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佐賀県鳥栖市に拠点をおく「短歌文学会」を紹介するブログです。短歌の楽しさ・魅力をみなさんと共有できたらと思っています♪管理者は、3代目主宰者の娘であり、文学会会員のaquaです。
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2014年09月25日

吾木香・われもこう(われもかう)

ワレモコウ

お彼岸に花のアレンジメントをいただきました。その中に 吾木香 の慎ましくも可愛いひと枝がありました。

茎葉に香気があり、野趣に富んだ秋の草として人の心を引き付けるものがあります。

吾木香は、バラ科、ワレモコウ属の多年草です。日本の山野でごく普通に見られる植物で、冬は地上部が枯れて根の状態で越し春に再び芽を出して生長するのですね。 

夏から秋にかけて茎の先端に小花がたくさん集まって卵形を成した花穂を付けます。花は渋い赤色、花びらに見える部分は萼(がく)で花びらは退化しています。小花を穂状に付ける植物の場合、下から先端へ向かって咲き進むものが多いのですが、ワレモコウの場合先端から下に向かって咲き進む、いわゆる、「有限花序(ゆうげんかじょ)」ですね。

吾木香、漢字ではこのほか 「吾亦紅」「我毛紅」 などの字が当てられますが語源は諸説ありはっきりしません。

漢方では 根を乾燥させたものが止血剤として利用され「地楡(ちゆ)」と呼ばれていますね。

(参考『植物語源辞典』『植物短歌辞典』)
ワレモコウ


では、短歌を二首あげておきます。
鹿児島寿蔵(『潮汐』)
吾木香の花くろずみてむらがれりこの古き道はゆく人もなし

岡 麓(『涌井』)
秋草の咲き競へるにまじりては吾亦紅もまた花のひとつや


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2014年09月24日

唐辛子・とうがらし(たうがらし)

トウガラシ
事務局の畑に植えられて、素麺、味噌汁をはじめ、日頃の膳に香辛料として活躍している 唐辛子 です。……と写真が届きました。

唐辛子 は、ナス科、トウガラシ属の一年生草本です。南アメリカ原産です。

コロンブスが、1493年アメリカ大陸から持ち帰ったときに 胡椒(こしょう)と間違えて ペッパーと呼んだことから、今でも海外では レッド・ペッパーと呼ばれています。因みに、胡椒はコショウ科、コショウ属の蔓性常緑木本です。でも、わが国でも唐辛子をコショウと呼んでいますね。柚子胡椒などそうですね。

日本には、16世紀に渡来しました。「唐」の名がついていますが中国原産ではありません。これにつては、ポルトガル人がもたらした、秀吉が朝鮮出兵の際に持ち帰った、慶長年間に南蛮より入ったなど諸説があるようです。

香辛料や野菜として栽培されています唐辛子、旬は青とうがらしが夏、赤とうがらしが秋という印象です。赤唐辛子で真っ赤なキムチや、辛味の効いた高菜漬けも美味しいですよね。

辛味成分はカプサイジンという物質で、 胃液の分泌をよくし食欲増進効果、脂肪の燃焼促進、末梢血管を刺激し血行をよくするので冷え性にも効果あり ということです。暑いときも寒いときも体にいい唐辛子なのですね。(参考『野菜と果物図鑑』)

では、短歌を二首あげておきます。

北原 白秋(『桐の花』)
武蔵野のだんだん畑の唐辛子いまあかあかと刈り干しにけれ

生方たつゑ(『白い風の中で』)
くれなゐの唐辛子灯にきざみゐて夜のてのひらを熱しとおもふ


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2014年09月22日

紫蘇・しそ

シソ

事務局の畑に繁っている、 青紫蘇、赤紫蘇 が小さい花をつけています。……と、事務局から写真が届きました。

紫蘇は、シソ科、シソ属の一年生草本で、ヒマラヤ、中国、ミャンマーの原産です。東洋の温帯地帯に広く分布しています。わが国への紫蘇の渡来は古く、縄文時代の貝塚や、土器と一緒に種子が出土しています。更に、平安時代の『本草和名』には、薬用・漬け物として利用したことが書かれています。

