SankeiBiz 8月2日(火)7時13分配信
ポケモンGO急成長で「ガチャ」離れ? ゲーム業界どう変わる…見解真っ二つ
ポケモンGOの操作画面(写真:フジサンケイビジネスアイ)
配信開始から10日間が過ぎた「ポケモンGO」。“怪物級”の人気ゲームが業界の勢力図を塗り替えるのは必至で、スマートフォン向けゲームを手がけている会社への影響が注目される。現時点では各社とも影響を否定するが、利用者が他のゲームにかける時間を減らす可能性があり、海外でポケモンGOの配信が始まって以降、株価は下落傾向だ。一方で、ポケモンGOはゲームに関心がない利用者も呼び込んでおり、市場拡大の好機と期待する声もある。
日本のスマホ向けゲームで最大のヒット作とされる「パズル&ドラゴンズ(パズドラ)」が、1000万ダウンロードを達成したのは配信開始から約1年後。しかし、ネット行動分析サービスのヴァリューズによると、ポケモンGOの利用者はわずか3日間で1000万人を突破したという。
ガンホー・オンライン・エンターテイメントの森下一喜社長は、「影響はみられない」と、パズドラなどの利用動向に変化がないと強調。「(外を歩き回るポケモンGOと)遊び方が違う」と指摘した。
無料通信アプリのLINEも、売上高の3割超をゲームなどのコンテンツ事業が占める大手だ。出沢剛社長は、「数字に大きな動きはないが、引き続き注視したい」と話す。「スマホサービスの中での時間の取り合いになるとは限らない」と、スマホ利用時間の総量が増えた可能性を示唆する。
だが、株式市場ではゲーム会社の株価は軟調だ。特にスマホ向けが主力の企業の下落率は大きく、米国でポケモンGOの提供が始まった7日の終値と比較して10%超の大幅安が目立つ。
楽天証券経済研究所の今中能夫アナリストは、「ブームが長く続けば、他社への影響が出てくるだろう」と指摘。多くのスマホゲームはゲーム内で使える「アイテム(道具)」がランダムで当たる「ガチャ」という手法で課金しているが、ポケモンGOは異なる。ポケモンGOのヒットが長期化すれば、「ガチャを使ったゲームから利用者が徐々に離れる」と予測する。
一方で、老舗メーカー、コナミホールディングスの中野治副社長は、「業界が脚光を浴び、市場自体が広がった」と期待感を示す。SMBC日興証券の前田栄二シニアアナリストも、「ゲーム以外に時間を割いていた人がポケモンGOに入ってきており、業界にとってポジティブだ」と分析している。(高橋寛次)
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