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2022年12月11日

カルダノ(ADA)「RealFiとは何か」、DeFiとの違いと2023年の取り組みをチャールズさんが解説!



2022年12月9日に配信されたカルダノ(ADA)のチャールズ・ホスキンソン氏による「 What is RealFi?」の全訳です。



こんにちは。チャールズ・ホスキンソンです。いつも温かく晴れたコロラドからお届けします。

ちょっと待ってください。12月だから暖炉に火を入れないと。

今、2週間のファスティングの3日目で、うっかりしていることがあったらごめんなさい。
今日は、そんな長いファスティング中でも最悪な日で、常に何かをやり抜くのが大変な状態です。
自分用の煮出し汁とコーヒーで過ごしています。

コーヒーといってもファスティング中だから飲み過ぎはいけないんですが、手持ち無沙汰で…

では、今回は15分ほどになりますが、私たちがしばらく取り組んで、話し合ってきたあるトピックとコンセプトについて、さっと動画にしたいと思います。とても重要なことです。ちょっとスクリーンにしてシェアしますね。

これがその共有画面ですが。

Wow! さあ、これでOKですね。

私がスタンフォードのブロックチェーンカンファレンスに行っていたとき、そこではブロックチェーンの科学に触れていて、コーネルのICL(Cornell University Department of International and Comparative Labor、コーネル大学国際労働比較部?)のサム・ワーナー氏のチームから素敵なプレゼンテーションがありました。それが、分散型金融について書かれた SoKの論文 だったのです。
お詫び 動画内でご紹介したSoKの論文 は違う論文でした。申し訳ございません。)

その論文ではDeFiの基礎的な定義やあらゆる種類のDeFiの基本要素、つまり、スマートコントラクトやKeepersやオラクルやガバナンス、さまざまなDeFiプロトコルやオンチェーンアセット取引所、レンディング、ステーブルコイン、ポートフォリオマネジメント、デリバティブなどについて触れられています。

そこで、有用なDeFiのためのもっと良い用語はないものか、少し考えてみたいと思います。

そこで、ホワイトボード動画をやってみようと思って…
基本的に、あるコンセプトについて語りたいので…

(音声が途切れる)
ちょっと待ってください。
動かないなぁ…
コンセントを抜いたり差し込んだりと…

ちょっと待って。もう大丈夫かな。
ちょっとズームインしてみましょう。
動かなくなってしまった。
これじゃ、心配だなあ…、ちょっと待って。

どうやら、スクリーンでシェアするのはやめて、ホワイトボードに戻った方がよさそうですね。
たまにはこんなこともありますね。
いいでしょう。いずれにしても、DeFiについて少し語る動画にしたいと思います。
これをRealFiと呼ばれる新しいコンセプトに言い換えていくのです。

なので、背景をフォーマットして、インクの図形を使って、グラフにして…
ダメだ。
設定をやり直さないと。

では、口頭で説明しましょう。

それでは、DeFiとRealFiの違いは何でしょうか。
RealFiというのは、DeFiの上位セット(superset,ある集合の全要素にさらに要素を追加したもの。反意語はサブセット)で、さっき、お見せしたSoKの論文を見てみると、これはコメント欄に入れておきますが、基本的に、これにはいくつかのカテゴリーがあって、さまざまなユースケースがあって、などと言われますが、DeFiからは何かが欠けているんです。実際には、カテゴリーは5つあって、メタカテゴリーでは4つということになっていますが、(実際は)アイデンティティ、メタデータ、ガバナンス、標準、そして証明というカテゴリーになります。これを全部、まとめてみると、そのうえに成立する規制構造の概念というものが出てきます。

なので、RealFiは簡潔に言えば、DeFiにアイデンティティというカテゴリーを足したもので、それぞれについてお話したいので、ホワイトボード動画にしたかったんです。

しかし、アイデンティティといっても、基本的に、dAppsそのものにあるのは媒体で、ブロックチェーン上で実行するアプリケーションにあるのは、識別子という概念です。なので、インターフェイスに向かっている人々にあるのが、アイデンティティの概念ということになります。

それは必ずしも実生活上のアイデンティティではないですが、この人が唯一無二の個人であり、他の人とは区別できるし、違う人なのだと言えるだけのアイデンティティではあるということです。

アイデンティティは、ネットワークの全員がそのアイデンティティを知っているというような普遍的なコンセプトである必要はありません。その辺の人には完全に匿名にすることが可能でも、それぞれの個人が知っている特定の人に対しては匿名にしなくてもよいということです。

メタデータが言っているのは、その人の性質とか、どの口座に資金があるとか、その人の背景事情とか、スマートコントラクトやDEXに流れていくトランザクションなどについて、少しだけ教えましょうというもので、私たちもそのことについて少しだけ知ることになります。

ガバナンスとは、基本的に、既存のDeFiをどのようにアップグレードし、更新し、変更するのかということです。

DEXやステーブルコインやオラクルがあって、たとえば、Djedのバージョンを1.1、1.2、1.3へとアップグレードしたり、そのような変更を加えたりするにはどうすればいいか。誰が意思決定するのか、また、そのようなことを決めるプロセスはどうすればいいか。そして、私たちは標準や証明について話し合い、合意に至るのです。

業界で容認されているDeFi分野の特定の業務についてどのように実施するか、ブリッジやマーケットメーキングやアセットの発行のための標準、生成されたデータの表示基準とそのデータの保存方法などに関する抽象的な概念もあります。

そして、基本的にその上に成立するのが、規制構造というものです。
その範囲は、アセットが稼働し、その行為者によって実施される商業に関連のある管轄区に及びます。

なので、規制はDeFiにも来ると言う人が多いですが、そのとおりです。

規制当局が抱える問題とは、それをどのように自動化し、分散化を維持するかということです。

DeFiがRealFiになるというのは、4つの特性が、アイデンティティ、メタデータ、ガバナンス、標準、証明(と5つ)になるということです。

しかもそこに、分散型規制、d-regというこの概念もあって、そこに導入することができるreg techというテクノロジー(規制技術?)がある程度あれば、基礎となるプロトコルを変えずに済みます。

つまり、ビットコインそのものやイーサリアムそのものを変える必要はないということです。

しかし、そこに上書きされるのが規制制度で、基本的に規制の機能が入れば、トランザクションの取り消しや凍結、関与する行為者の特定、KYCの完了やマネーロンダリング防止対策などが関わってくるようになります。

そのため、これを解決できる人が、DeFi空間全体を管理するようになると思います。
RealFiは、DeFiの次の世代で、ある時点でこれについてシリーズ化するつもりですが、今は、ホワイトボードがダウンしていて、ごめんなさい。いったい、どうしたのかよくわかりませんが、基本的に、DeFiを皆のために機能させるものの核となっているのがこれ(RealFi)なのです。

さて、RealFiの最後の部分になりますが、RealFiのメタパート、これがユーザーベースです。DeFi革命について常に私を悩ませてきたことのひとつがこれでした。それは、悪質なイールドファーマーが束になって来る可能性があることです。彼らは群れを成して経済圏を囲い、常にもっと大馬鹿者はいないかと探し回り、実際にはローンもトランザクションもするつもりはなく、誰かの費用でDeFiを使って金儲けをしたがっているだけの連中です。

誰かの損失によって勝利するサブゼロゲームのようなものです。

RealFiについて、なぜRealなのかというと、アイデンティティもメタデータもガバナンスも標準もあって、そこにこの規制も詰め込んでいるということ以上に、これを自身の主な金融スタックとして使う人がいるからです。

その人たちには銀行口座もクレジットカードもありません。これは主要な懸念事項ではなく、二次的な懸念事項で、その人たちは、ブロックチェーンベース、暗号通貨ベースの金融スタックを使いたがっています。これがRealFiだというのです。

そこの人は言います。(こんな状況で)誰が上手くやっていけるというのでしょう。考えてみてください。ナイロビの小規模な事業者が、たった今、Old Trafford Marketplaceのインターフェイスに出くわして、融資して欲しい、自分のストアに新しい在庫が欲しい、ちょっと資金が欲しいと思うたび、5%、10%、15%、20%の手数料がかかります。場合によっては、そこにアクセスするも、何だかんだと理由をつけて、望みどおりにしてもらえないこともあるといいます。

そこで、資産を全部デジタル資産に移行して、それを安心安全に、安定的に、流動的に、グローバルに保ち、なおかつ手数料を格安にする方法が見いだせたらどうでしょう。

地元の地域社会から手数料が35%もかかる融資を受けるのではなく、世界から融資を受け、皆が1ペニーを払えば、塵も積もって50セントになります。

これなら使いたいと思うでしょう。自分のアイデンティティを自己主権的に完全管理し、自分の信用も自分の資産の保管なども完全管理できるのですから。その核になっているのがRealFiで、私がこの業界に関心を寄せる要素になっています。私たちは開発途上地域の金融オペレーティングシステムになり、私たちが向かう先はそこだと言えます。それが本当に重要なポイントです。

アイデンティティ、メタデータ、ガバナンス、標準、証明、どれひとつとして、一政府、一個人、一企業によって支配されていないことがわかるからです。

多くの場合、そこで生成されたアセットはあなたが、ユーザーが所有するのであって、企業や、多国籍組織や、標準化団体などではないのです。

わかりますか?要するに、それがDeFiとRealFiの違いです。

RealFiはDeFiの上位セットです。追加された機能があって、ユーザーにこれなら使いたいと思わせる点で、ユーザーベースのとても特別な理念があります。ユーザーが自身の主要な金融スタックとして使うに十分な機能があるのです。

そうは言っても、チャールズ、クリプトはボラが大きいですよと言うでしょう。そのとおりです。だから、私たちはそのボラティリティを抑える方法を見出すため、アルゴリズム型ステーブルコインなどを構築しました。

でも、チャールズ、為替や流動性の問題もありますよ、とあなたは言うでしょう。そのとおりです。だから、入口車線と出口車線のようなものを構築するのです。為替手数料などもかかりますしね。

でも、チャールズ、DeFiアプリは必要性を正確に満たしてはいませんよ、と言う人もいるでしょう。まったくそのとおりです。

これは新しい経済なので、欠点や余分なものや粗削りな部分もいくらかはあって、ちょっと対処が難しい部分でもあります。

しかし、この違いは、これが一個人や一企業に関する個別のイノベーションではなく、業界単位のイノベーションです。私がスタンフォードブロックチェーンウィークで見たものを私が採用し、私たちがカルダノで思いついたことが他の人に採用されるようになっているのです。

