「あちゃぁ〜〜〜 肌荒れすごいなこりゃ」
飲みすぎたわけでもなく、寝不足でもない。
「油もの食べ過ぎかぁ〜(;'∀')」
健康診断の結果が出たばかりの龍之介だが、肝機能は比較的良い。
が・・・総コレステロールと悪玉コレステロールの値が共に高い。
「にきびだな、これゃぁ」
>笑いごとではない
日頃の運動不足もあり、スーパーを共にする薬局へと散歩がてら
足を運んだ。薬局までは一本道なのだが、路が狭いわりには交通量が
多く、歩行するのがなかなか困難である。
「よし、見知らぬ路地を攻めてみるか」
単身赴任先のまだ慣れない土地。しかも普段は車での移動。
歩くことなどめったにないのである。
龍之介は方角だけ信じて、路地を歩いた。時には家と家の間、50cmほど
に狭くなったり、お墓の横を通ったりして、それでも目的地には無事に辿り
ついた。
>肩になにかのっかってるけどね
わおっ
肌荒れを気にした龍之介は、目的としていたピーナッツや牛乳などの
他に、栄養ドリンクを買ってレジを済ませた。
「やっぱ街にはきれいな女の人が多いね。う〜んでもあの人の目つきワルッ
お願い、こっちはみないでよ。」
夜勤専門の龍之介には、日中の太陽はまぶしすぎる。
ややよろけながらも、覚えたての路地とまだ通ったことのない脇道を
楽しみながら歩いた。
>未知の道
路地には50cmほどの小川がさらさら流れており、この流れに乗ったら
家まで帰れるんじゃないかな、などと想像しながらてくてくと歩いた。
>一寸法師ならね
やがて道は開かれ、見覚えのある家が現れる。
>後光が指す
「ただいま。いい運動になったわ。」
元気よく帰った家には誰の返事もなかった。
>おかえり
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