「ゲンセンカン主人」「山椒魚」など
奇妙奇天烈でおどろおどろしい不可思議な世界が広がる!!!
必読の漫画!!!
「千と千尋の神隠し」にも、影響を与えてる歴史的名作!!
「ねじ式」
コンピューターのHDに添付していたソフトでしょうか。
記憶が定かではないのです。
まるで、つげ義春の作品そのもののよう。
朧げな断片的な記憶の連なり。
まだ、ノートパソコンが一色で
しかも、そのNECのノートパソコンは
青色の液晶でした。
そのHDの管理ソフトか
そのおまけに何故だか、
つげ義春さんの「ねじ式」のソフトが入っていました。
独特の静けさをもった
その画風と奇妙な世界観に驚きながらも
圧倒的なパワーと存在感を感じました。
何かある。何かある。絶対何かある。
どうも、結構有名な漫画家らしいけど、
あまり見かけないよねえ〜なんて思ってました。
時が流れて、
やっぱり気になっていたんです。
ネットで調べたらありましたよ。
さっそく、「ねじ式」が含まれる
文庫を買いました。
わー、こういう世界なんだ。
怪しすぎる〜!!!
不思議ワールドの不思議な空気感に
あきらか「千と千尋の神隠し」への
影響を感知しました。
これは影響を受けます。
夢に出て来そうなインパクトがありますから。
映像化したくなる
強烈なイメージが心に植え付けられてしまいます。
いや、むしろ、逆です。
私たちの心の奥底に潜んでいる
怪しいイメージを
つげ義春の絵とストーリーは
呼び起こして見せるんです。
文庫の帯にこうあります。
不安と緊張、
そして心地よい無力感・・・。
[夢]の増殖としか
呼びようのない
つげ世界の精髄を
結集した必読の一冊!!
映画「ゲンセンカン主人」で主演した
佐野史郎が帯の裏にコメントを書いてます。
じつは「自分が、つげ義春のファンである」ということを
自覚させられたのは、ここ最近のことである。
確かに中学時代の「ガロ」以来ずっと
好きで読んで来た。
けれども、最初から非情にすんなりと、
当たり前のことのように入ってきたので、
体に染み付いているというのか、
何か自分の一部という感じですらしていた。
さすが、佐野さん。
この作品の本質を見極めています。
「あたりまえ」と言い切ってしまう勇気が
凄いです。
誰でもが、
心の奥底に隠し持っているような
感情やイメージの
おどろおどろしい無意識の世界を
つげ義春さんは画像化して
ストーリーにして
我々の目の前に曝してしまいます。
いいのかなあ〜
でも、確かにね。
そんな感じなんです。
ハマりますよ。
確実に。
記憶に焼き付きますよ。
いや、記憶を呼び覚まされますよ。
とおーい過去のあのときに
無意識の奥であなたが感じていた
あんなことこんなこと・・・・
第1話/ねじ式
第2話/沼
第3話/チーコ
第4話/初茸がり
第5話/山椒魚
第6話/峠の犬
第7話/噂の武士
第8話/オンドル小屋
第9話/ゲンセンカン主人
第10話/長八の宿
第11話/大場電気鍍金工業所
第12話/ヨシボーの犯罪
第13話/少年
第14話/ある無名作家
あらすじ
第3話「チーコ」
1間の狭苦しいアパートに住む夫婦。
売れない漫画家の夫を、ホステスをする妻が養っている。
その妻がある日、夫に向かって「文鳥が飼いたい」と言い出した。
夫は渋るが、お金まで用意していた妻に押され、
彼らは連れだって文鳥を買いに行く。
いつしか「チーコ」と名付けられたその文鳥は、
しだいに夫にも可愛がられるようになっていた。
そんなある日、夫は遊んでいる最中に、誤ってチーコを床にたたき付け、
死なせてしまう
「沼」
第7話「噂の武士」
温泉にやってきた武士・平田は、
泊まった宿で相部屋を言い渡される。
部屋に入ってきた男は異相の持ち主であり、
かつ何気ない動作にもすきがなく、
