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2015年11月24日
外国へ行く人に読んで欲しい珠玉のエッセイ集!梨木香歩の「春になったら莓を摘みに」海外旅行や異文化理解に必要な人間としての心構えや気持ちの置き所を教えてくれるエッセイ集が素晴らしい!
外国へ行く人に読んで欲しい珠玉のエッセイ集!
海外旅行や異文化理解に必要な
人間としての心構えや気持ちの
置き所を教えてくれる旅紀行!
朝日新聞の書評で
ある女子スポーツ選手が
推薦していました。
国際試合にも
参加して活躍されている
選手のようで
海外へ一冊持っていくのは
この本だと推薦。
なんか、ピンときました。
普段は女性の推薦は
自分が男性なもんで
あまり重視しません。
でも、その時は
海外旅行が好きな自分の直感で、
あ、わかる。これは、役に立つ本だ!
と思いました。
すぐに、購入して読んでみたところ
大正解でした。
結構有名な小説
「西の魔女が死んだ」の作者さんでした。
このエッセイに感動したので
小説も読んでみたいなと思いました。
人を観察する
その感性の鋭さ。
人を理解して
言葉に表そうとする
情熱と表現力。
卓越しています。
人生の様々な場面で
こんな風に
感じたことは僕もある。
だけど、
それを、彼女がするように
きちんと言葉にして
残すことが僕には
できているだろうか。
少しの嫉妬と
大いなる尊敬と
果てしない喜びを持って
僕はこのエッセイを読んだ。
海外旅行へ出かけて
異文化と触れ合う時に
誰もが経験する
さまざまな心の揺れ。
そして、その揺れに
自分がどのように
向き合い
逃げずに生きることが
できるのか。
そんなことを
考えずにはいられない
真摯な経験談の
数々が美しく的確な
表現でもって
言葉に定着されています。
文庫本の
表紙の写真がとても
素敵だなあと思っていたら
なんと、あの星野道夫さん撮影!
装幀にも感動しちゃいました。
気に入った部分を
少し抜粋します。
「そういえば、
ジョーは英国人特有の皮肉とか、
ブラックユーモアとかを
まったく言わない人だった。
生徒の集団を前にしたときのように、
とてつもなく外交的になるか、
人を寄せ付けないほど自分自身に沈み込むか、
どちらかだった。
英国人の形容によく使われる、
シャイなどという中途半端な態度は、
まだまだ精神的に余裕のある証拠なのだろう。
彼女にシャイという形容は
甘すぎて似つかわしくなかった。」
「何かが、ケタ外れに親密だった。
私は少し警戒していたのかもしれない。
リビングはエイドリアンの気配で
いっぱいになっていた。
エイドリアンの目にはどこか、
必死でしがみついている人の
静かな熱狂があった。
私はちょっとたまらずに
リビングを辞した。」
「…….こういう嗜好は
私たちの中に確かにある、
けれど私たちはお互いの知らない
それぞれの思春期を通して、
注意深くそれをコントロールしてきたよね、
それがあくまでも趣味の領域をでないように、
そうだっったでしょう?
こんなにも無防備に、それに ー
つまり無所属というようなことに ー
激しく感応するセンサーは、
何か不吉な方向性をもっているのではない?」
「ビンタには、英国にいる
アフリカからの留学生にときどき見られる、
独特の痛々しい構えのようなものー
出会いの最初からあらかじめ傷つけられているようなー
があり、ナイジェリア人らし誇り高くもあったけれど、
もっとしゃべりやすかった。
こう書くと相手の弱みをアドバンテージに
とっているようだけれど、
傷つきやすさを、変に威丈高にカバーして
コンプレックスにしてしまわず、
そのままで相手の前に無防備にさらせる人を
私は尊敬する。誠実な気品のようなものすら感じる。」
「 ー 驚いたでしょう?
