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2015年06月18日

076.Chaos ;Head Noah

CHAOS; HEAD NOAH (カオスヘッドノア) (通常版) 【CEROレーティング「Z」】



 おはようございます。あるへです。
 本日はこちら「カオス ;ヘッド ノア」のレビューです。
 今では爆発的人気を誇り、神ゲーの座を悠々と手にした作品「シュタインズゲート」と世界を同じくし、直接的な繋がりはないもののシュタゲの前日譚となる物語を描いた「妄想科学アドベンチャー」の初作品です。

公式サイト

 今でこそシュタゲの陰に隠れがちですが、傑作です。いままでのテキストゲームの常識を覆す様々な試みが作中で行われており、その流れは次回作シュタインズゲートに見事に受け継がれ、洗練されました。
 と、豪語してみましたが、実のところ私はそれほどテキストゲームに触れてきたわけではないので、もしかしたら「常識を覆す」などというのは言い過ぎかもしれません。

 ただ、このゲームにはそう思えるような斬新なアイデアが凝縮され、高次元でまとまっており、読んでいてとても気持ち良いのです。
 ですので、あるへ的に注目したポイントをいくつか表してみようと思います。

 たとえば歌詞。
 厨二臭満開のワードが並び、格好いい旋律とともに歌われますが、歌詞の内容は本編のストーリーと密接にリンクしており、ゲームを進めながら毎回聞きなおすたびに受ける印象が変わります。
 これは本当にすごいことだと思います。カオスヘッドで語られる物語の全てを細部まできちんと把握し、なおかつそれを初見のプレイヤーには悟られないようにしつつも、歌としてまとまりがあり、物語ともきちんとリンクする……その言葉の選び方が既に神懸かっていると感じました。
(シュタゲではこれを昇華させ、物語とのリンクに留まらず、物語、歌詞、そして映像の三つがそれぞれリンクしています。これは実際の様々なアニメにも……おっと誰か来たようだ)

 ゲーム内用語集も非常に面白いです。現実、非現実の区別無く目を引く用語が埋まっていき、解説を読んでいくのもこのゲームの醍醐味のひとつです。気をつけて読まないと「あれ、これは造語? それとも実話?」なんてことに。

 99%の科学と、1%の妄想は伊達じゃないと感じました。科学と妄想の接点がとても自然で、そこからの広がりにリアリティを感じました。カオスヘッドを読み終わった後に、シュタゲが発売されることを知り、「これ以上の話は無理だろう」と高をくくっていましたので、その衝撃たるや推しているべしですが、三作目はやっぱり息切れしてしまいましたね。
 息切れ、いまいち面白みを感じられなかったそもそもの理由が、この99%の科学と1%の妄想に拘りすぎたところです。あ、ロボノもプレイ済みですので、続きはいつかそちらで。

 あとは選択肢の表現方法でしょうね。ネガティブな妄想か、ポジティブな妄想か、ただそれをスイッチするだけの単純な演出ですが、これが選択肢の役割を持つとわかっていても、感覚的には実感し辛いんです。
 おそらく、文字を読んで行動を選択する、というプロセスを踏まないからでしょう。
 プレイヤーはトリガーを引いてどのような心情で後の展開を見守るか、という受動的な選択をすることになり、「ボタンではなくトリガー」「行動ではなく心理の選択」といった演出が我々から現実を遠ざけることに成功しているのではないでしょうか。(これもまたシュタゲでケータイという形で昇華されて……おっと誰)
 この選択方法は、オタクで引き篭もりの主人公の性格とも相性抜群です。

 こういったゲームプレイとしての仕様やシステムから、ストーリーにおける「テーマ」と小道具(ディソードやネット世界)等、非常に融和性が高く、またストーリーそのものも、伏線あり、どんでん返しありと素晴らしいとしか言いようがありません。

 以上のことを踏まえると、テキストアドベンチャーという形態をうまく利用し、斬新で新鮮なアイデアを惜しげもなく投入した5pb.を代表するゲームであり、代表・士倉氏の人柄・クリエイター魂が漏れ溢れている作品です。
 ひとたび読めばぐいぐいと世界観に引き込む強大な力を持っているのですが、それゆえその斬新さに馴染めない人もいるのが現実です。

 このゲーム、Zタイトルでして、極端な描写はなく恋愛要素も若干薄めですが、変態要素が濃く、グロテスクな描写も少なくありません。
 この辺のホラーちっくなドキドキや、変態ちっくなドキドキが、ストーリー本編のサスペンスドキドキとも非常によくマッチしているのですが、そんな理由のため開けっ広げにプレイすると、周囲の目にもドキドキです。

 シュタゲをプレイしてしまうと、カオスヘッドのシステム周りの詰めの甘さがよくわかるのですが、だからと言ってやらない理由にはなりません。
 カオスヘッドがこんなに面白いからこそ、シュタゲはもっと面白い!
 シュタゲとカオヘは表裏一体、是非是非是非、プレイするべし。です。

P.S.
 このゲーム、エンディングも秀逸ですね。ベストエンドは泣かせてもらいましたし、バッドエンドもかなりショッキングでした。
 個人的にお勧めというか、非常に印象深いのが七海(ななみ)エンドですね。鳥肌が立ちました。その怖気は今でも覚えています。

 作中で起こる事件や謎はセンセーショナルでショッキングな展開が多く、読んでいてかなり心拍数が上がります。拓巳(たくみ)が自宅に帰ってきたときの部屋の雑音(無音だけど常時PCが点いており、独特の機械音が鳴っている)が本当に「ふう、帰ってきた……」と思わせてくれて、リラックスさせてくれるんです。この自宅のシーンが物凄く好きなんですが、物語後半になって聖域であるはずのこの部屋も侵食されてくると……。

 最後になりましたが、やはりシュタゲ、カオヘともども絶対に外せないのが主人公ボイスですよね。
 彼らがいるから、これらのゲームは何倍にも光り輝いているんだと信じています。


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2015年06月17日

075.Deus Ex :Human Revolution

デウスエクス【CEROレーティング「Z」】



 おはようございます。あるへです。
 先日DLCを除いて実績コンプしましたのでレビューしちゃいます。
 タイトルはこちら「デウスエクス ヒューマンレボリューション」です。
 以前の記事でも述べましたが、私はトライ&エラーを重ねてじわりじわりと進んでいく(あるいは行動範囲を広げていく)ゲームが好きでして、そんな要素の強いこのステルスアクションゲームというのが大好物なんです。

 本作はそんなステルスアクションを軸としながらも、そのスタイルを投げ捨てて真っ向から突入プレイも可能な、自由度の高いゲームとして脚光を浴びました。
 前作がいくつか存在するのですが、ストーリーの繋がりはかなり弱いので本作から始めて問題ありません。

公式サイト

 自由度が高いことの裏返しに、各要素の詰めが甘い(=ぬるい、難易度が低い)ということがあります。おそらく、たまに忍んで、見つかったら応戦して、見えている出口に直行して……というような何でもありなプレイをすると、顕著に感じると思います。
 私はステルス派なので、二周みっちりノーキルノーアラートでステルスしましたが、プレイの方向性をある程度縛ると、ちょうど良い歯ごたえになると感じました。
(一周でコンプするつもりでしたが、気付かない間にミスをしていたらしく、ノーアラートは次周持ち込みとなりました。一周終わって予習が済んだので、二周目は快適にかつスタイリッシュに忍ぶことができました。これもステルスアクションの醍醐味ですね)

