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2019年10月06日
家族の木 THE FOURTH STORY 真と梨央 <46 他の経験>
他の経験
梨央が笑うのは真也に話しかけるときだけだった。声を荒げるわけでもないし、食事が手抜きなわけでもなかった。ただ、夜は背中を向けて寝てしまう。眠れない日は夜遅くまでテレビの前から離れなかった。寝室へ入るタイミングをずらされていると感じていた。俺が寝込んだタイミングでベッドに入る。俺は自分が悪いのにむくれた。
梨央のわがままで喧嘩になった時には、俺は全力で機嫌を取る。キスをして優しい言葉をかける、それでダメならあちこち触っては気を引いて、それでもダメならデートに誘う。普通はこれで機嫌が治まる。困った女房だと思いながらややこしいゲームに挑戦して勝ったときには悦に入るのだ。
ところが今回は完全に俺が悪い。俺は自己嫌悪に弱い。優しい言葉が出てこない。最初は謝って機嫌を取るが、それでダメなら静観する以外に方法を知らない、それがダメなら自分が悪いのにむくれる、そして余計にこじれる。かれこれ2週間ぐらい不快な関係が続いていた。
ある夜、もう10時を過ぎるかという時間に梨央が外出しようとしていた。きれいに化粧をして少し派手目の服を着ていた。「どこへ行くんだ?」驚いて声をかけた。「ちょっと遊んでくる。むしゃくしゃする。」と言って出かけようとする。「バカ、今頃でかけたら危ないぞ。慣れてないのが分かるんだから、どんな奴に引っかかるかわからないぞ。」と言って腕をつかんだ。
梨央は「危なくてもいいの。ちょっと遊んでみたいのよ。あなたが遊んでいいのに私が遊んでいけないことないでしょ!ほかの人とも経験したらやきもち焼かなくなるかもしれない。そしたらあなたもっと自由になれるわよ。私だっていろんなこと覚えてあなたを喜ばせてあげられるかもしれないじゃない!されるがままでツマンナイ女じゃ浮気もしたくなるわよね。」と今まで聞いたこともないような嫌味を言った。
頭に血が上った。梨央が出て行こうとする腕を捕まえてそのまま梨央を壁に押し付けていた。「梨央、覚えとけ。何があっても他の男に渡さない。何があってもだ。」と言って梨央の首を手のひらで壁に押し付けていた。「今どき、そんな派手な化粧は流行らないんだよ。遊び慣れない女が無理してるのがバレバレなんだよ。」なぜ、こんなひどいことを言うのか自分でわからなかった。
梨央は一瞬目を大きく開いて両手で俺の手首をつかんだ。不思議なことにその手首を全力で自分の首に引き寄せた。「何してるんだ。逃げなきゃダメじゃないか。」というと「殺してほしいの。死んだ方が楽なの。苦しいの。
毎日、隠れてあなたの持ち物チェックして、あなたがいないときにパソコンチェックして、それでも不安で不安で。ねえ殺して。真也はママに見てもらって。梨沙ちゃんもいる。ねえ、もうこのまま消えたいの。」と泣いた。
梨央が俺の持ち物やパソコンをチェックしているのは知っていた。かまわなかった。それで気が済むならいくらでも見ればいいと思っていた。だいたい梨央がなぜ急に他の経験をするなんて発想をしたのか理由ははっきりしていた。
もう2週間以上開いていた。邪険に拒否するのは梨央だった。それでも、イライラがつのっているのは分かっていた。それはこっちも同じだった。
強引に寝室へ連れて行った。梨央は相変わらず拒否した。「他の経験するなんて言うな。ホントに言われるだけでも嫌なんだ。理不尽は分かってるんだ。でも嫌なんだ。」と強引に服を脱がせた。キスをしたが歯を食いしばっていた。鼻をつまむと自然に口を開いた。舌を絡ませると抵抗できなくなるのを知っていた。胸や背中を所かまわず触った。梨央は抵抗できなくなっていった。
次の夜も次の夜も許さなかった。梨央は相変わらず最初は嫌がるが結局は性欲の沼に落ちていった。これで関係がよくなる気はしなかった。それでも、よそで遊ばれたらもう取り返しがつかないと思った。関係した男が梨央に執着するのが分かっていた。梨央は、真也の世話と家事と夜で精いっぱいになっていた。そんな日が5,6日続いた。さすがに疲れた。
続く
