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2018年06月07日

発電はレーザーでケーブルレスで空を羽ばたく「超小型ロボ」がスゴイ!

さて、今回は「ケーブルレスで空を飛ぶ超小型ロボ」についてです。

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電力供給用のケーブル無しに羽ばたく 超小型の「ハエ型ロボット」を、米大学の研究チームが開発した。

極小のソーラーパネルにレーザー光線を当てて発電する このロボットが進化して飛び回るようになれば、ドローンに出来ないような調査活動やデータ収集が可能になるかも知れない。

その仕組みと動きを紹介する。

マサチューセッツ工科大学(MIT) で人工知能(AI)を研究していた ロドニー・ブルックス アニタ・フリン は、1989年にゾッとするような予言をした。

「数年後には、安いコストで数億個の超小型ロボットを製造し、惑星を侵略出来るようになるだろう」 と述べたのだ。

この予言は、 『Fast,Cheap and out of Control:A Robot Invasion of the Solar System(高速かつ安価:制御不能なロボットによる太陽系の侵略)』 という論文に掲載された。

小型で自律性のある「ハエ型ロボット」を安いコストで大量に生産し、様々な問題を解決できる日が近いうちに実現するというのが、この論文の主張だった。

それから30年近くたった今、ブルックスとフリンが予言したような超小型ロボットが数億個も飛び回る世界は訪れてはいない。

しかし、世界中で7億台を超える「iPhone」が使用されているのを考えれば、彼らの見立てがある程度は正しかったと言える。

だが、ブンブンと音を立てながら素早く飛び回る、自律性がある超過型ロボットはまだ夢物語だ。

地面から離陸した後に飛行し、着陸できるハエサイズのロボットは存在するが、常に外部からの電力を必要とする。

しかし、この状況はもうすぐ変わる可能性がある。





・レーザーで発電して羽ばたく超小型ロボ

ワシントン大学 で機械工学を研究する ソーヤー・バックミンスター・フラー教授 (ジオテックドームを発明した著名な建築家バックミンスター・フラーとは別人)は5月15日、飛行範囲や動きを制限するケーブルを必要としないハエ型ロボットを開発したと発表した。

彼らはロボットに超小型のソーラーパネルを搭載し、レーザー光線で電力を供給する事に成功したのだ。

フラー教授の目標は、人類の最も実用的な発明品である回転機構を使わず、 生物学的原理に従って動くロボットを作る 事だった。

電動の動力機構を利用した最新の電気機器は、何らかの回転機構を必要とする。

一方、 生物は波を作るように羽を動かす

人間も腕を上下に振って波のような動きをする事は出来るが、腕を軸にして前後に回転させる事は出来ない。

フラー教授のロボットも羽をヘリコプターのように回転させるのではなく、ハチドリのように素早く羽ばたかせる。

このハエ型ロボットは体が小さい為、モーターを使うものと比べて消費電力は少ない。

しかし、それでも多くの電力を必要とする。

市販の電池では、このハエ型ロボットが飛ぶ電力を供給出来ないのだ。

「補聴器用電池のサイズがぴったりだが、電力が弱すぎるのです」と、フラー教授は説明する。

この為、電源コンセントの電気よりも高い電圧をレーザーで供給しているが、ロボットに届く電力はおよそ4分の1に減ってしまう。

電力を供給する方法としては「きわめて非効率」だ。

しかし、「このハエ型ロボットが飛ぶには、そこまで多くのパワーを必要としません」とフラー教授は説明する。

ただし、ハエ型ロボットを電線から解放したからといって、今すぐ果樹園で花粉を集めてもらう事は出来ない。

ロボットに充分な電力を供給するには、ロボットから7フィート(約2.1m)以内の距離にレーザー発射装置を置かなければならないのだ。

また 、レーザー光線は電線とは違って、人間の目に有害 だ。

この為ロボットを自由に飛び回らせて、西部開拓時代にあちこちでリンゴの苗を植えた人物として語り継がれるジョニー・アップルシードのように、自由に活動させるのは難しいだろう。

それでもこのロボットは、ハエという生物の動きを解明するのに役立つ。

「脳の仕組みを解明する対象としてハエは扱いやすく、優れた生命体です」 とフラー教授は主張する。

「ハエの脳が動きをコントロールする仕組みを解明するのは、サルやネコと比べれば遥かに簡単で、扱いやすい問題なのです」





・ドローンには出来ない作業が可能になる

研究所の外で虫サイズの自律型ロボットを利用すれば、ドローンのような大きなマシンより実用的かも知れない。

電力の問題が解決するのは先になりそうだが、その時には一気に役立つ存在になっていく可能性がある。

空中で静止できるので、大きなロボットでは難しい調査活動が出来るのだ。

「ある地域に大量の虫型ロボットを解き放ち、データを収集出来るようになるかも知れません」 と、パデュー大学で生物を模倣したロボットを研究するシンヤン・デンは語る。

未来の虫型ロボットは、非常に狭い空間に入り込んで偵察したり、汚染物質の漏洩を見つけ出したり、捜索活動を行ったり出来るようになるだろう。

「自然は何百万年という時間をかけて進化しました。 人間はその自然から学び、一定の目標を達成するシステムを構築するのです」 とデンは語る。

虫は、4億年かけて進化してきた。

研究が進めば、惑星を侵略出来るような超小型ロボットが誕生するかも知れない・・・。

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