紫蘇という名前は、漢名の「紫蘇」「蘇」の字音シソに由来しています。『和名抄』では「蘇」を「乃良衣」(のらえ)と読んでいますので、古名は「のらえ」だったとされています。

青紫蘇(大葉)は、葉の両面とも緑色。赤紫蘇より香りが高く、この芳香成分は、強い防腐力・防かび作用があります。寿司、刺身、天ぷらなど、あしらいや薬味として使われるのはこのためです。

芳香成分のほかに有用な成分、ミネラル、ビタミンなども多く含み、抗菌・殺菌作用、ガン抑制、動脈硬化予防、アレルギー抑制、などが期待できるそうです。「蘇」には、芳香が爽快で食を進ませ、元気を蘇らせる、という意味があります。紫蘇は、「蘇」という字に相応しい力を秘めているのですね。 (参考『野菜と果物図鑑』『食材百科事典』(女子栄養大)『牧野日本植物図鑑』)

シソ

では、短歌を二首あげておきます。

北原 白秋 (『桐の花』)
ほそぼそと出臍(でべそ)の小児(こども)笛を吹く紫蘇の畑の春のゆふぐれ

土田 耕平 (『一塊』)
雨あがり草の乱れし庭べより紫蘇のにほひの沁みくる覚ゆ

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2014年09月20日

向日葵・ひまわり(ひまはり)

事務局のある佐賀県鳥栖市は、サッカーのサガントスで盛り上がっています。その鳥栖市を流れる安良川の川沿いのひまわり見ながらを散策しました。ひまわりの季節です。……と写真が届きました。

ひまわりはキク科ヒマワリ属の一年草。北アメリカ原産で、16世紀にイギリスに伝わり、sunflower(太陽の花)と呼ばれ始めたということです。日本には、江戸時代に中国から渡来しています。オランダ人画家ゴッホが好んで描いたことは有名です。ロシアの国花ですね。

別名は、 日輪草(にちりんそう)、天蓋花(てんがいばな)、向日葵(こうじつあふひ) などいろいろです。

ひまわりは、名の如く花が日について廻ると思われていますが、はたして? 牧野富太郎は「花から連想しての誤認」と書かれている(『牧野日本植物図鑑』)。シロタエヒマワリでは、日について廻るとする学術報告があります。また実際廻るのは若い蕾の時だけだとも言われています(『植物語源辞典』)。

ひまわり
全部太陽の方を向いて、カメラには見向きもしない仕草に笑ってしまいました。

それならと前に回り込んで、太陽を背に写真をとりました。このひまわりは、日について廻る種類かも知れませんね。
ひまわり


ひまわり

では、短歌を二首上げておきます。
今井邦子 (『紫草』)
此庭にひまはりの花一つ咲き小さき蝶の幾度か来るも

太田水穂 (『雲鳥』)
朝日やゝ暑くなりくる花畠に露をこぼせる向日葵の花


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2014年09月19日

モロヘイヤ・つなそ(綱麻)

モロヘイヤ
事務局の前畑に植えているモロヘイヤに黄色い花が咲いたと、写真が届きました。日照時間が12時間以下になると開花すると言いますから納得です。

モロヘイヤは、シナノキ科、ツナソ属の一年生草本。東地中海(北アフリカ、インドとも)の原産といわれます。エジプトを中心とする中近東地域で栽培され、昔、王様が病気で苦しんでいたとき医者がモロヘイヤのスープをすすめ、全快して以来、アラビア語で、「王様の食べる野菜」という意味のこの名になったそうです。クレオパトラも好んで食べたとか……。
モロヘイヤ
日本には、1980年代にはいってから栽培されはじめました、最近、健康志向が高まる中、栄養価も高く、注目の野菜で広く栽培されています。

