先日、その中でも特別面白いスピーチがありました:
Daniel Pink さんという作家が行った、モチベーションに対してのスピーチです:
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内容は要約すると、 お金を使って人を動かすと逆効果になる 、です。
彼はろうそく問題を使った実験を通して証明していきます。
ろうそく問題とは、
上図の器具を与えられ、被験者は以下の任務を任さられます:
ろうそくを壁につけて、燃やすときに?(ろう)が机に垂れないようにしろ
答えは↓になります:
ろうそく問題の答え
被験者は2グループに分かれ、1グループ(Aとしましょう)は条件なし、もう一つのグループ(B)は上位のの速さで終わることができれば5ドルの報酬が与えられ、一位になると20ドルが与えられます。
さて、BグループはどれくらいAグループより速くろうそく問題を解決できたのでしょうか?
なんと、
BグループはAグループより平均して3分30秒も遅くなったのです。
さらにこの実験はアメリカのMIT、カーネルギーメロン、イギリスのLSEなどの大学機関が、インド、アメリカ、イギリスといった世界各国で40年間繰り返し行われてきましたが、どれも同じ結果になったのです(金銭をインセンティブとすれば生産性は下がる)。
しかし、金銭をインセンティブとすれば生産性が上がる例はあります。
ろうそく問題を↓のように変えてみましょう:
この簡単化されたろうそく問題では、高額の報酬が高い生産性につながるといった結果になりました。
どういうことかといいますと、
機械的な(あまり頭を使わない)仕事は、報酬が高ければ高いほど人は生産性が上がるが、
複雑な問題に対しては、報酬が高ければ高いほど生産性は低くなるのです。
私たちのやる仕事は機械的な仕事なのでしょうか?
プログラミング、掃除、工事現場、書類整理といった簡単な仕事は、外注やコストの低い外国人に任せればいいはずです。
いわゆるホワイトカラーの仕事は、複雑で創造力が必要なことが多いはずです。
そういうことに対して、生産ラインと同じようなボーナスなどを使って人を動かすのは、時代遅れと言わざるを得ません。
では、どうすればいいのか?
それは社員の自主性を重んじることにあります。
一番のいい例がwikipediaです。
当初、マイクロソフトは似たような大百科を、社員を雇って高額な報酬で書かせるようにしていましたが、
Wikipediaのような、何の報酬もなく、書きたい人が書くようなウェブサイトにあっという間に淘汰されてしまいました。
これからの経営者は、ホワイトカラーをただ機械のように扱うのではなく、自主性をいかに発揮できるのかが腕の見せ所だと思います。
とまあ一学生がこんな意見を言うのも生意気かもしれませんが、違うと思ったら論理で言ってくれると嬉しいです。
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