遊園地
高校から大学のころ何度か遊園地に来ている。いつも女の子たちと一緒だった。俺は、いつも、どのタイミングで手をつなごうか?人のいない所ではキスしてもいいだろうか?と考えていた。
大学を卒業するころには、何とかその子の部屋に行けないか?出来たらそこで嬉しいことが起きないか?そんなことばかり考えていた。そして、社会へ出て接待というものを経験するとすぐに、夜の仕事をする女の子たちと関係ができた。
手をつなぐタイミングもキスをする場所も何も考える必要はなかった。人恋しい日は誘えば必ずセックスが付いてきた。交際などしなくてもサラッとそういう関係になった。そうなると遊園地などという健康的な明るい場所とはどんどん縁が切れていった。梨央が聞いたら卒倒してしまうかもしれない。
ところが親になって真也と一緒に遊園地というものに来てみれば想像を絶するほど楽しい場所だった。真也は興奮して、ずっと走っていた。活発な子だがこんなに走っている姿は見たことがなかった。とにかくよく笑う。ヒーローもののショーを見ては一緒に戦うポーズをした。
特に俺が感動したのが、急流下りというアトラクションだった。梨央と真也と3人で乗った。俺が真也を抱いていた。ほんの少しだがトロッコのような乗り物が急な坂を高速で降りる。その時、水しぶきがかかって真也は恐怖感と興奮で一瞬小さな肩が緊張で固まったが終わってみれば大歓声だった。
「パパ、パパ、もっかい乗る」というので真也と二人でもう一度乗った。世の中にはこんな楽しいことがあったのかと感動してしまった。梨央がカメラを構えてこちらを見ている。真也は今度は余裕で梨央の方にピースサインを出した。
俺は一度もこんな遊びをさせてもらった経験はなかった。俺の育った環境は贅沢はさせてくれたが、こんな場所に子供を連れてくるような発想はなかった。俺は思った。母はきっと父と二人で俺を連れて遊園地へ来たかったのではないかと。
で、感動冷めやらぬ俺は食事中も梨央に「一瞬真也の体がこわばったんだよ。キャーって声を出すもんだから大丈夫かなって心配したんだけど、大喜びだったから本当にびっくりしたんだ。」としゃべり続けて梨央にあきれられてしまった。
「遊園地であなたにこんなに喜んでもらえるなんて夢にも思わなかった。誘ってよかったわ。また連れてってあげるから早くご飯食べなさい、真君」といわれた。
「梨央、母親が早く亡くなるって、子供は普通の楽しみも味わえないことになるんだ。梨央、何があっても長生きしてくれ。」と頼んだ。梨央は、「父親だっておんなじよ。あなたこそ何があっても長生きしてよね。」と俺を抱きしめた。
夫婦は円満だった。梨央も俺も健康だった。それなのに、梨央はまだ妊娠しなかった。どうも俺は命中率が良くない体質らしい。
続く
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2019年10月10日
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