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2020年02月11日
長谷川博己主演NHK大河ドラマ「麒麟がくる」第四回「尾張潜入指令」
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二月九日午後八時より、NHK総合(地上波)にて長谷川博己主演大河ドラマ「麒麟がくる」の第四回「尾張潜入指令」が放送されました。
長谷川博己さん演じる明智十兵衛(光秀)が京から連れてきた医師・望月東庵(堺正章さん演じる)は、本木雅弘さん演じる斉藤利政(道三)に呼ばれた。
利政の正室・小見の方の病気もよくなり、ずっと美濃に留まる必要もないので京へ帰ろうとする東庵だったが、利政は尾張の織田信秀(高橋克典さん演じる)に会って動向を探ってくれ、と東庵に依頼する。
東庵はかつて信秀と会ったことがあり、大好きな双六(すごろく)で賭けをして借りがあったのだ。
東庵のそんな交友関係を利政は調べていたのだから油断がならない。
国と国の争いの、権謀の道具にされたくない東庵はキッパリと断る。
が、利政は諦めない。ほとんど強迫に近いかたちで強引に依頼し、東庵の、信秀との賭けでの借金の分まで上乗せして小見の方の治療代を払うからと言う。
借金の肩代わりのことも有り、さらには助手のお駒(門脇麦さん演じる)まで人質にされて、東庵は尾張へ向かう。
明智十兵衛は利政の命令で、東庵のつなぎ(連絡)役として尾張に潜入する。共は岡村隆史さん演じる菊丸だった。
この菊丸は第一回放送から登場している。十兵衛の住む明智の荘の村が野盗に襲われ、十兵衛らが戦い、野盗らが引き上げた時、野盗にさらわれて拘束されていた者として明智家に保護されたのだった。
菊丸がいうには、三河の農民だが野盗にさらわれ、人買いを介して売られるところだった、とのこと。それで十兵衛に礼を言って三河に戻ったのだが、その後、故郷の母がお礼を言って土産を渡せと言ったからと、薬草を持って明智の荘を訪れた。
薬草を求めていたお駒と出会い、菊丸は美濃に留まっていた。それで十兵衛とは兄弟という設定で薬草売りに化けて尾張国内に潜入した。
一方、織田信秀と会った東庵は、斉藤利政に命じられて来たことを正直に話した。そして今川との合戦「小豆坂の合戦」で負傷した信秀の身体を診る。
そこで、東庵は、他の医者では気づけなかった信秀の身体の異状をみる。
東庵に薬草を渡しにきた、と言って信秀の館(古渡城)を訪れた十兵衛は、偶然に、そこで人質となっている松平竹千代(のちの徳川家康)に会う。
そして、東庵と会い、信秀の身体の異状についての情報を(密書を渡されたことにより)知るが、信秀はこの薬草売りを怪しいと睨み、家臣たちに「追って捕らえよ。怪しければ殺せ」と命じる。
追われることになった十兵衛と菊丸は……。
という展開でした。
さて、明智光秀とは全然関係ないようにみえますが「小豆坂の戦い」というのは結構重要な意味をもつ戦いで、この回で十兵衛(光秀)と竹千代が出会ったというのも、創作ながら興味深いものです。
その後、十兵衛と竹千代がいつ、どこで再会することになるのか?
また、岡村隆史さん演じる菊丸はただの農民ではないような感じですが、この回でちょっとした疑惑が生じました。十兵衛が織田方に追われた時に菊丸を逃がし、一人になったが、直後に追い詰められ、何者か(複数)に助けられ、その何者かの姿はすぐ消え、また菊丸が現れるのですが、十兵衛を助けた「何者か」の正体は何なのか? 菊丸と何か関係があるのか?
