しげのです。
前回お話した 「聴くということ」 、いかがでしたでしょうか?
今日はその「聴く」という 能力を開発 しよう、というお話をしようと思います。
そのためのトレーニング方法などをご紹介します。
先に言っておきますが、
結構 地味 です(笑)
が、効果テキメンです( ̄▽+ ̄*)
あなたは「聴く」ということは得意ですか?ニガテですか?
この「聴く」という能力は、実は 後天的に身につけることができます。
つまり 今 、あなたが「聴く」は ニガテと思っていても、
「聴く」ことが できるようになる ということです。
勘違いして欲しくないのは、
「絶対音感」と今日お話する「聴く」は全く別ものということ。
(詳しくは 「聴くということ」 を参照下さいね。)
「聴く」ことができるようになったら、
きっとあなたの 音楽人生は大きく飛躍する ことになる能力だと思います。
是非「聴く」という能力を身につけて、
あなたの音楽生活を100倍楽しくして欲しいと思います。
「聴く」は習慣
結論を先に言うと、
「聴く」という能力は ただの習慣 です。
「聴く耳を持つ」 ということですね。
つまり、
普段から周りの人の音を聴こうとしているかどうか?
あなたに、普段から音を 聴こうとする姿勢 があるかどうか?
たったこれだけです。
これが何年も積み重なって大きな差となり、
「聴く」がニガテなあなたが出来上がったわけです。
そして、それを改善するには、
これからは 演奏の度に「聴く」という姿勢を持つこと。
たったこれだけなんです。
かといってこれだけで終わってしまうわけにはいかないので、
あなたの聴く能力を開発するための、
いくつかの方法をご紹介します。
- 他のパートが何をやっているか?知ろう
- 「弾く」をやめよう
- メトロノームと練習しよう
- 譜面を見ずに相手の顔を見よう
他のパートがどんなことをやっているか?知ってみよう
僕の若かりし頃、実はベースに興味がなかったんですが、今はベース大好き人間。
その体験談からお話を進めますね。
試しに何かCDを再生し、
1曲の 最初 から 最後まで ベースを 聴きっぱなし にしてみてください。
(もしくは普段あまり聴かないパートでもOK)
曲の途中で 自分の興味あるパートに 耳が向いてしまったりしませんか?(笑)
昔ベースに興味がなかった頃、
何となく四分音符でドゥンドゥンやってるな〜って程度にしか思ってなかったんですね。
それが、ピアノ1台で歌伴をする機会が増えたことで、
ベースを研究する必要性が出て来まして…
なので考えました。
1曲、 始まり から 終わり まで、 ベースだけを聴きっぱなしにする習慣を持とう と。
正直はじめはちょっと苦痛でした(笑)
ですがこれはすぐ慣れます。
そして聴けば聴く程、奥が深くて、シンプルな弾き方でも色んな工夫がされていることに気付きました。
「粋だな〜」と思いましたよ。
すると、実際の演奏現場で、友達が弾いてるベースの音が気になるようになってきたんです。
いい意味 も 悪い意味 も含めて。
ベースを知ると、今度はドラムがどんなことをやってベースと絡んでいるか?にも興味が湧いて来ました。
そうしてベースとドラムがどんなことをやってるか?が具体的にわかると、
今度はベースとドラムのコンビネーションが気になるようになってきたんです。
いい意味 も 悪い意味 も含めて。
次第に 上手い人とヘタな人の違い もわかるようになってきて、
気付いた頃にはバンド全体の アンサンブルとグルーヴを聴きながら プレイできるようになっていたんです。
こんな風に、 他のパートがどんなことをやっているか? を知るだけで、
相手の音に対する理解度が格段に上がります。
そしてどんどん 聴く耳が育ってきます。
是非一度、他のパートを曲の始まりから終わりまで聴きっぱなしにする、
ということを試してみて下さい。
地味ですけど結構効果テキメンです。
「弾く」をやめよう
(攻撃的なタイトルですいません…たぶん、そういう意味じゃないです)
実際に演奏するとき、
あなたが演奏するフレーズのことでアタマがいっぱいになってしまっていたり、
コードのことやスケール、フレージングのことばっかり考えてしまっていませんか?
「弾くのに余裕が出て来ないと、まだ聴く余裕は…」
なんて思っているあなた。
これは 順番が逆 ですよ。
「聴く」はあくまで 習慣。
聴く余裕 を持たないから弾くことだけでイッパイイッパイなままなんです。
「聴く」を邪魔している のは往々にして 「弾く」こと なんです、実は。
かと言って、いきなり弾きながら聴きっぱなしなんて難しいですよね?
そこでオススメなのが、
「弾く」をやめる = 手数を減らす です。
演奏中夢中になりすぎて、 息つく間もない8分音符の羅列 になっていませんか?
まずは、夢中になって弾いてても、
ふと我に返って聴く、 を取り入れるだけでOK。
セッション中に、
→1フレーズ弾く
→周りの音に耳を向ける(=我に返る)
→また1フレーズ弾く
→また周りの音に耳を向ける(=我に返る)…
のように、交互にやってみることです。
意識的には、
周りの音に耳を向ける = ベース+ドラムの音をお客さんに聴かせてあげる
みたいに思ってもOK。
そして、 聴く時間 を少しずつ長く取っていきましょう。
何度も言いますが、「聴く」はあくまで 「習慣」 。
周りの音を聴く習慣ができてくると、
自然と いつの間にか弾くと同時に聴けるように なってきます。
何よりプレイ中に 落ち着いていられる ようになりますしね。
また、こうすることであなたのソロフレーズにスペースも生まれ、
お客さんには 聴き心地のいいフレーズになる というメリットもあります。
メトロノームと練習しよう
メトロノーム、持ってますか?
