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2019年09月15日
THE FOURTH STORY 真と梨央 <25 出張>
出張
その夜は梨央には言わずに帰途に着いた。突然帰ったら喜んでくれるだろうと思っていた。出張2日目の夜だ。本当は明日の朝帰る予定だったが、早く終わったので一泊切り上げて夜のうちに帰った。
最近は何かと出張が増えていた。4、5日の出張なら梨央は実家へ帰った。今回は3日の予定だった。
短い出張でいちいち東京へ帰るのも面倒になったようだ。お隣さんには頼りになるお手伝いさんもいるし、今回は大阪で一人留守番をすると言い出したのは梨央だった。
俺も梨央の決心に賛成した。それでも、夜は不安におののいているのかと思うとかわいそうだった。それで無理に一泊切り上げたのだった。家に着いたのは深夜だった。起こすのもかわいそうだと思ったので黙って家に入ってそっと寝室の前まで行った。
不思議なことに梨央の「あなた、あなた、」という声が聞こえた。なんだ気が付いたのかと思って寝室のドアを開けると梨央が俺の枕を抱いて何かごそごそしている。声をかけそびれた。梨央の声が甘ったるい。夢でも見ているのかと思ったが、そうではないことがだんだんわかってきた。
「梨央、梨央、待ってろ、すぐだから。今シャワーを浴びてくる。少しだけ待ってろ。」と声をかけると、口を大きく開けたが声はかすれた声しか出なかった。「落ち着け、俺だよ。落ち着け。」と抱きしめると、本当にガタガタふるえていた。
しかも、下着一枚身に着けていなかった。一人寝の時には裸か?と驚いた。俺は、梨央を抱いたまま不覚にも大笑いしてしまった。「梨央シャワーを浴びてくる。そのまま待ってろ。一人だけじゃイかせないよ。」と声をかけた。梨央は泣きじゃくった。
ベッドに戻ると梨央はまだ泣いていた。「そんなに泣かなくても、もう安心して。梨央奥様のお楽しみを邪魔しちゃったからね。もっと心行くまで楽しんでもらわなくちゃな。」といって毛布をよけるとうつむいたまま泣いている。
そのまま、上にかぶさって胸に手をまわした。悪気はなかった。とにかく早く始めないとかわいそうだと思った。何しろ興奮していた。抜き打ちで帰ってみれば妻が自分の枕を抱きしめて甘い声を出していたのだ。俺は新婚の夫だ。興奮しないわけがないだろう?
梨央は慣れない態勢でも、器用に順応した。喜んでいると思った。普段よりも大きな声が出ていたしその部分も滑らかだった。急いで帰って来たかいがあった。とても素敵なお出迎えだった。梨央奥様は生まれつきの才能があると思った。梨央も満足したように見えた。ところがここで俺は言葉の選び方を間違えてしまった。
「俺、梨央をこんなに淫乱にしちゃったね。これじゃ、心配で長期出張はできないな。」と声をかけた。これが、ぐずぐずの発端だった。俺は自分の妻が良家の子女で、その中でも超のつく真面目印だということを忘れていた。わいせつな言葉の使い方をよく理解していない。淫乱などという言葉は梨央にとっては侮辱以外の何物でもなかったのだ。
「私はそんなんじゃない。たまたま今夜はあなたがいないし、眠れないし。普段はこんなことはしない。」と何度もいい訳をした。責めた覚えはなかったが梨央には責め言葉に聞こえたらしい。「わかってるよ。今のは誉め言葉だよ。梨央は貞淑ないい奥さんだよ。ただ、俺の前ではちょっと淫乱で居てくれて嬉しかったんだよ。」と火に油を注いでしまった。
話がだんだん横道へそれて、「だいたい最近出張が多い。あなたの会社はあなた以外に出張できる人はいないのか。あなたは私と夜を過ごすのが嫌なのか。」と駄々をこねだした。こんな時は話せば話すほどこじれると思った。
「そうだなあ。出張減らさなきゃいけないなあ。」と適当に相槌を打って寝てしまった。
続く