 そして自由度が高い事のもう一つの裏返しに、序盤の展開がもどかしい、という点があげられます。
 実は私もこれに非常に惑わされました。経験値を貯めてポイントをゲットし、そのポイントを使ってステルスや銃撃戦、あるいはハッキングや会話に特化したスキルを得ていくのですが、当然、序盤は何も持っていません。
 そのくせ序盤のステージからある目標に対して様々なアプローチや解決法があるため、何も知らない初見プレイだとまさに「こちらを立てればあちらが立たず」状態になり、ハッキングして扉を開けたいのにできない、そこに通気口が見えているのに障害物が重くてどかせない、できない、できない、できない、のオンパレード。育てたスキルを用いれば解法の一つは難なく達成できますが、私のような神経質で、とりあえず初見のマップは全部回らないと気がすまない、みたいな性格だと、この(事前にスキルを上げておけば)できるけどできないこのもどかしさを痛切に感じ、決してゲームが面白くないわけではないのにゲームをするのが辛い、という感覚に襲われました。
 それでも現時点でXPを得られる行動を全てこなして地道にマップを回っていれば、次の街に行く頃にはたいていのことは過不足無く出来るようになっていますし、もどかしい思いをした最初の街にももう一度戻ってくることになりますからその時に改めて挑戦すればいいわけです。

 それに二周目ともなれば、流れを把握していますから、そのような些細なことは気にならなくなります。
 とにかくこのバランス調整は、自由でありながらどのようなスタンスでも一定の歯ごたえがあり、とても楽しかったのですが、この初見の序盤だけは、この自由度のためにむずむずさせられっぱなしで苦労しました(笑)。
 クリアしてしまった今となっては、もう味わえませんので、これから初めてプレイする方はこの最序盤で、存分にむずむずしちゃってください。

 私の大大大好きなステルスアクションゲーとして「ヒットマン アブソリューション」があります。いや、アブソはヒットマンじゃない、ブラッドマネーだ、などと諸説ありますが、とりあえずそれは置いといて、何が言いたいかというと「敵会話」です。

 ステルスで誰にも気付かれずに進んでいると、当然敵側の心理は日常の繰り返し状態ですから、敵同士がよく会話しているんですよね。
 ステルスアクションの醍醐味と言えばこの敵会話なのですが、私はヒットマンアブソでその敵会話の真骨頂を見ました。

 で、こちらデウスエクスの敵会話に戻しますと、やっぱり物足りないですね。一方でこれは仕方ないことだとも思います。
 なぜならヒットマンアブソとデウスエクス他ステルスゲーでは、敵の置かれた状況がまったく違うからです。
 ヒットマンアブソで47が潜入するのは、まさに日常の中であり、デウスエクス他ステルスゲーで主人公が潜入するのは起きている事件の中だからです。

 デウスエクスの主人公・ジェンセンは勃発した事件の真相を解くため否応なしに、それに関連する施設へ潜入することになります。つまり、敵はあらかじめ自分たちの警備する施設の重要性を把握し、スパイが来る、ということ前提で警備しています。
 ですので、自然と交わされる会話の内容も、ゲーム進行に沿い、ゲーム世界観に関連した内容に、どうしてもなってしまうんです。

 特に本作は「人類の進化」「オーグメンテーションのもたらす可能性」をテーマにしており、それは現実にも通じる社会性のある深いテーマであり、ゲーム全体を通してこのテーマに非常に真摯です。ですので、手に入るEbookや新聞はオーグメンテーションの話題で持ちきりで、街中のNPCですらオーグメンテーションの是非について語ります。
 どこを見てもオーグメンテーションというキーワードに統一された世界なわけです。
 一応、PCをハッキングすれば他愛も無い会話を垣間見れますが。

 そんなわけで、ヒットマンアブソに見られたその世界を生きる人々の息吹というものを感じられず、何かにつけて現在進行形の事件や状況について再認識させられるわけです。世界観の統一、ゲームから発信するメッセージという点で非常に有効に働いているわけですが、だんだんお腹いっぱいになってしまい、終盤は新聞やEbookなども表示だけさせて読みませんでした。

 会話と言えば、ストーリーもやはりオーグメンテーションを基点に壮大な陰謀が展開されます。人体拡張の是非を主要となる人物それぞれが独自の理念、正義を持って主張しており、彼らとの会話はとても楽しいです。このゲームが上質で大人なゲームと呼ばれる所以は、この人物たちの主張が互いには相反しつつも、誰もが真摯にこの問題に向き合っていて、はぐらかされはすれども安易な嘘はついていないというところです。

 そうそう、声優さん、いい味出してますね。ガンダムに疎い私はシャアの声、というよりアークザラッド2のシュウの声、と言われた方がしっくりきます(笑)。

 とまあ、攻略中はお腹いっぱいになるほどステルスを堪能できました。このゲームの一番の醍醐味はステルスプレイでしょうが、スキル構成からマップ構成からそれ以外のプレイにも柔軟に対応されており、なるほど評価が高いわけです。
 とても楽しんでプレイできました。

攻略サイト


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2015年06月15日

074.LIMBO

LIMBO



 おはようございます。あるへです。
 本日はXBLA作品「リンボ」のレビューです。
 スマホアプリ(↑)でも配信されているんですね。攻略難易度は低く、ボリュームも控えめですが、この独特の世界観に浸れれば満足のいく作品です。
 アクションゲームというより、短編童話を鑑賞しじっくりと余韻に浸るような雰囲気ゲーです。

Xbox360:製品情報

 大抵、私がXBLAを購入する時はその作品が持つ独特の雰囲気に一目惚れすることが多いのですが、本作もそうして衝動的に購入に走った作品の一つでした。
 数年前のたしか夏でしたか、「夏のアーケード特集」みたいな感じでXbox360イベントみたいなのが開催され、そこで公開されたPVを見て全身に電撃が走ったように記憶しています。
 その日のうちにコンビニに走り、当時のマイクロソフトポイントを購入、LIMBOの配信日を今か今かと待ち続けたものでした。

 全編モノクロームの世界、それゆえ物悲しく、でもどこか優しく、暖かく、懐かしい。そんな静謐な世界観に魅了され、頭を使ってじっくりと進んでいくパズルアクションというジャンルに惚れこみました。

 実際にプレイしてみると、前半は確かに頭を捻るパズル的な要素を含みますが、思っていたよりも難度は低く、さくさくと進んでいけました。後半になるとパズル要素よりもタイミングアクションとしての色が強くなっていき、個人的にスキルを要するパズルアクションというのは好かないのですが、これもまた鬼難度なんてものではないので許容範囲です。
 ダウンロードしたその日のうちにクリアできてしまったのは、少し寂しかったのですが、買ってよかったと心から思いました。

 白黒画面で構成されていますが、「見難い」ということはまったく無く、そして白黒だからこそ想像力を掻き立てられます。二頭身のキャラがちょこちょこ歩いたり走ったり引っ張ったりするのはコミカルで、癒されます。
 それとは対照的にマップギミックや罠にはグロテスクな仕掛けが多く、そのギャップがまたLIMBOという世界に味を与えています。
 主人公が罠にはまるとなかなかエグいことになりますが、これもまたモノクロという設定が様々な意味でカモフラージュしてくれています。
 会話等、文字表現もなく、映像のみでストーリーを感じさせる手法も画期的だと思いました。全世界に手を加えることなく発信でき、製作者の意図を彼らの望むままに伝えられるというのは、すごいアイデアだと思います。
 最近では「Brothers」などもありますね。ただ綺麗なだけじゃない、無言の中に奥深いストーリーが隠されているのがLIMBOの素晴らしいところであり、私はこれを名作だと感じています。

