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2023年01月14日

小栗旬主演NHK大河ドラマ「鎌倉殿の十三人」第6回放送の感想

 小栗旬さん主演NHK大河ドラマ「鎌倉殿の十三人」の第6回放送の感想です。
 もう令和五年になって「鎌倉殿の十三人」の放送自体が終わったので、多少のネタバレは問題ないと思います。
 武蔵国の比企家では頼朝の乳母・比企の尼が比企家当主の比企能員(ひきよしかず)に、すぐに戦支度をせよ、というものの能員は煮え切らない態度。能員の妻はというと、頼朝が負けたら比企家は平家の敵とみなされ滅ぼされる、と反対意見。尼は強い口調で「戦の支度を!」と言っているときに石橋山での頼朝の敗北の知らせ。
 一方、そのころ、頼朝は岩穴に隠れ、梶原景時がそのことを知りながら見て見ぬふりをして見逃す、という歴史上有名なエピソードが描かれます(といってもそんなに盛り上がるわけでもなく)。
 北条時政と義時は甲斐源氏の武田に会う。
 武田が甲斐と相模の国境あたりにまで出張ってきたとしても、石橋山から武田領へ行くとは、北条親子の行動力は大したものです。武田が石橋山のすぐ近くまで来ていたとは思えません。来ていたとすれば平家方の大庭に味方するか敵となるか迫られるはずですから。
 落ち武者でありながら甲斐に潜入できるとすれば、ほんとうに、大したものです。
 それにひきかえ、頼朝のなさけないこと。もともと体力がないという設定なのでしょうが、箱根権現を頼りましょうと言われても渋り、安房へ落ち延びるために海に出ても「真鶴へ」と言われて「なぜ最初からそう言わぬ」と弱音や不満ばかり。
 こういう弱気な大将に坂東武者が従うのだろうか、と思ってしまう。貴種だからそういうものだ、と割り切ってみこしに担いだのだろうか。
 北条親子の健脚ぶりがすごいのに、箱根への移動が無理だと泣き言をいう頼朝の情けなさがひどい。
 さて、義時と合流した三浦の義村は、安房に渡り、三浦の衣笠城が落ちたのを知りながら、頼朝の首を差し出そうか、と義時に提案したり「頼朝」と呼び捨てにする(さすがに本人の前では言わないが)始末。
 また、仁田忠常が合流し、伊豆の北条の様子や、宗時が目的を果たしていないことにより、時政・義時親子は宗時が死んだことを悟る。
 かなしみにくれる義時だったが、兄・宗時の遺志を継ごうと思うからこそ頼朝に再起を促す。
 これがこの回のメイン。
 負けても同志が集まり挽回を目指して再起する。これがドラマチック。
 しかし、細かいところでちょっと疑問がありました。
 箱根権現まで北西に二十五里。という言葉がでてくる場面。「あれ?」と思いました。この物語の舞台の平安末期の「一里」「二里」の「里」の単位の距離と、江戸時代の「里」の距離は違うということですが、だからこそ、画面上に「現代でいう何キロメートル」と注意書きが出てきてほしかった。
 また、現代では方角を言うときに「北西」とか「北東とか「南西」とか、北や南をさきに言いますが、昔は「東」と「西」を先に言ったのでは? 「東北地方」というように。ですからこの場合は「北西に」ではなくて「西北に」という(古代や中世の話ではないが「都の西北…」という歌詞があるように)か、「乾の方角」というべきでは? と思いました。
 また、伊東の八重姫が伊豆山権現の政子のもとを訪れて、夢枕に頼朝様が現れて云々と言って政子が意地を張って「私の夢枕にも佐殿が現れました」と言ったやりとりは面白かったのですが、その後で、八重姫が息子の千鶴が死んでいたことを初めて知る、というのはどうなんだろうなー、と思いました。たぶん、父親の祐親がかん口令をしいて知らせなかったのでしょうが、噂でも聞かなかったのだろうか? 一人で家を抜け出し伊豆山へ行くことは出来なかったとしても誰か使いの者を送って確かめさせるとかしなかったのだろうか?
 祐親にしても、どうせいつかはバレる嘘を敢えてつくのだろう?
 あと、宗時が北条館目指して戻ったという行動自体が不自然に感じるのです。念持仏というのは懐に入るくらいのサイズの仏像なわけですが、それで戦に負けて死ぬかもしれないからといって、もっと大きなサイズの仏像を取りに行かせるのかなあ、と。
 落ち武者なのだから、そんな危険なことをあえてさせるのかな? そんなに大切な仏像ならば政子に持たせて伊豆山権現に預けたら良かったのに、と思います。
 北条館に戻る理由としてはちょっと説得力がないような。ここは仏像を取りに行くではなくて、ただ戦の最中に奮戦して討ち死に、とか、頼朝の影武者を立てて別行動をとって影武者とともに包囲されて討ち死にして、かわりに頼朝が助かる、という展開にした方が良かったのでは?






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