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2019年09月10日
家族の木 THE FOURTH STORY 真と梨央 <20 奇妙なタイトル>
奇妙なタイトル
新田詩音のカフェのコーヒーはサイフォン式だった。なかなかうまいコーヒーで客層は年配が多かった。いいカフェだと思った。ここに若い女が一人で来れば目立つ。コーヒーを待つ間ギャラリースペースに行ってみた。するといかついオッサンが笑顔でやってきた。
なるほど柔らかい色合いで好感が持てた。不思議なことに買ってみようかなどと思った。寝室にどうだろうと思った。
オッサンが、絵をお探しですか?と聞くので、ちょっと、この青い絵がいいなと思っているんです。といいながら、値段を見てびっくりした。怖気づいてよく似た感じの小さい方を指さした。するとオッサンは「すみません、それは売約済みなんです。」という。
「そうなんですか。でも変わったタイトルですね。こっちはどうなんですか?」と聞くと「すみませんね。それも売約済みなんです。」という。心の中で「じゃあ、値札つけるなよ!」と思った。
「変わったタイトルですね、この二つ。」というとオッサンは「よその女がつけたんですよ。私もよくわからんのですが、そのまま使いました。惚れた弱みですかな。」と笑った。「えっ、恋人がお付けになった名前?」「いや、片思いですよ。」と苦笑いをした。
残念でした。このオッサンはどっかの変な女に片思いをしていた。変なオッサンなんだから変な女とお似合いだ。梨央は残念がるだろうけど。と思いながらカフェを出た。
夜、梨央に事の顛末を報告した。「あのオッサンには好きな女がいるみたいだ。残念だけど諦めよう。梨沙ちゃんにはもっといい人が現れる。俺も心がけるから。」というと、「ええ〜、あの人そんな人がいたの? あの人絶対梨沙ちゃんのこと好きだと思ったのに。ママもそうじゃないかって気をもんでたのよ。残念だわ〜。でも、あなた、たった一度お店へ行っただけで凄いこと聞きだしてきたのね。凄い。」といわれた。
「梨央はあの画家が気に入ってるみたいだけど、変な奴だったぜ。なにしろ、絵を売らないんだ。値段をつけて飾ってあるから、寝室に飾りたいっと思って買うって言ったんだよ。そしたら売約済みだって言われたんだよ。2枚もだぜ。その絵のタイトルが変なんだよ。なんでも惚れた女が勝手につけた名前らしいんだ。いいオッサンがその女に片思いしてるらしい。変な名前だったよ。」
「まあ確かに変な人には違いないのよ。でもいい人みたいなのよ。」
「いい人かもしれないけど、あれじゃ梨沙ちゃん苦労するよ。俺がいい男見つけてやるよ。」といいながら自分で自分に驚いていた。人の結婚の世話をする奴の気が知れないと思っていたのに、今、男を見つけてやると口走ったようだ。
「絵、いい絵だったの?」「うん、優しい感じの青い絵だ。なんだかなあ。クラムボンっていう名前だった。もう一つがシグナル何とかだった。」というと、梨央が「シグナルとシグナレス?」と聞いた。
「なんだ、知ってるのか?」「有名よ、両方とも宮沢賢治の童話よ。」「宮沢賢治って、アメニモマケズのか?」「そう、いい童話をたくさん書いた大作家よ。」「ふう〜ん。知らなかった。」
という間に梨央の表情が変わってきて、明るい目になった。
「浜野真君、君はたった一回のミッションでよくそこまでいい情報をつかんできた。ここに君の功績をたたえます。」と言って抱き着いてきた。「おお、よかった。もう一生出来ないのかと思って焦ってたんだ。」と答えると大笑いした。
明るい表情だった。「あのね、梨沙ちゃん宮沢賢治の大ファンなのよ。その絵の名付け親は梨沙ちゃんよ。」といった。「ええ〜、変な女って言って悪かったな。」いいながら、なんだか気持ちのいい感動が胸に押し寄せてきた。
「梨央軍曹、今後は私はミッションには必ず文書と写真で詳細なレポートを書きます。下手したらものすごい重要な情報が抜けおちるとこだった。あぶねえ。」と声が出た。