要するにその道を突き進む何百億ドルものイノベーションがあなた方にはあるということです。
そのイノベーションを全部、まとめてオープンソースにしています。

なので、ほんの数年も経てば、DEXはもっと効率よく速くなり、セキュリティや保証内容も、巷のどの中央集権型取引所よりも格段に良くなっているでしょう。

わずか数年後には、知識、情報、データ、そしてその正確度についても、中央集権的企業から得られるよりもはるかに優れた表現方法を手にすることでしょう。

数年後には、多くのステーブルコインが生まれて、その道を突き進み、安定性やとても面白くなりそうなコミュニティのバスケット(いろいろな種類の通貨?)を生み出すにあたり、アルゴリズム的に価値をロックできるさまざまな方法をますますたくさん手に入れているでしょう。

そして、このようなものにかかるコストもダウンしていきます。なぜなら、一度、イノベーションコストを払ってしまえば、皆にとって公的利益になるからです。

このようなものが皆のためにプロトコルで実行されています。

この分野の業界について私をワクワクさせているのは、特に我が社としても2023年はかなり力を入れるつもりのRealFiであり、そのために業界定義を創出したいですし、私たちが現状のDeFiを越えてRealFi時代に移行できたらと思っています。
今日は、タブレットのことで謝ったことも含め、楽しんでくださっていれば嬉しいです。タブレットは直して、これからはホワイトボード動画で全部、書き出していきたいと思います。

では、また。

【参考資料】 SoK: Blockchain Governance


【免責事項】
・投資は自己責任でお願いします。
・本動画の内容については正当性を保証するものではありません。
・本YouTubeチャンネル、記事を利用して損失を被った場合でも一切の責任を負いません。
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以上をご了承の上でご利用ください。

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2022年12月08日

【第八回(最終回)】カルダノ(ADA)IO ScotFestでのチャールズ・ホスキンソン氏の基調演説「The Age of Voltaire」全訳 53:49〜1:00:59 〜2023年、そして第四世代へ…〜



2022年11月18日配信の上記の動画の内容です。



【第七回】の記事は コチラ

(以下、講演内容)

そこには素敵なものがたくさんありますが、カルダノ上に作った路傍のサイドチェーンについて実に興味深いのは、それがパートナーシップであるという点です。

そういう点が魅力です。
そう、これは新しいブロックチェーンなんです。
それには何が必要かと言えば、分散性です。

セキュリティもインフラも流動性もエコシステムも必要です。

どのブロックチェーンにもそれが必要です。
実際にカルダノにはそれがあります。
200カ所の取引所に上場しています。
カルダノに対応するウォレットは20種類を超えています。

何十万人もの人々がそこら中で面白いことをやっていて、あらゆる偉大な開発者や学者や素晴らしい人たちで溢れかえる信じられないほど凄いエコシステムが私たちにはあるんです。

カルダノからMidnightにそういうものを与えることができたなら、本当に素敵です。
Midnightからカルダノへの見返りはちゃんとあります。何と言ってもパートナーシップがそれなんですから。

さて、Midnightにトークンが存在するとすれば、私たちはそれを「DUST」と名付けます。

そうなれば、何が起きるかと言うと、ステークプールオペレーターが高性能で高スループットなプロトコルを備えたMidnight Ledgerを維持するようになり、その代わりSPOにもADAホルダーにも報酬が支払われるようになります。

Midnightがローンチすれば、ある時点で、ADAだけではなく、DUSTもADAも獲得できるようになるんです。

わかりますか?
なので、カルダノにいれば、皆がパートナーシップによる恩恵を得ることができます。

私たちは今までのような敵ではなく、いきなり、パートナーシップというパートナーシップを探して、見つけては、カルダノへおいでよ!Polkadotさん、おいでよ、上手くいったんだから、こっちへおいでよ、カルダノにおいでよ、と言うようになるんです。(チャールズさん、張り切って叫ぶ。)
そこでは凄いことがたくさんできるし、私たちがあなたのブロックチェーンを本当に上手くケアします。素晴らしいことになりますよ。ウォレットも提供するし、皆さんがカルダノのネイティブアセットになれます。あなたのための居場所を作ったんですよ。もうそれは美しいとしか言いようがないです。

そして、私たちもステーキング報酬の一部を頂きます。
それが私たちの協力と相互運用性に対する考え方です。

これが4年間、懸命に取り組んできた夢であり、明日もいくつかの素晴らしいプレゼンテーションがあります。

ACEのことですが、いいことがたくさん控えていて、今日とは言わないまでも、間もなくウェブサイトが立ち上がるかもしれません。ここではあらゆる素晴らしいことが進行中で、私たちのこれまでの進捗ぶりにびっくりすると思います。しかし、このことの凄さとパワーは、ScorexやFabricのように、公けにピアレビューのプロセスを踏んでやり遂げてきたことに立脚し、素晴らしいエコシステムとともに取り組んできたことにあり、これからはカルダノコミュニティとともにやっていくんだと思うととてもワクワクします。

ちなみに、元々、そのことについてはカルダノコミュニティとともにやっていくことは計画していませんでした。なぜなら、2020年にはカルダノは(IOHKによる開発が)済んでいるだろうと考えていたからで、それはこっちの話ですが。

そして、私たちは「それが済んだら次はどうすべきか」と自らに問うていて、私は、「この先も私たちがカルダノ上で作業をすると思うけど、本当はプルーフ・オブ・ワークの暗号通貨も手掛けるべきなのではないか」と言いました。

なので、私たちはこのプルーフ・オブ・ワークの研究に(denipa Palsとともに)全面的に取り組み、有用なPoWやMinotaurなど、良さそうなものをいろいろと研究し、結局、カルダノのサイドチェーンとして実行する方がはるかに理に適っているということになりました。

私たちが可能なかぎり取り組み、考察してきたこの偉大なPoWに関する研究結果をもってしても、本当に素晴らしいのは、先のインプット・エンドーサーを使ったカルダノの未来に思いを馳せるときでした。

今後もこの革新が止むことはありません。
第三世代については、ほぼ終わりに近づいたことがわかりますが、まだ道半ばです。先のサイドチェーンが稼働すれば、相互運用性の部分は完成し、突如としてカルダノにコンピュータプライバシーが生まれ、このようなシステムはこれが初となります。

美しいです。そして、私たちはCosmosやFabricなどのように先に挙げた大規模なエコシステムを生み出しました。
まだ時間はかかりますが、私たちは目的地に到達し、もちろん、イーサリアムエコシステムにも追い付きます。なぜなら、私たちはそうしなければならないからです。時間はかかりますが、そこへ行き着きますし、行くしかないのです。

人々はWindowsを支持しています。それは素晴らしいですね。(会場に向かって笑いながら)

私たちには全部が揃うから、そこには行けるんです。
これで上手くいきますよね?

しかし、そこで私たちは第四世代については、先に述べた機関やd-repや財務金庫(treasury)など、いろいろなものと対話することになります。
止まることなく、その先にもやることがあります。

実際に、Midnightに取り組んでいると、私たちはマルチリソースコンセンサス(という概念)と出会いました。

プルーフ・オブ・ステークを越えて、プルーフ・オブ・ステークにプルーフ・オブ・ワークとプルーフ・オブ・エックスを追加し、1つではなく多数のリソースを備えたプロトコルをどのように構築するか。

ポスト量子の世界に移行し、その上でこれを全部機能させるにはどうすればよいか。

たとえば、セキュアストレージのようなシステムとして、もっと多くのリソースを提供するサイドチェーンを構築した場合、どのようにそこに移行するのか。なぜなら、開発者の適性としては、それが必要になりますし、それができてこそ、錬金術やら、あらゆる質の劣るものから脱却することができるのです。これは本当に難しい課題ではあるのですが。

第四世代の内容とはそういうことです。
何百万人、何十億人もの人々を擁する規模で運営し、既存の脆弱性の数々を解決し、最終的にシステムを強く、速く、さらに優れた、安価なものにした結果、どうなるかです。

私たちが抱いている情熱を皆さんに明らかにすることができていればいいと思います。その情熱は少しもしぼむことはありませんでした。

何年もの間、多くの異なる人々と働き、運営してきた立場を離れて言いますが、その人たちの多くがもうここにはいないのが悲しいと思うことがよくあります。その人たちがいなくてさみしいからです。

次に起こることによくよく思いを馳せてみると、プロジェクトがこれまで以上に強くなることだけが凄いのではありません。私たちは今もなお、この場に居続けていますが、現時点では、私たちは発言したり、声を上げたりする役割に留まっており、それを広めているわけではありません。

人々が私たちのところへ来て、私たちが素晴らしい研究を実施し、強い考えを持つ機関の1つとなるも、もはや私たちの考えが重要なのではなく、あなた方の考えが重要になります。

今、私たちはMidnightのような素晴らしいプロダクトの構築に着手し、そこで実際的な問題を追及し、解決できるようになるのは素敵なことです。

アフリカ中を縦断し、ACEがないとどうなるか、そこで起きている暴力などの恐ろしい事件の数々を見ると、私たちはACEを世界に取り戻さなければと思います。
我が国である米国を見ても、おかしな方向に進み始めています。

私はそれを心配していますし、私たちの自由と権利を守らねばと思います。

そのことに取り組み、パートナーとしてあなたとそれについて会話ができたらいいなと思います。

Laceのようなプロダクトは、最高のウォレットになるというだけでなく、いずれマルチチェーンになるため、皆が使えるものになります。

私たちは相互運用性について話します。
これを皆に提供することが大事です。

この業界の皆が、私たちが市場に提供する品質とセキュリティを獲得することが重要で、私たちがパートナーになるというのはそういうことです。

それが私たちの役割で、これからも前進します。

機関の賢者は偉いし、発言力もありますが、それだけではなく、素晴らしく魅力的なプロダクトを構築すれば、新しい物への想像力が掻き立てられ、今もなお、大胆不敵で壮大なロードマップが提案されていますし、そのことについてあなた方が私たちに野次を飛ばそうと、そのロードマップに沿って歩もうと、それはそれでいいのです。

私たちは今もアフリカにいて、懸命に闘っています。Possessionなどのようなパートナーとともにいくつかの驚くべきことも控えていますし、本当に懸命に取り組んでいます。そして、2023年はそれに向けて本当に楽しみな年になりそうです。私たちはまだそれを実践し、このコミュニティにも居続けています。私たちは今もあなた方とともに闘っています。

しかし、今こそあなた方が私たちと肩を並べて闘うときです。

Voltaire時代へようこそ。

いよいよ、魅力的な時代に突入し、そのことに私たちは本当にワクワクしています。
そろそろ時間ですね。
ありがとう。

(講演内容は以上)