たいへん興味深いシーンがありました。
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二月九日午後八時より、NHK総合(地上波)にて長谷川博己主演大河ドラマ「麒麟がくる」の第四回「尾張潜入指令」が放送されました。
長谷川博己さん演じる明智十兵衛(光秀)が京から連れてきた医師・望月東庵(堺正章さん演じる)は、本木雅弘さん演じる斉藤利政(道三)に呼ばれた。
利政の正室・小見の方の病気もよくなり、ずっと美濃に留まる必要もないので京へ帰ろうとする東庵だったが、利政は尾張の織田信秀(高橋克典さん演じる)に会って動向を探ってくれ、と東庵に依頼する。
東庵はかつて信秀と会ったことがあり、大好きな双六(すごろく)で賭けをして借りがあったのだ。
東庵のそんな交友関係を利政は調べていたのだから油断がならない。
国と国の争いの、権謀の道具にされたくない東庵はキッパリと断る。
が、利政は諦めない。ほとんど強迫に近いかたちで強引に依頼し、東庵の、信秀との賭けでの借金の分まで上乗せして小見の方の治療代を払うからと言う。
借金の肩代わりのことも有り、さらには助手のお駒(門脇麦さん演じる)まで人質にされて、東庵は尾張へ向かう。
明智十兵衛は利政の命令で、東庵のつなぎ(連絡)役として尾張に潜入する。共は岡村隆史さん演じる菊丸だった。
この菊丸は第一回放送から登場している。十兵衛の住む明智の荘の村が野盗に襲われ、十兵衛らが戦い、野盗らが引き上げた時、野盗にさらわれて拘束されていた者として明智家に保護されたのだった。
菊丸がいうには、三河の農民だが野盗にさらわれ、人買いを介して売られるところだった、とのこと。それで十兵衛に礼を言って三河に戻ったのだが、その後、故郷の母がお礼を言って土産を渡せと言ったからと、薬草を持って明智の荘を訪れた。
薬草を求めていたお駒と出会い、菊丸は美濃に留まっていた。それで十兵衛とは兄弟という設定で薬草売りに化けて尾張国内に潜入した。
一方、織田信秀と会った東庵は、斉藤利政に命じられて来たことを正直に話した。そして今川との合戦「小豆坂の合戦」で負傷した信秀の身体を診る。
そこで、東庵は、他の医者では気づけなかった信秀の身体の異状をみる。
東庵に薬草を渡しにきた、と言って信秀の館(古渡城)を訪れた十兵衛は、偶然に、そこで人質となっている松平竹千代(のちの徳川家康)に会う。
そして、東庵と会い、信秀の身体の異状についての情報を(密書を渡されたことにより)知るが、信秀はこの薬草売りを怪しいと睨み、家臣たちに「追って捕らえよ。怪しければ殺せ」と命じる。
追われることになった十兵衛と菊丸は……。
という展開でした。
さて、明智光秀とは全然関係ないようにみえますが「小豆坂の戦い」というのは結構重要な意味をもつ戦いで、この回で十兵衛(光秀)と竹千代が出会ったというのも、創作ながら興味深いものです。
その後、十兵衛と竹千代がいつ、どこで再会することになるのか?
また、岡村隆史さん演じる菊丸はただの農民ではないような感じですが、この回でちょっとした疑惑が生じました。十兵衛が織田方に追われた時に菊丸を逃がし、一人になったが、直後に追い詰められ、何者か(複数)に助けられ、その何者かの姿はすぐ消え、また菊丸が現れるのですが、十兵衛を助けた「何者か」の正体は何なのか? 菊丸と何か関係があるのか?
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2020年02月02日
長谷川博己主演NHK大河ドラマ「麒麟がくる」第三回
令和二年二月二日、午後八時より、NHK総合(地上波)にて、長谷川博己主演「麒麟がくる」の第三回が放送されました。
前回放送の最後では、美濃国守護職の土岐頼純が斉藤利政(道三)によって毒殺される、というショッキングなシーンがありました。
土岐氏は足利幕府草創期から足利家を支え、室町時代において美濃国に君臨してきた守護大名であり、源氏の地をひく名家です。
しかし、世は下克上の戦国時代。応仁の乱を例にとるまでもなく、細川だの畠山だの上杉だのといった名家も兄弟同士、一族同士の争いが絶えず、分裂によって家自体の力が弱まり、かわりに家臣の力が強まり、守護代やその下の家臣が台頭してきました。美濃国も同様で、頼純の父と、頼純の叔父が対立し、家臣の斉藤利政(道三)が実権を握るようになったわけです。
