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田中松平
元消化器外科医で,頭からつま先まで診れる総合診療科医です. 医学博士 元日本外科学会認定指導医・専門医, 元日本消化器外科学会認定指導医・専門医, 元日本消化器内視鏡学会専門医, 日本医師会認定産業医, 日本病理学会認定剖検医,
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2019年04月13日

今世紀中に子宮頸がん撲滅は可能

世界と歩調を合わせれば子宮頸がんは撲滅できる!


麻疹風疹混合ワクチンに対する偏見で麻疹風疹の大規模感染が起きた。
HPVワクチン接種ではそれ以上のヒステリックな反応をマスコミと政府が助長させている。

今世紀中に子宮頸がん撲滅は可能
2019-03-06 Oncology Tribune
HPVワクチン HPV Lancet Oncol Oncology Tribune WHO

2020〜99年181カ国HPVワクチン+スクリーニングの効果

ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン接種と子宮頸がんスクリーニングが急速かつ広範に実施されれば、
子宮頸がんは今世紀(21世紀)末までに世界のほとんどの国で公衆衛生上の問題から除外できる可能性がある。

オーストラリア・Cancer Council New South WalesのKate T. Simms氏らは、世界181カ国を対象に2020〜99年に前述した2つの既存の介入による子宮頸がん撲滅の可能性を数理モデルを用いて検討、その結果をLancet Oncol(2019年2月19日オンライン版)に発表した。

2020年以降に『2つの介入が高率に実施された場合』、
その後『50年間(2069年まで)に最大1,340万例で子宮頸がんが予防』できる一方、

『実施されない場合は4,440万例が子宮頸がんを発症する』とみられる。
世界規模でこのような推定が明らかにされたのは初めて。


発症の傾向を予防介入の有無で解析

世界保健機関(WHO)国際がん研究機関(IARC)の世界がん統計(GLOBOCAN 2018)によると、
子宮頸がんの罹患率と死亡率は女性のがんの第4位を占め、
毎年50万例以上が新たに診断され、うち85%は途上国で発生している。
ただし、 『HPVに対する多価ワクチン接種により、子宮頸がんの84〜90%は予防可能』であることも明らか になっている。


2018年5月、WHO事務局長のTedros A. Ghebreyesus氏は
「子宮頸がん撲滅のため、世界で協調的な行動を」
と呼びかけた。
子宮頸がん撲滅に必要な緊急の行動には、HPVワクチン接種、スクリーニング、前がん病変に対する治療、
早期浸潤がんの早期発見と治療、緩和医療が含まれている。


今回Simms氏らは、WHO‐IARCが5年ごとに共同刊行しているデータブックCancer Incidence in Five Continents(IC5)のデータを用い、子宮頸がんに対し急速かつ広範な予防介入が行われなかった場合について、将来の傾向を予測。
さらにHPVの伝播、ワクチン、子宮頸がん前がん病変、スクリーニング、診断、治療の動態モデルのシミュレーション・プラットフォーム「Policy1-Cervix 」を用い、
2020〜99年に開発レべルが異なる181カ国において予防介入の拡大が子宮がん罹患率と疾病負荷に及ぼす影響を解析した。
データは、人間開発の3つの側面(保健、教育、所得)からその国の平均達成度を測る指標、人間開発指数(HDI)を用いて示した。


50年間に1,340万例が予防可能に

解析の結果、HPVワクチン接種とスクリーニングによる予防介入が実施されなかった場合、
人口増加と高齢化の影響で年間の子宮頸がんの新規診断数は2020年の60万例から、2069年には130万例に増加。
2020〜69年の50年間に新たに診断される女性は、世界で4,440万例に上ると推測された。


しかし、2020年までにHPVワクチン接種が世界で急速に進み、多価ワクチンの接種率が80〜100%に上った場合は、子宮頸がん患者670万〜770万例の予防が可能になる。
ただし、こうした予防効果の半分が認められるのは2060年以降になるという。


『HPVワクチン接種に加えて』2020年までにスクリーニングの実施率が上昇し、『全ての女性が生涯に2回(35歳と45歳の時点)スクリーニングを受けた場合』、予防効果はさらに改善、『2069年までに子宮頸がんを1,250万〜1,340万例予防』できる。


子宮頸がん撲滅の閾値を年間発症率が10万人当たり4人未満とすると、
子宮頸がん発症率が年間10万人当たり4人未満となるのは、
HDIが非常に高い国(米国、フィンランド、英国、カナダなど)では2055〜59年、
HDIが高い国(メキシコ、中国、ブラジルなど)では2065〜69年、
HDIが中等度の国(インド、ベトナム、フィリピンなど)では2070〜79年、
HDIが低い国(エチオピア、ハイチ、パプアニューギニアなど)では2090〜2100年以降と推測される。

ただし、ケニヤ、タンザニア、ウガンダなどのアフリカ諸国では2020年までに介入が行われたとしても、
今世紀中に子宮頸がんの年間発症率が10万人当たり4人未満を達成するのは困難と予測された。


研究の限界として、途上国における経時的な発症率のデータを欠くこと、
HPVワクチンの効果を生涯と仮定したことなどが挙げられる。
この研究の主任研究者で同施設のKaren Canfell氏は
「子宮頸がんは公衆衛生上の重大な問題であるが、今回の知見から、既に利用可能なツールによって撲滅が実現可能であることが示唆された」と述べている。


カナダ・CHU de Québec-Université LavalのMarc Brisson氏は同誌の付随論評(2019年2月19日オンライン版)で「この研究は、公衆衛生上の大きな問題である世界の子宮頸がん撲滅について初のエビデンスを示した。
さらに数理モデルが政策決定に関する情報を提供する役割があることも強く示した」と述べている。
(森下紀代美)
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