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2017年06月07日
中国の受験事情は過酷
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先日丁度中国の大学受験が始まるということがニュースになっていたので、今回は中国の大学受験について書いてみます。このことについては、私が大好きなジャーナリスト、中島恵さんの記事がYahooに載っていました:
中国の過酷すぎる大学受験はなぜ起こるのか?
要約すると、
1.人口の多さのわりに良い大学が少ない
2.地方は都市よりも枠が少ないのでより過酷
3.たとえいい大学に入ったとしてもいい職に就けるとは限らない
の三点になります。
今回はそれぞれを補足する形で書きます。
1.人口の多さの割に良い大学が少ない
中国の過酷な受験事情はこれが最大の原因だと考えています。
1 中国の学校数`(中国統計年鑑2016)
2 文部科学統計要覧(平成28年版)
上記1が中国の大学数、2が日本の大学数です。
中国は4年制大学が2529校あるのに対し、日本では779校あります。
比率で言うと3.2 : 1 です。
なお人口はご存知の通り10 : 1 程の差があります。
単純計算で1人当たり三倍ほど枠が中国では日本より少ないのです。
2.地方は都市よりも枠が少ないのでより過酷
私は上海で大学受験を受けたのでこの恩恵は身をもって知りました。
中国には戸籍制度があり、父母の戸籍で子供の戸籍も決まり、それを変更するのは大変な条件があります。
私は上海の中学、高校でもこの戸籍の問題でやむを得ず外地(上海以外の地区)に受験しにいった学生を何名も見ました、高1高2までは同じ教室で学んでいたのに、です。
上海での優遇制度は、
?@全国統一の試験に受けなくてもよい(上海で統一試験を受けられる)。
?A多くの大学が上海学生に対して他地区よりも多くの採用枠を設けている。
の二つが大きい恩恵だと思いました。
まず、一つ目の全国統一試験に受けなくてもよいについてですが、
全国の試験では理系では必須科目が国語、英語、数学、物理、化学、生物、理系総合という7教科あるのに対し、
上海は国語、英語、数学、化学or物理or生物の中から 一つ、理系総合という5教科しかありません。
ちなみに文系は国語、英語、数学、(歴史、政治、地理)、文系総合です。
()内は上海ではどれか一つ選択です。
上海の高校では(理系は)高三になると化学か、物理かを選択するのがメジャーになります(生物は受験生が少なく教師が少ないので開いている学校は稀です)。
上海の学生は全国区よりも少ない教科に勉強時間を集中することができるのです。(ちなみに北京でも同様です)
さらにこの各教科ごとの難易度にも大きな違いがあり、上海のほうがはっきり言ってイージーモードです。
試験内容は上海市教育局が毎年出す試験範囲に収まるのに対し、
ほかの地区では教科書に出ない内容を出すようなところも存在します(悪名高いのが江蘇省)。
これらの地区の学生は自分の学校で習ったものばかりでなく、ほかの塾などで場合によっては大学に入る直後に習うような知識を習わなければなりません)。
話が少し逸れますが、高二まで上海にいた学生が戸籍の問題で他地区に受験するとなると大体うまくいきません、上海の教育が他地区に比べてぬるすぎるからです。
中国には統一試験の前に省毎、地区ごとの模擬試験が公開されていますが、
他地区の人は全国の省、地区の模擬試験をやるのに対し、
上海では上海の区ごとの模擬試験しかやりません。(一日に一区の一年分の試験をやるくらい)
ちなみに、他地区の学生は自地区の模擬試験で悪い成績を取った時、自信を取り戻すために上海の模擬試験をやるそうです。
大学に入っても初年度では成績が上位なのは大体他地区の学生です。
?A多くの大学が上海学生に対して他地区よりも多くの採用枠を設けている。
中国政府が農村人口が都市部に流出しないように設けられている制度です、ひどい話ですよね。
上海の方が他地区に比べて試験が簡単なのに、枠が多い。(ちなみに受験人口も他省と比べたら大体少ないです)
ですから上海戸籍はとっても魅力があるのです。
上海戸籍になれる方法の一つとして、一定面積以上の不動産物件の所有というのがあります。
ですから他地区の戸籍を持つ人が上海戸籍を獲得するために上海の家を買いたがるのです。
ですから上海の不動産価格は上昇し放題なのです。
また話がそれますが上記の理由により上海戸籍というのはある程度ステータスとなっています。
それが中学、高校にも浸透しているのが少し恐ろしいことです。
中学校ではあるクラスメイトが上海戸籍ではかったので、あだ名が外地人というのもいました。
書いてみたら結構長くなりましたので他の項目についても今後書いてみたいと思います。
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先日丁度中国の大学受験が始まるということがニュースになっていたので、今回は中国の大学受験について書いてみます。このことについては、私が大好きなジャーナリスト、中島恵さんの記事がYahooに載っていました:
中国の過酷すぎる大学受験はなぜ起こるのか?