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梨央が笑うのは真也に話しかけるときだけだった。声を荒げるわけでもないし、食事が手抜きなわけでもなかった。ただ、夜は背中を向けて寝てしまう。眠れない日は夜遅くまでテレビの前から離れなかった。寝室へ入るタイミングをずらされていると感じていた。俺が寝込んだタイミングでベッドに入る。俺は自分が悪いのにむくれた。
梨央のわがままで喧嘩になった時には、俺は全力で機嫌を取る。キスをして優しい言葉をかける、それでダメならあちこち触っては気を引いて、それでもダメならデートに誘う。普通はこれで機嫌が治まる。困った女房だと思いながらややこしいゲームに挑戦して勝ったときには悦に入るのだ。
ところが今回は完全に俺が悪い。俺は自己嫌悪に弱い。優しい言葉が出てこない。最初は謝って機嫌を取るが、それでダメなら静観する以外に方法を知らない、それがダメなら自分が悪いのにむくれる、そして余計にこじれる。かれこれ2週間ぐらい不快な関係が続いていた。
ある夜、もう10時を過ぎるかという時間に梨央が外出しようとしていた。きれいに化粧をして少し派手目の服を着ていた。「どこへ行くんだ?」驚いて声をかけた。「ちょっと遊んでくる。むしゃくしゃする。」と言って出かけようとする。「バカ、今頃でかけたら危ないぞ。慣れてないのが分かるんだから、どんな奴に引っかかるかわからないぞ。」と言って腕をつかんだ。
梨央は「危なくてもいいの。ちょっと遊んでみたいのよ。あなたが遊んでいいのに私が遊んでいけないことないでしょ!ほかの人とも経験したらやきもち焼かなくなるかもしれない。そしたらあなたもっと自由になれるわよ。私だっていろんなこと覚えてあなたを喜ばせてあげられるかもしれないじゃない!されるがままでツマンナイ女じゃ浮気もしたくなるわよね。」と今まで聞いたこともないような嫌味を言った。
頭に血が上った。梨央が出て行こうとする腕を捕まえてそのまま梨央を壁に押し付けていた。「梨央、覚えとけ。何があっても他の男に渡さない。何があってもだ。」と言って梨央の首を手のひらで壁に押し付けていた。「今どき、そんな派手な化粧は流行らないんだよ。遊び慣れない女が無理してるのがバレバレなんだよ。」なぜ、こんなひどいことを言うのか自分でわからなかった。
梨央は一瞬目を大きく開いて両手で俺の手首をつかんだ。不思議なことにその手首を全力で自分の首に引き寄せた。「何してるんだ。逃げなきゃダメじゃないか。」というと「殺してほしいの。死んだ方が楽なの。苦しいの。
毎日、隠れてあなたの持ち物チェックして、あなたがいないときにパソコンチェックして、それでも不安で不安で。ねえ殺して。真也はママに見てもらって。梨沙ちゃんもいる。ねえ、もうこのまま消えたいの。」と泣いた。
梨央が俺の持ち物やパソコンをチェックしているのは知っていた。かまわなかった。それで気が済むならいくらでも見ればいいと思っていた。だいたい梨央がなぜ急に他の経験をするなんて発想をしたのか理由ははっきりしていた。
もう2週間以上開いていた。邪険に拒否するのは梨央だった。それでも、イライラがつのっているのは分かっていた。それはこっちも同じだった。
強引に寝室へ連れて行った。梨央は相変わらず拒否した。「他の経験するなんて言うな。ホントに言われるだけでも嫌なんだ。理不尽は分かってるんだ。でも嫌なんだ。」と強引に服を脱がせた。キスをしたが歯を食いしばっていた。鼻をつまむと自然に口を開いた。舌を絡ませると抵抗できなくなるのを知っていた。胸や背中を所かまわず触った。梨央は抵抗できなくなっていった。
次の夜も次の夜も許さなかった。梨央は相変わらず最初は嫌がるが結局は性欲の沼に落ちていった。これで関係がよくなる気はしなかった。それでも、よそで遊ばれたらもう取り返しがつかないと思った。関係した男が梨央に執着するのが分かっていた。梨央は、真也の世話と家事と夜で精いっぱいになっていた。そんな日が5,6日続いた。さすがに疲れた。
続く
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