高校受験を来年に控えている龍太郎が、父の趣向に気を使ってなのか、
龍之介を誘った。
「いいねぇ、じゃああずきも一緒にお馬さんを見に行こう。」
仕事の嫁ちゃんには気の毒だが、久しぶりに3人で
長時間のドライブを楽しむことにした。
龍之介が後部座席を振り向くと、龍太郎は爆睡している。
助手席のあずきも、もちろん爆睡中。
(T-T )( T-T) ウルウル 淋しい
到着した、龍之介たちは眺めの良い競馬場に心も踊る。
小さな子供たちもたくさん来場していて、遊具で遊んだり、広い敷地を走ったりしている。
「なつかしいなぁ」
あれは、龍太郎がまだよちよち歩きの頃、ここでころんで、
低い鼻を、さらに低くなるくらい擦り剥いた想い出のある場所。
「あの龍太郎が、もう、こんなに大きくなって。」
単身赴任している龍之介は、見るたびに大きくなる龍太郎と
身長がほぼ変わらなくなってきている。
反抗期ピークに比べると、心の成長もみられ、龍之介にとっては
喜びでしかない。
そして、ふと振り返ったあずきは、まだまだ小さく幼い。
「可愛い、あずき」
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