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2022年12月07日

【第七回】IO ScotFestでのチャールズ・ホスキンソン氏による基調演説「Voltaire時代」45:50〜53:49 〜4年を費やした「Midnight」への道のり〜



2022年11月18日配信の上記の動画の内容です。



【第六回】の記事は コチラ

(以下、講演内容)

(ホワイトボードを裏返しながら)オースティン・パワーズがゴルフカートを回転させているあのシーンのようです。
https://www.youtube.com/watch?v=aULRhgG_Az8

なかなか上手くいかないものですよね。
(ホワイトボードを固定して)さあ、これでいいでしょう。

さて、私たちは別の暗号通貨に取り組んできましたと言ったらどうでしょう。

…(沈黙)
“Yeah! ヒュー” (会場の何人かが歓声を上げる。まばらに拍手)

また、それがすでに存在すると言ったら?受け入れる準備はありますか?
(会場を見ながら)うん、興味があるようですね。
これはMidnightと呼ばれるもので、もうあります。

先日、マルタにいました。
忘れもしない、私たちがマルタにいたときのことです。
そこの素敵なシシリアンレストランで食事をしていたのですが、私はそこが大好きで、3回利用しています。

3回目で私は食あたりを起こしたのですが(笑)、2回目は素晴らしく、そのとき、私たちはプライバシー(秘匿性)の必要性について話し、MoneroやZ cashなどにも目を向けてみました。私たちもあんな風…っていうか、もっと上手くやれるかも、そうだよ!などと話していました。

私たちもそれに着手したと聞いたら、凄いことになるよね、いいね、いいねと。それまでに少し飲んでいましたので、しらふで考えても理に適っているかどうか考えてみようと言い合っていました。

私たちはそうするつもりでしたが、皮肉にも後になって、Euro Krypton のためにイスラエルに行き、そこでもまた飲んでしまったのに、またそれが話題になり、それでもなお、理に適っているし、コアな部分に構築されたプライバシーコインやプライバシーが保てる何かが必要なのだということになりました。しかし、それが意味するものは一体、何なのかについてはまだわからなかったのです。

そこで私は、それでは本当に頭脳明晰な人材を雇ってみようと言いました。
ゼロナレッジの専門家Markovをはじめとするあらゆる人材に来てもらい、論文を書くことからスタートし、 Sonics[ 参考動画 ]とか Kachinaなどの論文を書き、3つの特性、私たちの考えでは人権ということになりますが、それを備えるには何が必要か、今現在、ブロックチェーン分野が正しく適用していないのはどれかについてたくさん話をしました。総称して、 ACE と呼ばれるものです。


Freedom of A ssociation(連携の自由)
Freedom of C ommerce (商業の自由)
Freedom of E xpression(表現の自由)



では、どうすれば、コアな部分の心臓部に秘匿性を備えた機密性を得ることができ、合法的と思われる商業取引のなかで人々を連携させ、表現する能力を得ることができるようなシステムを実現できるかを話し合いました。なぜなら、私たちの会社は、60カ国を超える国々で稼働しているからです。

Catalystだけで、152カ国もの国々の代表者がいます。信じる信じないは別として、そのような国々の全部が全部、法律というルールがあるわけではないことが驚きですし、全部が全部、少数民族の保護はしていないどころか、民族浄化や、特にGLBT(LGBT)の人々に対するとても残酷な差別に出くわしたりするケースもあります。

独裁者や暴君が言論を支配し、それに反対しようものなら、悲惨な病に伏し、病院の窓から落ちていきます。(直訳。何かの比喩?非業の死を遂げる??)

名前は伏せますがそういう国があります。

そのような人々を保護できるツールを持つということがとても重要です。
このような物事に対して闘う手段です。
また、暗号通貨が法律や必要性によって意味を帯びてくるにつれ、そのことを理解するのもとても重要です。一般社会にたいして機密性を保てるものの上に物事を維持できることがとても重要です。

それに賛同できないというのであれば、自分のAmazonでの購入履歴が全部、皆に知られてしまっても、まったく平気でいられる人はいますか?いたら手を挙げてください。

(1人手を挙げかけた…。チャールズさんがニヤニヤしながら)
そんなの、試さなくていいですから(笑)

皆さんのGoogle検索の内容が皆に全部知られてしまったり、これまでに買った物が全部わかってしまったりするのはどうですか?もちろん、嫌ですよね。

なぜでしょうか。Googleを信用していようといまいと、少なくとも(Googleが)取るべき行動は信用していて、Googleと論争になったとしても、1人の人間に対してGoogle側にはこんなに文書があるのかと、だったら黙っておこう…となることは予測がつくからです。

Googleとしてはそんなものを利用するつもりはないし、少なくともあなた方はそう願いたいでしょう。

問題は、そのような機関に私たちが置いている信用が日々、侵害されているということです。そのような機関が他の機関と同じように腐敗しているのが問題なのです。監視資本主義もその1例です。

それについては素晴らしい本があります。
自分自身のアイデンティティ(身分証明)や権力をいくらかは取り戻す必要があると感じている人はたくさんいて、多くの人々が暗号通貨に参入してくる理由のひとつはそこにあります。

その人たちは、暗号通貨にはこのような能力があると信じ、暗号通貨から秘匿性や、表現、連携、商業の自由が得られると思い違いをしています。

今朝、ある通信社からインタビューを受けました。
私たちは、ブロックチェーンのシンフォニーを披露したのですが、その体験に関して不思議なのは、2009年1月3日から始まって以来、ビットコインのこれまでのトランザクションを全部視覚化しながらその中を歩けるというものなんですが、これを聞いて、トランザクションにそれほどの秘匿性があると本気で思えますか?

私がそれをするためのVR体験を構築できるなら、他の誰にでもできます。

なので、私たちは基本的にこれを取り戻すためにMidnightを構築しましたが、単なるプライバシー(秘匿性)のみならず、新しい境界線、コンセプト、機密性を探求したかったのです。

そういうわけで、この構想は、一般社会には公開されないものの、任意に、あるいは自動的に、その事業分野によって開示する事項を決められるというものです。

規制を受けた事業活動がその素晴らしい実例になります。

銀行秘密法により、取引銀行はあなたのご近所に情報を漏らすことはできません。

この人はいくらお金を持ってるとか、自分のお金をこんなことに使ったとか、そんなことを言ったらほとんどの規制された管轄区域では犯罪になります。

いいですか?取引客は機密性を享受できますが、喚問を受ければ、銀行は一定の情報を開示することができます。

このコンセプトが素敵なのは、プロトコルレベル、暗号通貨レベルで話しができるところが、本当に興味深いということです。
どうやって、それを実行するのか、どうやってアイデンティティとプライバシーを正しく連携し、少数民族の個人の権利を保証し、保護し、ディストピア政府から人々を守ることができるのか。それでいて、同時に、プライバシーのダークサイドには応じないようにできるのか。

これが、私たちがMidnightについて長いこと取り組み、考えてきたことです。
もう1つは、今現在、あらゆるプライバシーコインが実際にやっていることと言えば、トランザクションを、トークンを、コインをずっと非公開にしておくことです。

それも有用なことではありますが、今は2022年ですし、スマートコントラクトがなくてはなりません。
プログラム可能でなければなりません。
ならば、どうしたらプライベートスマートコントラクトが持てるのか。
これはとても興味深い疑問ですし、実際、この会場にもその疑問に答えるべくKachinaという美しい論文を書いた人がいますし、実際にこの論文を実行し、独自のバーチャルマシンを作ろうと時間を割いた人もいます。

プログラミング言語としてTypescriptを用い、どうにかコンパイルして実行しています。

凄いですよね。私たちはそんなふうに取り組み続け、その奥深い研究開発に4年を費やすという長い道のりになってしまいました。多くのチームメンバーがいて、たくさんの論文があり、それは全部私たちが発表したものですが、あなたがたは誰もそれに注目はしなかった。数学の分野では、隠そうと思えば秘密にするのは実に簡単です。

(笑ながら)ここにいる皆さんにはまるで宇宙語だと思いますし、ああ、もう何でもい
いから、みたいな感じでしょう。

現在、私たちはScoreXのDNAと(Hyperledger)Fabricを検討しています。ScoreXは、かなり以前から、Alex Chepurnoy氏とともに取り組んだプロジェクトです。そして、私たちは先ほどのMidnightバーチャルマシンを採用し、これをカルダノのサイドチェーンとしてローンチします。

【関連動画】 IOHKの6年前の動画

敢えて言うと、あなたたちがそれをするのです。なぜなら、それがサイドチェーンのローンチのしかただからです。

そして、これは私が…という話しではなく、実際には私たちが明日、ハッカソンでデモを実施し、実際に人々がMidnightバーチャルマシンで遊べるようにし、コードも書けるようにします。

プライバシーアプリケーションとはどのようなものかを実際に見ることができます。

(第七回は以上)

【免責事項】
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2022年12月05日

【第六回】IO ScotFestでのチャールズ・ホスキンソン氏による基調演説「Voltaire時代」37:04〜45:50 〜画期的サイドチェーンに懸ける情熱〜



2022年11月18日配信の上記の動画の内容です。



【第五回】の記事は コチラ

(以下、講演内容)

Mithrilは、実はエジンバラ大学から出てきたもう1つの素晴らしいイノベーションで、アテネ大学の著者も何人か取り組んでいたと思います。

Mithrilの何が本当に凄いのかというと、基本的に、携帯電話やブラウザでブロックチェーンやプロトコルとどのように相互作用し、しかも、ブロックチェーンとまるっきり同じトラストモデルと同じセキュリティ前提条件でそれが実現できるかについて議論できるようなフレームワークを提供してくれることです。

ブロックチェーンがテラバイト、ペタバイト、ヨタバイト級になってくると、そういうものが必要になってくるし、大きくなってくれば、それなりのことが起きてきます。

サイドチェーンエコシステムがあればどうでしょう。35個のサイドチェーンがあるとして、そのブロックチェーンを1つ1つダウンロードして、各サイドチェーンと相互作用するのでしょうか。そういうわけにはいきません。それにはプルーフシステムが必要です。

今年、私たちにできることは、とにかく取り組み続け、単なる論文の中のコンセプトから抜け出して、14〜15の開発段階を疾走し、SPOたちが実際にすでにテストしたり、実行したりするところまで来ることでした。