でも、これが伝統的な
日本のヌードルの食べ方とされているの。
ディディは顔色一つ変えず即座に答えた。
ー それが文化である限り、どんなことであろうと
私はそれを尊重する。文化である限りは。
これを聞いた日本の知り合いは嬉々として
『江戸っ子の蕎麦の食べ方』について薀蓄を傾け始め、
ディディは大真面目に頷きながら、聞き入った。
珍妙な光景であった。」
「アダがそこで私に期待したのは
『ムキになること』だった。
多少ソフィスティケートされていない
やり方だとは思ったが、私は乗った。
ー おもしろかったわ。
あなたがあんなに子供っぽくむきになるなんて。。。
ウエスト夫人はあとで
クツクツ笑いながらいった。
ー 私はナショナリストではないけれど、
私は澄まして応えた。
ー 母国の間違った情報が伝播されるのは
阻止する義務があります。
ウエスト夫人は笑い転げた。」
「私はまださっきの波だった気分を引きずっていた。
通じ合えるはずだ、と思った。
この感情を彼に伝えたいと思った。
私は本当にはどう感じたのだったろうか。
憤慨?屈辱?いやいや、そんな表面的なものに
惑わされずにいよう。私が本当に感じたのは。。。。
ー あなたが私の言うことを
信じてくださらなかった、あのとき。
私は彼をまっすぐ見てトーンを落とし、
ゆっくり話しかけた。彼の動きが止まった。
ー 私は本当に悲しかった。
静かだった。うつむいた彼の顔が
一瞬で真っ赤に変わった。」
さまざまな異文化を持つ人々
自分に偏見を持つ人に出会っても
自分を見つめ、人間として
強く誇り高く分かり合っていこうとする
梨木香歩さんの知性的な感じ方、考え方、行動に
多くのことを学べました。
内容(「BOOK」データベースより)
「理解はできないが、受け容れる」
それがウェスト夫人の生き方だった。
「私」が学生時代を過ごした英国の下宿には、
女主人ウェスト夫人と、
さまざまな人種や考え方の住人たちが暮らしていた。
ウェスト夫人の強靭な博愛精神と、
時代に左右されない生き方に触れて、
「私」は日常を深く生き抜くということを、
さらに自分に問い続ける—
物語の生れる場所からの、著者初めてのエッセイ。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
梨木香歩
1959(昭和34)年生れ。英国に留学、
児童文学者のベティ・モーガン・ボーエンに師事
内容紹介
中学に進んでまもなく、
どうしても学校へ足が向かなくなった少女まいは、
季節が初夏へと移り変るひと月あまりを、
西の魔女のもとで過した。
西の魔女ことママのママ、
つまり大好きなおばあちゃんから、
まいは魔女の手ほどきを受けるのだが、
魔女修行の肝心かなめは、
何でも自分で決める、ということだった。
喜びも希望も、もちろん幸せも……。
その後のまいの物語「渡りの一日」併録。
出版社からのコメント
<第44回小学館文学賞受賞>
<児童文学者協会新人賞受賞>
<新美南吉文学賞受賞>
「西の魔女」とは、
中学生の少女まいの祖母のこと。
学校へ行けないまいは、祖母のもとで、
何でも自分で決められるようになる「魔女修行」をすることに・・・。
生きる力を与えてくれる、癒しの児童文学、誕生。
中学校に入ったばかりのまいは、
学校へ行けなくなった。
そして田舎のおばあちゃんのところへ行くことになった。
畑や林、川や緑の山に囲まれて過す日々、
何よりもおばあちゃんとの生活が楽しいまいであったが、
「西の魔女」とはだれだろうか?
梨木香歩
1959(昭和34)年、鹿児島生まれ。
『西の魔女が死んだ』で日本児童文学者協会新人賞、
新美南吉児童文学賞、小学館文学賞を、
『裏庭』で児童文学ファンタジー大賞を受賞
海外旅行や異文化理解に必要な
人間としての心構えや気持ちの
置き所を教えてくれる旅紀行!
朝日新聞の書評で
ある女子スポーツ選手が
推薦していました。
国際試合にも
参加して活躍されている
選手のようで
海外へ一冊持っていくのは
この本だと推薦。
なんか、ピンときました。
普段は女性の推薦は
自分が男性なもんで
あまり重視しません。
でも、その時は
海外旅行が好きな自分の直感で、
あ、わかる。これは、役に立つ本だ!
と思いました。
すぐに、購入して読んでみたところ
大正解でした。
結構有名な小説
「西の魔女が死んだ」の作者さんでした。
このエッセイに感動したので
小説も読んでみたいなと思いました。
人を観察する
その感性の鋭さ。
人を理解して
言葉に表そうとする
情熱と表現力。
卓越しています。
人生の様々な場面で
こんな風に
感じたことは僕もある。
だけど、
それを、彼女がするように
きちんと言葉にして
残すことが僕には
できているだろうか。
少しの嫉妬と
大いなる尊敬と
果てしない喜びを持って
僕はこのエッセイを読んだ。
海外旅行へ出かけて
異文化と触れ合う時に
誰もが経験する
さまざまな心の揺れ。
そして、その揺れに
自分がどのように
向き合い
逃げずに生きることが
できるのか。
そんなことを
考えずにはいられない
真摯な経験談の
数々が美しく的確な
表現でもって
言葉に定着されています。
文庫本の
表紙の写真がとても
素敵だなあと思っていたら
なんと、あの星野道夫さん撮影!
装幀にも感動しちゃいました。
気に入った部分を
少し抜粋します。
「そういえば、
ジョーは英国人特有の皮肉とか、
ブラックユーモアとかを
まったく言わない人だった。
生徒の集団を前にしたときのように、
とてつもなく外交的になるか、
人を寄せ付けないほど自分自身に沈み込むか、
どちらかだった。
英国人の形容によく使われる、
シャイなどという中途半端な態度は、
まだまだ精神的に余裕のある証拠なのだろう。
彼女にシャイという形容は
甘すぎて似つかわしくなかった。」
「何かが、ケタ外れに親密だった。
私は少し警戒していたのかもしれない。
リビングはエイドリアンの気配で
いっぱいになっていた。
エイドリアンの目にはどこか、
必死でしがみついている人の
静かな熱狂があった。
私はちょっとたまらずに
リビングを辞した。」
「…….こういう嗜好は
私たちの中に確かにある、
けれど私たちはお互いの知らない
それぞれの思春期を通して、
注意深くそれをコントロールしてきたよね、
それがあくまでも趣味の領域をでないように、
そうだっったでしょう?
