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2019年09月29日
家族の木 THE FOURTH STORY 真と梨央 <39 兄弟の絆>
兄弟の絆
義父が入院した日の午後、田原隆から梨央に電話があった。「悪いが事務所に来れんかな?出前だが昼食も用意する。」ということなので田原隆の議員事務所へ出かけて行った。一体何事かと思った。会社のことなら梨沙ちゃんや義母なしでは決められない。むしろ、この人は部外者だ。
「別に特別な話やないんや。ただちょっと君に言うておきたいと思うてな。梨央ちゃんと一緒の方がよかったけど、小さい子供連れてうろうろさせんのも可愛そうやと思うてな。」
「はい、ちょっと疲れていると思います。それに、息子がいたほうがお義母さんも気がまぎれるでしょうし。」というと、「梨央ちゃんは幸せそうやな。ありがとう。あの子があんなに幸福そうな奥さんになってホンマにうれしい。兄貴も君には感謝してた。ところで君、田原のビルの件、断ったそうやな。兄貴がわろてた。訳のわからん断り方したそうやな。」
「すみません。ちょっと感情的になることがありまして。」
「兄貴が、そのうちやりたいて電話があるから2,3日待ってくれていうて苦笑いしてた。君えらい可愛いとこあるんやな。」俺は汗が噴き出していた。
「兄貴は君が可愛いらしい。男の子がおらんから、君にいろいろ教えてみたいらしい。梨沙ちゃんだけでは可愛そうや。それに、今となっては梨沙ちゃんは新田君を支えることも必要やろうしな。」
「実は、昨日、お受けする電話をしようと思ってました。そしたら、倒れられたっていうことで、まだお義父さんには話していません。」
「そうか!そしたらこれは決まりや。このあと兄貴と打ち合わせするが、田原興産サポートしてくれんか?次男が今28で営業部や。これを育ててほしいんや。何とか頼めんかな?」
「いや、それはお義父さんの判断です。」
「おっ、それはそうやな。君に覚えておいてもらいたいんは、兄貴が君を可愛いと思ってることや。男同士でなかなかそういう話もせんやろから、わしから伝えておきます。話はこれだけや。」
俺は、最初は仕事の実務の話として聞いていた。こんな話をするのは早すぎる。失礼なジジイだと思った。しかし、結局は弟が兄の気持ちを伝えようとしてくれたのだとわかって少し目頭が熱くなった。
田原ビルの件は義父に直接返事をしたいといって田原隆の事務所から出た。田原隆は別れ際に強く握手をした。そして、「誰でも握手するんは政治家の職業病や。」と笑った。
義父は手術が終わって2カ月ぐらいしてからリハビリ病院に転院した。歩行は不自由そうだが杖をついて歩けるようになった。話の内容に特に異常なことは無かった。時々言葉が出なくて詰まるようだったが、会話の妨げになるほどではなかった。
義父は入院中に家族会議を開いた。経営のことだというのははっきりしていた。俺は、とにかく田原ビルの返事をしておきたかった。開口一番に田原ビルの件をやらせてほしいというと、義父はきょとんとした。
しばらくしてからにっこり笑って、「わかってたよ。隆にも伝えたよ。」といった。「みんな分かったろ。ちょっと考えないとわからないことがあるんだ。多分、いろんなことを忘れている。これから思い出していかなければならないけれど、思い出せないことも出てくるかもしれん。ボ、ボキャブ、ブラリーとかが忘れてるんだ。会社が難しくなるかもしれん。とにかく君たちで話し合ってほしい。どうしたいか聞かせてほしい。絵梨も考えてほしい。」
「梨沙、Tコーポできる?」義母が聞いた。「できるわけないじゃない。古い社員に頼ったとしても、その人たちだって不安だと思うの。浜野さんだとみんな納得すると思うのよ。もちろん、私もできることはするけれど。私、えり兆ビルの方をやりたいの。主人のギャラリーをきちんとしたいのよ。」
俺はあえて口を挟まなかった。これは、田原家の商売の話だった。「真、どうだ、やってくれんかな。
田原の息子が今28だ。これもしっかりしている。真、しばらく営業で使ってくれんかな?隆?うん?隆二か。隆二もそれを期待している。」妙なことに義父は急に俺を呼び捨てにした。