私たちがこれまでにしてきた中でも最も速く進んだ開発のうちのひとつがそれです。
何が素晴らしいかって、Mithrilは来年、進化するだけでなく、ウォレットに実装されるところまで突き進むことです。

インプット・エンドーサーのようなコンセプトに向かって進みます。
そのコンセプトをさらに拡大してデータ可用性や多くの分野のために活かすことについて検討し始めることもでき、これが2023〜2024年、2025年から先、とんでもなく重要になっていきます。

さて、これで終わりでしょうか。いいえ、終わりません。
ほかにも必要な技術があります。
Hydraについて聞いたことがある人はここにどれくらいいますか。
少しはいますね。

Hydraを統合しようとしているウォレットがあるのを知っていますか?今現在、搭載しているウォレットは1つですが。
SundaeSwapもそれを検討中です。

それが実際に、カルダノエコシステムのもうひとつの素晴らしいサクセスストーリーになっています。
最初は小さかったオープンソースのチームや多くの企業、(obsidian R is the foundation?)が共に取り組み、ひとつのコンセプトで書かれた論文から抜け出して、コードを使って自らの製品に統合し始めるところまで来れたのですから、実に誇らしいです。

自らの製品にコードを統合する人は皆、不満を言うものですが、それでいいんです。なぜなら、それだけでは自分のしたいことが全部できるわけではないからです。私たちがこれまでにできたことと言えば、パイプラインを作って、作業を効率化し、そこでその不満を新しい機能や新しいコードに変えていくことでした。

こうして、Hydraは猛烈なスピードで進化し、ターンキーインフラストラクチャを生み出すようなかたちになり、dApp開発者が自らのdAppsのスピードアップを図り、chain blowを少なくするためにこれを使うのです。

ターンキーソリューション:納品後、直ちに稼働できる状態にある情報システム
ターンキー:完成品引渡し方式の、ターンキー方式の、直ちに操業[作動]できる


カルダノ上には、全部が全部、必要なわけではないと言われるようなものがいくつかあります。
未来のひとつのビジョンとして、あなた方にはインプット・エンドーサーがあり、これがあまりにも良くて、よだれが出そうなほどです。

イーサリアムは絶対に、eUTXOやPlutusには行き着かないことから、ここにいるあなた方にはある程度の競争抑止力があります。ビットコインは遅すぎて何も採用できません。

なので、基本的に、私たちが舵を取れるようになり、この先ずっと最も速く最良な状態でいられます。ここには多くのメリットが内蔵されているということです。

しかし、2016年を振り返ってみると、私は「Why Cardano(なぜカルダノなのか)」という論文を書き、カルダノのSL(決済層)やCL(計算層)のことを言っていました。

今でも忘れたことはないですが、CLはControl LayerだったりComputation Layerだっだりしたもので、その日の気分次第だったところもあり、名称を定めてはいませんでした。

しかし、最終的に、私たちはこのマルチ計算モデルという概念にトライしてみることになりました。なぜなら、設計に関する意思決定は日々、カルダノにストックされている状態で、自分たちの足手まといになっているビジネス理論ゆえにそれに反対したり、賛成しなかったりする正しい人も間違った人もいるはずだからです。

つまり、公平だということです。

あなたには2つの選択肢があります。
選択肢Aは、これまでのことは忘れて、謝罪し、ただただ、私たちのやり方を唯一の方法として受け入れるしかないというものです。私たちはそれをビットコインアプローチと呼んでいます。選択肢Bは、その人たちを受け入れ、あなたたちのエコシステムに参入させるものを構築できるという道です。

これがサイドチェーンのコンセプトで、Domたちが率いる最もストイックなチームの1つなんですが、Domはここにも来てるはずだけど、あ、いたいた、Domはどうにかして、私たちがこれをやり遂げる方法やこれを使って何をするかについてアイデアを出さねばと頑張っていて、Neil Koblitz(ワシントン大学の数学教授)の楕円曲線暗号ほどではないにせよ、少し曲がりくねった道でした。

でも、目的地に近いところまで来ているので、お祝いを言ってもいいくらいですね。
あなた方は本当に良い精神を示してくれています。基本的に私たちは多くの時間と労力と資金を費やしたと考えています。

これは、(ホワイトボードに図を描きながら)雑ですが、クロックを実行しているところで、この実にセキュアなレイヤー1カルダノを構築するのに多くの時間と労力と資金を費やしました。ウロボロスやeUTXOなどあれやこれやとあらゆるものにとてつもない労力を費やしました。そして、それがここで私たちが手にしている信用への堅くてしっかりとしたルートなのです。一度それを手にすれば、ここにあるあらゆるプロトコルが実に高速で実に有能で実に最適化されたものになり、信じがたいほどのスループットで実行することができ、ファイナリティーのほか、あらゆる優れた特性を備えるようになります。しかし、人々は、パーミッションドな環境に住んでいるため、定員数が決められているか、誰かが行って、実例となるしかありません。

【参考記事】
パーミッションド/パーミッションレス
https://ameblo.jp/blockchainjapan/entry-12718009922.html


あ、この説明には違う色を使えばいいですね。わざわざ一色にせずに、違う色も使えばもっと(説明が)上手くいくんだから。

よし、ブルーにしましょう。
仮にブリッジを構築して、他のネットワークを自分自身の暗号通貨のようにできたらすごく素敵だと思いませんか?そこには自身の通貨政策があり、ロジックがあり、計算モデルがあるのです。なので、基本的に、スクリプトなども全部、自分がしたいようにできます。

そして、そういう仕組みを手に入れて、正しいアプローチで正しくブリッジを構築すれば、双方にとってベストなものができて、絶対に落ちたりしない安全なコアができ、立派な信用のルートを築き、他のシステムとともに実験したり、最適化したりできるのです。
ところで、このように繋がった他のシステムにもその背後に巨大なエコシステムが存在する場合があります。

なので、Mambaチームもサイドチェーンチームも皆、一丸となって、本当に懸命に、素晴らしいプルーフ・オブ・コンセプト(概念実証)、BFT(ビザンチン耐性の)EVMチェーンであるMambaという参照チェーンの構築に取り組みました。

Mambaに関する記事と説明
https://sipo.tokyo/?p=16215
「Mambaはカルダノのサイドチェーン全体の戦略である。Mambaはメインチェーンとサイドチェーンが対話するためのメカニズムとしてのブリッジを提供し、ユーザーが独自のサイドチェーンを作成する機能を提供する。」
チャールズさんのIO ScotFestの説明によれば、「サイドチェーンとメインネットワークの間でユーザー、情報や価値を移動させるためのブリッジ」とのこと。


そして、メンバーは、サイドチェーンとメインネットワークの間で価値を移動させるための素晴らしいブリッジを書きました。間もなくテストネットで実行できるか、もう実行している頃かとも思いますし、年末までには、ほとんどのことが片付いていると思います。

これは、真新しく美しいシステムとEVMという根本的に異なる2つのシステムの間で情報、ユーザー、価値を移動させる方法として素晴らしい例です。

素晴らしいことは素晴らしいですが、私は全部を丸ごと欲しいのであって、2つ3つあればいいというのではありません。

こうするのはどうか?Cosmosでやるのはどうか?

あるプロジェクトがあります。World Mobileについて聞いたことがありますか?
少しいらっしゃるようですね。

ブロックチェーンにはそれぞれ独特な需要がたくさんあって、その需要を分類してカルダノに取り入れてみることもできるし、そのためのスポークのようなものを構築することだってできるでしょう。

ならば、World Mobileトークンを使ったサイドチェーンやCosmosを使ったカルダノのサイドチェーンを作ったらどうか。

そして、突如として、私たちはIBCネットワークにいたなんてことになります。カルダノが接続されているわけでもないのにです。どうですか?

IBCは、Cosmosネットワークにあるようなアプリケーション特化型のブロックチェーンに不可欠で、互いに通信する必要がある2つの異なるチェーン上のアプリケーションに、標準的な通信チャネルを提供するものである。
https://tutorials.cosmos.network/academy/3-ibc/1-what-is-ibc.html


今、それに取り組んでいるところで、Hyperledger Fabricに繋がるサイドチェーンが構築されたら超クールだと思いませんか?大量な作業もあるので、少し時間がかかりますが。それでも何と言っても世界最大のパーミッションドエコシステムになるので、素晴らしいことなんです。

そんな外部のテクノロジーとカルダノのテクノロジーが協力して、突如として、カルダノがこっちにもあっちにもルートを作って進めるようになるのは素晴らしいでしょう?

そして、もちろん、これを実際のイーサリアムと接続して、相互運用性によって行き来することができるようになり、これが、私たちが言い続けてきた第三世代というもので、そう言った以上は、そこに到達できるインフラを構築しなければならないということです。

このサイドチェーンチームは素晴らしいチームで、私たちは誇らしいです。チームは驚くべき作業をこなし、これを実現する方法を見つけ出しつつあり、今はそのプロトコルの裏づけをしています。このようなエコシステムをどのように繋げるかによって違いが生じてくるので、2023年を通じて私たちはそれについて考えていきます。ラーニング・バイ・ドゥーイング(試行錯誤しながら学ぶ)というやり方は大いに賛成です。

そして、もう1つ、私たちが4年間にわたって取り組んできた素敵なサプライズがあります。これはもう、ワクワクするような内容だと思いますよ。私はワクワクしています。

(第六回は以上)

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2022年12月04日

【第五回】IO ScotFestでのチャールズ・ホスキンソン氏による基調演説「Voltaire時代」29:02〜37:04 〜Bashoへの取り組みと学ぶべきこと〜



2022年11月18日配信の上記の動画の内容です。



【第四回】の記事は コチラ

(以下、講演内容)

とにかくどうにかこうにかしてちゃんとVoltaireに行き着くと思っています。私は狂ってるんでね。

皮肉にもBashoは(Voltaire)よりも簡単です。なぜなら、これは純粋にコンピュータサイエンスなので。
もっと良い機能を、速く、安く、と思っている人はここにいますか?
いいね、いいね。ちゃんと話を聞いているということですね。

私たちは実に良い意思決定をし、実に良い策もいくつか編み出しました。たとえば、イーサリアムが採用しているアカウントモデルが酷いものだということに気付きました。あれは、やってはダメです。

そこで私たちは、拡張UTXO(eUTXO)というものを創出しました。

今、思えば、これは私たちの思いつきではなく、UTXOは実際にはSatoshiが発明したもので、確か、「実はあれは自分が発明したんだ」とか言っていた90年代のコンピューター科学者が何人かいたと思いますが、まあ、いいでしょう。

