ニュートン 別冊ゼロからわかる心理学 知れば知るほど面白い!心と行動の科学 から
監修 横田正夫 2019年3月5日発行 ニュートンプレス
心理学の巨星たち
心理学は100年ほど前に生まれた?A
フロイトの精神分析が、心の病気の治療を革新した
一方、「臨床心理学」の分野は、
19世紀の終わり頃に大きな発展を見せました。
きっかけとなったのは、
オーストリアの精神科医である
ジークムント・フロイトが
「精神分析」を始めたことです。
フロイトは、当時、神経症と呼ばれていた病気の人々を治療する中で、
「無意識」
の概念を生み出しました。
幼少期の重要な他者(両親)との関係性に問題があると、
そこで生じた葛藤が
無意識の中に「抑圧」され、
大人になってから
病気の症状として出てくると考えたのです。
フロイトは、患者を横たわらせて自由に語らせる「自由連想法」や、
患者の見た夢を分析する「夢分析」を用いながら、
患者の無意識の中にある欲求や葛藤を、
患者に自覚させるようにしました。
これが精神分析の始まりであり、
フロイトは精神分析を使って多くの神経症の患者を治療したといいます。
フロイトは、多くの心理学者に影響を与え、臨床心理学の発展を後押ししました。
フロイトに影響を受け、
のちにフロイトの理論とは対立しながら独自の理論を作り出した著名人として、
スイスの精神科医 カール・グスタフ・ユングと、
オーストリアの精神科医 アルフレッド・アドラーがいます。