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その夜は梨央には言わずに帰途に着いた。突然帰ったら喜んでくれるだろうと思っていた。出張2日目の夜だ。本当は明日の朝帰る予定だったが、早く終わったので一泊切り上げて夜のうちに帰った。
最近は何かと出張が増えていた。4、5日の出張なら梨央は実家へ帰った。今回は3日の予定だった。
短い出張でいちいち東京へ帰るのも面倒になったようだ。お隣さんには頼りになるお手伝いさんもいるし、今回は大阪で一人留守番をすると言い出したのは梨央だった。
俺も梨央の決心に賛成した。それでも、夜は不安におののいているのかと思うとかわいそうだった。それで無理に一泊切り上げたのだった。家に着いたのは深夜だった。起こすのもかわいそうだと思ったので黙って家に入ってそっと寝室の前まで行った。
不思議なことに梨央の「あなた、あなた、」という声が聞こえた。なんだ気が付いたのかと思って寝室のドアを開けると梨央が俺の枕を抱いて何かごそごそしている。声をかけそびれた。梨央の声が甘ったるい。夢でも見ているのかと思ったが、そうではないことがだんだんわかってきた。
「梨央、梨央、待ってろ、すぐだから。今シャワーを浴びてくる。少しだけ待ってろ。」と声をかけると、口を大きく開けたが声はかすれた声しか出なかった。「落ち着け、俺だよ。落ち着け。」と抱きしめると、本当にガタガタふるえていた。
しかも、下着一枚身に着けていなかった。一人寝の時には裸か?と驚いた。俺は、梨央を抱いたまま不覚にも大笑いしてしまった。「梨央シャワーを浴びてくる。そのまま待ってろ。一人だけじゃイかせないよ。」と声をかけた。梨央は泣きじゃくった。
ベッドに戻ると梨央はまだ泣いていた。「そんなに泣かなくても、もう安心して。梨央奥様のお楽しみを邪魔しちゃったからね。もっと心行くまで楽しんでもらわなくちゃな。」といって毛布をよけるとうつむいたまま泣いている。
そのまま、上にかぶさって胸に手をまわした。悪気はなかった。とにかく早く始めないとかわいそうだと思った。何しろ興奮していた。抜き打ちで帰ってみれば妻が自分の枕を抱きしめて甘い声を出していたのだ。俺は新婚の夫だ。興奮しないわけがないだろう?
梨央は慣れない態勢でも、器用に順応した。喜んでいると思った。普段よりも大きな声が出ていたしその部分も滑らかだった。急いで帰って来たかいがあった。とても素敵なお出迎えだった。梨央奥様は生まれつきの才能があると思った。梨央も満足したように見えた。ところがここで俺は言葉の選び方を間違えてしまった。
「俺、梨央をこんなに淫乱にしちゃったね。これじゃ、心配で長期出張はできないな。」と声をかけた。これが、ぐずぐずの発端だった。俺は自分の妻が良家の子女で、その中でも超のつく真面目印だということを忘れていた。わいせつな言葉の使い方をよく理解していない。淫乱などという言葉は梨央にとっては侮辱以外の何物でもなかったのだ。
「私はそんなんじゃない。たまたま今夜はあなたがいないし、眠れないし。普段はこんなことはしない。」と何度もいい訳をした。責めた覚えはなかったが梨央には責め言葉に聞こえたらしい。「わかってるよ。今のは誉め言葉だよ。梨央は貞淑ないい奥さんだよ。ただ、俺の前ではちょっと淫乱で居てくれて嬉しかったんだよ。」と火に油を注いでしまった。
話がだんだん横道へそれて、「だいたい最近出張が多い。あなたの会社はあなた以外に出張できる人はいないのか。あなたは私と夜を過ごすのが嫌なのか。」と駄々をこねだした。こんな時は話せば話すほどこじれると思った。
「そうだなあ。出張減らさなきゃいけないなあ。」と適当に相槌を打って寝てしまった。
続く
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