これも地味な練習だし嫌いな人もいるでしょう。
ireal Proの様なマイナスワン生成アプリなどで練習するのももちろんOKですが、
これだと カラオケ状態 になってしまいがち。
単純に「聴く」能力を開発するには、 メトロノームの方が効果テキメン と思います。
アナログでも電子メトロノームでもどちらでもOKです。
電子メトロノームの場合は、
演奏の音にかき消されないような、 大きな音の出るもの をオススメします。
メトロノームの効果的な使い方はまた別途お話しますが、
まずは 単純にメトロノームに合わせて弾いてみましょう。
メトロノームとずれて来たら、それは聴けていない証拠。
これをリズム感だと勘違いしている人も多いですが、
メトロノームを聴きっぱなし で演奏することで、
ズレないしズレても 即修正 できるようになってきます。
この 聴いて合わせるスキル、ズレても即修正するスキル は、
演奏現場であなたを助けてくれるスキルです。
練習する際、メトロノームを 常に使う習慣 をつけましょう。
譜面を見ずに相手の顔を見よう
最後に、 譜面を見ずに顔を上げよう というお話をします。
譜面と始終にらめっこ…
こうなると 譜面を処理 することに夢中になってしまったりと、
これもまた「聴く」を妨害する習慣の1つなんですね。
聴けるようになってからは譜面を見っぱなしでも特に問題ないのですが、
発展途上の内こそ顔を上げて、 周りのプレイヤーを見て演奏する習慣 を持ちましょう。
実際に「聴く」だけでなく、その音を出してる 「姿を見る」 ことで、
聴くことを多いに加速 させてくれます。
また、相手の 呼吸 を読みやすくなります。
曲が覚えられない!という人もいると思いますが、
丸暗記する必要はありません。
譜面とにらめっこしてしまう原因は、
「譜面を見てしか演奏できない」という習慣 なだけです。
不安なとこだけちょっと見る、など、 譜面を封印する必要はない ので、
思い切って顔を上げて お互いの表情を見る習慣を持ちましょう。
なんと言っても聴く習慣がない人ほど、
自分が 見ているものの音を聴こう とする習慣が身に付いている人です。
(TVとか見てると家族の話とか聴かなかったりしてません?)
相手の演奏する姿を見る だけで、
今のあなたの習慣が、そのまま 相手の音を聴こうとする行為に直結 するんです。
こうして「生演奏の音」が「必要な音」として認識されてくるだけで、
自然と聴く習慣は身に付いてくるものです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
「聴く」能力開発。
- 他のパートが何をやっているか?知ろう
- 「弾く」をやめよう
- メトロノームと練習しよう
- 譜面を見ずに相手の顔を見よう
地味だし、くだらないと感じる人もいるような内容ですね。
でも、このくだらないことができてなくて「聴けてるつもり」になっている人ほど悲惨なものはありません。
(一度くらいそういう人、見かけたことあるんじゃないですか?)
是非 「聴く」を習慣化 していってください。
聴けている人は、これらの行動は空気を吸うように自然とやっていることです。
応援していますね!
----<以下、余談>---
聴けない理由を知っておこう
あなたが周りの音を聴けない理由はたった1つ。
あなたが その音に興味を持っていないから。 です。
あなたがその音を 「必要な音」 として認知していないということ。
あなたの脳が 「不要な音」 として シャットアウトする習慣 が出来上がっているということ。
「聴くということ」
でもお話したように、
あなたの耳は本当は凄く優秀。
演奏どころか、生活の中でかなりの音を聴き取ってくれています。
ですが、あなたの脳が「不要な音」と判断し、 認知しない習慣 が邪魔をしています。
あなたのアタマの中にミキサーが搭載されていて、
入力シグナルは入って来ているのに、
脳が勝手にフェーダーを下げている だけなんですね。
例えばお店の看板を探している時、
実は近くに見えていたのに、
そのお店の看板だと認識しなかった、なんて経験ありませんか?
人間の耳・脳も、誰でもそういう風にできています。
だから、「聴く」能力を開発するには、
そのフェーダーを上げるよう、
「不要な音」を 「必要な音」として上書きする、 という作業だけなんです。
そのフェーダーを上げる習慣をつけるための練習方法が、今日お話した方法です。
思わぬ副作用(汗)
「聴く」能力が飛躍的に上がってから、
音から得る 情報量 が桁違いになった実感があります。
そして、例えば騒々しい場所でも携帯電話のバイブの音に気付くことができるような、
そんな耳になってきました。
逆に副作用として、
TELで話している横で、家族や同僚が話したりしていると、
TELができなくなってしまったという副作用が出ました(笑)
TELしながらTVを付けっぱなしにしておくなんてことも全く不可能に…
アタマの中のミキサーが全部の音を同レベルに認知してしまい、
パニックになります(笑)
これも、演奏する上ではこの上ないスキルですから、嬉しい悲鳴です。