今まで、水金地火木土天 と紹介してきたので、今度は太陽系の中で一番太陽から遠い惑星、 海王星について書いてみようと思います。
ボイジャー2号により撮影。
海王星の大暗斑(だいあんはん)。
巨大なハリケーンの渦と思われているが、発生のメカニズムはまだわかっていない。
海王星の大暗斑(だいあんはん)。
巨大なハリケーンの渦と思われているが、発生のメカニズムはまだわかっていない。
太陽から一番離れている惑星「海王星」はどのようにして発見されたのでしょう?
まずは発見の経緯からお話します。
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海王星の発見
海王星は、その距離の遠さから、太陽系の8つの惑星の中で最も遅く発見された星です。
しかも、観測結果からというわけではなく、軌道の予想結果によって発見に導かれたという、変わった経緯をもっています。
星自体の存在は、17世紀前半にガリレオ・ガリレイやジェローム・ラランドによって観測されていましたが、当時は「恒星」だと思われていました。
海王星が「惑星」だとして観測されたのは、1846年になってからでした。
その頃にはすでに発見されていた天王星の軌道が、予測された結果との間に差があり、多くの科学者が「外側に未知の惑星が存在する」と考えていました。
そんな中、フランスの数学者ルヴェリエが予想軌道を算出し、これに基づいてベルリン天文台に勤務していたガレが観測を始めたその夜に、海王星を「発見」しました。
ところが、ルヴェルリが海王星を発見した一ヶ月前に、イギリスの数学者アダムズも予想軌道を算出していたのですが、観測者が問題児でした。
観測者のチャリスはヤル気がなかったのか、海王星をしっかりと観測していたにも関わらず、新惑星と認識していなかったのです!
このことが明らかになったため、海王星の発見者はだれか?ということで、アダムズとルヴェリエは揉めてしまいました。
なんだかんだとありましたが、最終的にはルヴェルリ、ガレ、アダムズの3人が海王星の発見者とされています。
当然、チャリスは含まれていません。
大暗班が消えた?
上で紹介した海王星の画像は、1989年にボイジャー2号が撮影した画像です。
この画像で、地球を飲み込むほどの巨大な暗い渦が発見されました。
木星の「大赤斑」と同じくハリケーンのようなものと考えられ、「大暗班」や「大黒班」と呼ばれています。
木星の大赤斑についてはこちら。
木星の大赤斑の正体は?: BFuture
この渦は反時計方向に回転しながら、時速1200キロメートルほどの速度で西に向かって移動していたのですが、1994年にハッブル宇宙望遠鏡で観測した海王星には消滅していました。
ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した海王星
この理由は未だに解明されていません。
今後の海王星
海王星も天王星同様に、赤い色を吸収するメタンの影響で青く見えています。
しかしながら、天王星とは色合いが異なるため、メタン以外の未知の成分が含まれていると推測されています。
NASA は 2030年ごろに 8〜12 年後に海王星へ到達する予定の海王星探査機 ネプチューン・オービター の打ち上げを計画しています。
海王星の数々の謎を解き明かすには、まだまだ先の話になりそうです。
あと40年はがんばって生きるしかありませんね。
それでは。
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