 アーケードゲームなので、基本的にはお持ちのハードに合ったオンラインストアから購入し、ダウンロードしてください。
 変り種としてXbox360では「LIMBO」の他に二つのアーケードゲームが収録された「 トリプルパック Xbox LIVE アーケード コンピレーション 」というディスク版が存在します。トライアルズとスプロージョンマンも、非常に良く出来た珠玉のアイデア作品ですのでお勧めしたいですが、私は所持していないので仕様は把握していません。
 おそらく ポップキャップアーケード で述べたような欠点を持ち合わせているんじゃないかと睨んでいますが。

 ではでは、最後にこちらのHPを紹介します。その名の通りLIMBOのその後を考察している、1ページで完結している(と思う)小さなページですが、読んでみてしっくりきました。
 LIMBOを一周、クリアしてから行ってみてください。

LIMBOエンディング考察


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2015年06月14日

073.バレットウィッチ

バレットウィッチ Xbox 360 プラチナコレクション



 おはようございます。あるへです。
 本日はこちら「Bullet Witch」のレビューです。

 美女や魔女が活躍するアクションシューティングですが、この手のゲームは探せばたくさんありますよね。それらを凌駕する突出した要素を持つとは言い難い本作品ですが、意外に味のある隠れた良ゲーです。

 公式サイトの代わりにファンサイト(?)を見つけました。ゲーム内容そのものよりも、周辺事情がなんとなくわかってにやりと出来ます。

ファンサイト

 まずはなんといっても主人公である魔女・アリシアの存在ですよね。三大臭い(汗臭い・泥臭い・血生臭い)の海外製シューティングとは対極な、見目麗しい魔女を操作できるというのですから、それだけで結構ポイント高い気がします。

 基本的にはTPSですから、箒と銃を組み合わせたような斬新なデザインの「ガンロッド」で弾をばら撒き、敵を駆逐しながら進んでいきます。
 攻略したのは随分昔で、攻略情報もあまりないので細かいことは自信がないのですが、たしかこのゲーム、TPSでありながらカバーはできなかったと思います。
 カバーができなかったり、レティクルの動きに独特の滑りがあったりと、操作系はとても快適とは言えないのですが、アリシアに惚れたのなら不満は言えません。愛と腕でカバーしましょう。

 そうです、これ、結構難しいタイプのゲームです。
 魔女と言えども撃たれれば死んでしまうか弱い女の子ですから、操作もスムーズにはいきませんし、むやみに突っ込めば死は当然の結果です。
 カバーもできないし、遮蔽物が近くにないような広い場所ではどう戦えばいいのか。 で、それらの問題を緩和するためにあるのがアクションスキルですね。ある時は鋭利なブーメランだったり、ある時は弾道をカーブさせる厨二技だったり、硬派なリアル系FPSでもない限り、大抵のシューティングアクションゲームには「射撃」+「○○」という形でアクションスキルが備わってます。
 今回は魔女ということで魔法ですね。

 なんだかFFのようなサンダーとか、メテオとか、意外とありそうでなかったような……やっぱあるかも……、みたいな魔法を覚えることが出来ます。
 FFでサンダーといえばしょぼい初級魔法で「パリパリ」程度のエフェクトですが、本作品でのサンダーは「大魔法」。「バリバリズドーンッ」です。迫力あって気持ち良いです。
 この中にバランス崩壊級の便利魔法がありまして、こいつが高難易度クリアの鍵になるわけです。
 レイブンパニックと言います。
 魔女の永遠の友達カラスさんが、大勢の仲間を引き連れて目視した敵に群がります。敵が慌てふためいている間にガンロッドで蜂の巣にする、というのがこのゲームのセオリーです。
 一見、最強に見えるこのレイブンパニックにも弱点があります。それは「屋内では使えない」という点。
 そのため、ステージの大部分が屋内であるステージ3をいかに攻略するか、それ以後強力になってくる敵を万能魔法レイブンパニックも併用してどのように突破していくかが、醍醐味なんです。

 ちょっと操作しづらいけども、アリシアの可愛さに癒されつつ、見つかったら死亡くらいの勢いで正確に乱射してくる敵を一匹ずつ丁寧に片付けながら、1シーンで立ち止まりトライ&エラーで突破し、また次の1シーンで立ち止まる……。
 それが顕著なステージ3など、このじりじりと前進する様がたまりません。私、こういうの結構好きなんです。
 で、たまに裏技使って敵をスルーしたりね(笑)。

 コレが面白い! とか、アリシアに萌え殺される! とか、魔法便利すぎて鼻血が出る! とか、そういった表面上の快感、快適さは、たぶん皆無です。
 また、ストーリーが際立って面白いとか、難しいけど丁寧にじっくり細部まで作りこまれている……というわけでもありません。

 なんでしょうかね。ですので名作とも言えないのですが、不思議な魅力があって、とりあえず実績コンプするまでは気になって辞められない……そんな愛嬌があるんですよ。このゲーム。
 コアな人ほどお勧めです。

P.S.
 そうそう、バレットウィッチをお持ちの方は、……どこだったかな。森のステージで竜巻の魔法を使ってみてください。

 ではでは。

攻略サイト


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2015年06月12日

071.デッドライジング

デッドライジング Xbox 360 プラチナコレクション【CEROレーティング「Z」】



 おはようございます。あるへです。
 本日はこちら「Dead Rising」、通称デッドラのレビューです。
 このゲームは知る人ぞ知る超有名タイトルです。日本でのXbox360の知名度を押し上げた立役者と言っても過言ではないくらいに、当時としては衝撃的なタイトルであり、このゲームをやりたいがためにXbox360を購入した人も少なくありません。また、XboxONEの発売に合わせて最新作Dead Rising3が発表され、その人気っぷりは想像に難くありません。

 想像を絶する数のゾンビが押し寄せ、それら全てをあの手この手で料理できる(つまり背景に描かれた誤魔化しや、見えない壁の向こうにいる水増しなどではない)という次世代機ならではの世界観が、日本だけでなく世界で愛される傑作です。

公式サイト

 しかし正直に申しますと、私はこのゲーム、あまり好きではありません。 理由はごく個人的なものでして、客観的に分析すればやはり面白さというのは際立っているように思います。

 久しぶりに使いますが、まずは「 ゲーム作りの四本柱 」が確立されている点が、このゲームにブレを与えず、安定した面白さの土台になっているのだと感じます。

 主人公はフリージャーナリストという設定(大抵の推理もの、サスペンスものにフリージャーナリストが起用されるのは、「大人としての分別」を持ち合わせつつ、「ジャーナリスト」として各登場人物に突っ込んだ話を聞け、一般人よりも情報を入手しやすいという職業性、そして「フリー」である、つまり勤め人ではないので動かしやすい、という物語創作において非常に使いやすく、知名度もある職業だから、というわけです。私みたいなひねくれ者は、フリージャーナリストと聞いただけで「またか」などと思ってしまいますが)で、……含みが長くなりました。

 改めて、フリージャーナリストである主人公フランクが、鍛え上げた(笑)体とカメラを武器に、今回のアウトブレイクの真相を探っていきます。
 序盤の台詞にさらっと「フリーなので戦地にもどこでも行く」のようなことを言いますが、とりあえずこの言質でフランクが武闘派カメラマンなのはわかりますね。
 そしてこのようなゾンビゲーに一見似合わない「カメラ」という小物が、ストーリーでもゲームプレイでも、しっかりと活用している描写やシステムがあり、やはり全ての設定は利用するために作られたのだと納得できます。

 さらに面白いのが、このゲームのシナリオには二本の軸が設定されている、ということです。
 また創作に触れるのですが、お話を作る場合、メインとなる軸以外にもいくつかのサブの軸を設定することで、物語に深みと広がりを与え、面白くすることができます。
「勇者が魔王を倒しに行く」ただそれだけの物語でも十分に面白いのですが、そこに「勇者と囚われのお姫様の恋模様」だとか、「旅の途中で出会った仲間との三角関係」などを取り入れれば、お話としての「惹き込み」「盛り上がり」などが活きてくるわけです。たまにこのメインとサブの軸を絡み合わせたりして、普段ならなんでもないような魔王の奇襲も、仲間との三角関係からのギクシャクが原因でうまく撃退できなかった……などと展開すると、どうでしょう?
 というようにメインシナリオや生存者たちのエピソードもよく練られており、大どんでん返しというほどではないものの、楽しめると思います。