そのモデルの流通に行き着いたのがビットコインです。

そして、私たちがしたのは、そこに”e”を付けることでした。
なぜなら、”e”は、驚くほど拡張された(extended)状態を意味するからです。

これは凄いことで、私たちはそれにこの美しいプログラミング言語を結び付けたのです。それがPlutusで、その上に構築できるMarloweなどのようなあらゆるDSL (ドメイン固有言語)もあります。

さて、拡張UTXOの力は、関数対命令文というか、関数対オブジェクト指向というかたちをとります。

オブジェクト指向:データと手続きとを一体化したモジュールであるオブジェクト (object)を対象に処理すること

このように、完璧なプログラミング言語とは何かというのも普遍的に議論されていますね。

分散型システムの中で生きていくなら、決定論がないことを招くような構想は最悪です。

単にコードを実行し、意図したとおりになることを神頼みするしかない人々を当てにしようというのは最悪な考え方だということです。自らがやろうとしていることについて、各所である程度の決定論と予測可能性が見込める能力が必要なのです。

私たちはこのような教訓を何度も何度も学んできました。

アーラン(Erlang、プログラミング言語)はエリクソン社によって作られました。
大きな並行システムを構築する人が皆、GoogleやAmazonなどの人々のように関数に興味を示す理由はそこにあります。

アーラン:Erlang、並行処理指向のオープンソースソフトウェアプログラミング言語。並行処理/分散処理/耐障害性などの特徴を備えた関数型プログラミング言語およびその実行環境のこと

痛みと困難を味わいながら、そのような道を行くのです。

C言語やJava言語で何かを機能させようと懸命に取り組み、しぶしぶと腹立たしさを覚えながら形式手法を採用し、こうして関数型プログラミング言語をやってみてどうだったか。真実を教えてほしいです。

私たちは何をすべきなのでしょうか。
これまでの人たちが辿った道をただ行くだけなら、何度でも、10年、20年経っても、EVM界隈でまたこの過ちを繰り返していることがわかるのです。

他の皆が選んだ地獄へと続く道とまったく同じ道を選んでは、ステロイドを打つような真似をしています。なぜなら皆して、地獄へと続くその道でないと生きられないようにして、皆でその状態を分かち合わざるを得ない状態にしているからです。

それはいいアイデアとは言えません。
なので、もし、芭蕉のように良いアイデアを探してさまようとすれば、江戸時代なら自分が潰されないようにそれをするのは本当に大変だったと思います。強いて言えば、実行するのは本当に簡単で、生き残るのが難しいのです。

基本的に並列性に優れたステートレスな関数型のモデルが必要になります。

問題は、これをレイヤーで構築しなければならないことです。
そこで、去年も今年も、AlonzoとVasilでそれを実施しました。

私たちがしようとしていたのは、まったく新しいパラダイムを導入することでした。PlutusやeUTXOです。しかし、私たちは並列性や並行性を実現する方法を探る道を行きませんでした。なぜなら、現実的に、これを実現するには追加しなければならないものがいくつかあったからです。

これまでとは異なるデータ構造やコンセンサスプロトコルなどが必要で、今朝、皆さんにお見せしたのがインプット・エンドーサーの最初の実例なのですが、実際には私たちが言っていたような方法は、EVMのアカウントモデルでは実行できませんでした。実際には、eUTXOなどが必要で、ほかにはMithrilというのも素晴らしいです。

何年か前にPhil Wadler (Philip Wadler [コンピューター科学者]?)みたいに頭脳明晰な人々を雇いましたが、あちこちの部屋に素晴らしい人たちがいて、その人たちには自由に何かを構築してもらいました。

するとどうでしょう。その人たちは時間をかけて正しくそれを構築し、実に深く、慎重にそれについて思考していました。あまりのことに、開発者の何人かがうろたえ、今、欲しいのはそういう機能だったのにと怒る人たちもいて、CIP31、32、33になるまでに少し時間がかかりましたが、それをやり遂げたのです。まだやることはありますが、このモデルは基本的に健全で、インプット・エンドーサーなどとともに知るところとなり、いよいよ、スケーリング段階に入ります。

インプット・エンドーサー参考記事: https://coffeepool.jp/glossary/input-endorsor/

ここでしていることと、あちらでしていることをVoltaireによって連携させる必要があります。

これまでの私たち工学技術のやり方は、少し現実離れしている(象牙の塔)と非難されることもありました。ピアレビューのプロセスを踏んで論文を書いて、それが済むと形式仕様書を書いて、技術的な秘策をたくさん練って、最終的にはCIPのプロセスまで進んで、やがて、ハードフォークの日になるとコミュニティからたくさんお礼を言われます。

完全分散化とオープンソースのプロジェクトを望むのであれば、これでは上手くいきません。

なので、ある時点で塔を開いて、オズの魔法使いが姿を表し、コミュニティとともにそれを構築しなければなりません。インプット・エンドーサーがそれを実現する初の実例となり、プロトコルや設計に関する考察とこれを良い構想だと思う理由について私たちが書いた論文で明らかにしたように、BashoとVoltaireを美しく連結するのです。

MBOを構築し、技術スタッフを揃えて、コミュニティーメンバーが私たちとともに活動して、これを果たせば、そんな設計が変わっていくでしょう。IOはそういうコミュニティについてはあまり口にしませんでした。なぜなら、これは大きな仕事で、順番どおりではなく並列的に処理するシステムが報酬機能を変え、さまざまな方法で報酬を出すようになり、ステークプールがこの種の処理をこなす方法も変わり、これがシステムの膨大なオーバーホールとなるため、これを把握するには、皆で一緒に取り組む必要があるからです。

なので、私たちはいくつかのCIPを書いて、来年一杯はあなたがたと一緒にその内容に同時進行で取り組んでいきます。それは素晴らしい設計になりますし、コミュニティが取り組んで、その設計を構築して完成させるのです。なぜなら、一度、そこに行き着いてしまえば、何に関してもそれができるようになり、カルダノは真に完全分散化を果たしたことを世界に示すことになるからです。カルダノが真の意味で完全なオープンソースのエコシステムとコミュニティを持っていることになります。誰に頼るでもなく、共に活動する何百万人もの人々の自身の利益に依拠するようになるのです。

よって、それを果たすには、これこそが完璧なプロジェクトであり、プログラムです。複雑性もそれなりにあるため、カルダノの真髄を本当に深く理解する必要があります。あなた方は、ゲーム理論や、新しいデータ構造や2018年に書かれたパラレルチェーンの論文やその続編などについて語り、その結末、つまりトランザクションのレイテンシーとスループットなど、メリット・デメリットについて話し、それをどこに設定すべきか、おびただしい数のシミュレーションやモデル、問うべき多くの優良で興味深い質問について話し合っています。

そして、最終的には、どのセキュリティ前提が譲ってはならないものか、どの前提条件をもう少し磨けるか、いろいろな角度からみると興味深い疑問で、それは皆で一緒に取り組んでいくべきものです。ここまでがBasho計画の最初の部分です。この最初のコンセプトは未来のために私たちが計画したもので、PlutusやeUTXOなどの導入があります。これによって私たちに与えられたのは、暗号通貨分野で考えられるなかでも最もスケーラブルで高速で優秀なプロトコルが持てるという選択肢です。しかし、その選択肢については、あなた方コミュニティに声を上げてもらいます。

そして、一緒にそれを実行し、共に答えを見つけ出し、これをまた実行する。それで終わりでしょうか。いいえ、まだやることがあります。

問題は、もしカルダノが成功すれば、ブロックチェーンは本当に、私のように太ってしまうことです。

このプロジェクトを始めて以来、私は45ポンド(20 kg以上)太りました。それって、どうです?

ブロックチェーンが太るということは、そこで多くのことが実行されているということです。このプロックチェーン全体でこのようなものをダウンロードするのに3日も待つなんて、誰ができるでしょうか。

そんなことになりたくないので、これに関しては現実的に、もし、こんなことになりかねないなら、pgpを機能させていたでしょう。

PGP(Pretty Good Privacy):公開鍵の交換を事前に当事者間で行ない、その間で電子署名や暗号化されたメールのやり取りを可能にする仕組み

(第五回は以上)

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2022年12月01日

【第四回】カルダノ(ADA)IO ScotFestでのチャールズ・ホスキンソン氏の基調演説「The Age of Voltaire」全訳 21:13〜29:02 〜カルダノのメンタリティーと実績〜



2022年11月18日配信の上記の動画の内容です。



【第三回】の記事は コチラ

(以下、講演内容)


そこで、ホワイトボードに戻って、ほかにも理解しないといけないことがあります。

それがオープンソースの不思議な力で、失敗への恐れを取り除かなければというメンタリティーです。

皆が皆、正しい答えばかりを持っているというこの概念を排除しなければなりません。
私たちにあるのは、提案でありアイデアです。それが良いアイデアか悪いアイデアかを一緒に明らかにしてしていくのです。

ビットコインの大胆不敵さを思い出してください。
2008年、一室に男性や女性、チームが座って(作業して)いる(光景を)。2007年、構築にどれだけ時間がかかろうとも、私は、私たちが生成しているこのビットコインとは、自分のノートパソコンやコンピューターでマイニングをしなければならないものなのだと言っていました。

そして、そのようにマイニングをしていれば、やがては市場がそれ(ビットコイン)を形にして、人々がリアルマネーとトレードしたがるようになって、ついにはそれが力をつけて、カルトのごとく形成されて普及し、何千万人もの人々がマイニングされたこのトークンで生活したり、そのために特殊なマイクロチップやいろいろなものを作成したりして、ここで生きて行くようになるでしょうと。

これは相当わけのわからない狂気じみた内容で、2007年や2008年にこのような大言壮語を信じようと思えたでしょうか。
そんなことはないですね。この男は気がふれてるから出てってもらおうなどと言っていたことでしょう。

まさにこのとおりのことが起こりました。

なぜでしょうか?それは創設者自体が原因なのではなく、創設者が人々を引き入れるに十分な説得力があったからです。
そして、Hal Finney (コンピューター科学者) やMarty Malamiなどのような人々とともに3人でスタートし、成長していきました。

そこで、2017年のカルダノの大胆不敵さを思い出してみましょう。当時、私たちは「さて、我々は、このピアレビューによる研究を余すところなくこなし、暗号通貨の何たるかも知らないここに挙げた大学も参入させて、科学者を軍隊のように採用し、この分野で論文を書くことに自らのキャリアの最良の時期を費やすよう説得し、ピアレビューに生き残りを懸け、コンピュータサイエンスの問題を解決し、それが済んだら、この人たちに採用してもらい、上手く構築に取り組んでもらうんだ」などと自らに言い聞かせていました。

数字を挙げれば、カタリストに積極的に参加している人数は5万人を超えており、カルダノ上にローンチしたプロジェクトは100件以上、今後、あと1200件登場する予定です。

アクティブなウォレットは360万件、発行済みのネイティブアセットは600種類、強いて言えば、とんでもなく大きな妄想の寄せ集めで、ものすごく狂気じみているではないですか。でも、この狂気と寄せ集めが社会というものなんです。これを私たちはやり遂げたんです。

そして、来年もどうにかしてこのようなことをやるつもりで、Voltaire時代への扉を開く方法を模索するのです。

この現状を今、ここで見たって、現場ではこの数字が挙がっているのです。

知っている範囲でも、GitHubには729名の作成者がいて、コミット数は56,000、アクティブレポジトリが32件、 コードベースでのリリースがこれまでに139件、ステークプールが3,200個、1兆ドル相当額以上と思われるトランザクションが総計5,300万件、ウォレット数が360万件です。

ゴーストがたくさんいますね。
凄いでしょう?