その栄養価は、ホウレンソウに比べ、カルシウムが9倍、ビタミンEが5.6倍、Aが4.7倍、Cが2.6倍含まれ、ビタミン、鉄、カルシウム、食物繊維も多いのです。ただし、ほうれん草と同じ「シュウ酸」を含んでいるので、茹でてアク抜きをする必要があります。

また、この果実は毒性があり、食用に適しませんね。
(参考『野菜と果物図鑑』『広辞苑』『マイペディア百科事典』『牧野日本植物図鑑』)

短歌を二首上げておきます。

碇 弘毅 (『姫由理』2013)
前畑に採れし小松菜モロヘイヤ大葉と合はせスムージーに飲む

碇 弘毅 (『姫由理』2014)
お浸しのモロヘイヤあしらひ真夏日の夕べの庭にビールの美(うま)し


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2014年09月17日

狗尾草・えのころぐさ(莠・ねこじゃらし)

えのころぐさ
秋の草、公園、道端や畑などで普通に見かける草花ですが、秋の季節の花(穂)です。と、事務局から写真が届きました。

エノコログサ は、イネ科、エノコログサ属の一年生草本です。犬の子草の意味で、その穂が子犬の尾に似ているからいいます。猫ジャラシは、その穂で子猫をじゃれさすからいうのですね。(参考『牧野日本植物図鑑』)。
えのころぐさ

全国を眺めますと、呼び名は百以上有りそうで、少し例を挙げておきますと、……いぬくさ、いぬころ、いぬころころ、いんくさ、いんのお、えのこぐさ、きつねのおっぽ、けむし、ねこ、ねこじゃらかし、ねこだまし、……などなど。(『日本植物方言集成』)。

子犬、子猫と係わった、中には毛虫もありますけど、ネーミングが可愛く楽しいですね。

では、短歌を二首あげておきます。

岡 麓 (『小笹生』)
くさむいらのしげみ離れて二三本(ふたみもと)狗尾草の穂はなびくなり

宮 柊二 (『群鶏』)
松山の陽射とどかぬ径を来て狗尾草の芒(のぎ)踏み拉(しだ)く


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2014年09月16日

コスモス・あきざくら

コスモス

代表的な秋の草花で、秋に一重または八重の花をさかせます。別名が、 秋桜・あきざくら、おおはるしゃぎく

キク科コスモス属の一年生草でメキシコ原産。日本には明治の初期に伝えられたようです。一説には、イタリアの芸術家が1876年頃にメキシコから日本に持ち込んだのが最初といいます。(Atusi Yamamoto『季節の花300』)

鑑賞用として花壇などの栽植され、今では各地で逸出して野生状態になっています。花色は白色または淡紅色、時に深紅色もあり美しいですね。

コスモスの名は、「宇宙」を意味する英語のcosmos、更にそのもとは、ギリシャ語の「秩序」を意味するkosmosに至ります。宇宙の意味は「秩序→整然たる組織→調和→宇宙」という変化から生じ、コスモスの花は「秩序→装飾→美しい花」という変化から生じたと言います。(『植物語源辞典』)

では、短歌を三首上げておきます。(参考『植物短歌辞典』)

土田耕平(『一塊』)
コスモスは倒れたるままに咲き満てりとんぼうあまたとまるしづかさ

岡 麓(『庭苔』)
朝日さす庭しづかなりこすもすの花ゆれやまぬそよ風のふき

木俣 修(『高志』)
地に伏して小花もたぐるコスモスを濡らしゆきつつ秋霖雨(つゆ)昏し


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2014年09月15日

彼岸花・ひがんばな(曼珠沙華)