 そういうわけで、本作デッドライジングにも、「アウトブレイクの真相を究明する」というメイン軸以外にも、「生存者を助ける」というサブ軸が絡んでくるわけです。
 これによって、三日間生き延びる、というシンプルな目的がとても忙しいスパイスに変わり、「生存者を助けつつ」、それゆえ助けられ「アウトブレイクの真相」へと近づくきっかけになり、またゲームプレイとしても「アウトブレイクが引き起こされた」からこそショッピングモールはゾンビで溢れかえっており、それらをうまく押しのけながら東奔西走することになる、と。
 なるほど評価が高いのも納得なわけです。

 ですがやはり私には合わない部分がありました。
 たとえば時間の概念です。
 平たく言えばこのゲーム、クリアまでに時間制限がある、ということです。ぼーっとしていても時間は刻々と進み、期を逃すと真相に辿りつけなくなってしまいます。
 実際にプレイしたところ、wikiを熟読し、チャートに沿って効率よく進めれば時間はむしろ余ってしまい、ついでにPPステッカー激写作業も並行できるんじゃないかと思いましたが、やっぱり制限時間がある、と念頭にあると集中を欠いてしまいます。
 どうしても気持ち的に焦ってしまいますし、だからこそチャートに頼ってプレイしたのですが、「膨大な数の組み合わせや自由度があるのに、制約によって堪能しきれない」という仕様が、私には強迫観念的に合いません。

 ですので、タイムアタックやコンマ1秒を争うレース、タイムリミットや、搦め手でリソース管理が肝のサバイバルなどがとても苦手です。それから自キャラ以外の要因でゲームオーバーになる仕様も大っ嫌いです。一例を挙げれば「○○を守れ」とかですね。
 そうです、このゲーム、私の嫌いな要素もふんだんに詰まってるんです(笑)。

・三日間で真相を究明しろ(タイムリミット)
・インベントリが少ない、武器の耐久力(リソース管理)
・生存者をゾンビから守れ(プレイヤーの能力が影響しにくい負け要素)

 腐っても20年以上コントローラーを握ってきましたのでゲームプレイはそれなりにうまいと自負していますが、やっぱり精神的にとっつき辛いのです。

 下手だからうまくできない、というわけではなく、何かを切り捨てなければいけない精神的圧迫や、何でもかんでも気の済むまで出来るわけではない制限、このもどかしさがとても苦手なんです。
 どんなゲームも、初め厳しそうに見えても実際やりこむと結構な余裕があって、リソース管理ゲーといえども終盤は物が余りがちになったりと、ホントのところ、「案ずるより生むが易し」なんですけどね。

 あとは「ゾンビゲーム」であることや、主人公が「パパラッチ」(ちょっと差別入ってます)とか、ゲームの中身そのものよりも、外側の部分で毛嫌いしている部分があります。

 そんなこともあって、本作は面白いゲームであると知りつつも、自分としてはそこまで楽しめたというわけでもなく、鬼畜実績を除いてぱぱっと実績解除を済ませちゃった作品でした。

 公式サイトに行ってみると、当時の製作チームの裏話なんかが掲載されていて、サイト自体も遊び心が詰まっていますし、今思うと「ちょっともったいない遊び方だったかな」と思ったりもしますが、じゃあ2以降もプレイするかとなると、やっぱり考えてしまいますね。
 私、時間って嫌いなんです(笑)。

 ではでは、愚痴が多くなりましたが今日はこの辺で。

攻略サイト


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2015年06月11日

070.カルドセプト サーガ

カルドセプトサーガ タイトルアップデート版



 おはようございます。あるへです。
 本日はこちら「Culdcept SAGA」のレビューです。
 実はコレ、あんまり印象に残ってないんですよね。とても良いゲームだった、ということは覚えているのですが、いろいろな経緯が組み合わさって、自分的にレビューしにくいタイトルです。

 まず一つ目の理由。
 このゲーム、実は友人に借りたものです。これなんかどう? と問われて、とりあえず実績に飢えていた、なんでもいいからゲームがしたかった私は軽い気持ちで借りました。
 二つ目の理由が、上記を経て借りたはいいものの、この手のジャンルには特に興味を持っていませんでしたので、しばらく倉庫の肥やしになっていました。
 たしか、最序盤だけやってそのまま自然にフェードアウトした気がします。
 三つ目の理由。これが一番の原因かもしれません。
 何をどう間違えたのか、一度もゲームオーバーを体験せずに、とんとん拍子でクリアしてしまったことです。
 そのため、ゲームクリア→カード集めと他実績解除→返却、という流れがささっと行われ、手元にないため時々パッケージを眺めて記憶を思い起こすことも無く現在へと至ってしまい、不得手なゲームジャンルとも重なり、今苦労してます(笑)。

 カルドセプトといえば、一部に熱烈なファンやマニアが存在し、隠れた名作です。好きな人はそれこそ何百時間と費やしカード編成、戦略、戦術を練り、対人との一戦一戦に熱意を傾けることでしょう。
 私の印象に残らなかった四つ目の原因として、オンライン系の実績をさっぱりと捨てて、一度もオンに繋がなかったこともあるかもしれません。

公式サイト

 さて、このゲームをプレイ中、本作のシナリオを私の大好きな作家・冲方丁(うぶかた とう)氏が手がけていることは知っていました。
 公式サイトでは開発初期段階から密接にやり取りをした、とありますが、私の個人的勘というか思い込み(笑)では、主人公に辿らせるべきステージの縛りや、もともとあるカルドセプトの世界観などの料理にてこずったんじゃないかと思いました。
 台詞の一つひとつや、ちょっとした展開、序盤の主人公の旅立ちの理由あたりに冲方さんの個性を感じ、ストーリー全体を通してどこか穏やかな、安心しながら読める安定感があり、楽しめたのですが、まだまだ彼の真骨頂とは言い難いです。
 特に、彼の著作を知っていたり、「EAT LEAD」などのゲームに触れ、期待しているとがっかりしてしまうかもしれません。
 そんな扱いにくい作品でも、底辺に彼の息吹を感じる……などと言うと変態と思われても仕方ないですが……、感じるのはすごいことだと思います。色眼鏡の効果でしょうか? 感じませんでした?

