翌日、私は町内の清掃作業に出る事になっていた為、母の病院へ行けずにいました。
作業は夕方までかかり、お風呂に入って汚れを落として、座り込んだ時、病院から電話がありました。
「お母様の脳の血管が破裂して、処置をしています。今すぐ病院に来てください」
私の手は、ブルブル震えていました。
寛いでいた父に説明をして、私たちはすぐさま病院へと向かいました。
病院に到着し、看護師さんから状態を説明され
冷たい廊下の椅子で、父と2人無言のまま、手術が終わるのを待ちました。
長い長い時間が過ぎ、手術は終わりました。
そして先生から、おそらく命は助からない事を告げられました。
「蘇生はします。
その間に、合わせたい人を呼んでください。」
そのような事を告げられた気がします。
時計を見ると、午後11時を回っていました。
まず姉に電話をし、遠方に住む母の兄弟に連絡しました。
みんな病院に来るまで5時間以上かかる事を看護師さんに告げると
先生に伝えに行ってくれました。
戻ってきた看護師さんは
「よくもって1時間です」と私たちに言いました。
その言葉を聞き、私は完全に冷静さを完全に失いました。
そして、今日お見舞いに行かなかった事を心から後悔しました。
涙があふれて、気が変になりそうでした。
父は母の手を握りしめ
「元気になって温泉行くんだろ!起きてくれ」
と言い続けていました。
父も私も、母が1時間も経たずに亡くなってしまうなんて、信じられませんでした。
今、生きてる
手も暖かい
お母さん!
おい、おまえ、戻ってこい
そう言いながら、神様に「母を戻して」と祈り続けました。
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