2024年02月23日
545.ロストドラゴン
おはようございます。あるへです。
本日はこちら「Liege Dragon」のレビューです。
リージュドラゴンは洋題ですが、邦題のロストドラゴンにしても意味がわかりません。ゲームをしっかり遊んだうえでその内容を鑑みても……むしろもっと意味がわからなくなる……。ちなみにリージュは君主とか、逆に臣下って意味だそうです。
ま、それは置いといて本作、滑り出しは、良かったです。プロローグからイベントが立て続けに起こり、これからどうなるんだろうというワクワク感はあって、それぞれが腹に一物抱えてそうなキャラがどんどん仲間になり、ちょっと頭の緩さが心配になる悪役が出てきて……。
ただそんな期待感も、中盤あたりから俄かに失速してきて、結果的には駄ゲーという評価に落ち着きました。
冒険の知恵や祖国の諺を披露してくれた頼れそうな兄貴分はただの筋肉馬鹿になり下がり、機転の利く清楚な、あー、男の娘はなにかとそんな兄貴を嗜めるツッコみ役になりさがり、諸事情から変装して戦うお姫様は必要なセリフを宣う空気になり下がり、当たり障りのない記憶喪失の主人公は、突然全てを思い出して強キャラになりつつも、やっぱり当たり障りなく愛だの勇気だの連呼する機械でした。
たぶん、仲間が全員揃った時点で各キャラの掘り下げは宿屋会話に移行したんだと思いますが、戦闘行動で上下する好感度は上げにくく、エンディングにしか影響しないのでその直前でブーストするのがセオリーです。
となると目的が定まった中盤以降はイベントを追いかけ、その場と、設定されたキャラクター(個性)に相応しいセリフしか喋らなくなり、なんの面白みも無いものへ凝結しました。
ホントに、序盤のあの掛け合いの勢いはどこいったの? 疲れちゃったの?
宿屋での好感度会話に関しても、意識が下半身に偏ったような会話が多く、誉める気にはなれません。
かといってエンディングでそれぞれしっかりくっつくというわけでもなく、タイトルになぞらえるならまさに竜頭蛇尾という言葉がしっくりきます。
順番に遊んできて今までとは若干違うテイストのExe-Createな感じ、チップセットは大味なものの、街は広く、単なる補給地点ではなさそう感、魔物辞典やなんちゃってわらわら感など光る部分を感じて、初見開始30分はワクワクしたんですけどね。これは良いものを見つけたかもしれない、と。
次に攻略予定のドラゴンラピス。またドラゴンテーマかぁ……。ってかドラゴンシンカーの続編かぁ…………。なんかもう耳鳴りがしてきた気がする(笑)
2024年02月16日
544.アルファディア ジェネシス
おはようございます。あるへです。
本日はこちら「AlphadiA Genesis」のレビューです。
たぶん、Xboxに来た順番というのは私が今遊んでる順番なのですが、実際にゲームが作られた時期というのはバラバラのごちゃ混ぜなんでしょうね。ゲームの雰囲気などを見ても古い作品のように見えました。
まぁ、何が言いたいかはお察しでしょう。
UnityやCry Engineのアセットをただ配置しただけでゲームと言い張るクソゲーが一時期Steamに氾濫して、アセットゲーなどと呼ばれましたが、それに倣うなら本作は恋愛シチュのアセットゲー。
状況毎にかつて何度も目にしたセリフが次々と解き放たれ、こんな陳腐なセリフをよう金出して声優に読ませられるなぁと……。今どきこんなセリフ、誰も言わんぞ。
結果から逆算して組み立てられた恋愛イベントは、ゲーム自体が短いものだから非常に駆け足となり違和感を加速させるし、世界観から人物の所作にいたるまで矛盾なんぞお構いなしの、中学生男子の妄想爆発のようなお話で、その中でもとある仲間の言動が倫理観をも見事に破壊しており(そういうキャラ、ではなく、こういう展開を作りたいという予定のもと無理矢理動かしたらこういう言動になってしまった。書き手の引き出しの少なさが原因)非常に不愉快でした。おまけに先も述べたようにExe-Createとしては初期の作品なのかゲームプレイ自体もとても快適とは言えず、まだまだ、少し前に遊んだシークハーツやミデンの塔のような方向性が見えていません。
ただ、私には見える気がするんですよ。
かつてこんなゲームだったのが、様々な経験を経て、こんなストーリーを語れるようになり、レビューを始めプレイヤー達の反応を見て、サクサク軽いゲームを目指すようになり、Hit-pointと二手に分かれて、今は目指すべき方向が、見えている、ような気がします(笑) おぉおぉ、偉そうw
ぜんぜん楽しくないゲームでしたが、なんかね、そうそうこれだよ、私がクソゲーと呼んでるKemcoの作品は、まさにこういうやつよ、となんかちょっと嬉しくなったり……。