事務局から彼岸花の写真が届きました。

秋彼岸の頃、突然茎が伸びてきて鮮やかな赤い花を咲かせる彼岸花です。畦道に、道端に季節を違えず真っ赤な花を咲かせていました。 
彼岸花

花が終わったあとには葉が伸びてきます。そして冬と春を越して夏近くなると葉は枯れて全く消えてしまいます。花と葉を同時に見ることはありません。……とありました。
彼岸花
彼岸花は、ヒガンバナ科、ヒガンバナ属の多年草。中国原産で有史以前に渡来したといわれています(平安末期〜鎌倉時代説もあります)。古名「曼珠沙華」は梵語「マンジュサカ(赤い花の意)」の音写語からきているそうですね(牧野新日本植物図鑑)。

全草にリコリンなどのアルカロイドを含み有毒ですが、昔は救荒植物として鱗茎を水でさらし有毒成分を除いて食用、薬用、糊料としたと記されています(『マイペディア百科事典』)。
彼岸花

では、歌を三首上げておきます。

『万葉集』2480
路の辺の壱師(いちし)の花のいちしろく皆知りぬ我が恋妻(こひづま)を

訳:路のほとりの壱師の花のようにはっきりと人はみんな知ってしまった、私の恋しい妻を。
注:壱師(いちし)=未詳、一説にヒガンバナ。 いちしろく=著しく。
(参考:中西進『万葉集』講談社文庫)

斎藤茂吉(『赤光』)
秋のかぜ吹きてゐたれば遠かたの薄のなかに曼珠沙華赤し

松村英一(『やますげ』)
藪際の一もと柿の葉は黄ばみ下かげあかるし曼珠沙華の花



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2014年09月12日

朝顔・あさがお(あさがほ)  

あさがお

事務局の庭の垣根を朝顔がのぼり、花を着け始めています。

自然生えといいますか、鳥たちの仕業といいますか、自然の恵み、有難いですね、と事務局から写真が届きました。

朝顔は、ヒルガオ科、サツマイモ属の一年生草本です。熱帯アジアの原産で、日本には中国から渡来。奈良時代末期に(平安時代に、とする説もあります)遣唐使が、その種子を薬として持ち帰ったものが初めとされます。

江戸後期には園芸植物として品種の改良発達をみています。品種が多く、花の色も白、紫、紅、藍、絞りなど多彩ですね。朝早く、日没してから約10時間後(朝4時頃)開花するのでこの名がありますね。

茎は蔓になっていて左巻きに巻き付きます。

なお古く万葉集などで「朝顔」と呼ばれているものは、本種でなく、キキョウあるいはムクゲを指しているとされています。
(参考『広辞苑』『植物短歌辞典』『ブリタニカ百科事典』)

では、短歌を三首上げておきます。

与謝野晶子 (『常夏』)
朝がほの紅むらさきを一いろに染めぬわりなき秋の雨かな

半田 良平 (『幸木』)
一つ咲きて愛でし水色の朝顔はあまた咲く今になりても飽かず

太田 水穂 (『螺鈿』)
あさ顔の濃き藍の花のひとつより流れて空の色となりぬらし


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2014年09月11日

蛙・かえる(かへる)、かわず(かはづ)

睡蓮の開花は?と覗ってみると開花の気配はなし。

ただ、ひき蛙が、涼しくなってきて朝の体を温めるかのように、葉の上に這い蹲っているのでした。……と事務局から写真が届きました。
カエル

「かえる」 は、カエル目(無尾類ともいう)の両生類の総称。幼生はオタマジャクシ。古来、人間生活に近い存在で、田や雨の神とする地域もあります。(参考『広辞苑』)

万葉集にも、 カヘル、カハヅ、タニグク 等の読みで20首詠まれています。カジカガエル、ヒキガエル、アマガエルなどが含まれていますね。

では、短歌を二首上げておきます。

碇 登志雄 (『神幸』)
苔の庭を傳ひ來る風の青みつつひるをひびき來遠田の蛙

土井 敏明 (『姫由理』2014)
山峡をうがち流るる音の間に河鹿蛙の澄める声聞く


カエル


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