こんなにも無防備に、それに ー
つまり無所属というようなことに ー
激しく感応するセンサーは、
何か不吉な方向性をもっているのではない?」
「ビンタには、英国にいる
アフリカからの留学生にときどき見られる、
独特の痛々しい構えのようなものー
出会いの最初からあらかじめ傷つけられているようなー
があり、ナイジェリア人らし誇り高くもあったけれど、
もっとしゃべりやすかった。
こう書くと相手の弱みをアドバンテージに
とっているようだけれど、
傷つきやすさを、変に威丈高にカバーして
コンプレックスにしてしまわず、
そのままで相手の前に無防備にさらせる人を
私は尊敬する。誠実な気品のようなものすら感じる。」
「 ー 驚いたでしょう?
でも、これが伝統的な
日本のヌードルの食べ方とされているの。
ディディは顔色一つ変えず即座に答えた。
ー それが文化である限り、どんなことであろうと
私はそれを尊重する。文化である限りは。
これを聞いた日本の知り合いは嬉々として
『江戸っ子の蕎麦の食べ方』について薀蓄を傾け始め、
ディディは大真面目に頷きながら、聞き入った。
珍妙な光景であった。」
「アダがそこで私に期待したのは
『ムキになること』だった。
多少ソフィスティケートされていない
やり方だとは思ったが、私は乗った。
ー おもしろかったわ。
あなたがあんなに子供っぽくむきになるなんて。。。
ウエスト夫人はあとで
クツクツ笑いながらいった。
ー 私はナショナリストではないけれど、
私は澄まして応えた。
ー 母国の間違った情報が伝播されるのは
阻止する義務があります。
ウエスト夫人は笑い転げた。」
「私はまださっきの波だった気分を引きずっていた。
通じ合えるはずだ、と思った。
この感情を彼に伝えたいと思った。
私は本当にはどう感じたのだったろうか。
憤慨?屈辱?いやいや、そんな表面的なものに
惑わされずにいよう。私が本当に感じたのは。。。。
ー あなたが私の言うことを
信じてくださらなかった、あのとき。
私は彼をまっすぐ見てトーンを落とし、
ゆっくり話しかけた。彼の動きが止まった。
ー 私は本当に悲しかった。
静かだった。うつむいた彼の顔が
一瞬で真っ赤に変わった。」
さまざまな異文化を持つ人々
自分に偏見を持つ人に出会っても
自分を見つめ、人間として
強く誇り高く分かり合っていこうとする
梨木香歩さんの知性的な感じ方、考え方、行動に
多くのことを学べました。
内容(「BOOK」データベースより)
「理解はできないが、受け容れる」
それがウェスト夫人の生き方だった。
「私」が学生時代を過ごした英国の下宿には、
女主人ウェスト夫人と、
さまざまな人種や考え方の住人たちが暮らしていた。
ウェスト夫人の強靭な博愛精神と、
時代に左右されない生き方に触れて、
「私」は日常を深く生き抜くということを、
さらに自分に問い続ける—
物語の生れる場所からの、著者初めてのエッセイ。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
梨木香歩
1959(昭和34)年生れ。英国に留学、
児童文学者のベティ・モーガン・ボーエンに師事
内容紹介
中学に進んでまもなく、
どうしても学校へ足が向かなくなった少女まいは、
季節が初夏へと移り変るひと月あまりを、
西の魔女のもとで過した。
西の魔女ことママのママ、
つまり大好きなおばあちゃんから、
まいは魔女の手ほどきを受けるのだが、
魔女修行の肝心かなめは、
何でも自分で決める、ということだった。
喜びも希望も、もちろん幸せも……。
その後のまいの物語「渡りの一日」併録。
出版社からのコメント
<第44回小学館文学賞受賞>
<児童文学者協会新人賞受賞>
<新美南吉文学賞受賞>
「西の魔女」とは、
中学生の少女まいの祖母のこと。
学校へ行けないまいは、祖母のもとで、
何でも自分で決められるようになる「魔女修行」をすることに・・・。
生きる力を与えてくれる、癒しの児童文学、誕生。
中学校に入ったばかりのまいは、
学校へ行けなくなった。
そして田舎のおばあちゃんのところへ行くことになった。
畑や林、川や緑の山に囲まれて過す日々、
何よりもおばあちゃんとの生活が楽しいまいであったが、
「西の魔女」とはだれだろうか?
梨木香歩
1959(昭和34)年、鹿児島生まれ。
『西の魔女が死んだ』で日本児童文学者協会新人賞、
新美南吉児童文学賞、小学館文学賞を、
『裏庭』で児童文学ファンタジー大賞を受賞