 このゲームを紹介、となると難しいのですが、たとえば「いただきストリート」あるいは「ダイス de チョコボ」などはご存知でしょうか? あんな風にスゴロクでボードを練り歩き、マスにクリーチャーを置いて土地を支配し、そこに止まったプレイヤーから魔力を奪ったり奪われたり、手持ちのクリーチャーで侵略したり、といったことを繰り返しながら総魔力を目標値まで貯め、ゴールを目指すボードゲームです。
 カードデッキ、というシステムがあり、事前にどのカードを組み込むかという戦略を練って出陣するわけです。
 ステージクリアによって増えていく豊富な種類のカードを眺めながら次の対戦や自身の戦略をシミュレートするのが本作の醍醐味ですね。
 そのためこの手のゲームに慣れていないプレイヤーには結構敷居が高く感じます。
 まずはwikiに載っている初心者指南をじっくりと読み、それに従ってカードや戦略を練るのがベストです。
 その結果、私がストーリーで苦労した覚えはなくなりました(笑)。変な日本語。
 ぬるかった、という意味ではありません。それなりに緊張感はありましたし、何より運が良かったのでしょう。敗北を知る、という屈辱を覚えなかっただけです。

 おそらく初見プレイヤーがきついと感じ、あるいは投げ出すのは序盤、コロシアムから四属性攻略あたりでしょうか。
 カード種類は少ないし、マップもシンプルで戦略の幅が広くないからです。自由度が高く、重厚に煮詰めてあるゲームほど、序盤の展開は苦しかったり、そこに面白みを見つけ出したり出来る傾向にありますね。

 操作については快適だったように思います。歴史のあるゲームですから、細かいショートカットにも手が込んであり、カード編成の効率化、実際のゲームでの情報収集に手を焼いた記憶もありません。
 やはり最初こそこうした配慮が逆に混乱の源になるんでしょうが、初めは何事も勉強と思って一つひとつ手順を確認していけば、何も問題ありませんよね。
 多数のカードについても同様です。知らぬ間に知識が蓄えられて頭の中でデッキ編集できるようになります。

 月並みですが、楽しくプレイできました。興味のなかったジャンルを触り、それを楽しく攻略できた、というのはなかなか貴重な体験なんじゃないかと思います。

 実績観点からは実績wikiの通り、苦行が待っているわけですが、味のあるとても丁寧な良いゲームだと思います。

 地味なポイントですが、三連勝すると必ずNEWカードが手に入る、という仕様は素晴らしいと思います!
 カード集め頑張れたのもこのシステムのお陰です。

攻略サイト


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2015年06月07日

068.マスエフェクト

Mass Effect (マスエフェクト) (「ボーナスディスク」同梱)



 おはようございます。あるへです。
 本日はこちら「Mass Effect」のレビューです。
 海外では斬新かつ緻密なゲームデザインで絶賛された作品ですが、我々日本人にとっては若干敷居が高く、それを乗り越えることでじわじわとその深みにハマる、滑らかな舌触りのコクのあるチーズのような……何が言いたいんだ私は(笑)。
 詰まるところ、するめのような固さがあるわけではないのですが、少し臭みの強いチーズをまったりと味わうような良質なゲームなのです。

 私もこの作品をプレイしたのはXbox360がまだまだ初期の時代でして、Xboxユーザーなら絶対押さえておくべきRPG、との噂からあまり深く考えずに購入しました。
 そして実際プレイしてみると、やはり驚かされたのはとんでもない量のSF用語、そのマニアックさでした。序盤、チュートリアル的な戦闘をちょいちょいこなすと、後はスペクタクルなムービーを堪能しつつ、中核都市シタデルに赴き、このゲームの醍醐味である豊富な会話を楽しむことになります。

 しかし、この時の私はまだPS2から脱皮したての純日本産ゲームプレイヤーでした。いつまで経っても会話会話の連続、たまに戦闘が入ったかと思いきや序盤は割とあっさりやられます。何か調べるごとに逐一コーデックスが更新され、ちょっと気圧されつつマニアなSF解説を読む……。
 ということで、実は疲れてしまいました。私がこのゲームの楽しみ方を理解しきれていなかったのが原因ですが、序盤の牛歩のような展開に合わせることができなかったのです。ムービー部分に関しても、かなり壮大で、ドラマチックな演出なのですが、爽快感や瞬間的な迫力、というものとは少し違いまして、こちらもまた、ゲーム部分のようにリアルさ、壮大さ、銀河スペクタクルを実感できるまでにプレイヤーの準備が必要になります。
 いわゆるスロウスターター。

 触って数時間ではなかなか慣れるのはきついですが、数日間じっくりとプレイしていると、ずぶずぶとハマっていくんですね。

 主人公・シェパードは銀河中が認める生ける伝説スペクターだから、というのも勿論ですが、自分で作った顔の主人公がムービー中活躍し、本物の声で全てのNPCたちと会話しますから、その存在感がとてもはっきりしています。
 お気に入りの仲間を連れ立って新たな惑星に降り立ち、銀河レベルの壮大なクエストをこなしていくと、ただの便利設定なだけじゃない、「自分はスペクターである」という実感をひしひしと感じます。

 現在マスエフェクトは1、2、3とリリースされていて、同じ時間軸の中で順番に繋がっています。つまり、1で下した重大な決定が、2や3にも引き継がれ、自分だけの銀河の歴史を作れるという壮大なコンセプトになっています。
 マスエフェクトやるなら全部揃えろ、というのがファンから未プレイ者への熱い要望であり、3をやるならまずは2を、2をやるなら当然1はプレイしておくべき、というのは私も強くお勧めしたいです。

 様々なNPCとリアリスティックな会話を楽しみ、自分だけの歴史を作る。SFマニアにはたまらない銀河事情を網羅したコーデックスを集め、想像の海に浸る。想像とストーリーの融合が美味な本作ですが、ゲームプレイ部分でもきちんと遊べる仕様になっています。

 まずはRPG要素。XPなどレベルの概念があり、スキルポイントを振ってキャラクターを強化していきます。ですので、序盤こそ敵の攻撃であっさり死にますが、スキルが整ってくるにつれて面白くなってきます。低難易度だとわりと脳筋プレイで片がつきますが、難易度インセインともなると、終盤は結構きつかったです。
 このインセインをプレイして初めてわかるのですが、マスエフェクトシリーズ(あるへ、3は未プレイです)は戦闘バランスにかなり拘っていると思います。歯ごたえがありますよ。強化クローガンの体力には泣かされました。

 また、驚くべきことにマスエフェクト1にはハクスラ要素が混ざっていまして、装備品の収集が楽しいです。あくまで要素であって、やりこむには物足りないと思いますが。

 主人公が選べる職業(コンバットクラス)も数種類あり、どれもが一長一短を持ち、それぞれに得意とする戦い方、銀河での生き抜き方があります。たとえばソルジャーですと、どんな武器も使いこなせ、防御力も高いと長所がはっきりしており、アデプトの長所であるバイオティックパワー(=魔法)は一切使えません。
 この役割のはっきりしたクラス制のお陰で、気分を一新してのニューゲームもかなり新鮮な気持ちで始められます。

 シェパード少佐はもちろん偉い人なので、仲間たちに簡単な指示を出すことも出来ます。「あそこでカバーしろ」「あいつにコレを使え」などですね。きちんと操作できれば仲間もとても頼りになります。

 こういった事情から、実績コンプリートには本編をサイドクエ等込みでじっくり三周以上する必要があるのですが、私はあまり苦痛には感じませんでした。

 最後にマスエフェクトの隠れた魅力、本当の楽しみは「惑星探索」にあるのではないでしょうか。
 辺境の、人も住めないような過酷な環境の惑星に、本当に降り立てます。あたり一面、何にもない凹凸ばかりの地表を、専用車MACOを駆って、資源調査するわけですが、この荒涼感、寂寥感が素晴らしいです。一見きつそうな斜面を、MACOでぐりぐりと踏破していく達成感も見逃せません。宇宙の、それも片隅の惑星に降り立ったんだな……っていう宇宙旅行感がたまりませんでした。
 しかも、降りられる全ての惑星はどれもオリジナルの風景を持っています。見るからに人の住めなさそうな岩のむき出した惑星、かと思えば一面緑豊かな穏やかな風景、しかしそこは人には有害な微生物がいるために住めないのだ、とか、あるいは実際テラフォーミングが完成していて僅かながら人の暮らしているところ。と、思いきや何かしら事件が起こっていたり……。
 何もなさそうな平和な惑星だと思って悠々と走っていると突然地面から巨大なワームが飛び出して、喰われたり(あっという間ですよ)。

