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2023年07月22日

UH-2は名機になるか?

■UH-1Jの後継機としてUH-2が納入されつつある

■UH-1Jは知られざる名機

■UH-2導入は混乱した地べた事業部航空畑の健全化をもたらすかもしれない



UH-1Jの後継機であるUH-2が昨年度納入されました。令和3年度に補正予算分も併せて大量発注されているようですから、4国契約と考えると来年辺りは目にする機会も多くなるでしょう。前作のUH-1Jの初飛行の知らせを会社で聞いた記憶がありますから、隔世の感があります。

UH-2(機体番号45151)
XUH-2_arriving_at_Camp_Akeno.jpg
画像引用元: By 陸上自衛隊航空学校・明野駐屯地 (JGSDF Aviation School, Camp Akeno), CC BY 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=78496847

写真の機体にはMWS(ミサイル警戒装置)とRWR(レーダー警戒装置)、FLIRが付いていますが、MWSは米国ノースロップ・グラマン社のAN/AAR-47辺りでしょうか。RWRはAH-1Sと同様にAN/APR-39辺り、また写真では確認できませんが、CMD(カウンターメジャーディスペンサ)はBAE社のAN/ALE-47でしょう。

CV-22Bに搭載されたAN/AAR-47
AN-AAR-47_on_CV-22B_Osprey.jpg
画像引用元: By Boevaya mashina - Own work, CC BY-SA 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=118332331

AH-1Sに搭載されたAN/APR-39
1272px-JGSDF_AH-1S(73455)_AN_APR-39_RWR_antenna(fwd_left)_at_Asia_and_The_Pacific_Ocean_Trade_Center_March_10,_2013.jpg
画像引用元: By Hunini - Own work, CC BY-SA 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=85574473

MCH-101掃海・輸送ヘリコプター(8651号機) 右スポンソン後部に装備されたAN/ALE-47
1080px-JMSDF_MCH-101(8651)_AN_ALE-47_Countermeasures_Dispenser_System_right_side_view_at_MCAS_Iwakuni_May_5,_2018.jpg
画像引用元: By Hunini - Own work, CC BY-SA 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=69031388

細かく搭載機器関連を見てみましたが、CNI(Communications, Navigation, & Identification)系とこの辺りが原型機であるベル412EPIとの最大の違いでしょう。勿論、データバスはMIL-STD-1553Bです。有体に言うと、UH-2は412EPIへ軍用データバスを追加した機体と言えるかもしれません。

なお、漏れ伝わる話に依るとUH-2の生産は3段階に分かれており、150機のうち最初の50機は完全ノックダウン、次の50機は国産化率50%、次の50機で国産化率100%を目指すそうです。

UH-2にはその導入の経緯から毀誉褒貶がありますが、個人的には当初構想されていたOH-1ベースの国産機じゃなくて良かったと思ってます。業界内ではK案が選定された後も以下の理由等でやはりF(S)案が良いという声が多かったのですし、実際K案が進んでいたらさらなる混乱を引き起こしていたと想像します。

・K案のベースとなるOH-1は運用側から必ずしも評価が高い機体ではなかった。そのためK案にも一抹の不安があった。

・前作のUH-1Jは手が掛からず使い勝手が大変良いことから、運用側からの評価が非常に高かった。また、ライセンス生産機でありながら、国産化率が高かったため有事(311)の部品調達や前倒し修理などの緊急対応が可能だった。

・ペーパープラン機よりも、既に実績がある機体ベースの方が。。


汎用ヘリや攻撃ヘリのベースとなることを期待されたOH-1はエンジンの問題その他を抱えて、当初の計画から大幅に縮小されて、担っていた任務は近い内に無人機へ移行して早期退役することとなりました。個人的に三宿の小ヘリ時代から馴染みがあるので、余り言いたくはないのですが失敗作です。

これにより、近い将来地べた事業部の航空畑はCH-47JA、UH-60JA、UH-2、無人機へと集約することになります。UH-60JAは高性能な機体ですが、高価でありまた既に調達を終えてますから今後の主力とはなり得ません。CH-47JAは今後も調達が予定されていますが、数的にも実質的に地べた事業部航空畑の中核となるのはUH-2でしょう。従って、今後のUH-2の評価が地べた事業部航空畑の行く末を決めることになります。場合によってはさらなる増産も期待出来るでしょう。

自分的には名機UH-1JのDNAを引き継いだUH-2も高い評価が得られる筈と思っています。

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タグ: UH-1J UH-2 OH-1 UH-60JA

2023年07月17日

9K330 Tor


■9K330 Torがドローンに対してミサイルを発射した珍しい映像が公開された

■9K330 Torのミサイル自体の誘導精度は高そうだ

■近接信管が作動しなかったのは信管が活性化されてなかったか、近接信管が小さくて低速なドローンを捉えられなかったことが考えられる

■旧東側の兵器を決して侮ってはならない



大変珍しい映像が公開されました。9K330 Torがドローンに対してミサイルを発射した映像をドローン側から捉えています。

Russian 9K330 Tor Missile Fail To Intercept Ukrainian Drone


まずミサイルの9M330ですが、みんな大好きwiki(日本語版)によると誘導方式は赤外線誘導+TV誘導式無線指令誘導となっています。ただ、ミサイルの写真を見ると頭部に赤外線シーカーが装備されているようには見えません。

