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2016年06月01日

217.Child of Light

 おはようございます。あるへです。
 本日はこちら「チャイルドオブライト」のレビューです。

 古き良きJ-RPGをリスペクトし、あえてエンカウント制やターン制のシステムを取り入れた力作なのですが、世間の評価とは裏腹に、蓋を開けてみるとイマイチ面白味に欠ける作品でした。

公式サイト

 私もニュースやレビューに踊らされて(?)、というかRPG好きの性分なんで本作が骨太なRPGであるとわかっただけで購入の動機にはなるのですが、かなり期待して待っていた作品でした。

 初め、触った感じとしては主人公が地に足を付けずにフワフワとマップを移動できる浮遊感、髪の揺れ具合がそれを後押しし、少し寂しげなゆったりとしたBGMや水彩風のグラフィックは、たしかに雰囲気としてはすごく良かったです。
 ただ、ストーリーを進めていくと、このストーリーというのがかなり(良く言えば)詩的なセリフ回しで、ぶっちゃけ意味がわかんない……。
 雰囲気づくりのための詩的な言い回しは良いとしても、結局言っていることは割とシンプルかつ底の浅いことだったり、わざと意味深なジョークだったりで、個人的にはこのストーリーについていけず、本作の世界には入り込めませんでした。
 ぱっと見た目の雰囲気だけは非常に美しいので、致命的ではないのですが、どうせならストーリーとともにこの世界に浸りたかったというのが本音のところです。

 そして戦闘パート。
 本作はFFシリーズ前半(4、5、6あたり)を意識したいわゆるATB(アクティブターンバトル)にタイミングや能動的な操作を盛り込んだシステムで、慣れてくると戦闘は思った以上に忙しかったです。

 その一因となるのがサポートキャラ、イグニキュラスの存在で、通常の操作キャラはターンが回ってくればその都度コマンドを選択し、攻撃に向かわせるのですが、その間の待ち時間にこのイグニキュラスを操作し(スティックで自由に戦闘画面を飛び回れる)端に咲いた花を摘んで彼らのHPを回復してやったり、敵にまとわりついて時間の進みを遅くしてやったりといった仕事ができるのです。

 当時配信されたばかりの状況で攻略を始めたので、「秘密の実績」内容がわからなくて、手探りで探していったのを覚えています。
 なんのことはない、ネタバレ防止のためのストーリー実績に過ぎなかったのですが、私は深読みして難易度をハードにして始めたり、オキュライの組み合わせ表なんかを自前で作ったりしながら遊びました。
 それ自体は全然苦じゃなく、未開の土地を開拓する感じで楽しみながらやったのですが、ほどなくしてクリアとともに実績もコンプしてしまったので、拍子抜けしてしまったのはよく覚えています。

 ハード難易度と言えども多少敵が硬くなったくらい(? むしろ下位難易度をプレイしていないのでわからない……)で、詰むことはまずありませんでした。
 あー、ボスが強かったかな……? たしか経験値は相対性(自身に対して敵が強いほど経験値が多くなる制。本作のNEXTは1000固定だったかな)なので、どんな戦い方をしようとも適正レベルまではサクサクあがります。そしてそれ以上あげるのは困難になるので、だいたいどの人も似たようなレベルでボスに挑むことになりますね。
 さすがにボスは普段は荷物のイグニキュラスも総動員して知恵を巡らす必要があるのですが、雑魚処理に関してはなんとなくセオリーがあるような。
 どのキャラにも低威力全体攻撃があるので、こいつを起点に攻めるということです。

 これが仇となっているように感じて、どのキャラにも程度の差はあってもだいたいその役割をこなせてしまうのでキャラ間の個性付けが曖昧になっている点が一つ。
 ターゲットを取ってくれるキャラがいるのですが、なんだか打たれ弱くて使いにくかったです。戦闘パーティーは3人なので、メイン盾に1枠使うくらいなら3人で全体攻撃をぶちかました方が早いし効率良いですよね。それなりな確率で状態異常も付加できますし。
 それから敵がどいつもこいつも似たような奴ばっかりで、やっぱり無個性なんですよね。

 もう一つの目玉、オキュライの合成に関しても、あくまで素のステータスのブーストやちょっとした味付け程度の変化で、戦闘のリズムや戦術が変わるほどのとがった性能を持っていなかったのは残念でした。
 躍起になって合成を繰り返したり、研究したり、わざわざUplayを使ってフレンドと交換し合う、し合えるような代物ではないです。

 こういった点から、どうも戦闘に関してもあまり面白いとは思えず、まぁ配信初日なんだし自分も期待したんだから大目に見ようとは思いつつも、時間が経つほどこれが面白いと騒いだ奴らはいったい何を見ていたんだ、その目は節穴か? などなど……熱が冷めていきました。

 RPGですけどXBLAの宿命か、細かいことにこだわり過ぎたのか、ボリュームもありません。個人的には無理と知りつつもスーファミのRPG並みのボリューム、大長編を期待していたのですが(笑)。それにしてもRPGとしては短いと思います。

 ある種、理想が先に立って、その重みについていけていない……そんな作品でした。

P.S.
 たしか本編クリア後NEW GAME+が追加されたはずだけど、そんな理由でプレイしませんでした。もしプレイしていれば、感想はかわったのかな?
 数年経った今でもなんともまったり流れるあのBGMは覚えてるんですけど、もう一度プレイしたいとは思わないですね。

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