 自分や味方の強化にはある程度こなしておくのがベターな惑星探索ですが、本筋とは関係がないとは言っても、ついついやりたくなるほどの求心力があります。

 是非ともシェパードのキャラメイクをじっくりと、納得がいくまで作りこみ、この広大な銀河を旅し、壮大な物語を感じて下さい。最終盤の展開で、いつもしかめっ面だったシェパード少佐が「にやり」とする時、きっとあなたの口角も釣りあがってますよ(笑)。

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2015年06月06日

067.ベヨネッタ

BAYONETTA (ベヨネッタ) (特典無し)



 おはようございます。あるへです。
 本日はこちら「BAYONETTA」のレビューです。
 本作は∞(クライマックス)アクションで有名な神ゲーです。ディレクターが神谷さんだからという理由では決してございません。

 さて、細かいことは忘れてしまったのですが、本作との出会いは何かで見たCMだったでしょうか。悪者であるはずの悪魔や魔女が、善者であるはずの天使をぶっ倒す、その設定や、なにより天使のように神々しい「顔」を持った奇怪な敵デザインに惚れました。このモンスターデザインを見た瞬間、私のハートは見事に打ち抜かれたわけです。
 そして一月以上前から予約し、発売を今か今かと待ち続け、ようやく手に入れた本作品、わくわくしながら起動し、お腹いっぱいになるまで攻略し続け……ついにその期待、PVを見て感じた様々な予感と感動は、裏切られることはありませんでした。

 非常に面白かったです。なんていう上品な感想を取っ払いたくなります。

めっちゃおもろかったでぇぇ!! 公式サイトッ

 このゲームはあらゆる要素が高次元に纏まっており、プレイした人はほぼ例外なく面白かったと感じるでしょうが、ではいったい何が面白かったのか、と問われれば百者百様の答えが返ってくるでしょう。
 ですので、ここは一つひとつ見ていきたいと思います。

 まずはキャラクターです。完全無欠の美人、ちょっと頼りないイケメン、痺れるハードボイルド、お茶目なマフィア、属性を上げただけでも十分キャラが立っている気がしますが、その一人一人にとても丁寧なエピソード(≠設定)が盛り込まれており、見た目とはギャップのある性格など、本当に丁寧に掘り下げてくれます。ゲーム進行と共に彼らをより深く知り、愛着を持ち、クリアまでのモチベーションとしてくれます。

 次にストーリー。とある依頼をきっかけに主人公・ベヨネッタは自分のアイデンティティでもあるキーワード「魔女」についての因縁や過去と向き合うことになります。正直なところ、本作は「バカゲー」としての属性も持ち合わせる貴重なゲームですので、ハチャメチャな「現在」に目が行きがちですが、きちんとした基盤をいい塩梅に敷いているからこその、このストーリーなのです。深みや気になる謎など、伏線も絡めつつ、「現在」でハチャメチャしても許されるくらいの作りこみ、余裕を持たせています。
 ベヨネッタの面白さを構成する各要素に比べれば若干インパクトに欠けますが、十分にスパイスとして効いていると思います。

 それから世界観。私はまずここに惚れこみました。最初に言ったとおり、モンスターデザインの奇抜さ、同時に神々しさに圧倒されました。「人の顔」というのが個人的ツボでしたね。あまりにモンスター然としたデザインには飽きていましたから。
 そしてゲームを始めて知る、えもいわれぬお洒落感。登場人物の服装から、ゲートオブヘルの内装、ヴィグリットの町並み、果ては台詞回しに至るまでハイセンスです。
 血みどろな荒廃した世界で泥臭く暴れるのではなく、こうした瀟洒な雰囲気の中で、スタイリッシュに、華麗に、舞う、というのはなかなか無いものです。
「プルガトリオ」という素晴らしいご都合主義設定(褒めてます)が、人も住みつつ魑魅魍魎どもが跳梁跋扈するこの世界をきっちり結び付けています。

 世界観と関連して音楽。プレイヤーのモチベーションを引き上げ、キャッチコピーの通り∞(クライマックス)な気分を演出してくれる、素晴らしい曲です。どんなシーンでも迷い無くゲームに飛び込むことができます。
 ジャズ調? というのでしょうか。音楽には疎いのですが、ピアノアレンジされたアップテンポのジャズチックな曲が、耳にも心地よく、自然とわくわくさせてくれます。

 最後にアクション。現代の魔女、と呼ぶに相応しいクールで魅惑的なアクション満載です。アクションに関してはDMCのよう、といって差し支えないのですが、回避行動を挟んでもコンボを続けられる「ダッヂオフセット」や、能動的にスローモーを発動させ魔女の超人感を演出する「ウィッチタイム」など、ハードなDMCとは対照的に非常に遊びやすく設計されています。
 これがまたスタイリッシュ感に磨きをかけていまして、プレイしていて本当に気持ち良いです。
 極めつけは「悪魔召還」。ボス撃破演出限定となるのですが、ベヨネッタよりも遥かに大きいボスを、更に上回る悪魔を召還してふるぼっこタイム。∞アクションの極みでしょうか。ただボタンを連打しているだけなのに、爽快感がとんでもないことになります。天使の顔を殴ってボコボコにする……背徳の快感すら覚えます。

 他にも、ちょっとした物事でいちいち一喜一憂できる憎い演出が盛りだくさんです。カプコンの傑作デビルメイクライを意識し、意識させつつも、何故だかDMCのパクリだ! という声の上がらない、素晴らしいゲームです(当然といえば当然ですが)。

 そんなわけで、どこか欠点を探そうにも素晴らしい点達が眩しすぎて、ちょっと見つからないくらいです。
 最初から最後まで間違いなく∞(クライマックス)モチベーションで攻略できること請け合いです。

 続編である2が、WiiUというのは残念でなりません。

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2015年06月05日

066.FableII と続編III

FABLE II(フェイブル2) Xbox 360 プラチナコレクション(DLC:「ノットホール島」「未来の行方」収録)【CEROレーティング「Z」】



Fable III (フェイブル3) (通常版) 【CEROレーティング「Z」】



 おはようございます。あるへです。
 本日はこちら「フェイブル2」および「フェイブル3」のレビューです。
 最近、シリーズ物をまとめて紹介する記事が多くなっちゃってますが、その方が理解しやすい、比較しやすいだろうという意図を込めて書いています。

 本作品は「物語の中で、君だけのヒーローを創ろう」というコンセプトが売りのRPGです。「物語」というのがミソで、フォールアウトやスカイリムのような茫漠とした自由度は無いながらも、次々と展開されていくエピソードの中で、プレイヤーがどのようなアクションを起こすかで、一つの人物像を作り上げていく作品です。
 予め用意された物語に沿って進んで行きながらも、その時々のアクションで展開が分岐していく……かなりTRPGの本質(ゲームマスターとプレイヤー)に忠実でありながらも、ゲームの持つインタラクティブ性というものをきちんと取り入れている作品でして、そこに製作者のこだわりを感じます。
 そういった意味で、この作品は世界に類を見ない斬新な作品に仕上がっていますが、個人的には後に述べる点がどうしても気になり、「FableII」を名作、「FableIII」を良作として見なしています。

フェイブル「3」公式サイト

 Fableに「物語」のルビが振ってあるように、本作品はこのゲームが一つのお話、おとぎ話であるということを意識しています。その上で、プレイヤーはあたかもこの世界の住人になりきれるようにと、様々な工夫が凝らされており、メインとなるストーリーへの没入感も非常に高いです。
 IIとIIIではストーリーの方向性が違っているため、好き嫌いがわかれてしまうのですが、お話としてはどちらも綺麗にまとまっており、その質は高いです。