私は、最初にホワイトボート動画を作成した2017年のときのように、私がこのホワイトボードに書いたことをこの組織やこのネットワークの一部の人々がきっと見てくれるはずだと思っていますが、どう思いますか?

この考えはとても面白いと思います。
私はアルゴリズム法が好きですので、それについて語りましょう。
実は、投票も好きです。1694を見てみましょう。
で、機関も好きです。良し悪しを分けるものは何なのかについて話しましょう。
良いガバナンスとは何か、悪いガバナンスとは何かについてです。

ここにその美しいものがあります。
この業界では、人々の誤りから学びが得られるのがオープンソースの性質であることもわかってきましたよね。

この中にFTXについて聞いたことがある人はどれだけいますか?(笑)
今回の破産申請について読んでみました。

現在、清算の手続きに入っているのはかつてエンロン社を担当した人だったので、素晴らしい文書でした。

なので、FTXはその担当者に来てもらって、いろいろな整理や倒産手続全般をやってもらったのですが、この担当者もエンロンの整理などいろいろやってきたけれど、人生でこんなにも深刻にガバナンスを欠いていて、企業ガバナンスの基本原則も見落とされている事例(←状態から変更)を見たことがないと書いています。

なのに、セコイアなどの優秀な人々も何億ドルもの資金をこれにつぎ込んでいました。
この人たちも皆、迂闊なことに、その状態で前進し、奮闘していたんです。

なので、たとえ、誰かが優秀で、カリスマ的で、驚くほど素晴らしくても、その人のやってることが好きでも好きでなくても、その人のことを世界一だなどと思っているとしても、これは私たち皆にとって、学びの時なのです。

そして、いつかは、良いガバナンスと良い機関を設置しないといけません。なぜなら、それによって皆が責任を負うようになるからです。それが、暗号通貨がくれた教訓です。

クリプトが失敗したのではありません。
倒れた暗号通貨などありません。
突然、ブロック生成を止めたブロックチェーンもなければ、取り引きを止めたDEXもありません。

繰り返しますが、人間は、誠実で信用に足る道義をわきまえた存在でいることが実に、実に苦手だということを自らが証明しています。

だからこそ、ブロックチェーンが存在し、このテクノロジーが実に信じがたいほど興味深いのです。なぜなら、最終的には、カルダノがそのニーズに応えるべく機能するだけでなく、世界を変えるものになるからで、私たちが金融オペレーティングシステムを持たない何百万人もの人々の金融OSになって、何もかもを変えていきたいと言うならば、私たちが実際に口にしていることが世界中をもっと誠実にしたいと言っているのと同義です。
私たちはもっと誠実になり、世界をもっと平等にしたい、人々が再び互いに信じ合えるようにし、もう一度、機関に信用が置けるようにしたいと思っています。

忘れもしない数年前、アメリカ疾病予防管理センター(CDC)で働く職員とバーで隣り合わせになろうものなら、たいていの人は、「わぁ、あの人たちは凄いね。防護スーツ着て、エボラ熱でも何でも厭わず闘いに行って、大変ですね」と言ったものです。

今では米国民の半数がそういう人を見て、「あの人は我が子に癌汁を打とうとしてる人だ」と言います。

機関というのは愛され、称えられ、もてなされるかと思えば、悪い情報が流れたり、間違いがあったりすれば、こうも早く失墜するものなのだということがわかりますね。

機関の立場がどれだけ強かろうと、信用されていようと、認証されていようと、1つ2つ意思決定を間違えたり、あり得ないようなことが起きたりすれば、その立場から離れて崩壊するのです。

大事なのは、ブロックチェーンテクノロジーを用いて、機関を入れ替えるか、増やすかして、悪いことをさせない、するべきじゃない、悪いことはするなから、悪いことができない状態にして、絶対的な信用が置けるようにできないかということです。

そのために私たちは、何はともあれ、明確にそれを達成できるものが欲しくて、ゼロナレッジの実験を始めました。

それが、険しいほどに哲学的なVoltaireで、我が人生で最も困難なことでした。その最も困難なことをご自身の人生の中であなたがたもやろうとしています。これはやり遂げなければならないので、私たちはそこに到達しましょう。この業界の失態にはかなりうんざりしているので、今こそ、私たちが何かを示して、それを正しい方法でやり遂げたと言えるときだと思います。まずは自分たちの庭は自分で世話をする。それが『キャンディード』の教訓です。

『キャンディード』(Candide):ヴォルテールの『カンディード、あるいは楽天主義説』(Candide, ou l'Optimisme)を原作とした舞台作品

なので、他の人のガバナンスについて苦情を言う権利を手にする前に、カルダノのガバナンスを整える必要があります。

おかしいですね。

人はいつだって世界を動かす方法は言えるのに、自分のベッドメーキングができないのです。
まずは自分のベッドメーキングぐらいしましょうよという話です。

おかしなことを直していきましょう。
それは単純なことです。私たちがVoltaireでやろうとしているのそういうことです。
私たちはこの業界全体に、良い人材になって、独自の面白いアイデアを提案、提供することは可能なのだということを教えるのです。

さて、もしあなたが学者ならどうでしょう。
これは、論文をビュッフェのように取り揃えて、新しいテーマをまとめて発表するというものです。民間の投票システムや、形式手法とアルゴリズム法の交差など、政治学の専門家の皆と一緒に論文を共同執筆し、コンピューター科学者らとともに発表してスマートな仕上がりを実感する。

楽しいことになりそうでしょう?
だから、私たちはスタンフォードなどに行ったり、ジョン・ミッチェルやアンディ・ホールの周辺にいる人たちと接触したり。

楽しくなりそうですね。
ここエジンバラにも素晴らしい人たちがいます。

そして、Voltaireの話はここまでにして、
次はBashoの話をしましょう。

(第四回は以上)


【参考】 FTXとEnronに関する記事


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2022年11月27日

【第三回】IO ScotFestでのチャールズ・ホスキンソン氏による基調演説「Voltaire時代」13:22〜21:13 〜ガバナンスに憲法や機関が必要な理由〜



2022年11月18日配信の上記の動画の内容です。



【第二回】の記事は コチラ


(以下、講演内容)

ホワイトボードに記載された内容

Rules(ルール、規則)
Constitution(憲法、規約)
↓CIP
Machine(機械)
Understandable(理解可能な)


基本的に、1台の大きな普通の機械としましょう。
そういうのはどうですか?
長い間、私がずっとやりたかったことで、来年、私たちはそれをCIP1694でやったのと同じように実行します。

これを書いていくんです。
他に良い言い回しが見つからないので、これを「CIP憲法」と言いますね。
いくつかのアイデアを出していきますから、それを気に入るか、気に入らないか、嫌だと思うかを見ていって、そのまま続けて、ワークショップでとことん検討して、最終的にこれならやっていけると思うことに行き着くまで続けるのです。

さあ、面白いことになりましたね。
投票システムがあれば、憲法を承認するために投票することができます。
どうですか?

憲法があれば、その本文を取り上げて、変換させて、再検討して、それぞれの取引に当てはめていくことができ、そのときに誰かがその取引に署名すれば、ソフトウェア利用許諾契約を締結したようなかたちになりますよね?

しごく簡単なことです。

それが分散型憲法、分散型ガバナンスについて話が始められる1つの方法です。

それがどこへ向かっていくかは見当がつきませんが、そこがVoltaireを選ぶポイントであり、理由でもあります。なぜなら、Voltaireは、生涯を通じて多くのエッセイを書き、さまざまな理由から民主主義についてかなりの批評をしていたからです。

しかし、それと同時にVoltaireは、いささか民主主義に魅せられている部分もあって、大変、逆説的な人物ではあります。直接民主主義や議会制民主主義、立憲民主主義など、その性質を対比させて考えてみると、そんな風になるのでしょう。

このような性質のものをいずれも機能させるには、何が必要かをよく考える必要があります。

また、だからこそ、私たちは一緒に生活していますし、一つになってそれを実行しているのは素晴らしいことです。

さて、3つめですが、私たちには institutions(機関) が必要です。

分散化で問題になるのは、実際には、分散化が行き渡ると、仲介者は残らず排除してしまおうとなって、間接的には機関というものを潰しにかかってしまうことです。

全員が王国であり、自己主権型の世界です。

?B Institutions(機関)
deal with complexity(複雑さに対処する)


いわば、機関とは、複雑さに対処するために私たちが構築するものです。

というのも、そこら中にいる人の多くが原子力発電所の建設方法に関してその分野の専門家ではありませんし、脳外科手術に長けているわけでもなく、暗号解読者だったりゲーム理論者だったりするわけでもありません。

そういう人たちはいることはいますが、そのような人たちは正式な学会としての機関や専門職同士の繋がり、報道機関、査読のプロセスや認可や証明書の発行を請け負う機関などを構築する傾向にあります。

なぜでしょうか?それは、自分たちがしていることには標準(standard)があると言おうとしているからです。私たちは人々にその標準に達していることを求め、その機関の集合的な知識をうまく管理してほしいと願い、その機関に貢献するのみならず、代々、それを受け継いでいける能力を求めているのです。

