カウンセリングのやり方の一つに『論理療法』と呼ばれるものがある。
別名『説得療法』ともいうが、いわゆる『懇々と諭してゆくカウンセリング』とも言える。
そして、そのやり方の基本的な部分が、クライアント・問題を抱えて困っている人の心の中の『イラショナルビリーフ・非合理的な思い込み』を『解除』してゆく事になる。
まず第一に重要な事はこれ、日本人が持ちやすい12のイラショナルビリーフ。
専門家のご指摘によれば、もっと多くの違う視点もあるかもしれないが、とりあえず、これは一番分かりやすいかな、とも思うのでピックアップしてみた。
01. 人間はすべての人に愛されなければならない。
02. 何か事をなす時には、完全無欠であらねばならない。
03. 誰か人を傷つける人は、人から責められるべきである。
04. 自分の思い通りにならないと、頭に来るのは当然である。
05. どんな人間でも、外界の圧力で落ち込んだり腹を立てたりするものである。
06. 自分のまわりで何か危険が起こりそうな時は、心配するのが当然である。
07. 困難や責任は、立ち向かうより避けるほうが楽である。
08. ものごとはうまく運ぶべきであり、直ちに結果として最良の解決策を見出さねばならない。
09. 自分の過去は重要であり、自分の感情や行動に、今も影響を及ぼしている。
10. 自分は人の拒否・非難にあったからダメな人間である。
11. 男の子は男らしくならなければならない。
12. 女の子は女らしくならなければならない。
以上12の項目をすべて『はい・YES』で答えた人。
この12項目すべて『はい』と答えてしまった心のすぐまわりに、
もし、何がしかの解消しきれない不安が、ある、という自覚があるなら、
即刻カウンセラーを選択して、一度お話を聞いていただく機会を持たれる事を推奨したい。
『いいえ・NO』よりも『はい・YES』が多い人。
そのような人の事を、悪い言い方をすれば融通が効かない人、ともいう。
知的レベルが高いからといって、融通が効く、という保証はない事は大いに注目しておくべきである。
この12項目すべてに『はい』というように生きてきた人は、いわゆる『いい子ちゃん』だ。
人の顔色をうかがい、他者の求める答えを100%実現しようと真剣になれる人である。
少なくともそのように生きる事を目的として頑張ってきた人である。
その事は『生き方の目標の掲げ方』としては間違ってはいない。
コンピューターはちゃんとプログラムが組んであれば、瞬時に答えが出る。
人間の能力のあり方の一つとして正解だろう。しかし、
『非合理的な思い込みは、人生を誤る』
これが主題だ。
むしろ、それが応用出来る範囲は、身近な生活の場面にたくさん存在しているといえる。
例えば(これはあまり身近ではないかもしれないが)ニューハーフは、
11. 男の子は男らしくならなければならない。
という『非合理的な思い込み』で“死ぬほど苦しんできた事”が、そのプロフィールを見れば容易に学べる。『はるな愛_WIKI』等参照。
12. 女の子は女らしくならなければならない。
これも『非合理的な思い込み』として、解除を試みれば、新しい人生が開ける人は多いのではないかと思われる。
01. 人間はすべての人に愛されなければならない。
→そんな事は間違ってないのだが、大真面目にこう考えている人はいる。
こう考えれば考えるほど、生きる事に疲れきってしまって、愛を感じる事は出来ないかもしれない。
02. 何か事をなす時には、完全無欠であらねばならない。
→事業で成功してる人は、たいがいこのような思い込みは無い。02に囚われてる人(完全無欠であらねばならない…が頭の中に溢れかえっている人)は成功しにくい。
03. 誰か人を傷つける人は、人から責められるべきである。
→韓国人の従軍慰安婦問題を蒸し返す時の共通心理パターン。もちろんこんな思い込みに囚われてないまともな韓国人もいるし、こんな思い込みに囚われている日本人もいる事は忘れてはなるまい。
04. 自分の思い通りにならないと、頭に来るのは当然である。
→韓国人の共通心理パターン。同上。当然日本人のみならずこのような思い込みが限度を越えて、人様に迷惑をかける人がいるのは万国共通である。
05. どんな人間でも、外界の圧力で落ち込んだり腹を立てたりするものである。
→同上。
06. 自分のまわりで何か危険が起こりそうな時は、心配するのが当然。
→この思い込みがバランスを失ってひどくなると鬱になる。
鬱を解消するのに運動をする事が大いに推奨されるが、心と身体はまさに一つ、という観点は貴重だ。
07. 困難や責任は、立ち向かうより避けるほうが楽である。
→実はワーキングプアの心理分析に重要なキーワードではないかと思われる。
当然社会的格差構造に関しての分析は必須だが、
心理的環境と社会的環境の相関関係もまた見過ごせない媒介変数がある、と考えるべきだ。
精神を再起動するポイントは、決して自分から遠い場所にあるわけではない。
08. ものごとはうまく運ぶべきであり、直ちに結果として最良の解決策を見出さねばならない。
→アメリカ人の共通心理パターン。自由と民主主義は大切だが、それを力ずくで押し付けられるのは困る。
話せばわかる人に対する技法がカウンセリングであり、カウンセリングの源流がアメリカにある事を考えると、これもまた深い。
09. 自分の過去は重要であり、自分の感情や行動に、今も影響を及ぼしている。
→日本人の共通心理パターン。
自分の人生を見つめる視点こそは、まさに融通無碍(とらわれなく自由であること)でありたい。現実はなかなかそうはいかないもので…
10. 自分は人の拒否・非難にあったからダメな人間である。
→幻想的お花畑自虐主義史観の共通心理パターンはまさにこれだろう。
当然ながら彼らは彼ら自身のことを『調和のとれた世界観』をもっている、と思っているから『非合理的な思い込み』を解除するカウンセリング的技法は、この時点でより注目を浴びることになる。
人生、適当でいいのである。
『ま、いいか』のセリフが大嫌いな人は、これはもう本質的なものだから、いちがいにどうこうすべし、とはいえないが、『人生、適当でいい』と肩の力をぬいてうまく見極めが出来た時に、実は、心の奥底では、ちゃんと先々まで見通す余裕を確保している事が多い。
『ま、いいか』は、試行錯誤を大いに推奨する。
『ま、いいか』は、摂受(より広く深く受け入れる事)を推奨する。
それは教えを乞うために頭を下げることを、大いに推奨する。
『ま、いいか』は決して『いいかげん』の別名ではない。
素直に明るく試行錯誤を繰り返せばいい。
そうすれば、『非合理的な思い込み』に縛られた能率の悪い人生のシナリオを書き直すチャンスは、大いに巡ってくるのは間違いない。
'13.07/12
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