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■検査員から指示を受け運転/一時停止、段差乗り上げなど
4月下旬、兵庫県警明石運転免許試験場(明石市荷山町)。市内に住む高齢者10人が集まり、一足先に模擬的な実車試験が行われた。「前の停止線で一時停止してください」「40キロで走行できますか」。参加者は検査員役の警察官から課題や指示を受けながら車を走らせた。
運転歴50年以上の男性(82)は「キープレフトを心掛けて」という助言はあったが、減点となる運転ミスはなかった。ほぼ毎日、通院や買い物で運転が欠かせないといい、「高齢者が事故をする報道を見ると不安になるが、ひとまず安心した」と話した。
一方、車が段差に乗り上げた直後にブレーキを踏めない、指定場所での一時停止ができていないなどの理由で減点となる人もいた。段差乗り上げで減点となった男性は「まだ大丈夫だろうと思っていたのに。危機感を持った」と話した。
■減点方式、70点以上なら合格/期限まで何度でも受検可能
実車試験は、ドライバーが過去3年以内に信号無視や速度超過、逆走、携帯電話の使用など、11種類の違反のうち一つでも違反があった75歳以上が対象となる。兵庫県内53カ所の教習所などで免許有効期限の6カ月前から繰り返し受けられ、対象者には警察から通知が届く。検査手数料は3550円。
試験は、「一時停止」「右・左折」「信号通過」など五つの課題が出され、100点満点からの減点方式。普通免許は70点以上(普通第2種免許は80点以上)が合格ラインとなる。赤信号で停止線を越えて横断歩道に進入すると40点が減点されるなど、「即不合格」となる判断項目もある。
県警運転免許課の担当者は「目的は免許を取り上げるのではなく、安全指導。不合格になっても指導を受けることで技能の向上を見込んでいる」とする。
同課によると、県内の75歳以上の運転免許保有者は、昨年末時点で23万4748人。県警のまとめでは、昨年1年間に発生した人身事故1万6929件のうち、75歳以上が過失の最も重い「第1当事者」となったのは1273件だった。そのうち44件がブレーキとアクセルの踏み間違いによる事故で、2件で死者が出た。
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タグ: 高齢運転者
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