毎回、さて今回はどんな戦法が通用するのかな、通常攻撃はチート化するのか、はたまた全力オートでぶっ放せるのか、ゲーム内で手に入る無償通貨の稼ぎ易さやその商品、あるいはそれを使ってのゾンビアタックは可能かなど、何気に毎回異なるのでゲームスタート直後は結構楽しいんですよ。
それとは関係なく、今回はエリア内の宝箱の残りを検知する方法がなく、また隠し通路を仄めかす目印も今まで遊んだどの作品よりもわかりづらいので、220個中あと一個足りないことが発覚した時は戦慄しました。
関所の壁の後ろにしれっと隠れてました。いやぁ、一日潰す覚悟で探し始めたので、早めに見つかって良かったです。
2024年02月09日
543.イノセントリベンジャー 〜壁の乙女とミデンの塔〜
おはようございます。あるへです。
本日はこちら「Innocent Revenger 〜壁の乙女とミデンの塔〜」のレビューです。
前回遊んだウィアートルの印象がまだ強く残っていて、そちらに比べれば少し評価は落ちるのですが、それでも普通に楽しかったです。
特に今回はストア説明にもある通り、「お話」と「音楽」にちゃんと力が入れられていて、普通に感動できました。
ここぞというところで流れる殺しBGMがいいですね。迫真のケツドラムがいい味出してました。
また、表ストーリーのノーマルエンドも切なさがあって良かったし、追加ストーリーの展開は唐突感があってびっくりしたものの、トゥルーエンドは、これこそノーマルあってのトゥルーよなって感じで素晴らしかったです。
全体的に流れる切なさが良い雰囲気でした。
今回、パッシブスキルというお楽しみ要素があって、戦闘やストーリーに留まらずいろいろな条件を満たすとキャラクターが特殊なパッシブスキルを覚えてどんどん戦闘が快適になっていくというシステムがあります。様々な条件を予想してあれこれ試行錯誤していくのが面白かった半面、敵から特定の攻撃を受け続けたり、特定種類のスキルを戦闘で撃ち続けたり、面倒な作業が混じっているのが大変でした(実績にも、なんなら攻略にもほとんど影響しないものが多いので全然スルーで大丈夫です)。
また、武器の強化は他のシリーズと少し変わっていて、初めから決まった種類の特殊効果があって、強化していくたびに攻撃力だけでなくこちらの数字も伸びていく形になっています。
そのため、特定のオプションをもった武器を厳選したり、選んで組み合わせて意図的に伸ばす必要がなくなり、とにかくメインウエポンを決めたら手に入れたものは片っ端からそいつに食わせていけば何も考えずに全ステータスカンストの武器を作れるようになりました。
この強化システムはこれはこれで良かったですよ。頭使わなくて済むので(笑)
ただ、武器(も含めて装備全般)の種類が少なく、かなりやっつけのように感じたのは残念ですし、こういった強化システムからやはり今作も通常攻撃で蹂躙する攻略が強力であると想像は付くのですが、肝心の通常攻撃全体化の効果を持つ武器がかなり手に入りづらく、前述のパッシブスキルの特定行動埋めと相まってしばらくはワンボタンオート戦闘化にはこぎつけませんでした。
まぁ、せっかく作ったシステムだしちゃんと戦闘もコマンド戦闘を意識して遊んでほしいという気持ちもわかりますけどね。
決して難しいわけではなく、普段からKemcoゲーと一括りにしていますがなかなかどうして、どのタイトルにもそれぞれの遊び方というものがあって飽きないですね。
いまのところKemco修行、楽しめています。
2024年02月02日
542.魔想のウィアートル
おはようございます。あるへです。
本日はこちら「Monster Viator」のレビューです。
邦題は「魔想のウィアートル」ですが、海外版だとモンスタービアターだそうです。Viatorは旅人って意味らしいです。無理矢理読めば日本語でそう読めなくもない(笑)
いや楽しかったですね。前回のドラゴンシンカー、アレなんだったの?っていうくらいこんな隠し玉を持っていたとは! 私の中ではKemcoの抱える二つの制作チームのうち、Exe-Createはサクサク爽快無双ゲーで、Hit-Pointはビジュアル(だけ)全振り二日でコンプ余裕ゲーという印象が強いのですが、今回はそんな予想を裏切るハイクオリティでした。
今回の作品はHit-Point製でグラフィック全振り、まるでSFC黄金期のような温かみのあるドットRPGで、戦闘中の敵キャラの待機モーションには躍動感があり、マップの作り込みも非常に素晴らしかったです。
