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2015年07月04日

091.CLANNAD

CLANNAD(クラナド)



 おはようございます。あるへです。

「CLANNADは人生」という名言が巷で囁かれ有名ですが、私は正直侮っていました。たしかに名作だとは聞き及んでおり、プレイする前から楽しみにしていたのですが、「人生」の意味はわかっていませんでした。

公式サイト: PS Vita PS3 Xbox360

 そしてプレイ後、実感に至ります。たしかにこれは「人生」だと。
 本作は主人公が高校で生涯の伴侶を見つけ愛を育む本編部分と、その女の子の一人「渚(なぎさ)」に焦点を当て、主人公とのその後を描くアフターストーリーの二部で構成されています。
 このアフターストーリーの内容が非常に濃く、大変よく出来ており、高校時代からのプレイヤーの記憶と共に主人公の成長や周囲の変化などが描かれ、確かに「人生」を感じさせる素晴らしいストーリーに仕上がっています。

 とはいえ複数の攻略対象が存在する本編部分も、なかなかに秀逸なシナリオで、好きだ→くっつく→ラブラブ終わり、のような典型的なギャルゲーではないのも見逃せません。
 ある子とは友達関係で終わったり、くっつくまでに非常にやきもきさせたり、エンディングを迎えてからやっとくっついたり、どのストーリーも話の展開に無理がなく、また何度も言いますが終点がバラバラなのですごく新鮮な気持ちで読み進めることが出来ます。

 個人的にお気に入りなのが、アフターストーリーの絡みで「渚」なのは勿論、もう一人が「ことみ」です。
 ことみはもしかしてこの子が裏のメインヒロインか、というほどストーリーの展開が独特で、ことみ個人の性格も好みでしたので非常に楽しめました。

 逆にちょっとどうかな、と思ったのが、超人気キャラの「智代(ともよ)」ルートでした。
 主人公が生徒会に対して抱く敵対心というのがどうにも理解できず、一応きちんとテキストで生徒会を嫌がる理由、それゆえ起こす行動のつじつまは合わされているんですが、それにしても生徒会という「名前」に反応しすぎだろうと思ってしまい、生徒会を間に挟んだ智代とのしがらみに違和感を感じ続ける結果になりました。
 智代の性格自体はとても好意的で、すんなりと受け入れられただけに、この時ばっかりは主人公に感情移入できず、やや冷め気味になってしまったのが残念なところです。

 他にも驚いたのは、本作は双子が登場し、どちらも攻略対象になるのですが、その二人のルートがきちんと区別されていたことです。
 単なる性格の違いだけでなく、どちらを選ぶか、選んでいくかによって、主人公の迷いや双子の様子にこちらもヤキモキハラハラさせられながら、本当に、どうやって落とし前をつけるんだろうかと、私も悩みました(クリエイター目線で 笑)。そういった意味でも、シナリオの評価としても、この双子ルートも素晴らしいストーリーでした。

 本作のもう一つの目的である「光の玉」集め。これも素晴らしい演出ですね。
 アフターストーリーにおいてベストエンディングを見るためには、この光の玉を全て集めなければならないのですが、そのために通らねばならない道としてアフターストーリーのバッドエンドを見る必要があります。
 このバッドエンド、終盤の展開が本当に切なくて、心にぐさりぐさりと来るものがありました。
 涙なくして見られない代物で、しかしこのストーリーを見たからこそ、ベストエンディングはプレイヤーとしても本当に嬉しい展開で、スタッフロールも心がいっぱいになった状態で、心から祝福することができました。

 ああ、人生だなぁと。良かった良かった。めでたしだなぁ、と。

 キャライラストなんかは、今はもう古臭く感じるでしょうが、例によってプレイするほど気にならなくなります。
 オープニングの「メグメル」は大好きな曲ですね。起動するたびに聞いていました。

「人生」なんて大層なキャッチフレーズを使わなくとも、十分にハートフルで、今までにない、そして昨今でも珍しい、とても丁寧で、細部にまで愛の込められた珠玉の名作ですね。間違いないです。


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この記事へのコメント
なるほど、そういう見方もありなんですね。
私は就職してからの生き方、人生観、身内の付き合いなど、傍から見れば変哲のない日常でも、毎日たしかに生きているところ、そして親になる、というところに人生を感じました。

智代アフターもやってみたいのですが、作中ミニゲームをコンプ出来るかが不安で、怖くて手が出せない状況です(笑)。
Posted by あるへ at 2015年07月06日 00:46
私もこの作品を侮っていた派なので、
お気持ちはおおよそ分かります(笑)。

私がプレイしたのは随分前のことなのですが、
当時、私は仕事の面で最底辺にいまして、
週6で朝から夕方までかなりハードな肉体労働をしていました。


具体的な内容は違えども、アフターストーリーで主人公が送る、
「何の希望もない空虚な毎日」という雰囲気が
何ともいえないリアルさで味わうことができました。
そういう意味でも思い出深いです。
その辺の描写は特にかなり巧く出来ていたと思います。
私にとっては、そういうところが「人生」をリアルに感じる部分になりました。


智代さんがお気に入りなのであれば、
『智代アフター』とかオススメですよ〜。
ネタバレしたくないので感想は言えないのですが(笑)。
Posted by ききょー at 2015年07月05日 05:13
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