興味深いものがあった。
桁違いの衝撃、中国最大の民営投資会社がデフォルト
2/28(木) 6:15配信 JBpress
桁違いの衝撃、中国最大の民営投資会社がデフォルト
中国の太陽光発電関連産業が暗黒期に突入。中国経済に深刻な影響をもたらしている
(福島 香織:ジャーナリスト)
ブラックスワンは、マーケットにおいてほとんど予測ができない極端な事象が起きて、それが広大な影響を与えることを言う。黒い白鳥は存在しない、あり得ないと思われていたのに、存在が見つかったとき大きな衝撃を与えたことからそう呼ばれる。 リーマン・ショックなどはブラックスワンだ。
一方、 グレーリノ、つまり 灰色の犀(サイ)は、高い確率で存在し大きな問題を引き起こすにもかかわらず、軽視されがちな事象 のこと。犀は図体が大きく、そこに存在することがわかっているが、目立たずおとなしいので軽視されがち、だがいったん暴れ出すと手が付けられない、ということが由来という。 不良債権や不動産バブル、少子高齢化問題 などは、普段からそこに危険の予兆として存在していることは誰もが知っているのに、長い間そこにあるために慣れてしまうという“灰色の犀”だ。
これが中国には、多数存在するというのだ。
「 中国民生投資集団」(中民投、CMIG)の「16民生投資PPN001」という社債は1月29日が償還日だったが、償還が延期された。当初、技術的問題、と説明されていたが、 結局債務不履行 となった。償還できなかったのは、太陽光パネル投資の失敗や企業買収による負債からくる資金の流動性の困難が原因だったとか。
2018年、民営企業の社債デフォルトは2018年に42社118件で総額1200億元規模 にのぼっていた。もはやデフォルトラッシュといっていいぐらいで、社債デフォルトにはちょっと慣れかけていたのだが、この中民投のデフォルトは衝撃度が違った。
中民投は、中華工商業聯合会という中国最大の民間企業商会の後押しを受けて、中国の大民営企業59社がそれぞれ2%を超えない範囲で出資する形で、国務院の批准を得て2014年に設立された民営企業の希望の星である。資本金500億元。総裁の李懐珍は、中央銀行や銀行監督管理委員会、民生銀行の幹部を務めた人物で、民営とはいえ、 政府の全面的バックアップを得ていた。中国版モルガン・スタンレー などとも呼ばれ、当初は「 民営企業の育成や業界再編、地域経済の構造改革などに役割を果たす 」などと、多いに期待が寄せられていた。
にもかかわらず、政府の肝いりで発足した企業のデフォルトである。
不動産バブルと社債デフォルトという番いの犀 が走り出せば、金融システミックリスクという犀の群れ全体が大暴れして、中国の市場を踏み荒らし、そこから飛び出して世界を踏み荒らしまくるかもしれない。
犀の角を不老長寿の薬と信じている富裕中国人は、密猟のやりすぎでアフリカの犀を絶滅の危機に追い込んできた。今、中国経済・金融マーケットに生息する犀は、 中国を絶望的危機に追い込むかもしれない 。これは犀の呪いというべきか?
福島 香織
国際的な中国の詐欺援助と合わせて、
国内での景気減速によるデフォルト問題は
今後注視しなければいけない。
少なからず、世界に影響を与える大きな要因の一つになるからだ。
世界的な景気減速が加速する懸念が出ている昨今、
東京オリンピックにばかり浮かれているわけにはいかない。
BY いいとこどり
【このカテゴリーの最新記事】
- no image
- no image
- no image
- no image
- no image