良い機関がなければ、良いガバナンスを持つことはできません。

素晴らしい憲法を持てるといっても、言論、宗教などの自由とは何かを本当の意味で理解する人がいなければ、そうはなりません。

最高裁判所なしでそこの憲法の意味を誰が解釈するのでしょうか。
法律学者がいなかったら、憲法とは何なのか(わかるでしょうか)。

素晴らしい民主主義があっても、
問題は、どのように意思決定を下すかです。

ADAホルダーの皆が皆、ゲーム理論やプログラミング言語などの分野の専門家だったりするでしょうか?皆、「もっとスピードが速くて安ければいいな。」と言うでしょう。それでいいです。それをする方法は26通りありますから。

では、どの方法から選びますか?
そう聞けば、相手は「メリットとデメリットは何でしょう(trade-offs)?」と聞いてくるでしょう。
そう、誰か助けてくれる人がいればいいのにということです。政府に目を向けてみれば、米国には、議会予算局や米国会計検査院があります。

Think Things Tank(定訳なし。シンクタンク?)があります。
あらゆる種類のものが存在し、複雑な物事を分析して、報告書を書くというサービスを提供しています。
また、人は「それについてはここでは賛否両論あって、党派心の強い人、特に政治的に偏った人もいれば、中立的な人もいるんですよね。」と言ったりもします。

そのような人々から何らかのかたちで同意を得るには、機関を利用するのが一番です。

なので、カルダノがプロトコルとして成功するためにカルダノが求める機関とは何かについて、私たちは多くの思考を重ねました。

そして、私たちはこれを皆さんに投げかけて検討すればいいとの考えを思いつき、これを「MBO(Cardano members-based organization=カルダノメンバーベースの組織)と呼ぶことにしました。

ところで、これは下手くそなネーミングですから、まず、ビジネスの順番として、皆さんがやるべきは、ネーミングを考え直すことです。

そういうわけで、私たちは、さまざまに異なる関心事を寄せ集めてフィルタリングする(篩にかける)ポイントとしてMBOを築きました。
私たちは年初からこの話し合いを始め、さまざまなオープンソースのプログラムやプロジェクトと?み合わせました。

Linux財団やApache(Apache HTTP Server)の人たちなど、あらゆるところにかけあって、カルダノ財団がしたように、オープンソースの専門家を雇ったりして、結論としては、とにかく何かやってみようということになりました。メンバー自身で運営、実行し、委員会のスタッフを揃えて、優良なオープンソースプログラムに見えるようにし、技術運営委員会、ガバナンス運営委員会などもやっていけるものを設立するんです。

そして、皆に参加してもらいます。
ADAホルダーなら誰でも参加できて、カルダノ上で何かを構築することができるし、歓迎しますよ。カルダノは、私のものであるのと同じくらいあなたのもので、そして他の皆のものでもあるのですから。

ここで大事なのは、カルダノの日々の複雑さを篩にかけ、ロードマップのようなものに集約し、CIPプロセスを導いて、物事のあらゆる複雑性を整理できるよう支援することです。なぜなら、最後に投票権を手にするのはあなただからです。でも、投票しようとしているものに関してちょっとしたアドバイスをくれるところがあったらよくないですか?

あなたの選択することについて、支配する人はもういません。

そういうことです。

ショーを演じているのはIOではありませんし、長いことそれはやっていません。
明らかに財団でもありません。
私たちではないんです。
さて、それは何を意味するのでしょうか?

それは、運営するのはあなただということです。
それが、私たちがあなたに託さなければならない信用で、私にできるのは、機関を構築することや憲法を書くのを手伝ったり、私が思うことについてガイダンスを提供したりすることだけで、発言権をあなたに委ねるのが一番良いのですが、最終的にはその発言権はあなたの、あなただけのものなんです。

(おさらい)
?@ Representation(代表制)
Consent(同意)

?A Rules (ルール、規則)
Constitution(憲法、規約

?B Institutions(機関)



これまでになく初めて、多くのコード、多くの設計が、実に素晴らしく参加率の高いスケーラブルな投票システムになっていきます。

皆さんは何らかの方法でこのシステムに紐づけるデータを保有しています。

憲法やそのようなルールを書き終えて、ある程度のことが盤石になってきたことにカルダノの全ユーザーが絶対的な確信を持てるようにし、変更については圧倒的な必要性に迫られ、そのプロセスが明らかになるまでは変更できないようにします。

そして、必要な透明性のある機関を特定したら、MBOがフィルタリングと集計ポイントとなります。私たちも含めて皆で集まって、互いに話し合う場所にするのです。私たちにはそういう場所が切実に必要だからです。


しかし、必要としているのは機関だけでなく、注意深く見ていれば、私がゆっくりとこっそりと学術界に「Hoskinson Center for Formal Mathematics(形式数学のためのホスキンソンセンター、カーネギーメロン大学)」のようなものを作ったり、ここではエジンバラ分散化インデックス(指数)(EDI)を用いたことをしていたりするのに気付くでしょう。これもある意味、機関として機能しているものですが、EDIの場合、特殊なこともしています。ここにいる皆さんは、選んだ選択肢がカルダノを中央集権化させるものか、分散化するものかを理解する必要があります。

また、人は物の見方が偏る傾向にあるため、忠告してくれる客観的で中立的な組織が必要です。
EDIはあなたの北極星になります。
機械に憲法を理解させるなら、証明や形式言語を書き記すことに長けていなければなりません。おそらく、巷の優良なセンターなら、この手のことを考え、数学のためにそういうことができるんじゃないかと思います。

なかには、自由に実現するのに何年もかかるものもありますが、それ以外は、すでに来年には使えそうです。しかし、ここに挙げた要素をまとめ上げるには、ここがVoltaireの重要なポイントになります。

さて、私たちは何百万ドルにも相当する提案をし、このMBOの設立を支援しますが、細々とした悩みはたくさんあります。

しかし、これには間接的にでもあなた方に署名してもらう必要があり、そうでなければ、存在はできません。

(第三回は以上)

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2022年11月26日

【第二回】IO ScotFestでのチャールズ・ホスキンソン氏による基調演説「Voltaire時代」5:41〜13:22 〜ガバナンスの基盤について〜



2022年11月18日配信の上記の動画の内容です。



【第一回】の記事は コチラ

(以下、講演内容)


ご存知ないかも知れませんが、IOは、カルダノで稼働している15社の企業のうちの1社にすぎません。IOG、他の企業、何らかの形態で一緒に働いている職場などに、700名の従業員がいて、ここばかり(後半2名のBashoとVoltaire)ではなく、その前の時代(Goguen)のこともやったりしているんです。

ところで、本当は、これ(Goguen)については、「Goguen」と名付けるべきではなかったと後悔しています。ここは、Grace Hopperにちなんで、「Hopper」にすればよかったですね。
良かったことも間違えたことも話しましょう。

Goguenは好きで、良い人ですが、女性がいないのでね。

そして、私たちはBashoにもVoltaireにも取り組みました。
では、今日のトピックであるVoltaireについて少しお話ししましょう。それからBashoにも少し触れ、2023年はどこに向かって行くのかも話します。そして、最後にスペシャルサプライズがありますので、そのことも話しましょう。

なので、少し順番が前後しますが、講演のタイトルが「Voltaire時代」なので、最初にVoltaireについて話します。

良いガバナンスとは何か、わかる人はいますか?
一体、ガバナンスとは何を意味するのか、知っていますか?

私は、自分や多くの社員が科学者や事業家、法律の専門家に尋ねた質問をし、私たちが思いつけるかぎり最も答えに近いと思われる内容も交えて、3つのカテゴリーに分けてお話しします。皆、例のホワイトボードの動画が好きでしたね。それがわかったので、もう1本ホワイトボード動画を撮りましょう。

懐かしいですね。
(Voltaireの顔が動くのを見て)それにしても、気持ち悪いなぁ。

まず、最初に、” representation(代表制) ”と” consent(同意) ”という概念を挙げましょう。
これがあらゆるガバナンスの基盤になります。
実にこの最初の特性が幹になっています。

?@ Representation(代表制)
Consent(同意)

CIP1694
a. SPO delegation(SPO委任)
b. Update System(アップデートシステム)


仮に何か悪いことが起きたとして、それが合意の上であっても、承諾したことであっても、自らが関与していたことでも、偶然起きたことでも、民主制と独裁制の違いがあなたの手の届かないところで生じてきます。つまり、独裁制なら、悪いことが起きれば、誰が悪いか判断を下すのは常に王であるということになります。

そして、民主制なら、そこに誰かを入れるにつけ、自分が何をするにつけ、
それを決めたのはあなたですよね?(意訳)

代表制ですが、代表制を実施する方法はいろいろとあります。
実際に自分が投票する直接代表制もありますし、
自分の権限を他の人に託す代理権というのもありますね。
自分の声を上げるために選んだ役人がいれば、その役人があなたの怒りを象徴する存在になってくれたり、どうなってるんだと声を上げたりする政党もありますね。

このようなことを何千年経った今でも私たちはやってきているわけです。この制度を生み出したのはギリシャ人で、その功績をわかっているのだから、ギリシャ人がこのプロジェクトに取り組んでくれたらいいですね。

なので、まず、私たちに必要なのは、代表制と同意(という概念)です。
今日、私たちはあるCIP(カルダノ改善提案)を発表しました。

そのCIPの番号を知っている人はいますか?

その番号の何がそんなに特別なのでしょうか?

(会場から答えが出た)

正解です。Voltaireの誕生日です。(1694年)
その提案に名前を付けるなら、4桁のその番号、そう、Voltaireの誕生日にちなんだ番号がいいと思ったのです。

そして、ステーキングにも私たちが再利用している仕組みがたくさんあります。

そうですね、SPOのようなものとか、権限の委任のようなものなどです。

オンチェーンで何か、たとえばアップデートシステムなどを搭載するとか。
Twitterを見るとそのようなことをよく思い出します。

私たちには素敵なものがたくさんあるんです。
そこで、今現在、問題なのは、投票制度にそのたくさんの素敵なものを利用するに至っていないことです。
(ただ)私たちのネットワークの74パーセントが委任によってステーキングに利用されるところまでは来ています。

何千人ものステークプールオペレーターがいます。
それは、とても堅牢でしなやかな強さを備えた制御能力、管理能力になっています。

制御能力、管理能力という意味では、私たちは、最も分散化されており、Shelley時代は成功しています。

なので、私たちがしたのは、そのような仕組みを取り上げ、オンチェーンでの代表制に再利用しようというものでした。

そこで、私たちは「d-rep」、つまり委任代表というこのコンセプトを導入しました。

Catalystに参加したことがある人にとっては、このコンセプトは新しくはありませんね。なぜなら、そこからこのコンセプトがスタートしたからです。私たちは物事を伝え、温めては生み出していくのが好きなのです。いくつかの選択肢を提供するのも好きです。

また、何が素敵かって、(d-repとして)SPOに登録してもらったり、SPOがd-repとして登録したりすることもできるし、d-repに委任したい人は委任して、そのd-repたちがオンチェーンでのアップデート(新しい提案)に投票することができるんです。.