「そんなに何でもこの人にやらせたらこの人が体壊しちゃうじゃない。」梨央が意外なほど気色ばんだが、結局Tコーポと田原興産と浜野興産を同時に見ることになった。もちろん社長は義父だ。役員として入ることになる。古い社員と軋轢がないか心配だった。
続く
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義父が入院した日の午後、田原隆から梨央に電話があった。「悪いが事務所に来れんかな?出前だが昼食も用意する。」ということなので田原隆の議員事務所へ出かけて行った。一体何事かと思った。会社のことなら梨沙ちゃんや義母なしでは決められない。むしろ、この人は部外者だ。
「別に特別な話やないんや。ただちょっと君に言うておきたいと思うてな。梨央ちゃんと一緒の方がよかったけど、小さい子供連れてうろうろさせんのも可愛そうやと思うてな。」
「はい、ちょっと疲れていると思います。それに、息子がいたほうがお義母さんも気がまぎれるでしょうし。」というと、「梨央ちゃんは幸せそうやな。ありがとう。あの子があんなに幸福そうな奥さんになってホンマにうれしい。兄貴も君には感謝してた。ところで君、田原のビルの件、断ったそうやな。兄貴がわろてた。訳のわからん断り方したそうやな。」
「すみません。ちょっと感情的になることがありまして。」
「兄貴が、そのうちやりたいて電話があるから2,3日待ってくれていうて苦笑いしてた。君えらい可愛いとこあるんやな。」俺は汗が噴き出していた。
「兄貴は君が可愛いらしい。男の子がおらんから、君にいろいろ教えてみたいらしい。梨沙ちゃんだけでは可愛そうや。それに、今となっては梨沙ちゃんは新田君を支えることも必要やろうしな。」
「実は、昨日、お受けする電話をしようと思ってました。そしたら、倒れられたっていうことで、まだお義父さんには話していません。」
「そうか!そしたらこれは決まりや。このあと兄貴と打ち合わせするが、田原興産サポートしてくれんか?次男が今28で営業部や。これを育ててほしいんや。何とか頼めんかな?」
「いや、それはお義父さんの判断です。」
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義父は入院中に家族会議を開いた。経営のことだというのははっきりしていた。俺は、とにかく田原ビルの返事をしておきたかった。開口一番に田原ビルの件をやらせてほしいというと、義父はきょとんとした。
しばらくしてからにっこり笑って、「わかってたよ。隆にも伝えたよ。」といった。「みんな分かったろ。ちょっと考えないとわからないことがあるんだ。多分、いろんなことを忘れている。これから思い出していかなければならないけれど、思い出せないことも出てくるかもしれん。ボ、ボキャブ、ブラリーとかが忘れてるんだ。会社が難しくなるかもしれん。とにかく君たちで話し合ってほしい。どうしたいか聞かせてほしい。絵梨も考えてほしい。」
「梨沙、Tコーポできる?」義母が聞いた。「できるわけないじゃない。古い社員に頼ったとしても、その人たちだって不安だと思うの。浜野さんだとみんな納得すると思うのよ。もちろん、私もできることはするけれど。私、えり兆ビルの方をやりたいの。主人のギャラリーをきちんとしたいのよ。」
俺はあえて口を挟まなかった。これは、田原家の商売の話だった。「真、どうだ、やってくれんかな。
田原の息子が今28だ。これもしっかりしている。真、しばらく営業で使ってくれんかな?隆?うん?隆二か。隆二もそれを期待している。」妙なことに義父は急に俺を呼び捨てにした。
「そんなに何でもこの人にやらせたらこの人が体壊しちゃうじゃない。」梨央が意外なほど気色ばんだが、結局Tコーポと田原興産と浜野興産を同時に見ることになった。もちろん社長は義父だ。役員として入ることになる。古い社員と軋轢がないか心配だった。
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