いつもより多く汗をかく夏は、体臭が気になる方も多いのではないでしょうか。その中でも際立ってしまうのが“わきが”です。正式には腋臭症(えきしゅうしょう)というもので、鼻をつくニオイが特徴的です。誰でもそのニオイを放つかというとそうではなく、体質的なものとされています。
欧米では約7割の方がわきが体質と言われており、あまり気にされないのだとか。一方、日本では人口の約1割程度なので、逆に問題視されてしまうのです。ここでは、そんなわきがは通常の体臭とは違うのか、その定義や原因について解説します。
体臭とは違う?わきがとは何か。
「わきがとは何か」、その定義は非常に難しいもの。一般的には体臭の強い人のことを“わきが”としますが、実際にはもっと複雑で線引きが難しいのです。確かに汗臭さとわきが臭では、ニオイに大きな違いがあります。そもそもわきが臭の濃さも個人差があり、「どこからどこまでがわきがか」という明確な違いが定義できないものなのです。
わきがと通常の汗のニオイのもっとも大きな違いは、“ニオイを自分で予防できるかどうか”という点と言えるでしょう。汗のニオイは入浴して清潔に保てば解消します。わきがは体をキレイに保つことである程度の軽減はでいるものの、根本的な解決にはならないのです。
わきがは病気ではなく遺伝的な要因が強い体質です。親族にわきがの方がいる場合、わきがになる可能性が高いと考えてください。
わきがの原因とは何か。
わきがにはアポクリン汗腺とエクリン汗腺の2つの汗腺と皮脂腺が深く関わっています。これらからの分泌物が皮膚常在菌によって分解されて発生するニオイが“わきが臭”です。エクリン汗腺から分泌される汗はほとんどが水分で、そのものにはニオイはありません。
わきがの主な原因はアポクリン汗腺から分泌される汗が主な原因と言えるでしょう。アポクリン汗に含まれる脂肪やたんぱく質が皮膚表面の常在菌によって分解されることで強いニオイを放ちます。アポクリン汗腺の量は個人差が大きく、これが多い人をわきが体質と言います。
アポクリン腺はワキの下以外にも陰部や乳輪にもあり、ここからもわきが臭がでることがあります。ワキ以外からのものに対しては「すそわきが」という名前がつけられています。ワキからでているニオイだけがわきがではというわけではないのです。
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