その実験を取り戻したかった若き守護職・土岐頼純はひそかに尾張の織田信秀と通じ、信秀と利政(道三)を戦わせたのです。
その頼純の動きが読めない利政(道三)ではありませんでした。
さすがに戦国時代を代表する梟雄です。頼純が尾張に送った密書を入手しました。利政(道三)が信秀の軍を撃退した後、城を訪れた頼純がなにくわぬ顔で戦勝の喜びを述べると、頼純の密書を見せつけます。
美濃という国を安んずるのが守護職の役目であるはずなのに他国の軍勢を引き入れ、稲葉山城下を混乱させ、自国の兵も民も疲弊させる。それは守護職にあるまじき行為です。
利政(道三)ににらまれ答えに窮するかと思いきや、頼純は逆ギレしたかのように利政(道三)に対し、「成り上がり者が」と、いろいろ罵った挙句、退席しようとしますが、利政(道三)は、この城の主は自分であるから自分の許しなく勝手なことは許されぬ、といい、無理やり引き留め、茶を点て、頼純に飲ませます。
その茶に毒が入っていたわけです。
斎藤利政(道三)を演じるは本木雅弘さん。某飲料メーカーのお茶のCMに出ていますのに茶で毒殺とは、と放送直後からネットで話題になったとか、なんとか。さらにその某メーカーが騒ぎを受けて「シャレの利いた」コメントを出した、とネットのニュースになりました。
このシーンがショッキングだったのは下克上の象徴で利政(道三)が頼純を全然恐れていないだけでなく毒殺してしまうことですが、さらに問題なのは、頼純が利政(道三)の娘婿だったということです。
織田信長の正室となる帰蝶は斉藤道三の娘ですが、山岡荘八氏や司馬遼太郎氏の小説などでは織田家に嫁いだときが初婚であるかのように描かれていました。が、このドラマでは、信長より前に土岐氏に嫁いでいたことになっています。
その娘の夫を平気で殺してしまう、というのがさすがに戦国時代の梟雄です。
今回の放送では、帰蝶が城を出て明智の荘を訪れます。
かつて、帰蝶は明智の城で一年ほど過ごしたことがあったという。いわば第二の故郷みたいなもの。
夫を父が毒殺するという衝撃に、いろいろ考えることがあって、なつかしい明智の荘を訪れたのです。そして光秀の母や、京の医師の弟子である駒などと会い、話をするうちに、徐々に癒されてきます。
それから、帰蝶は光秀に訊きただします。夫が死んだ件をどう聞き、どう考えるか、と。
光秀の人物像をとらえる上での重要なシーンでした。
一方、利政(道三)は息子の高政(義龍)とともに、頼純の叔父にあたる頼芸を訪れます。頼芸は隠居同然の身でした。その頼芸を道三は、美濃国再建のために守護に担いでおこうとします。土着の豪族である国衆たちが利政(道三)の言う事を聞かず、守護職のいう事なら聞く為、あやつり人形として担ぐ必要があったのです。
頼芸は「頼純を毒殺したのか?」と言い、「操り人形にはならぬ」と言います。「毒殺されてはたまらぬ」というような言葉まで吐きます。それに対し利政(道三)は、頼純の毒殺を否定したにも関わらず、「あやつり人形は毒殺しませぬ」などと言うのです。
なんとも恐ろしい言葉です。あやつり人形でいるうちは殺さないが、そうでなくなれば容赦なく殺す、とも言っているようなものです。
結局、頼芸は守護職になるのですが、利政(道三)に対する憎しみが増し、利政(道三)の息子・高政(義龍)に耳打ちします。そなたの母親はかつて儂の屋敷にいた、そなたを息子と思うぞ、と。
高政(義龍)は父親について不信感を持つとともに自分の出生に疑問を持ちます。
高政(義龍)の母、深芳野はかつて頼芸の屋敷に仕えており頼芸の寵愛を受けていましたが土岐家の家臣である道三に下げ渡されて高政(義龍)を生んだのでした。
「本当の父は」と問いただす高政(義龍)に深芳野は息子の疑問を打ち消します。が、高政(義龍)の疑問と父親に対する不信感は深まるばかり。
そして、後日、光秀を招き、鉄砲の試し打ちをするために外出したときに二人きりになり、父親に対する不信感を打ち明け、自分の味方になれと光秀に言います。
明智光秀を演じる長谷川博己だけでなく、斎藤利政(道三)を演じる本木雅弘さん、土岐頼芸を演じる尾美としのりさん、高政(義龍)を演じる伊藤英明さん、深芳野を演じる南果歩さん、帰蝶を演じる川口春奈さん。どれも「らしさ」を感じる演技でした。
2020年01月26日
