イタリアの島に難民が大量流入、沈没事故で不明者100人超
(CNN) 北アフリカのチュニジアやリビアを脱出した難民が、イタリア南西部の島に大量に押し寄せて問題になっている。数百人を乗せた船が地中海で転覆し、100人以上が行方不明になる事故も起きた。
イタリア沿岸警備隊によると、約200人を乗せた船が5日に同国のランペドゥーサ島沖約62キロの地点で沈没し、6日現在も約100人が行方不明になっている。国際移住機関(IOM)では、同船には約300人が乗っており、行方不明者は250人に上るとした。乗っていたのはほとんどがチュニジアからの難民だったとみられる。
ランペドゥーサ島は距離的にはイタリアよりもチュニジアの方が近く、過去数週間で2万2000人以上の難民が押し寄せているとの情報もある。
チュニジアでは反政府デモの拡大により1月にベンアリ政権が崩壊した。しかし期待していたような変化がないことに不満を募らせる国民も多く、チュニジアからランペドゥーサ島に来た1人は「革命は起きたが何も変わらなかった」「私たちは何も求めていない。ただ欧州で仕事を見つけられたらと思っている」と話した。
さらに、内戦が続くリビアからの脱出者も多く、IOMによれば、リビア沿岸を出港した船で約2000人がランペドゥーサ島に流入している。同島の移民受け入れセンターは、収容能力800人のところに約5000人が押し寄せているという。イタリア外相は、30万人がリビアを脱出し、イタリアに入国する可能性があるとの推計を公表した。
イタリア政府はこうした事態を受けて人道的非常事態を宣言、欧州連合(EU)に対し、難民流入を食い止めるための支援を求めた。
チュニジア国営TAP通信によれば、同国とイタリアの内相が今週に入って会談し、経済、社会、治安情勢を考慮した移民政策のための合意文書に調印した。
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