平田の目にはいっぱしの武芸者と映った。
その後も平田は彼の振る舞いを観察し続け、
確信をもって「彼は宮本武蔵である」と宿の主人に告げる。
主人がそのことを触れ回った結果、
宿にはたちまち近所から客が押し寄せ、超満員となったのだが。
第14話「ある無名作家」
漫画家をしている安井のもとに、
かつてアシスタントをしていたときの同僚・奥田が訪ねてきた。
彼はアシスタントの仕事では自己表現ができないと考え、
安井と入れ違いのように辞めてしまっていたのだ。
しかしその後もつきあいは細々と続き、
その間に奥田はバーテンを経由して、
挙句にトルコ嬢のひもに成り下がっていた。
その他DATA&解説・佐野史郎
誰もが経験したことがあるような
悪夢の世界を再現し、
コミック界に金字塔を打ち立てた
「ねじ式」をはじめ、
作者の代表作ばかりを集めた短編集。
巻末に、映画『ゲンセンカン主人』に主演した
俳優/佐野史郎の解説を掲載。
1995年1月10日に第1刷発行で、
僕の持っている本は2011年4月20日台35刷発行です。
日々鬱陶しく息苦しく、
そんな日常や現世から、
人知れずそっと蒸発してみたい——
やむにやまれぬ漂泊の思いを胸に、
鄙びた温泉宿をめぐり、
人影途絶えた街道で、
夕闇よぎる風音を聞く。
窓辺の洗濯物や
場末のストリップ小屋に郷愁を感じ、
俯きかげんの女や寂しげな男の背に共感を覚える……。
主に昭和40年代から50年代を、
眺め、佇み、感じながら旅した、
つげ式紀行エッセイ決定版。
つげ義春ワールドの極点
「ねじ式」に始まる“夢の作品群”と、
それと並行して書かれた若い夫婦の生活を描いた
“日常もの”を集大成。
つげ/義春
1937(昭和12)年、東京葛飾生まれ。
小学校卒業とともにメッキ工場に勤める。
その後職を変わりながら、
職業としてマンガ家をめざし、
1955(昭和30)年に単行本『白面夜叉』で本格デビュー。
貸本マンガや子供向け雑誌で活躍。
1965(昭和40)年から「月刊漫画ガロ」に作品を発表し、
じょじょに注目を集めるようになる。
マンガ家つげ義春が写した温泉場の風景。
一九六〇年代から七〇年代にかけて、
日本の片すみを旅した、
つげ義春の視線がいま鮮烈によみがえってくる。
旅人・つげ義春が見た温泉の風景とは?
1960年代末から70年代にかけて、
日本列島の片すみにあった温泉宿を探して、
青森、秋田、福島など、東北や九州を旅した、つげ義春。
農村の湯治場に集う人々の表情や、
絶望的に静かな雰囲気を見事に写し撮った作品は、
忘れられた貴重な記録であるとともに、
強烈なつげワールドである。
2003年刊のカタログハウス版を大幅に再編集した。
以前青林堂から箱入りの豪華装丁で出版された
同名作品集の復刻版。
初出誌サイズ、雑誌掲載時と同じく
アカ版を使った2色刷りで、
初出時の衝撃をそのまま再現した作品集が、
文庫版の1色づかいでしか『ねじ式』を知らない
読者には嬉しい限り。
再現で特に面白いのは『ねじ式』で、
1976年小学館文庫で刊行された際に
著者が手を加えた部分がオリジナルに戻されていて、
両者を読み比べてみると違いがはっきりとわかる。
主人公の顔により陰影が書き加えられていたり、
「眼科」の看板を「眠科」と間違えた部分が再現されていたりと、
マニアックな愉しみに満ちている。
青林堂版に収録されていた『断片的回想記』に加え、
水木しげる著『近藤勇』の取材で京都へ行った時の旅行記と
4歳の時の密航記が新たに追加されていて、
詳細な作品解説や年譜とともに読み応え充分。
本来あるべき姿のつげ義春に出会えたような本。
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