長谷川博己主演NHK大河ドラマ「麒麟がくる」第二回
一月二十六日、午後八時より、NHK総合(地上波デジタル)にて長谷川博己主演の大河ドラマ「麒麟がくる」第二回が放送されました。
今回のタイトルは「道三の罠」でした。
そのタイトル通り、まるで、明智十兵衛光秀が主人公というより斉藤道三が主人公であるかのような回でした。
道三演じるのは本木雅弘さん。もう、当の昔に「シブがき隊」のモックンのイメージから脱却して俳優としての実績を積んだ本木さんの演技は、じゅうぶんに存在感があり、「道三役に本木さんは絶妙の配役だったんだな」と思わせるものでした。
なにしろ戦国時代を代表する「梟雄」の一人ですから、薄っぺらい演技しかできない役者、実績のない役者には演じられないでしょう。作品中に描かれている道三は、父親が油売りだったから(?)なのかケチで損得勘定だけで動くのかという言動もありながら、実際は何を考えているか分からないところがあります。それがまた「梟雄」らしいところでもあります。
そんな道三が尾張の織田信秀(織田信長の父)を撃退するというのが今回のストーリーの中心ですが、その戦の中で明智十兵衛は青年武将らしく「武士の在り方」について悩みます。
一年にわたって放送される大河ドラマ。その導入部にふさわしい展開だった第一回放送。それを受けてさらに興味深い展開となったのが今回の放送でした。
第二回の放送のラストはまた、「梟雄」道三らしい行いがあり、次の展開が楽しみとなるものでした。
2020年01月19日
長谷川博己主演NHK大河ドラマ「麒麟がくる」第一回
ブログ再開します。
本日、令和二年一月十九日、夜八時より、NHK総合(地上波)にて、NHK大河ドラマ「麒麟がくる」の第一回が放送されました。
久しぶりの「戦国もの」です。
主人公は長谷川博己さん。明智光秀を演じます。
開始前に沢尻エリカさんの逮捕で大きく揺れ、沢尻エリカさんが演じるはずだった帰蝶(斉藤道三の娘で織田信長の正室)役が変更になり、大きな話題となるとともに放送開始も遅れましたが、ついに始まりました。
織田信長にとっての有能な家臣だった明智光秀が本能寺の変で信長を裏切り倒したことにより、そしてその後の「山崎の合戦」で秀吉に負け、落ち武者狩りの手により自刃に追い込まれたことにより、「英雄」「英傑」とは程遠いイメージを描かれていた明智光秀がどう描かれるのか、ひじょうに楽しみです。
第一回目で注目したのは本木さんの斉藤道三と、吉田鋼太郎さんの松永久秀です。
ともに戦国時代屈指の「梟雄」であり戦国時代の下克上の象徴的人物です。
初回みただけでも、本木さんと吉田さんは戦国の象徴的人物をよく演じているなと感じました。
今後が楽しみです。
主人公役の長谷川さんもなかなか良いです。
2018年06月30日
山本耕史主演BS時代劇「鳴門秘帖」第7回「絶体絶命の船出」
6月1日の午後8時から、BS放送のNHKBSプレミアムで、吉川英治原作、山本耕史主演NHKBS時代劇「鳴門秘帖」の第7回「絶体絶命の船出」が放送されました。
千絵(早見あかりさん演じる)は意識が戻らないまま昏々と眠り続けている。
法月弦之丞(山本耕史さん演じる)はなんとしても阿波へ渡ろうとしている。四国屋の手引きで乗る手筈の船の出航は近づいている。千絵の回復まで待っていられない。また、千絵を伴うのは危険である。そのことから、弦之丞は千絵をおいて阿波へ渡ろうとする。
見返りお綱(野々すみ花さん演じる)も、弦之丞とともに阿波のへ渡ろうとする。
弦之丞が阿波へ渡って「鳴門秘帖」の秘密をつかもうとしていることは、森啓之助ら阿波藩士や、阿波藩に関係する公家・竹屋三位卿(篠井英介さん演じる)、そして甲賀の旅川周馬(武田真治さん演じる)の想定するところであり、弦之丞としては彼らに見つかるわけにはいかなかった。
弦之丞とお綱は、四国屋のお久良(萬田久子さん演じる)の親身な手助けにより、阿波への商い船に便乗することとなった。四国屋の荷の、つづらの中に隠れることとなったのである。
竹屋三位卿や阿波藩士らは、四国屋へ乗り込んだり、船に乗って調べたりする。
ところで、森啓之助の凌辱されたお米(武田玲奈さん演じる)は、恋する弦之丞の為に命を投げ出そうとしている。
彼女はわざと森啓之助の意のままになったふりをして森啓之助の中間(身分の低い家来)に色目を使って誘うようなそぶりを見せる。その中間もお米の美貌が気になっていたところであり、主人のおこぼれにあずかって「いい思い」をしようと企んでいた。