続く
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新田詩音のカフェのコーヒーはサイフォン式だった。なかなかうまいコーヒーで客層は年配が多かった。いいカフェだと思った。ここに若い女が一人で来れば目立つ。コーヒーを待つ間ギャラリースペースに行ってみた。するといかついオッサンが笑顔でやってきた。
なるほど柔らかい色合いで好感が持てた。不思議なことに買ってみようかなどと思った。寝室にどうだろうと思った。
オッサンが、絵をお探しですか?と聞くので、ちょっと、この青い絵がいいなと思っているんです。といいながら、値段を見てびっくりした。怖気づいてよく似た感じの小さい方を指さした。するとオッサンは「すみません、それは売約済みなんです。」という。
「そうなんですか。でも変わったタイトルですね。こっちはどうなんですか?」と聞くと「すみませんね。それも売約済みなんです。」という。心の中で「じゃあ、値札つけるなよ!」と思った。
「変わったタイトルですね、この二つ。」というとオッサンは「よその女がつけたんですよ。私もよくわからんのですが、そのまま使いました。惚れた弱みですかな。」と笑った。「えっ、恋人がお付けになった名前?」「いや、片思いですよ。」と苦笑いをした。
残念でした。このオッサンはどっかの変な女に片思いをしていた。変なオッサンなんだから変な女とお似合いだ。梨央は残念がるだろうけど。と思いながらカフェを出た。
夜、梨央に事の顛末を報告した。「あのオッサンには好きな女がいるみたいだ。残念だけど諦めよう。梨沙ちゃんにはもっといい人が現れる。俺も心がけるから。」というと、「ええ〜、あの人そんな人がいたの? あの人絶対梨沙ちゃんのこと好きだと思ったのに。ママもそうじゃないかって気をもんでたのよ。残念だわ〜。でも、あなた、たった一度お店へ行っただけで凄いこと聞きだしてきたのね。凄い。」といわれた。
「梨央はあの画家が気に入ってるみたいだけど、変な奴だったぜ。なにしろ、絵を売らないんだ。値段をつけて飾ってあるから、寝室に飾りたいっと思って買うって言ったんだよ。そしたら売約済みだって言われたんだよ。2枚もだぜ。その絵のタイトルが変なんだよ。なんでも惚れた女が勝手につけた名前らしいんだ。いいオッサンがその女に片思いしてるらしい。変な名前だったよ。」
「まあ確かに変な人には違いないのよ。でもいい人みたいなのよ。」
「いい人かもしれないけど、あれじゃ梨沙ちゃん苦労するよ。俺がいい男見つけてやるよ。」といいながら自分で自分に驚いていた。人の結婚の世話をする奴の気が知れないと思っていたのに、今、男を見つけてやると口走ったようだ。
「絵、いい絵だったの?」「うん、優しい感じの青い絵だ。なんだかなあ。クラムボンっていう名前だった。もう一つがシグナル何とかだった。」というと、梨央が「シグナルとシグナレス?」と聞いた。
「なんだ、知ってるのか?」「有名よ、両方とも宮沢賢治の童話よ。」「宮沢賢治って、アメニモマケズのか?」「そう、いい童話をたくさん書いた大作家よ。」「ふう〜ん。知らなかった。」
という間に梨央の表情が変わってきて、明るい目になった。
「浜野真君、君はたった一回のミッションでよくそこまでいい情報をつかんできた。ここに君の功績をたたえます。」と言って抱き着いてきた。「おお、よかった。もう一生出来ないのかと思って焦ってたんだ。」と答えると大笑いした。
明るい表情だった。「あのね、梨沙ちゃん宮沢賢治の大ファンなのよ。その絵の名付け親は梨沙ちゃんよ。」といった。「ええ〜、変な女って言って悪かったな。」いいながら、なんだか気持ちのいい感動が胸に押し寄せてきた。
「梨央軍曹、今後は私はミッションには必ず文書と写真で詳細なレポートを書きます。下手したらものすごい重要な情報が抜けおちるとこだった。あぶねえ。」と声が出た。
続く
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