いいでしょう。これは面白いですね。

さて、実際にはこれが難題なのです。

アップデートを承認して、これについて話し合う必要がありますが、
これはほんの始まりにすぎません。

(CIP)1694については、今現在はGitHub上でということになりますが、自由に討論ができます。
何千人もの人々が、(センテンスに?)ピリオドを打つべきだったかどうかとか、いや、それは切らずに続くセンテンスなんだとか、何を言っても猛烈な反対を受けたり、それは良いことだと言われたりと、何につけてもとても強い意見を言ってきます。

そういうプロセスに参加する人々を集めてグループを作り、その人たちをQ1のワークショップに引き入れて、とことん話し合って、できるだけ早くこのCIPの承認を得るのです。

私たちは書いたことを構築する方法を知っています。

根本的な変化があれば、少し長い時間がかかるかもしれませんが、共にそこに行き着くことはできるでしょう。
皆さんが政府になったっていいし、データ(情報)を持っている人にそれぞれ意見を言ってもらってもいい。その人たちは私たちと共にやってきたのですから。

さて、ここで終わりでしょうか。違います。2番目になりますが、私たちにはある程度のルールが必要です。
通常は、これをConstitution(憲法、規約)とも言いますね。

?A Rules (ルール、規則)
Intent(意図) Constitution(憲法、規約)
↓CIP
Machine (機械)
Understandable(理解可能な)


なので、憲法と呼ぶなり、規則と呼ぶなり、呼び方はいろいろですが、ライセンス契約を使ったりもしますね。
このようなものが51%(半数以上)に投票権がなく、自分の資金を十分に取得することもできないような衆愚政治からあなたを守る権利となります。あなたには財産権というものがあるからです。では、それはどこから来るのでしょうか。神から来るという人もいますが、まあ、憲法というのは神の意志を取ったものですね。

それが政府の解釈で、自然権、宗教の自由、言論の自由などになります。

他人からの攻撃からあなたを守るのが、このような自由、このような負の権利です。

規則は、そうですね、プロトコルとなるとなぜ複雑で、カルダノとしては興味深いものとなるのか。それは、ある程度の基礎的なルールや基礎的な概念がないからです。

たとえば、カルダノに参加すると大多数の人が、たぶん、ADAを450億枚よりも増やしてはならないというのをとても良いルールのように考える傾向にあります。

ビットコインにしても同じで、ビットコインを見てみると、ビットコインは2100万枚を超えてはなりません。そこにはアルゴリズムというものがあって、技術的にはこれを変更することはできますが、それでもそのアルゴリズムを使います。金融政策がころころ変わっても、人にはこうと信じているものがまだあるのに、それでもその信じたことと中央銀行のデフレ政策とを好意的に比較対照するでしょうか。そんなことはないでしょう。

なので、おそらく、ある程度のルールを書き、憲法(規約)というものを一緒に考えて、承認を受ける必要があります。何が本当にワクワクするかって、これは、コンピュータサイエンスの行使でもあり、それと同じくらいにガバナンスの行使でもあることです。なぜなら、コンピュータサイエンスの領域で起きてくる違いとは、憲法を機械が理解できるようになるということだからです。

一体、それは何を意味するのでしょうか。
そうですね、私たちにはカルダノのためのこのような仕様がありますし、青写真(基本的な枠組み)もあります。
設計については、何がカルダノで何がそうでないかを示すこのような概念があります。

台帳やコンセンサスのスペック、言語に関する正式な仕様などもあって、これを正しく書けば、実際、それをアップデートシステムと連携させる程度までコンピューターに理解させることができます。こうして、第一世代(の仕組み)は、憲法について人間の意図を合意に至らしめることができますが、その単位が何日から何週になり、何週から何カ月になり、何カ月から何年にもなってくると、長年の待望がその意図を汲み、実際にプロトコルによって理解できるものになります。これが、私たちのオンチェーンガバナンスシステム全体、つまりこの2つの概念を意味するということです。

(第二回は以上)

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2022年11月25日

【第一回】IO ScotFestでのチャールズ・ホスキンソン氏による基調演説「Voltaire時代」〜05:41 〜カルダノの古き良き時代から現在に至るまで〜



IO ScotFest Keynote with Charles Hoskinson

2022年11月18日配信の上記の動画の内容です。



(以下、講演内容)

皆さん、こんにちは。
ここに来れて嬉しいです。

6年前、私たちはここエジンバラ大学の人々とともに旅をスタートさせました。
研究所を立ち上げましたが、とても小さく、費用はわずか25万ドルでも、当時の私たちには高額で、実際、皆、エコノミーで移動して、十分なお金もなく、格安(←激安から修正)ホテルに相部屋で泊まっていました。

6年前、私たちはここエジンバラ大学の人々とともに旅をスタートさせました。
研究所を立ち上げましたが、とても小さく、費用はわずか25万ドルでも、当時の私たちには高額で、実際、皆、エコノミーで移動して、十分なお金もなく、格安(←激安から修正)ホテルに相部屋で泊まっていました。

でも、カルダノやカルダノが必要としていたものに向き合ってみると、とても大掛かりな仕事で、当時は夢でしかありませんでした。奥深い研究が必要でした。合理的とは思えない量の研究が必要で、合意に至るには新しいやり方を考えなければなりませんでした。まったく新しいアカウンティングモデルを発明し、独自のプログラミング言語を書くか、少なくとも既存の言語にバリエーションを加えなければなりませんでした。ガバナンスや相互運用性についても考える必要がありました。基本的に科学者軍団を育てる必要があり、それ自体が大仕事でしたが、その後は実際にコードを書いて実行する必要がありました。

そして、それは信頼性の高いコードでなければならず、Windows、Mac、Linuxサーバーなど、多くの種類の異なるコンピューター上で機能させなければならず、長い旅でした。

作業量が多く、実際、相応しいエンジニアもおらず、当時の私たちは正しいアイデアが出揃っているわけでもありませんでした。

だから、Byronリブートのようなことがあるのです。あの良き時代を覚えている人はいますか。だから、途中でミスもしたし、あなたがたも調べれば私たちがしてきたことや、やろうとしていたことが全部見れると思いますが、そのプロトコルは過去の遺物のようです。

これでも、人生で多くのことをやり直すのは好きな方です。
でも、ただただ前進し、前面に出て行かなければならない状況は、なかなかわかっていただけないと思います。

この6年で何が特別だったかと言えば、あらゆる市況に耐え抜くことができただけでも精一杯だったはずなのに、成功することまでできていることです。
私たちは景気が下向きのときにスタートしましたが、ビットコインは250ドルでした。当時を覚えていますか。(BTCは)1200ドルからの下げで、クリプトの見通しはよくはなく、18カ月半も停滞していました。

特段、私たちに注目する人もいませんでした。
Mount Goxが崩壊、Silk Roadも崩壊した。
このようなクリプトは、現れては去って行く一時的な熱狂だと思われていました。

2017年、私たちはカルダノをローンチしました。強気市場の絶頂期でした。
(カルダノは)雑草のようにぐんぐん伸びて、その後、1.48ドルから2セントに下落しました。
確か、ビットコインは20,000ドルから4,000ドルに下落しましたが、皆さん、覚えていますか。

そして、業界では「ああ、これも一時の熱狂だ。」との声が聞かれました。
いろいろと大変でした。強気相場あり、弱気相場あり、その間に多くのことが起こります。

私たちはパンデミックもともに経験しましたね。
ビジネスのやり方もすっかり変わりました。
かつては、あれやこれやとワークショップを開催し、私も出ずっぱりで働いていたものです。わずか3年の間に50カ国を旅しましたが、過去8年では、これまでに72カ国にもなり、とても長い道のりでしたが、普通なら、少し不機嫌になったり、疲れたりするところ、私は、「韓国だろうと、日本だろうと、飛んで行くよ。14時間の旅と時差ボケだけなんだから、問題ないし、そっちに行くから一緒に過ごそうよ。」という感じでした。

なぜなら、こうすれば私たちは友好な関係を築くことができるからです。
COVIDによって、私たちは近づいたり、触れ合ったりすることができなくなり、繋がりを失いました。
2年間も孤立し、隔離されていました。

そして、多くの不確実な情報が流れ、その間にも市場は血に染まっていきました。クリプトはこの先どこへ行ってどうなるのかさえわかりませんでした。

私たちが諦めたかって? いいえ、耐え抜いて、どんどん進んでいきました。
Shelleyもやり抜いて、これが大きな業績となりました。
Shelleyはかなりの大仕事でした。

プルーフ・オブ・ステークをやると口にするのと、実際に実行するのとでは話が違うということです。

そして、私たちはやり遂げました。これは特別な気分です。

なおかつ、この業界が腰を抜かすほど見たこともないようなベストな方法でこれを実行したのです。
イーサリアムがこれをローンチしたとき、流動性のないカストディアルステーキングのようなことを実施しています。あちらの人たちは、「ちょっと待って。(ステーキングとは)そういうふうにやるものではないんですか?」と言います。こちらでは、実際にそのようなやり方はしていないと答えます。(そのようなやり方では)十分な安全性を確保できないのです。2020年ならカルダノもそういうやり方をしていましたが(たぶんITNのこと)、今は2022年ですから。

私たちはスマートコントラクトもローンチしました。スマートコントラクトといってもまったく違う方法で実施したので、これもすごく大変でした。
スマートコントラクトのやり方としては正しいと思います。
正しく物事を実行する際の問題点とは、子供にブロッコリを食べなさいと言うようなものです。
子供はブロッコリを食べたがらない時もありますね。
今は、Marloweなどを試していますが、まあ、ブロッコリにチーズを載せるようなもので、それでもブロッコリはブロッコリなわけです(会場:笑)
まぁ、それでも美味しいでしょうけど。
そう言えば、名前は伏せますが、決してブロッコリを口にしないので有名な(米国の)大統領がいましたね。

そう、それで私たちはPlutusを世に出しました。
それにしても自分たちでやったこととはいえ、後ろの方でまだなんか…。このディープフェイクが気持ち悪いなぁ…。(笑)

私たちは、技術的にはここ(Goguenの前)ですが、多くの作業をしながらずっと取り組んでいたのはここ(Bashoの前)とここ(Voltaireの前)です。

(第一回は以上)

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