森啓之助は惚れたお米を阿波へ連れ帰ろうとしていたが、お米は町人の娘であり、本妻には出来ぬため、公然と同行するわけにはいかなかった。そこで、船の荷を使って密かにお米を阿波へ渡らせようとしたのだが、お米はその企みを利用する。
そして、阿波藩の者たちや竹屋三位卿や弦之丞、お綱らが乗った船が阿波へ向けて出港することになる。
船の中を調べ、つづらが怪しいと睨んだ三位卿は、つづらを剣で突かせる。中には何者かが潜んでいた気配があり、手ごたえがあった。きっと弦之丞とお綱が息絶えているだろう、とみた三位卿らは、蜂須賀家の大坂屋敷につづらを運び込んだのだが、つづらを開けてみると、その中で息絶えていたのは、お米と森の中間だったのだ。
驚愕し、茫然自失する森啓之助。そして半狂乱というほど取り乱すが、三位卿は愛人を密航させようとした森の失態だとして森を罵る。
お米が弦之丞を救うために自分の命を投げ出したことを知り、弦之丞とお綱は、心の中で涙する。
そんな危難と悲しみを乗り越えて船に乗り続け、阿波へ近づいた弦之丞とお綱だったが、船に居残った旅川周馬とお十夜孫兵衛(袴田吉彦さん演じる)に見つかってしまう。
防戦するも、船の中での、女連れでの孤立した戦いは圧倒的に不利。弦之丞とお綱は、鳴門の渦の中へと飛び込む。
森啓之助の悲しみや彼の中間の死などは「自業自得」というか、まったく同情に値しないが、身を汚されてもなお、というか、そうだからこそ恋する男の為に命を捨てるお米のいじらしさ、悲しさ。労咳病みで、寿命も長くない、いつ果てるとも知れぬ儚い身。その死を悼んだ視聴者も多いのでは、と思いました。
そして、そのような犠牲者を出してまで、「鳴門秘帖」の秘密をつかまなくてはならないのか?
「鳴門秘帖」をめぐって様々な人々が苦難に遭い、命を落とす。まさに魔物の「鳴門秘帖」は、どのようなものなのか?
そして物語の結末は?
気になって仕方ない、と思いながらも次週を待つしかない終わり方でした。
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2018年06月16日
鈴木亮平主演NHK大河ドラマ「西郷どん」第21回「別れの唄」
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6月3日の午後8時から、NHK総合(地上波)にて、鈴木亮平主演NHK大河ドラマ「西郷どん」第21回「別れの唄」が放送されました。
西郷吉之助(鈴木亮平さん演じる)が奄美大島に流されて、歳月が経過するうちに、薩摩の、そして日本国の情勢が変わってきました。
安政の大獄を主導した井伊大老(佐野史郎さん演じる)が桜田門外の変で暗殺され、薩摩では斉興(鹿賀丈史さん演じる)の死後、久光(青木崇高さん演じる)が実権を握るようになった。そして大久保正助(瑛太さん演じる)が信任を得るようになり、正助は吉之助が帰還できるよう運動をすすめる。
その時代の変化と正助の努力の甲斐もあって、ついに吉之助の赦免、つまり薩摩本国への帰還が赦されるようになる。
しかし、当の吉之助は奄美大島で愛加那(二階堂ふみさん演じる)との間に男の子も生まれ、愛加那との夫婦生活で幸せをかみしめていた。
生まれた男の子は「菊太郎」と名付けられるはずだったが、愛加那の一族の長である龍佐民(柄本明さん演じる)の考えにより、「菊次郎」と名付けられていた。それは、愛加那はしょせん島での妻であって、やがて吉之助が本国へ帰れば本妻を迎えることになる。そのときのことを思い、島で生まれた子は嫡男ではない、ということを示すために「太郎」ではなく「次郎」としなくてはならない、と考えてのことだった。
召還を聞いて、吉之助の反応と愛加那の反応は違った。子供や愛加那のことを考え、自分は島に残るべきなのだと考え、そのことを口にする。一方で愛加那は別れの時が来たのだと覚悟を決め、悲しむとともに、吉之助に対しては「あなたの心はすでに薩摩本国へとんでいて、ここにはない」という意味のことを言う。
そんな時、正助が島を訪れる。
後半は、切ない別れのシーンです。このドラマがこの先、12月までどうなるか、どのような名場面が生まれるか分かりませんが、この回の別れのシーンは「西郷どん」屈指の名場面になるだろう、と思えるものでした。
