しげのです。
「聴く」の能力開発のお話、楽しみにしていてくれたならごめんなさいね。
今日は、 心に響く演奏、鳥肌が立つような演奏 についてお話したいと思います。
というのは、
実は今日、びっくりするくらい鳥肌が立つ演奏に出会ってしまったからなんです。
あなたは、演奏を聴いて 鳥肌 が立ったことってありますか?
あ、鳥肌が立つというのは、
感動して鳥肌が立つ方のお話です。
気持ち悪くて鳥肌が立つ方じゃないです(笑)
鳥肌が立つような演奏は、僕もこの37年間で何度も出会ってきました。
そして改めてそういう演奏っていうのは、
えてして 演奏技術やその人の実績とは関係のないこと なのだと、
つくづく思ったというお話です。
ちょっとエピソードとして不謹慎だと感じる人もいるかもしれませんが、
先に言っておきます。
その演奏に出会ったのは、とある方の通夜でのことです。
実は僕の音楽仲間のお父さんが最近亡くなりまして、
今日はそのお通夜だったんです。
その音楽仲間というのは、
まだ20歳位の女の子のシンガーソングライター。
見た目も凄く可愛らしくて、
POPSのピアノ弾き語りで頑張ってる子です。
だからそのお父さんも実は50代で永眠されたんです。
さて彼女、アマチュアですけど、
2ヶ月程前に自主制作で念願のCD発売 ができたばかり。
ルックスが可愛らしいこともあって、
彼女のFBとかを見ていると、
自分が可愛いことをわかっていての発信 もあったり、
こういう 活動に浮かれて いる面というのもあるでしょう。
まぁ、若い人にはよくあることなので僕はあまり気にしない方なんですが、
そういう態度が鼻につくという人も中にはいるでしょうね。
他の音楽仲間は、彼女の そういう面が気に入らない という人も中にはいるのは確かなんです。
さて、僕も応援の意味でCDを1枚買いました。
歌はとても上手なんですが、まだ20歳ということもあってか、
曲構成も演奏もまだ未熟な面が目立ってしまって、
Liveは面白いけどCDはそんなに面白くない …という印象だったんです。
話を戻しまして今日のお通夜での一場面。
お焼香が全員終わり、
最後に 彼女がお父さんに歌を歌う という余興が始まりました。
とても緊張してたんでしょう。
涙をこらえて歌う体勢を作るのに手こずっていたのもあるのでしょう。
そこで一言。
「お父さん。まさかお父さんに歌うことになるなんて思ってなかったけど…」
そして彼女は歌い出しました。
伴奏なしの独唱。
涙をこらえながら、
震えて安定しないピッチを必死にキープしながら。
初めの数フレーズはそんな感じだったんですけど、
ある部分から急激に音が変わったんです。
その瞬間、 僕の全身に鳥肌が 立ち始まりました。
僕はすぐに目を閉じて、
音だけの世界に入り聴く体勢に。
彼女の声の震えは止まり、
驚く程真っすぐに透き通って、
魂 が 魂 に何かを必死に伝えようとしているのがはっきり伝わってくる 音 。
丸裸になった雑念のない無色透明の彼女の魂 が響き渡っているんです。
会場中からすすり泣く声が一気に聴こえ始めました。
僕も涙が溢れました。
(あ、この写真は僕じゃないです)
正直、歌詞なんて全然聴いてませんでした。
歌詞の内容なんて関係ない と思えたからです。
言語の要らない音、音だけの世界。
あの瞬間から歌が終わるまでの数分間、
あんなに長い時間、 全身の鳥肌が止まらなかった のは初めての経験でした。
そう、そんな1コマに今日出会ったんです。
そして思ったこと。
魂が丸裸になって純粋に演奏された音は、
こんなにも力強いものなんだな、 と。
演奏技術、
曲や歌詞の善し悪し、
曲構成。
そういうものは一切関係なく、
魂から発せられる 純粋なエネルギー に、
1生命体として反応したんだと思いました。
僕自身も、 何も考えずに 集中して演奏できた時は、
録音した音源なんかを聴いてもよく演奏できてる、と思えることが多いのです。
そういう時こそ 逆に、何を弾いたのか? 全く覚えていない ものですよね。
あなたにもそんな経験、ありませんか??
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