 私はIIの方が好きですね。どちらもテレサという運命の代弁者が一定の枠(君は英雄になる。ただの夜盗に殺されてそれもまたストーリー、などという分岐はない。という感じの大きな枠)を与えるため、プレイヤーは安心してその枠内で自由に行動することができます。
 IIはその枠の範囲がIIIと比べて大きく感じられ、プロローグは少年(少女)時代、青年時代を経て、またとあるイベントで投獄され大きく時間が流れたりと、「人生の長さ」を感じられ、冒険をしている感、というのがとても感じられた作品でした。
 そして「時間」を感じられるからこそ、過去の記憶というものに感慨を持つようになり、「オルゴール」の音色に涙を流さずにはいられない、という構成になるわけです。
 このストーリー作りが気持ちよく、私はIIが好きなんです。
 IIのメインストーリーはいわば、自分の行いが自分に返ってくる、あくまで個人視点のフェイブル(物語)なわけです。

 対してIIIは、自分の行いが社会にも影響し、行動の責任を負う、個としてだけでなく社会の中の自分も同時に変化していく……というもっと大きな変化を象徴していまして、これを意味深に捉えると、「自分→相手→社会→世界」という風にアイデンティティの捉え方がステップアップしていまして、これはそのまま「人間」本来の精神的成長の姿と言い替えることが出来ます。
 子供は自分のことしか考えることができません。やがて成長して相手のことを考えられるようになり、大人になって自分と他人、そして自分の属する社会や世界のことも同時に慮ることができるようになるのです。
 ちなみに途中の要素がすっぱ抜けて、「自分→世界」となっているのが「セカイ系」あるいは「厨二病」と呼ばれる現象です。
「世の中は嫌なことばかり、全部社会が悪いんだ」ですよね。
 FableIIから時を経て大人になったFableIII、ということでしょうか。
 私も含めてIIのストーリーが好き、という意見はもしかしたら自分自身の物事の捉え方に、まだまだ伸び代が残っているからかもしれませんね。

 さてさて、このメインストーリーを彩り、主人公の人生に深みと可能性をもたらすのがサブクエストや住民との交流、そして愛犬の存在です。
 主人公には常に相棒として犬がついて回ります。勿論、彼とコミュニケーションをとって遊ぶこともできますが、斬新なのは主人公の人生の軌跡によって、犬にも個性が現れるという点です。
 自分(主人公)としては悪人として生きたいけど、相棒(犬)には誰彼構わず歯を剥きだして威嚇するような乱暴者にはなってほしくない……だから、善人プレイする! とか、そんな思いが脳裏を過ぎったプレイヤーもいるのではないでしょうか。
 様々なNPCと交流を交わす際にも、「握手」を始め「踊」ったり、「くすぐ」ったり、あるいは「威嚇」したり、「おなら」をしたり……、様々なアクションで試みることができます。
 この、YES/NOだけではないアクションの多様性が、物語内での自由によくマッチしており、広がりを感じるわけです。
 それは良いのですが……おなら、って必要でしょうか?

 つまり、私がこのゲームに不快を感じる部分です。
 このゲームには善悪の基準と共に、快不快の要素も組み込まれています。おとぎ話、それもゲームなのだから普段出来ないこともやっちゃおう、というコンセプトなのでしょうが、とりわけ他者との接し方、距離感に気を遣う我々日本人(少なくとも私)にとって、相手の嫌がることをするというのは、ぶっちゃけ(ゲームだからこそ)いきなり住民たちに斬りかかって大虐殺を行うよりもよっぽど気分が悪いです。

 げっぷやおなら、卑猥なポーズ、むしろリアルっぽくないキャラ造詣だからこそ何人もの異性をベッドに連れ込んであんなことやこんなこと(もちろんその間ブラックアウトします)、更にはその際避妊具の使用を尋ねてくるとか、こういう下品さが私には受け入れられませんでした。
 それでもFableIIに好感が持てたのは、こういったアクションは避けてもいいこと、その機会は思ったよりも少なかったことでした。

 夢や想像を大切にする姿勢は、ディズニーのそれとよく似ています。だからこそ、ブラックなジョークやあえて下品さを取り入れることで、ゲームとしての可能性を模索したのでしょう。

 しかしIIIになると、必然的にそのブラックジョーク、ブラックユーモアに接する機会が増えてしまいました。私がIIIを名作ではなく良作へと下げた理由です。
 IIIでは経験値という概念がなくなり、NPCたちと交流をすることでステータスアップの源を得る、という流れに修正されました。
 これによって、IIではやや希薄だったゲーム内世界での住人との交流に積極性が出、上記したIIIのストーリーの方向性のためにも、その狙い自体は大変うまくいっていると思うのですが、交流の必然性が出てきたことにより、これら下品なアクションも自ら行わなくてはならない、という状況が生まれてきてしまいまして……極めつけは「武器強化」でしょうね。
 武器強化は単純に素材を集めて鍛冶屋に持っていく、とかそんな簡単な話ではなくて、各武器ごとに設定された条件を満たすことでレベルアップする、というものです。
 これだけ聞くと素材が不要な分鍛冶屋より楽かと思いきや、「○○という敵をXX匹倒す」なら全然余裕ですが、「村人をXX人殺す」とか、「○○人の異性(あるいは同性!!)と寝る」とか、「○○人の人に嫌がることをする」とか、……本当に嫌でした。

 またIIIの悪口になってしまいますが、実績の中に「ヘンリー8世」というものが存在します。ごく普通の幸せを築き、皆から好かれる王を目指したいのに、「実績を取りたい」ただそれだけのために6人もの女性と重婚し、うち二人を殺害する羽目になりました。こういう実績ってどうなのよ、と。自分の望むキャラクターを創っていくのがこのゲームの醍醐味なのに、それを強制的に指定されるって、まるで実績がゲームコンセプトを否定しているようで腹立たしく思ったりもしました。

 他に「大罪人」の実績もありますから、もう早々に割り切って暴れました(笑)。それからすぐに善人に戻しましたが、あまりゲームに感情移入は出来ず、ちょっとでもイラっとする挙動をとったNPCは王様権限(笑)で即刻打ち首にしたり。
 そんなキレ易いキャラクターとしてプレイしたものですから、まあ住人の罵倒の酷いこと。住民のためになる良い政策を敷き、彼らのために献身的に働き、革命を起こそうとしているのに、彼らに寄れば触れば罵倒の嵐です。

 そんな記憶があって、IIIは個人的にあまり良い印象を持っていないのです。

 実績の話ついでにもう一つ。
 IIでのコレクタブル要素の一つ、ガーゴイル像です。私はこのガーゴイル像の最後の一つがバグにより取れていないことに、終盤で気付きました。とあるクエストがバグによって会話が進まず、そのせいで永遠に入れないエリアができてしまったこと、運の悪いことにそのエリアに最後の一匹が置かれていたからです。
 どうやっても入れないので、諦めてまた一からやり直しました。

 そんなこともあって、FableはIIもIIIも印象に残っているゲームです(ゲーム本来の狙いとは違う印象の残り方ですが)。
 バグが多く、キャラモデルはどうにも受け入れにくく、こちらが気後れするほど変なところにこだわりを持ち、我々には出せない非常に豪快な規模でむっとするほど濃い世界を創り上げる。
 とても洋ゲーらしい作品です。これまた世界から絶賛された作品ですが、どうも私は一歩退いて見てしまいます。

