今回は天体現象の一つである、「ガンマ線バースト」によって 地球上の生物が滅亡する という滅亡シナリオについて書いてみたいと思います。
実は、地球上では過去に何度も生物の大量絶滅が起こっています。
一番有名なのは、皆さんもご存知のとおり、恐竜の絶滅ですね。
恐竜の絶滅については諸説ありますが、恐竜以外の大量絶滅についても様々な仮説が立てられています。
この中の、 オルドビス紀の大量絶滅 について注目してみましょう。
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オルドビス紀の大量絶滅とは?
オルドビス紀は恐竜たちが地球上を支配していた時代よりもずっと前、4億8800万年前〜4億4300万年前の間の時代です。
その時代に繁栄していた、三葉虫やサンゴ類などの生物のおよそ80%が絶滅したと考えられています。
このオルドビス紀の大量絶滅は、顕生代(目で見える生物がいた時代、約5億4,200万年前から現在まで)の中で第2位となるほどの大量絶滅でした。
この大量絶滅の原因は、これまでは氷河期の到来だと思われてきたのですが、氷河期だから大量絶滅が発生したとは言い切れず、原因は不明です。
そんな中、2005年に NASA とカンザス大学の研究者により新たな説が発表されました。
その説が ガンマ線バースト による大量絶滅です。
しかも、この氷河期が訪れたのも、ガンマ線バーストが原因ではないか?と言われています。
ガンマ線バーストとは?
ガンマ線とは放射線の一つです。
皆さんがよくご存じのX線の仲間ですが、ガンマ線の方が高エネルギーです。
あの恐ろしい原爆のエネルギーもガンマ線です。
そのガンマ線が、数秒から数時間にわたって閃光のように放出される現象がガンマ線バーストです。
どうやってこの事象が起こるのか、まだそのメカニズムの解明には至っていませんが、有力な仮説では 極 超新星爆発 によって発生すると考えられています。
「極超新星爆発」とはなんでしょうか?
太陽よりも40倍以上という大きな星が寿命を迎えるときに起こる爆発を「超新星爆発」と言うのですが、その数十倍もの爆発エネルギーをもった爆発が「極超新星爆発」です。
この爆発により、ブラックホールが形成される際に、ガンマ線が放出するのではないかと考えられています。
(※ブラックホールに興味がある方は多いと思うので、別記事で紹介する予定です)
シミュレーションによれば、もしも地球の6000光年以内でガンマ線バーストが発生していたのなら、地球のオゾン層を破壊して、太陽からの紫外線が直接降り注ぐことによって、生物の大半が死滅してしまうだろう、と考えられています。
このような大規模なガンマ線バーストが発生する可能性は低いですが、地球の歴史のなかで最低でも1回は発生したと予測されています。
今後はどうなる・・・?
この恐ろしいガンマ線バーストですが、実は宇宙の物理現象としてはそう珍しいわけではなく、毎日数回は宇宙のあちこちで発生しています。
先ほども言った通り、実際に私たち地球が所属する太陽系や銀河系で大量絶滅するようなガンマ線バーストが起きる確率は、かなり低いと考えられています。
ただ、もし、もしもですが、太陽系のすぐそばでガンマ線バーストが発生したとしても、現在の人類にはそれを防ぐ手段がありません。
そうなった場合、強烈な紫外線から逃げるために、人類は核シェルターや地下に潜っての生活を強いることになるかもしれません。
絶滅まではしなかったとしても、かなりの命が奪われる可能性があるでしょう。
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