2018年06月15日
山本耕史主演BS時代劇「鳴門秘帖」第6回「十年ぶりの再会」
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5月25日の午後8時から、BS放送のNHKBSプレミアムで、吉川英治原作、山本耕史主演NHKBS時代劇「鳴門秘帖」第6回「十年ぶりの再会」が放送されました。
主人公・法月弦之丞(山本耕史さん演じる)や主要登場人物は大坂(大阪)に集結しました。
甲賀忍びの旅川周馬にまたも捕らわれた自由を奪われた千絵(早見あかりさん演じる)は、またも隙をみて脱出し、弦之丞を探す。
しかし、街中で甲賀の者や蜂須賀家臣たちに取り囲まれる。ちょうどそこへ弦之丞の良き協力者・目明しの万吉親分(梨本謙次郎さん演じる)が助けに入るが、万吉親分は斬られ、深い傷を負う。
絶対絶命の危機に陥ったが、元大坂天満の与力・常木鴻山(春田純一さん演じる)に助けられ、常木の屋敷に運ばれる。平賀源内(正名僕蔵さん演じる)も協力する。
しかし、常木屋敷に運ばれてから千絵は、旅の疲れなどから意識を失い、うなされながら眠り続ける。
一方、弦之丞だが、大坂から阿波へ向かう船が蜂須賀家によって差し止めをうけ、しばらく足止めを食らってしまう。
見返りお綱(野々すみ花さん演じる)は、知り合った阿波の藍玉問屋のお内儀・お久良(萬田久子さん演じる)を訪ねる。そして、弦之丞が無事に阿波へ渡れるように協力してくれるよう願い出る。手代かお家の大事と渋ったが、店を取り仕切るお久良は、お綱に恩がある為、店に難儀がかかる恐れがあるのを承知で、お綱の頼みを聞くのだった。
さらに、お久良はお綱に、驚くべき秘事を語る。
お綱が甲賀忍びの宗家の世阿弥(中村嘉葎雄さん演じる)の妾の子であり、千絵にとって腹違いの姉にあたると語ったのだ。それはかつて、世阿弥が大坂から阿波へと渡った時に聞いたことだった。
自分が妾の子であり千絵とは腹違いの姉妹の関係であると知ったお綱は、衝撃を受けながらも、妹のことを思い、弦之丞への思慕の情を断ち切る。
そこへお米(武田玲奈さん演じる)が現れ、弦之丞への想いは自分の方が強いと、挑むようにお綱に言う。 当の弦之丞は、平賀源内から知らせを受け、常木屋敷に駆け付ける。そうして、ようやく千絵との十年ぶりの再会(江戸の屋敷での再会はほんの一瞬だったので二人きりの再会としてはこのときが本当の再会と言える)を果たすが、千絵は眠り続けて一向に目を覚まさない。
そしてまた川べりに弦之丞が行くと、お米が現れ……。
冒険小説や伝奇小説のヒーローはモテる。モテないヒーローとモテるヒーローのどちらが話が盛り上がるかというと、やはりモテるほうだ。魅力的に描かれているがゆえに、複数の女性にもモテる。
そのためにまた、女同士のバトルもある。
弦之丞と千絵の関係はどうなるのか?
弦之丞とお綱の関係はどうなるのか?
弦之丞とお米の関係はどうなるのか?
そして、弦之丞の胸にお米が身を預けようとするが、もしそこへ千絵が目を覚まして駆けつけて二人を見てしまったら? なんてことも考えてしまってハラハラドキドキする。
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2018年05月30日
鈴木亮平主演NHK大河ドラマ「西郷どん」第20回「正助の黒い石」
5月27日の午後8時から、NHK総合(地上波)にて、鈴木亮平主演NHK大河ドラマ「西郷どん」第20回「正助の黒い石」が放送されました。
この回は、ドラマとしての展開の必要上、西郷吉之助(鈴木亮平さん演じる)がほとんど登場せず、大久保正助(瑛太さん演じる)が主役のような回でした。
ドラマとしてのタイトルは「西郷どん」ですが、西郷吉之助ばかり追ってしまうと、西郷が奄美大島に流されていた間の薩摩本国での出来事、激しい動きの描写がおろそかになります。
後付けで回想シーンばかりになってもドラマが停滞しますし、ナレーションだけで片付けるわけにもいかない問題なのです。
さて、島津斉彬(渡辺謙さん演じる)亡きあと、斉彬の父の斉興(鹿賀丈史さん演じる)が藩政を牛耳り、斉彬の弟の久光にとって思い通りにいかない状況となりましたが、大久保正助は徒士目付として台頭してきます。