フェイブル2攻略サイト
フェイブル3攻略サイト


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2015年06月04日

065.マブラヴ とその続編オルタネイティブ

マブラヴ



マブラヴ オルタネイティブ



 おはようございます。本日はこちら不朽の傑作「マブラヴ」とその続編「マブラヴ オルタネイティブ」について一緒にレビューします。ちなみに続編の方も傑作でございます。

 このマブラヴシリーズ、長い歴史があるようで、古くはPC版テキストゲーム「君が望む永遠」(通称きみのぞ)から続くようです。私はこちらは未プレイですが、本作は存分に楽しめたと思っています。きみのぞでは重要な位置にいたキャラクターが、今作では脇役として登場します(脇役と侮ってはいけません。が、一つのストーリーを経て来ただけあって若干、達観している嫌いがあります)。
 また、現在ではマブラヴ→オルタネイティブに続く三作目「トータルイクリプス」が発売されていますが、未プレイのためこちらには触れません。

 まずはマブラヴの紹介からですが、こちらのパッケージには一枚のディスクに「マブラヴ エクストラ」(学園編)と、「マブラヴ アンリミテッド」(異世界編)の二つのストーリーが収録されています。
 どちらも非常に濃密な出来でして、この二つのソフトを細分化して、エクストラ、アンリミテッド、オルタネイティブと分けることも出来ます。

 そしてこの三つのストーリーは各話がはっきりと独立しており、それぞれのお話として楽しむことが出来る一方、この三つが揃って初めて「マブラヴ」という壮大なストーリーが完成するのだと言えるほど、密接な繋がりを持っていまして、その妙技、緻密さ、神懸り的な計画性が本作品群の魅力であり、傑作あるいは神ゲーと評される点です。

マブラヴ公式サイト

「マブラヴ」起動後最初に選べるのはエクストラ編で、キャッチコピーの通り王道的なストーリーが展開されます。
 私は初め、このマブラヴのイラストに結構なクセを感じまして、悪く言えば「絵が受け付けない」状態だったのですが、この手のゲームの不思議なところで、序盤を越えれば絵は気にならなくなります。中盤頃に愛着が湧き、終盤にもなると「この絵じゃなきゃダメなんだ」と思うようになります。
 不思議ですね。ずっと同じ立ち絵を見ているからでしょうか。

 エクストラ編自体は後のストーリーに比べるとインパクトはどうしても弱くなるのですが、「王道」を正しく理解し、丁寧に構成されたストーリーは、とても面白かったです。特に、登場する女の子たちが「血の通った人間」として描かれているのが顕著で、彼女たちの良い部分と悪い部分も受け入れて愛していくことになります。雰囲気は違えど、「車輪の国(略)」のようなヒューマンドラマを感じられると思います。
 逆の面として、ラノベ風王道学園ものを意識しているので、やや大げさな個性付けや、あまりにもべったりな幼馴染「純夏(すみか)」に若干の苛立ちを感じるかもしれません。

 しかしてプレイヤーが感じたマイナスイメージをも、プレイヤーのシンクロ性、ストーリーの掘り下げに活用してしまうところが本作のすごいところ。

 エクストラ編をある程度攻略すると、次にアンリミテッド編が選べるようになります。この話は、主人公・武(たける)が、ある日目を覚ますと別の場所にいた、といういわゆる異世界ものの話に転換していまして、一見、エクストラで積み上げた知識や記憶を切り捨てているように思えます。
 しかし、ここで出会う人物は、かつてエクストラ編で武(=自分)と一緒にストーリーを編み上げた少女たちで、まったく異なる世界の中で、彼女たちが普遍的に持つ悩みに対して、もう一度向き合うことになるわけです。

 エクストラ編で一人一人を攻略し、彼女たちのことをわかったつもりでいたとしても、世界の状況が一変しており右往左往しながらも、また新しい発見にありつけます。
 まるで古き良きものを大切にしながら、どんどん新しいものに切り替わっていく(逼迫した世界状況)、そんな新しい物への好奇心と懐かしさ(知っているようで知らない彼女の一面、でもそれもやっぱり彼女)が同居するような、「時代の流れ」に似た感慨を持ってプレイできるのです。

 製作者のこだわりを感じさせる愛の詰まった軍事オタ的な世界観を満喫しつつも、そこで懸命に「生き」る、知っているようで知らない彼女たちをもう一度攻略していくわけです。
 お話の都合上、ラストの展開が誰を選んでも似たような状況になってしまうのはやや残念なところですが、「少しだけエクストラ編の記憶を持ちつつ、突然異世界、それも似ているようで似ていない、世界にやってきてしまった」という、あの楽しかった学園はどこへ……という寂寥感、郷愁を、武とともに感じながら、この世界に生きていく、という話はとてもショッキングで、印象的で、とにかく感情移入が半端なかったです。

 ここまでが最初のソフト「マブラヴ」の話。

 次は「オルタネイティブ」についてです。
 このオルタ、アンリミテッド編でピリオドが付いたかに見えたお話を再度ほじくり返します。
 それも、アンリミテッドでピリオドを付けた上で、「もう一周」という設定です。なんじゃそりゃ、と思うかもしれませんが、そんな奇抜な設定でありながら、涙なくしては見ていられない物語へと昇華させちゃうのですから、もう脱帽ものです。
 エクストラ、アンリミテッドを一纏めにし、このオルタと比較してみると、前者は武も勿論そうですが、登場人物、専ら攻略可能な少女たちに重きを置いている気がします。エクストラ、アンリミテッドと二回ずつ同じ娘を攻略するので当然と言えば当然ですが、そのため少女たちの成長というものをより感じます。

 だとすれば、今作オルタネイティブは武自身の成長の物語と言えます。おぼろげになりつつも、自分のいた世界の記憶と、この世界の未来の記憶を持ち合わせた武は、自分の望むハッピーエンドを探し、再び荒廃したこの世界に「挑む」のです。
 エクストラもアンリミテッドも、掛け値なしに素晴らしいお話でした。そしてその記憶をプレイヤーも持っているわけで、積み上げてきた強固な基盤をもとに展開していく、武の奮闘は本当に涙なくして語れません。

マブラヴ オルタ公式サイト

 エクストラは勿論のこと、アンリミテッドにおいても、実は越えてはいけない一線というものがきちんと意識されています。
 しかし、このオルタではここぞとばかりその一線を踏み越えてきます。とてもショッキングです。これ以上は言えませんが、ここでそうするために、あえて踏みとどまっていたのだと容易に想像がつきます。
 このオルタの話の流れといい、全体を俯瞰してのストーリーの構成力には驚愕します。「あんたたち、本当に最初からここまで考えて作っていたの?」と、答えは決まっていますが思わず聞いてみたくなります。

 突然ですが覚えていますか? 既プレイの方はことあるごとにヒシヒシと感じていたでしょうが、とりわけオルタに関してはより顕著に感じられると思います。
 それは、「純夏がいない」という設定です。
 エクストラであれだけべたべたべたべたしていた幼なじみが、この異世界には存在しないという設定が、武だけでなく、プレイヤーの心理にもぐさりぐさりと突き刺さってくるのです。

 ただ作った、舞台としてだけの役割しかない世界……ではなく、彼らは本当に、ここで生きている、生活しているのだ、という描写が素晴らしいです。その上で、泣いて笑って感動できる、インパクトもありつつ王道も忘れない……。
 オルタネイティブのパッケージ裏にあるキャッチコピー、
「人類を無礼(なめ)るな」
 は、もしかしたらクリエイター(作り手)達の心の叫びかもしれません。

 選択肢が仕事していないからつまらない、というのは大いなる誤解です。逆に言えば、ここまで緻密に計算して、プレイヤーへのストレスやカタルシスのバランスを取るには、お話に分岐を作ってはならなかった、と取れます。

 エクストラ、アンリミテッド、オルタネイティブと遊びつくすにはかなりの時間を要しますが、お話の展開だけで一喜一憂させるだけでなく、プレイヤーの記憶や印象をも上手に引き出して感情に揺さぶりをかける、それはそれは素晴らしい体験を約束します。
 極上のエンターテインメントですよ。


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