈍ったのか。
辛い。
慌てて、勝手に注いで飲めるオデン(日本語と同じ意味と音)の汁をもらいに行く。
ダシの聞いたオデンのスープを飲んでも辛い。
辛(ツラ)いぐらい辛(カラ)い。
どれぐらい辛いかというと、食べられないぐらい辛い。
辛(カラ)いのが辛(ツラ)い。
韓国オルチャンファッションの代表的なサイト《GOGOSING》
そう思い、悪戦苦闘しながら食べていると、他のテーブルの人も辛くてムセている。
あれ? 韓国の人もムセちゃうぐらい?
辛い。
辛くて人気なのか、この店は。
気付けば7〜8あったテーブルはすべて埋まっていた。
みんながテーブルで食べはじめると、
代わる代わるオデンのスープをもらいに歩くさまがおかしかった。
韓国の人も辛いものは辛いのだ。
写真1;屋台売りのトッポギ。この日は冷え込んでいたので湯気が激しい。
写真2;ニギヤカな店先。韓国風の天ぷら「ティギム」が並ぶ。イカゲソやサツマイモなど種類は豊富。
写真3;気付いたらテント内は満席に。左の男性のように紙コップでスープを飲むのが韓国式。
写真4;トッポギはうるち米の餅。もちろん辛くない店もある。
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