また、正助の妻の「ます」(美村里江さん演じる)は、或ることから斉興の愛妾・お由羅の方(小柳ルミ子さん演じる)に気に入られます。
そして、西郷吉之助が奄美大島に流されている間に、ついに斉興が亡くなります。
自分に家臣たちを束ねることが出来るだろうか? 家臣たちは自分についてきてくれるだろうか、と不安に思っている久光に対し、正助がかけた或る言葉が、久光をその気にさせるきっかけとなります。
そうして徐々に藩内で力をつけていく正助でしたが、下級武士たちのことをまとめるには障害がありました。吉之助を慕っていた下級武士の中の若い侍の中には正助のことが気に入らない者がいて、暴発する危険性もありました。
そんな若い者の中に久光は敢えて出向き、彼らを「精忠士の面々」と呼び暴発しないよう、時期を待つよう呼びかけました。
しかしながら、それでもいうことを聞かない者がいて、井伊大老(佐野史郎さん演じる)が襲撃され殺される「桜田門外の変」の実行犯の中に、水戸浪士まじって薩摩藩士がいて……。
2018年05月29日
山本耕史主演BS時代劇「鳴門秘帖」第5回「中山道危機一髪」
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5月18日の午後8時から、BS放送のNHKBSプレミアムで、吉川英治原作、山本耕史主演NHKBS時代劇「鳴門秘帖」第5回「中山道危機一髪」が放送されました。
旅立った法月弦之丞(山本耕史さん演じる)は、東海道ではなく中山道を行く。
その途中、信州の妻籠宿で、平賀源内(正名僕蔵さん演じる)と再会する。平賀源内は讃岐の出身だが阿波国のことも詳しいらしい。弦之丞に対して、鳴門秘帖の騒動の真相を告げる。
それは、阿波の特産・藍玉の利権を巡っての幕府と阿波藩の対立が原因となってのものであり、「茶番」だというのだ。
一方、見返りお綱(野々すみ花さん演じる)は、旅の途中で阿波の藍玉問屋のお内儀・お久良(萬田久子さん演じる)と出会い、彼女の危機を救う。
また、旅川周馬(武田真治さん演じる)とともに阿波へ向かった千絵(早見あかりさん演じる)は、弦之丞と会いたいという想いが募り、思い切った行動に出る。周馬の監視下にあったが、周馬の部下のちょっとした隙をついて逃げ出し、走り出す。そして偶然、お綱と出会う。
お綱を見て、千絵の目つきが険しくなる。甲賀宗家の屋敷が炎上したとき、弦之丞と一緒にいたのがお綱だからだ。
お綱に対して、何者か、そして弦之丞さまとの関係は、と厳しい口調で問いただす千絵。お綱は、自分が弦之丞の協力者であり、害意はないと必死に訴える。ではなぜ弦之丞さまは自分が信頼していた家来を斬ったのか、と問う千絵に、仕方ない事情があったのだと言い、弦之丞を信じてくれ、弦之丞さまは千絵さまに会いたがっている、と言う。
千絵がその言葉を信じかけたその時、周馬が二人の前に現れ、お綱を指さし、この女は江戸で有名な女掏摸です、信じてはいけません、と言い、さらに千絵に不意打ちをくらわせて気絶させる。さらにはお綱の命を狙う。
命懸けで周馬と闘い千絵を助けようとするお綱だが、相手は甲賀の忍びの達者。お綱は追い詰められ怪我を負う。
弦之丞を慕う女たちの想いが交錯する中、弦之丞はお綱を優しく介抱する。
その頃、弦之丞を密かに慕うお米(武田玲奈さん演じる)は、阿波藩の侍によって凌辱される。
さて、登場人物が入り乱れ、さまざまに絡み合い、いよいよ目が離せなくなりました。
原作とはかなり違った部分があります。話の展開の順序だったり、事件が起こる場所などの内容的なものだったりです。
構成的な面で原作と違うのは、弦之丞を中心とした物語として全10回の連続ドラマとしてまとめるためのものでしょうが、登場人物が多いので原作を知らない人にとっては複雑で、息もつかせぬ目まぐるしい展開だと感じるかもしれません。
2018年05月28日
鈴木亮平主演NHK大河ドラマ「西郷どん」第19回「愛加那」
5月20日の午後8時から、NHK総合(地上波)にて、鈴木亮平主演NHK大河ドラマ「西郷どん」第19回放送「愛加那」が放送されました。
奄美大島に流された西郷吉之助(鈴木亮平さん演じる)は、流人、つまり島流しにされた罪人であり、しかも島民が「ヤマトンチュ」と呼ぶ(「ヤマトンチュ」と呼ぶ当たりがいかにも薩摩藩領でありながら島民にとって別の国の人間を指すという響きがあります)「よそ者」でした。おそらく中世・近世において伊豆大島や八丈島などの島民は本州の人間をいかにも異国の人であるかのような言い方はしなかったと思うのですが、このあたりは奄美大島の歴史・文化の特別な所なのでしょう。