要約すると、
1.人口の多さのわりに良い大学が少ない
2.地方は都市よりも枠が少ないのでより過酷
3.たとえいい大学に入ったとしてもいい職に就けるとは限らない
の三点になります。
今回はそれぞれを補足する形で書きます。
1.人口の多さの割に良い大学が少ない
中国の過酷な受験事情はこれが最大の原因だと考えています。
1 中国の学校数`(中国統計年鑑2016)
2 文部科学統計要覧(平成28年版)
上記1が中国の大学数、2が日本の大学数です。
中国は4年制大学が2529校あるのに対し、日本では779校あります。
比率で言うと3.2 : 1 です。
なお人口はご存知の通り10 : 1 程の差があります。
単純計算で1人当たり三倍ほど枠が中国では日本より少ないのです。
2.地方は都市よりも枠が少ないのでより過酷
私は上海で大学受験を受けたのでこの恩恵は身をもって知りました。
中国には戸籍制度があり、父母の戸籍で子供の戸籍も決まり、それを変更するのは大変な条件があります。
私は上海の中学、高校でもこの戸籍の問題でやむを得ず外地(上海以外の地区)に受験しにいった学生を何名も見ました、高1高2までは同じ教室で学んでいたのに、です。
上海での優遇制度は、
?@全国統一の試験に受けなくてもよい(上海で統一試験を受けられる)。
?A多くの大学が上海学生に対して他地区よりも多くの採用枠を設けている。
の二つが大きい恩恵だと思いました。
まず、一つ目の全国統一試験に受けなくてもよいについてですが、
全国の試験では理系では必須科目が国語、英語、数学、物理、化学、生物、理系総合という7教科あるのに対し、
上海は国語、英語、数学、化学or物理or生物の中から 一つ、理系総合という5教科しかありません。
ちなみに文系は国語、英語、数学、(歴史、政治、地理)、文系総合です。
()内は上海ではどれか一つ選択です。
上海の高校では(理系は)高三になると化学か、物理かを選択するのがメジャーになります(生物は受験生が少なく教師が少ないので開いている学校は稀です)。
上海の学生は全国区よりも少ない教科に勉強時間を集中することができるのです。(ちなみに北京でも同様です)
さらにこの各教科ごとの難易度にも大きな違いがあり、上海のほうがはっきり言ってイージーモードです。
試験内容は上海市教育局が毎年出す試験範囲に収まるのに対し、
ほかの地区では教科書に出ない内容を出すようなところも存在します(悪名高いのが江蘇省)。
これらの地区の学生は自分の学校で習ったものばかりでなく、ほかの塾などで場合によっては大学に入る直後に習うような知識を習わなければなりません)。
話が少し逸れますが、高二まで上海にいた学生が戸籍の問題で他地区に受験するとなると大体うまくいきません、上海の教育が他地区に比べてぬるすぎるからです。
中国には統一試験の前に省毎、地区ごとの模擬試験が公開されていますが、
他地区の人は全国の省、地区の模擬試験をやるのに対し、
上海では上海の区ごとの模擬試験しかやりません。(一日に一区の一年分の試験をやるくらい)
ちなみに、他地区の学生は自地区の模擬試験で悪い成績を取った時、自信を取り戻すために上海の模擬試験をやるそうです。
大学に入っても初年度では成績が上位なのは大体他地区の学生です。
?A多くの大学が上海学生に対して他地区よりも多くの採用枠を設けている。
中国政府が農村人口が都市部に流出しないように設けられている制度です、ひどい話ですよね。
上海の方が他地区に比べて試験が簡単なのに、枠が多い。(ちなみに受験人口も他省と比べたら大体少ないです)
ですから上海戸籍はとっても魅力があるのです。
上海戸籍になれる方法の一つとして、一定面積以上の不動産物件の所有というのがあります。
ですから他地区の戸籍を持つ人が上海戸籍を獲得するために上海の家を買いたがるのです。
ですから上海の不動産価格は上昇し放題なのです。
また話がそれますが上記の理由により上海戸籍というのはある程度ステータスとなっています。
それが中学、高校にも浸透しているのが少し恐ろしいことです。
中学校ではあるクラスメイトが上海戸籍ではかったので、あだ名が外地人というのもいました。
書いてみたら結構長くなりましたので他の項目についても今後書いてみたいと思います。
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