トム・ジョーンズって結構暑苦しいです。
ねちっこいヴォーカル。
「恋はメキメキ」 とか流行りました。
でも、僕のお勧めは違うんです。
「グリーン・グリーン・グラス・オブ・ホーム」 !
この曲が 名曲 なんです。
曲名を聞いたことがある人も多いと思うのですが、
この曲って バージョンがいくつか あるんですよね。
邦題が「思い出のグリーングラス」、 1966年の全英1位 です。
アメリカでも流行りました。
オリジナルバージョンは途中で台詞が入って、
ここで 「大どんでん返し」 になるんです。
まるで、星新一のショートショートのようです。
トム・ジョーンズは浪々と
気持ちのよい声で歌い上げます。
故郷の街に帰省する男が
目にする風景が語られます。
ありありと目の前に
彼の故郷の美しい光景が
浮かんできます。
そしてその光景は色彩に溢れています。
誰にでも思い出したくなる
幼い頃の街の風景ってありますよね。
子供時代の懐かしい思い出と
故郷の美しさが歌い上げられます。
故郷の人たちの懐かしい姿。
ほぼ繰り返しの3番の後に
せりふが入ります。
そこで聞いているこちらは
突然に
彼が実際には
灰色の刑務所の独房にいることを知るわけです。
彼は死刑囚で
故郷の街を思って
孤独に思い出を辿っていただけなのです。
ね!どんでん返しでしょ。
夜明けには
死刑が執行されて死ぬ運命なんです。
死刑執行後は
故郷の街に運ばれて
埋められるのだと
歌い手の男は考えているのです。
ピアノの音がブルースというか、
ホンキートンクというか、
渋いんです。
種明かしのない、バージョンもあるんですが、
絶対、台詞付きの 「プリズン・ソング」 (刑務所ソング)の方が奥が深いです。
前半の色彩の洪水と、後半の灰色の刑務所のイメージ、
そして最後の静かな緑の芝生。 一編のドラマのような歌 です。
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