吉之助自身、ほんの少しではあったが島での生活に慣れ始めたようですが、島民は吉之助(菊池源吾に改名させられた)に心許していませんでした。
さて、このドラマで描かれる奄美大島の代官・田中雄之介(近藤芳正さん演じる)は、かなり横暴な人物で、吉之助を保護・監視する役目を担わされた龍氏の隣村の者たちを「砂糖(黒糖)を隠し持って蓄えていた」という罪でしょっぴき、龍氏の村の者たちの前で見せつけるようにします。
さとうきびは奄美大島の特産品で、薩摩藩の財政を豊かにするものでした。これがなくては、いくら加賀前田家に次ぐ大藩といえど、参勤交代その他の出費で大赤字のままだったでしょう。これがある藩主の時の浪費による大赤字を黒字に転換できたのは家老・調所広郷(ずしょひろさと)の思い切った政策であり、特に重要なのは砂糖の生産・販売でした。
幕末の動乱において、薩摩藩は重要な役割を担うことができたのも、砂糖の生産・販売があったからこそでした。
しかし、そのために奄美大島の人々は大変な苦難を強いられた。砂糖を生産しながら、それを一かけらも持つことを許されません。
龍氏の者たちは代官に対する不信感があり、無実の罪だ、見せしめだ、と言います。
隣村の人々がしょっ引かれたのが「本当に隠し持っていた」あらなのか、「冤罪」なのかは分かりません。ただ、龍氏は代官を嫌いながらも、恐れていたので、疑われるようなことはしませんでした。
ところが、代官の矛先が今度は龍氏に向かったのでした。
代官とその部下は、龍氏の屋敷に押し入り、中の物を改めます。
当然、罰せられるようなものはありません。
しかし、疑いだけで終わると思った考えは甘かった。代官所の者が砂糖を隠し持っていて、わざと龍氏の屋敷内の壺に入れ「あったぞ!」と叫び、当主・佐民(柄本明さん演じる)をしょっぴきました。
驚くと同時に憤慨する村の人々。代官所の役人たちに陥れられたのだから当然です。
大勢で代官所に押しかけ、猛抗議します。が、もちろん聞き入れてもらえません。
あわや暴動化するか、という時に、吉之助が姿を現し、村の人々を説得しようとします。ここで暴れちゃいかん、おれが話をつける、俺に任せろ、と。
一方、代官の田中は、時代劇の「悪代官」の典型で、佐民らを拷問し、さらに、と う ま(二階堂ふみさん演じる)と二人っきりになって彼女に迫ります。拷問されているやつらを助けたくば、俺の女になれ、と。
悪代官と、庶民の娘(庶民の中ではちょっと家柄が良い)。しかも器量良し。それに目をつけて迫る好色な悪代官。もう、本当に時代劇の典型です。
このとき、代官の女になるくらいなら死んだ方がましだ、と、と う まは自殺しようとします。が、代官は彼女をあざわらいます。
その時、彼女を吉之助が助けます。
島津斉彬のそばに仕え、忠誠心をあつく持っていた吉之助にとっては、代官の横暴は、許せるものではありませんでした。
恋路(邪恋)を力ずくで邪魔され、挙句、人の上に立つモノとしてのあるべき姿まで説かれてしまった代官が怒りに燃え、この出来事を(自分に都合の悪いことは隠して)本国に伝えようとします。
ところが、それを部下が留め、忠告します。部下は本国からの手紙で、「菊池源吾」の正体が前藩主斉彬に重用された西郷吉之助であると知ったのです。
代官はこのとき初めて吉之助が何者か知ります(この話は「本当かな?」「代官が吉之助の正体を知らないなんてことがあるかな?」と思ってしまいますが)。
この件により、と う まは、すっかり菊池源吾こと吉之助に惚れてしまいます。
或る夜、と う まは、吉之助と二人っきりになり、彼の目の前で、身にまとってるものを脱ぎ、あなたのオンナにして、と迫ります。こちらは代官のような横暴なのとは違い、熱い愛の告白です。
吉之助は彼女の体に衣を掛け、それはできない、と言います。
ええーっ! 女性からの愛の告白を断るの? と思いきや、
「俺の妻になってくれ」
と言うのです。
※これらのやり取りは奄美の方言や薩摩の方言で。
二人は結ばれ、夫婦となりました。そして、吉之助は、と う まに「愛加那」という名をつけました。
吉之助、二度目の結婚です。
男がみなぎる!奮い立つ!【タクラマカン砂漠人参】