手塚治虫もわずか60歳で没していることを思うと、才能のある者が疾く世を去るのは定めなのだろうかと思う。
高寺氏は寡作な作家であった為、著作は多くないうえ、ほとんどが絶版・品切に近い状態で、なかなかその作品にふれることが難しい状況です。
ジャンルは多岐にわたり、ファンタジー、SF、ホラー、アクションなど自在でした。
大友克洋のアシスタントをしていたことでも知られており、その作画に関する実力は折り紙付きです。
作画技術に関するムックなどの監修も手掛けていたと思います。現在の書き割りのような画面構成を良しとせず、カメラ(使用するレンズを含めて)と被写体と空気を意識した画面作りにこだわった方でした。
代表作の「悪霊」は、きわめて映画的な作品で、カメラワークや被写界深度、エフェクトなど、現在の技術で映像化してみたい一作です。
高寺氏の作品はいずれも大好きですが、管理人の一押しは「かちかちやま」収録の同作です。
平成の終わりに、また一人、貴重な才能を失いました。合掌。
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