9M330
1109px-9M330_surface-to-air_missile_of_Tor_system.jpg
画像引用元: By Vitaly V. Kuzmin - http://www.vitalykuzmin.net/?q=node/598, CC BY-SA 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=39789341

一見して前翼操舵の制御系ユニット部の後ろが弾頭部、黄色の線が電波式近接信管の窓でしょう。その後ろがロケットモーター部、最後部が別体っぽく見えるのはTVCが装備されてるのか、ただ弾体にケーブルトンネルが見えないところを見るとTVC無しかもしれません。

海外のサイトを拝見すると、9M330の誘導方式はRadio command guidanceとなってますが、外見から見るとこちらの方が正しいように思われます。果たして何処から赤外線誘導という話が出てきたかと思ったら、管理人もよく拝見する 戦車研究室 の9 K330 の記述も赤外線誘導となってました。ここから文章を引かれたかもしれません。

ミサイルの誘導方式として無線指令誘導方式は古めかしく感じるかもしれませんが、ミサイル自体にシーカーが存在しないので、ミサイル自体を安価に出来ること。ミサイルへチャフやフレアなどの妨害が無効なこと、パッシブなので目標はミサイルが向かってくる方向が分からないことなど、メリットがそれなりにあります。デメリットとしては多目標同時の対応が難しいこと、送信コマンドが妨害される可能性があること、遠距離の場合は誘導精度が劣ることでしょうか。

さて、ミサイル発射の映像ですが、VLSからコールドラウンチで発射された後に一旦らせん状に機動して目標の方へミサイルを向けているように見えます。これは発射母機側からコマンドを受けて方向転換をしているのか、またサイドスラスタ無し空力制御で素早く方向を変えるためなのか(通常だと相当高く上げないといけない)なんでしょうか。

ミサイルが横方法に機動せずにほぼ一直線に飛んできているところを見ると、この目標(ドローン)はかなり速度が遅い目標じゃないかと思われます。恐らく固定翼のドローンじゃなくて、クワッドローターのような目標だったんじゃないかと考えられます。

この映像を見た際に、疑問を感じるのは何故近接信管が作動しなかったかということだと思います。ミサイル自体のミスディスタンスは結構接近していましたので、最適位置で起爆していれば、このドローンは間違いなく破壊されていたでしょう。

そこで近接信管が作動しなかった理由を幾つか考えてみました。なお、理由として故障は除くこととします。

?@近接信管がまだアーミングされていなかった
?A目標(ドローン)が低速且つ小さな目標だったため、起爆する目標の対象とならなかった。
?B近接信管から起爆信号は出たが、着発信管がまだアーミングされていなかった

?@は目標の距離が近かったため、ミサイルの近接信管がまだ活性化(起爆できる状態)されていなかったという説です。地上から発射する砲弾やミサイルの場合、発射直後から近接信管が作動すると自軍内で誤爆してしまう可能性があるため、一定時間後に活性化するようになっています。そのため、距離が近すぎたのでまだ近接信管が活性化してなかったため起爆しなかった可能性です。

?Aは目標が遅すぎ小さ過ぎていたため、近接信管が目標として感知せず、起爆信号を出すに至らず起爆しなかった可能性です。

?Bは近接信管から起爆信号は発せられたが、信号を受信した着発信管がまだ活性化されてなかった可能性です。これは旧東側のミサイルに当てはまるかどうかは分かりませんが、国内で開発されている対空ミサイルは実際に弾頭を起爆させるのは着発信管と近接信管のどちらかになっています。

近接信管からの起爆信号により着発信管で起爆し、且つ着発信管は衝撃で起爆するもの
(1) 着発信管

(a) 近接信管からの起爆信号により,弾頭又は発煙弾頭を起爆させる。

(b) 実弾及び演習弾が目標に直撃した場合,又は所定の秒時飛しょうした場合,弾頭及び発煙弾頭を起爆させる。

引用元: 81式短距離地対空誘導弾


近接信管の起爆信号により着発信管で起爆、着発信管の起爆信号も近接信管を介すもの
6.4 着発信管  着発信管は,弾着時の衝撃加速度を検知して,近接信管に着発信号を出力する。

 また,近接信管から作動信号を受け,弾頭に起爆エネルギーを出力する。主な性能は,表10に示すものが標準である。

引用元: 制式要綱 90式空対空誘導弾


以上が考えられるのですが、ここは?Aの説を取っておきたいと思います。目標が非常に小さく低速な目標で、且つミサイルが充分に速度が出ていない状態だったため、起爆に必要なシグネチャーが得られてなかったんじゃないかと思います。

とはいえ、短距離ではありますがこのミスディスタンスには驚きました。 いつも思うことですが、我々は旧東側の兵器を常に上から目線で見がちです。しかし、そこには我々が普段目にする、米国、欧州のものとは違う技術、創意工夫、思想があります。決して侮ってはいけないと考えます。






2023年07月07日

wikiに任務艦のページをアップしました。

みんな大好き、任務艦のページをWikipediaへ作成しました

任務艦
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BB%BB%E5%8B%99%E8%89%A6

何せ秘密の存在の為、参考資料等もなく類推に類推を重ねています。

そのため、早速識者から幾つかの添削が加えられたようです。

お時間がある際にでもご笑覧下さい(^^)


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