前回までの記事では「雑学」についての本の内容についてご紹介しました。
時間を忘れるほど面白い雑学の本 365日、頭と心を刺激する218のネタ! 知的生きかた文庫 / 竹内均 【文庫】
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この本では、日常ではあまり疑問に思わないことでも、読むにつれて「へぇ〜、あれってこういうことだったんだ」と目から鱗のような発見ができました。ちょっとした雑学ですが、知っておいて話の種にできることばかりでしたし、すごくためになったと思います。
そして今回からは、あの池上彰さんの書籍「池上彰のお金の学校」という書籍を読んで、中身の説明や僕なりに思うことを書いていこうと思います。
※かなりネタバレ要素がありますので、ご自身で読みたい方は以下に進まないでください。
知らないと損する 池上彰のお金の学校 朝日新書 / 池上彰 イケガミアキラ 【新書】
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前書きを読んだだけでも池上さんの知能の高さがうかがえますますし、中身を早く読みたい!とワクワクさせてくれる……そんな本です。では早速中身へ。
そもそもお金とはなんでしょうか?大昔にはお金というものは存在していませんでした。中学生の歴史の教科書でもそのことには触れられているとは思いますが、大昔は「物々交換」で取引をしていました。漁民は自分で漁獲した魚を持って町へ、農民は自分で収穫した農作物を持って町へ。そこで、魚と農作物を交換という形で取引が行われていました。
しかし、この取引も「お互いが相手のものを欲しい」とおもうから成立する取引であり、漁民が農作物を欲しくても、農民が魚が欲しくないという状況であれば、一方通行の片思いなので、当然取引は成立しません。
そこで、少しでも欲しいという欲求が合致するように、条件が合う人が出会う可能性を高めるために市場が登場しました。現在でいう、「婚活」や「合コン」もこんな感じの成り立ちではないでしょうか。
でも、いくら市場ができたところで、相手のものが欲しかったとしても、自分のものを相手がほしがるとは限らないし、交換できない人も出てしまう、、そこで登場したのが、「これを持っていればみんながほしがる共通のもの」です。日本ではそれが「稲」だったそうです。つまりはお米。現代の日本は、需給関係の均衡を保つために、わざと生産調整をして、市場に米があふれないようにされていますが、当時はかなり貴重品だったようです。当時はこの稲を「ネ」と呼んでいて、「これはどれだけのネになるの?」という会話がされるようになり、そこから財物の価値のことを「ネ」と呼ぶようになり、これが現代の値段の「値」の語源となっているそうです。
この稲の他にも共通のほしがるものが存在し、それが布。靴や着物、部屋の飾り物にしたりと、生活する上でかなり重宝されていたそうです。紙幣の「弊」という字は「布」という意味で、ここにも感じの由来が残されています。
ちなみに中国では、この共通にほしがるものとして、珍しい貝が選ばれていたそうです。子安貝です。
※ http://photozou.jp/photo/show/1481209/170710386 より引用
模様がきれいでみんなほしがるので、とりあえず持っておけばいつでも他のものと交換できたようです。そして、この子安貝がお金の語源だそうです。
ちょっと注意してお金に関連する漢字を見てみてください。貴重品の「貴」、貧しいの「貧」、貨幣の「貨」、「購買」、[賄賂」、売るの旧字体「賣」……全て貝の字が入っています。
また、ここで豆知識になりますが、古代ローマでは兵士への給料は塩だったそうです。この塩がラテン語では「サラリウム」。ここから「サラリーマン」という言葉が生まれたそうです。
お金の起源としては、上記の通り稲、布、貝、塩など地域によって様々なものがありました。当然、他地区ではこんなものも使われているぞとかこれは使いにくいとか出てくるわけで、そうした競争を経る中で、もっとも使いやすいものとされたのが「金・銀・銅」でした。
まずこれらのものは非常に貴重で、みんながほしがるものとしては価値が高いです。現在でも「金」はとても高いもので有名ですね。さらに、これらは当時の稚拙な溶解技術でも簡単に溶かすことができ、溶かして鋳型に流し込むことで、持ち運びしやすい硬貨を作ることができました。こうして世界的に金銀銅がお金として使われるようになっていきました。
さらに時代が進むと、お金を介して大規模な取引が行われるようになりますが、今度は大規模な取引ごとに、金銀銅の硬貨をジャラジャラしていては、盗難や強盗にあう危険性があるし、これではまずいということになります。そこで、硬貨をたくさん持っている人のところへ行って、自分の持っている硬貨を預けます。そうすると、預けられたお金持ちは預かった証として「預かり証」を発行してくれます。この「預かり証」を持っていれば、いつでも金貨と交換してくれます。
お金持ちには「信用」があります。あのお金持ちが発行したものなら、絶対引き換えてくれるはずだという共通認識が生まれ、「預かり証」という紙ペラが、何枚もの金貨に変えてくれる価値のものになったわけです。紙ペラだと、持ち運びが便利だし、強盗に遭う心配も減らすことができます。これが「紙幣」の始まりです。
結局お金というのは、欲しいものを得るための「交換手段」です。場所もそれほど取らず、長時間保管しておいても腐らない、とても便利なものです。しかし、あくまで「交換手段」なもののため、どれだけたくさん持っていても意味が無く、使って初めて価値が発揮されるものだとも言えます。
今日はここまでにしますね。今回は「お金」ができた由来についてご紹介しました。若干「雑学」も混じりつつ、とてもわかりやすくお金の登場について書かれていました。「貝」の部分や「サラリーマン」の部分については、なるほどと関心しました。
次回はお金の集合地、現代の「銀行」についてご紹介します。
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