そこへ、いつものKemcoらしからぬ戦闘バランスが歯応えマシマシ、ストーリーも伏線や引き込み力があって、とんでもないクオリティになっていました。
これは、傑作かもしれない。
まだまだ私が遊んだKemcoゲーは少ないですが、それぞれのチームでどの作品が好きかと問われれば、Exe-Createは「忘失のイストリア」と並び、Hit-Pointは「魔想のウィアートル」と自信を持って答えられるほど良い作品だと思いました。
一番面白かったのは、やはり戦闘ですかね。
ドラクエ式のコマンドバトルなんですが、キャラクターにそれぞれ付けられる「カルミナ」というパッシブスキルが強力で、単なる攻撃や防御の応酬にかなりの深みを持たせています。
また、本作のキャラクターは全てが独自のスキルを持っており、基本的に最初から最後まで固定です。これらの決まったスキルと、付け替え可能なカルミナを組み合わせて、戦闘でどのように生かしていくか、そこに頭を悩ませるのが楽しく、また意外とシビアなんですよね。
というのも本作には消費アイテムという概念がないので、戦闘では攻撃と防御、逃げる以外にはこのスキルを駆使して戦わねばなりません。スキルを使うためのリソースも初期値からターン毎に回復という形をとっており、いままでの系列作品のようにオート一発全体ブッパでクリア余裕、とはいかないんですよね。
いや、雑魚戦ならそれでいいんですけど、雑魚戦なら雑魚戦で、オート一発ブッパで快適に回すにはどのような装備、アクセサリー、カルミナ、そして魔物をパーティに入れるのがいいのか、考えることになりますし、ボス戦はとてもワンパン、ツーパンで沈む体力設定ではないので、今度は逆にしっかりガードを固めて堅実に、あるいはピンチをチャンスに変えるためにどういう戦略で立ち回っていくか、やはりしっかりと考えなければなりません。
これがやっぱり楽しくてですね。
それでもストーリーにおいては、ボスを後回しにしてちょっと先のダンジョン潜って強力な装備や魔物を集めたり、レベルを上げてごり押したり、融通が利くので良かったんですが、別モードとなる「ラオの塔」はローグライクのシステムを取り入れており、さらに頭を悩まされました。現状持っているもので結果を出さなければならなかったので、各カルミナや魔物の性能など、クリアする頃には理解が進んでましたね。
単純に見えて本作のシステムとマッチしていて面白かったです。
こういうと身も蓋もないかもしれませんが、属性による相性の差が重く、敵に対して効果的な魔物を用意して攻略する様はさながらポケモンのようでした。
また、キャラクターやシナリオ、そして世界観も「いつものKemcoゲー」と侮っていた目には強烈な光でした。前述のドットクオリティから放たれるキャラの出来や動きは非常に愛らしく、世界観と相まって温もりに溢れていますし、登場するどのキャラも個性があって良かったです。敵役となるキャラも、一周回って可愛く見えてきました。
シナリオも吸引力があって、イベントがどんどん引っ張ってくれるし、メインとは関係なさそうなダンジョンに入ったら唐突に別のイベントが始まったりして、次々と何かしら事件が起こるのは見ていて楽しかったですね。
ただ、ホントに唐突に始まるので、あっちへ行く前にこっちをチラ見するつもりで来たらイベント起きちゃって、もしかしてちゃんとあっちから行っとくべきだったか!? とか混乱することはちょいちょいありました。あっちでもやりかけのイベントとかあったっぽいし……みたいな。
そして、確かに全体としてのシナリオは良かったのですが、細かい所では、たとえば序盤は物語の目的が明確になっていないこともあって、あっちへふらふらこっちへふらふらする羽目になりますが、どこどこへ行って何々をする、という目的が提示されているにも関わらず、イベントの関係でその目的は結局達成せずに次の目的が定められたりして、ちょっと落ち着かない感じはありました。
逆に終盤は、やはり目的が明確ではなく、ラストバトルも唐突感がありあまりしっくりこない展開でした。これって続き物なの?
ただ、要所はしっかり押さえてあり、伏線も張ってあったりして、もしかしてこれはこういうことなのかも、と思い始めるころにそんな伏線の回収が行われたりして、やっぱり面白かったです。
なんだかんだで攻略も一週間くらいかかったのでボリュームもあったし、大変満足しております。
満足しておりますが、サクサク快適に三日くらいで終わらせるつもりで起動したので、思った以上のボリューム、思った以上の作り込み、そして思った以上の戦闘難易度の歯応えにびっくりしてしまいました(笑)
いやホント、なんかごめん。ってかやれば出来るんじゃん! 楽しかったし、面白かった!