二人きりで、映画鑑賞だ。
「ねえ、俺たちも近くまで連れてってくれる?」
「俺たち?!」
龍太郎はどうやら、映画館近辺でデートをしたいらしい。
車の前には龍之介とあずき。
後部座席には龍太郎と彼女。
なんとも会話がはずまない。
それもそのはず、龍之介は照れ屋で初対面の人とはなかなか話ができない
どころか、まだ、相手は中学3年生である。
また、あずきも無口に。あずきが口を挟むと、兄の機嫌が悪くなるから
であろう。
「気をつかうなぁ」と、龍之介は思っていた。
映画館付近のデパートに付き、二人を下した龍之介は
映画館に到着した。
あずきのためのポテトとポップコーン、そしてドリンクを購入。
「ドリンクのサイズはどうする?」
「Lで!」
「L?!」
サイズもでかいが、出て行くお金も出かい。
Lサイズ450円のジンジャエールは大人ぶってみえる。
映画はローグ・ワン スターウォーズ 3D
近視で眼鏡をかけている小顔のあずきは、3D眼鏡がずり落ちる
らしく、上映中にふとあずきを見ると、3D眼鏡をはずして観ている
ことが多くて、なんだかそれが可愛かった。
また、Lサイズのドリンクも途中、トイレに行くことを余儀なくさせた。
終盤、そのタイミングでお兄ちゃんから連絡があり、
もう、帰りたいと車で待っているらしい。
エンディングのテーマソングを聴くことを諦め、映画館をあとにした
龍之介たちだが、あずきとのデートは忘れないものになりそうである。
「可愛かったな、あずき」
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